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孤児と大罪を背負う英雄
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幾つかの魚の死骸を踏みながらも地下へと続く階段を進んでいく。
進んでいる最中何度か壁側に扉がありその先は居住スペースが広がっていたが調べても…まぁ自分の求めているものは何も出ては来なかったためもういちいち調べることはやめた。
出てきたものといえば人面をした奇妙な魚の死骸ぐらいだ。
自分としては魔法陣とかが出てこなかったから残念でならないが多分だがアレはアルキアンが探し求めている行方不明となっていた魚人族の成れの果てなのだろう。
まぁだからなんだという話ではあるのだが…求めるものがないからねあまり私には関心とかは惹かれないわけだよ。
コレが例えば悪の化学者が魚人族を奇妙な魚に変えたのだった~とかならその研究レポートを拝借して読んでみたいとは思うのだけども。
多分あの口をぱくぱくさせてたのはエコーロケーションで何か言ってたのを思うとここ神殿だし神の賞賛とか祈りだったとかなのだろう。
だからこそ私はこの国の神話に出てたある神話では圧政を敷く国を救う正義の聖神としてある時は国を陥れ深海に封印された邪神として綴られる存在が元凶なのではと思うわけだよ。
そんなことを考えながら進んでいくと少し開けた空間へと出た。
空間の中心にはアルキアンがただ一人ポツンと佇んでおり…その空間の床は魔法陣が描かれていた。
「あっ…レナようやくここまで来たんだね。ちょっとこの先のことを聞きたいんだけどさ」
私はアルキアンの言葉なんて無視してその空間の床に描かれている魔法陣をよく観察することに集中する。
コレだけ地下にありながらもきちんと動作はしており重力を入った者を対象にかけるといった水の浮力を無視し水圧すらも無視するという私の知らない魔法陣を脳に焼き付ける。
あぁ何故う海の中にコレがあるのだろうか…地上だったらちゃんと記録できるというのに。
見るたびに新しい魔法陣が覚えていくのを脳で実感する。
床に傷をつけながら書いているから劣化はしている…コレでもちゃんと動作しているってのは奇跡に近いかもしれない。
そして神殿の大事な部分だからだろうか上の床には使われていない素材を使っているみたいだ…何かしらの魔物の鱗を粉末にして混ぜたものだろうか?
魔法陣としては私が使う幾つかの魔法陣を重ねて全く違うモノを生み出す合成魔術に似ている…いやどちらかというと重複魔術かな?
基礎となるものは平凡な結界を作り出す魔術ではあるがそれに重力を操るのと範囲を大きくする広域化の支援魔法陣とちょっと私にはわからないが多分だけど水に属する種族限定にステータスアップ系のバフを付与するのもある感じだ。
過保護というか何というかだが遠距離攻撃でかつ敵を中に入れさせない限り非常に使い勝手の良い魔法陣であると思う。
「コレを常時展開発動し続けるとなるとどれくらいの魔力が必要になるのだろうか…それこそ一日、どれだけ低出力で発動して大体常人の魔力を丸々八人分ぐらい必要になるんじゃ…いやここは仮にも神殿だし地上の教会からの祈りと同時に魔力を回収するとかの機構があるのか?いやそれはあまりにも現実味が…ブツブツ」
「あ、あのレナさ~ん?」
そんな思考の沼にハマっているとアルキアンから水の中なのでくぐもった声をかけられそちらを向くと困った顔をしながらこちらを見つめる。
私がアルキアンの方を向くとゆっくりと指を壁の方へと向けてそしてまた私の方を向いた。
コレは…困っているんだろうなと何となく感じる。
私は一度魔法陣に対する興味と考察の思考を分離させ隅に追いやるとメインの思考を引っ張り出して壁を注目する。
壁は…床の素材と同じ感じで上の壁に描かれていた模様のような何かがあるな。
この空間の入り口となっている階段側の対面には文字が壁にあり結構古い文字で描かれている…私はあんまり記憶にはない文字だが確か共通語と似た感じだし共通語みたいに読めばオケと脳内の私が記憶していた気がする。
まぁそれがちゃんとした訳ではないにしてもね…一応読んでみることとしよう。
「えーと…『生命の源、天の輝き、堕ちる、闇の瞳、上、供物、王、捧げる、封印、信徒、繁栄』単語しか分からないなぁ」
「そっかぁ…と、そろそろ切り上げないとまずいな。帰ろうかレナ」
私はあんまりその言葉の意味を理解せずにアルキアンの言葉に従い後ろをついていくこととした。
まぁ多分だがそのまま見た感じに行くと王を神に捧げて神の信徒となることで繁栄を齎すこととしたっていう話だと思うのだが…てっきりここにはその神話にもあった神を封じているのかと思ってたんだが王を封じるモノだったのかな?
となるとその魚人族が祈りを捧げる神ってのはどこに居るんだろうか?
そんなこんなでここまでクソ長い階段を下りてきてまたその階段を登ることを理解してげんなりとしている時だった。
上から何かが落ちてきたと思うと目の前にアルキアンが飛び込んでそれを腰に刺した長剣を抜剣する。
その落ちてきたのは…頭が二つにバッカルコーンのように割れそれが口のようにパクパクと動き魚人族の下半身を持つ異形の存在だった。
「面倒なことになったようだよ…」
そうアルキアンが言いながら上を指差しそれに釣られ私が上を向くと階段の上に幽鬼のように不安定に揺れながらグジュグジュと音を立て肉塊を這いずり動きながら近くの存在に吸着し新たな命が芽生えるといった冒涜的な光景を目にした。
進んでいる最中何度か壁側に扉がありその先は居住スペースが広がっていたが調べても…まぁ自分の求めているものは何も出ては来なかったためもういちいち調べることはやめた。
出てきたものといえば人面をした奇妙な魚の死骸ぐらいだ。
自分としては魔法陣とかが出てこなかったから残念でならないが多分だがアレはアルキアンが探し求めている行方不明となっていた魚人族の成れの果てなのだろう。
まぁだからなんだという話ではあるのだが…求めるものがないからねあまり私には関心とかは惹かれないわけだよ。
コレが例えば悪の化学者が魚人族を奇妙な魚に変えたのだった~とかならその研究レポートを拝借して読んでみたいとは思うのだけども。
多分あの口をぱくぱくさせてたのはエコーロケーションで何か言ってたのを思うとここ神殿だし神の賞賛とか祈りだったとかなのだろう。
だからこそ私はこの国の神話に出てたある神話では圧政を敷く国を救う正義の聖神としてある時は国を陥れ深海に封印された邪神として綴られる存在が元凶なのではと思うわけだよ。
そんなことを考えながら進んでいくと少し開けた空間へと出た。
空間の中心にはアルキアンがただ一人ポツンと佇んでおり…その空間の床は魔法陣が描かれていた。
「あっ…レナようやくここまで来たんだね。ちょっとこの先のことを聞きたいんだけどさ」
私はアルキアンの言葉なんて無視してその空間の床に描かれている魔法陣をよく観察することに集中する。
コレだけ地下にありながらもきちんと動作はしており重力を入った者を対象にかけるといった水の浮力を無視し水圧すらも無視するという私の知らない魔法陣を脳に焼き付ける。
あぁ何故う海の中にコレがあるのだろうか…地上だったらちゃんと記録できるというのに。
見るたびに新しい魔法陣が覚えていくのを脳で実感する。
床に傷をつけながら書いているから劣化はしている…コレでもちゃんと動作しているってのは奇跡に近いかもしれない。
そして神殿の大事な部分だからだろうか上の床には使われていない素材を使っているみたいだ…何かしらの魔物の鱗を粉末にして混ぜたものだろうか?
魔法陣としては私が使う幾つかの魔法陣を重ねて全く違うモノを生み出す合成魔術に似ている…いやどちらかというと重複魔術かな?
基礎となるものは平凡な結界を作り出す魔術ではあるがそれに重力を操るのと範囲を大きくする広域化の支援魔法陣とちょっと私にはわからないが多分だけど水に属する種族限定にステータスアップ系のバフを付与するのもある感じだ。
過保護というか何というかだが遠距離攻撃でかつ敵を中に入れさせない限り非常に使い勝手の良い魔法陣であると思う。
「コレを常時展開発動し続けるとなるとどれくらいの魔力が必要になるのだろうか…それこそ一日、どれだけ低出力で発動して大体常人の魔力を丸々八人分ぐらい必要になるんじゃ…いやここは仮にも神殿だし地上の教会からの祈りと同時に魔力を回収するとかの機構があるのか?いやそれはあまりにも現実味が…ブツブツ」
「あ、あのレナさ~ん?」
そんな思考の沼にハマっているとアルキアンから水の中なのでくぐもった声をかけられそちらを向くと困った顔をしながらこちらを見つめる。
私がアルキアンの方を向くとゆっくりと指を壁の方へと向けてそしてまた私の方を向いた。
コレは…困っているんだろうなと何となく感じる。
私は一度魔法陣に対する興味と考察の思考を分離させ隅に追いやるとメインの思考を引っ張り出して壁を注目する。
壁は…床の素材と同じ感じで上の壁に描かれていた模様のような何かがあるな。
この空間の入り口となっている階段側の対面には文字が壁にあり結構古い文字で描かれている…私はあんまり記憶にはない文字だが確か共通語と似た感じだし共通語みたいに読めばオケと脳内の私が記憶していた気がする。
まぁそれがちゃんとした訳ではないにしてもね…一応読んでみることとしよう。
「えーと…『生命の源、天の輝き、堕ちる、闇の瞳、上、供物、王、捧げる、封印、信徒、繁栄』単語しか分からないなぁ」
「そっかぁ…と、そろそろ切り上げないとまずいな。帰ろうかレナ」
私はあんまりその言葉の意味を理解せずにアルキアンの言葉に従い後ろをついていくこととした。
まぁ多分だがそのまま見た感じに行くと王を神に捧げて神の信徒となることで繁栄を齎すこととしたっていう話だと思うのだが…てっきりここにはその神話にもあった神を封じているのかと思ってたんだが王を封じるモノだったのかな?
となるとその魚人族が祈りを捧げる神ってのはどこに居るんだろうか?
そんなこんなでここまでクソ長い階段を下りてきてまたその階段を登ることを理解してげんなりとしている時だった。
上から何かが落ちてきたと思うと目の前にアルキアンが飛び込んでそれを腰に刺した長剣を抜剣する。
その落ちてきたのは…頭が二つにバッカルコーンのように割れそれが口のようにパクパクと動き魚人族の下半身を持つ異形の存在だった。
「面倒なことになったようだよ…」
そうアルキアンが言いながら上を指差しそれに釣られ私が上を向くと階段の上に幽鬼のように不安定に揺れながらグジュグジュと音を立て肉塊を這いずり動きながら近くの存在に吸着し新たな命が芽生えるといった冒涜的な光景を目にした。
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