190 / 204
孤児と大罪を背負う英雄
190
しおりを挟む
金色の船は無事に地表に着いたが赤色の船は少々バランスを崩しながら海の底へと辿り着いた。
まるで競争のようにそこから人が出てくると誰もが我先にと人混みを掻き分け神殿の中へと入り調査を始めていく。
何といいますか…私とアルキアンがここまでくる時船員たちは海に祈りだか何だかしていたから進めなかったんだがこいつらはその祈りの時間を短縮してここまできたのか?
それともちゃんと祈りをしてからきたから私達と時間の差があったのだろうか?
「と、とりあえず魔法陣展開…飛翔」
私は人がここまでくるのを恐れすぐさまこの階層から離れることを選択した。
魔法陣を展開して屋根へと飛んで行き上から神殿一帯を見渡すほどの位置まで来ることができた…にしても海の中なのに飛翔を使わないと飛べないってのはどうなっているのだろうか?
重力的に結界の魔法陣を起点に魔法陣側に重力を引っ張っているから海の中でも地上みたいな感じになっているのかな…それとも結界内自体に何かしらの効果を付与しているのかな。
ゆっくりと上空…?に飛翔すること数分神殿の全体像を見れる位置まで上った。
景色はいい感じでぼんやりと暗い青が広がっておりそこにポツポツと小さな光の玉が見えて幻想的にすら見える…まぁそんなことは今はどうでもいいかと思いゆっくりと下を向くこととした。
「うぅ怖い…」
そぅ私は生粋の高所恐怖症である。
見えるところが水平で高いという場合は別に「あぁ綺麗だな」とかしか思わないが下を向くとそうとはいかない…地面と足が離れている感覚そしていつか落ちてしまうという恐怖が身を包んで竦んでしまう。
私はその恐怖を魔術の精神保護という便利な効果で補うことで無事に神殿の全体を見渡すことができた。
「これは…一応魔法陣にはなっているな」
神殿自体がこの結界の魔法陣の役割だと考えていたのだが一応はあっていたらしい。
だが…これは結界の魔法陣ではないなどちらかというと闇と水のシンボルが使用されている封印みたいな効果が付与されているような気がする。
闇は封印の親和性が高いとかで使用されているから何となく理解できるんだけど水は…封印する対象のものなのかなそれとも水の中にあるから使われているのかな?
神殿内にある何かを封じるために使われているように思えるけど神殿自体が壊れているからあんまり効果がないように思えるのだが…まぁ適当に木材とかで補強すれば万全な状態には出来るかなって感じ。
にしてもこうして考えると昔々の人が使っていた魔法陣がこうして建築物として観れるってのは中々に面白いな。
どういう経緯でこうしたのを作ったのかそれとどういう人物がこんなの作ったのかというのは気になるところだ。
「目的の結界の魔法陣ではなかったわけだが」
だがコレは中々に興味深いもの…メモしとこうと思ったがここ海の中だからそもそも紙に書けないなこれ。
ということはこの結界は地下にでも魔法陣が設置されているのだろうか?
面倒だがアルキアンと同行するのが正解だったか…神殿に注目していたせいでその周りのことなんて見ていなかったがどうやらあの貴族たちは神殿周りの探索を終了して優雅に昼食の時間らしい。
海の中だからどうやって食事するのかと思うところだがどうやら空気の泡を発生させる魔道具を使いその中で食事をするらしい羨ましい限りである。
かくいう私もそろそろ食事をしなければ動けなくなりそうなのでメタモルフォーゼで一瞬鰓などを作り出し食事を海の中でもできる状態にした後飽食の胃袋を虚空庫から取り出し手を入れ食べ物を取り出すと口に含んだ。
味はすごくしょっぱいってのが感想だ。
まぁ何せ口を開けることに海水が胃の中に入ってくるからね…まぁ『暴食』のおかげでそれすら気にせず海水すらもただの食事として飲み込めるんだけど味は最悪としか言いようがない。
食べ終わったとはちゃんと魔道具を口に固定しメタモルフォーゼを解除する。
貴族たちはまだ優雅な食事タイムのようで泡で覆われた船の中から出てくる気配はない…誰とも会わずにいくならこのタイミングが最高だろうと思い飛翔を駆使しゆっくりと屋根へと降り立つと階段を下り地下へと続く階段のフロアへと来た。
このフロアへ最初来た時は壁の模様と水瓶を持つ首の折れた女性の像があったと記憶しているんだが…なんか壁が壊されているな。
まぁ多分どっちかの派閥が自分の調査は終わったからと他の派閥の調査を邪魔しようと壊していったのだろう。
学者からしたらお顔真っ青になるぐらいの失態とも言えるだろうな。
私からしたら魔法陣とも関係なさそうだし別に気にすることでもないがこうやって壊れてしまったってのを見るのは悲しい気分になるものだ。
「ま、どうでもいいか。地下に進もう」
そう呟き地下へと続く階段を下りていく。
足を進め下っていくと切り裂かれた不気味な魚の死骸があるが…コレは港町で釣った変な魚に似ている気がする。
巨大な体躯の腕のあり体外に露出している歯が特徴の魚。
口をぱくぱくしているからまだ生きているのだろうが…まぁこれ以上は動け無さそうだし無視していくこととしよう。
まるで競争のようにそこから人が出てくると誰もが我先にと人混みを掻き分け神殿の中へと入り調査を始めていく。
何といいますか…私とアルキアンがここまでくる時船員たちは海に祈りだか何だかしていたから進めなかったんだがこいつらはその祈りの時間を短縮してここまできたのか?
それともちゃんと祈りをしてからきたから私達と時間の差があったのだろうか?
「と、とりあえず魔法陣展開…飛翔」
私は人がここまでくるのを恐れすぐさまこの階層から離れることを選択した。
魔法陣を展開して屋根へと飛んで行き上から神殿一帯を見渡すほどの位置まで来ることができた…にしても海の中なのに飛翔を使わないと飛べないってのはどうなっているのだろうか?
重力的に結界の魔法陣を起点に魔法陣側に重力を引っ張っているから海の中でも地上みたいな感じになっているのかな…それとも結界内自体に何かしらの効果を付与しているのかな。
ゆっくりと上空…?に飛翔すること数分神殿の全体像を見れる位置まで上った。
景色はいい感じでぼんやりと暗い青が広がっておりそこにポツポツと小さな光の玉が見えて幻想的にすら見える…まぁそんなことは今はどうでもいいかと思いゆっくりと下を向くこととした。
「うぅ怖い…」
そぅ私は生粋の高所恐怖症である。
見えるところが水平で高いという場合は別に「あぁ綺麗だな」とかしか思わないが下を向くとそうとはいかない…地面と足が離れている感覚そしていつか落ちてしまうという恐怖が身を包んで竦んでしまう。
私はその恐怖を魔術の精神保護という便利な効果で補うことで無事に神殿の全体を見渡すことができた。
「これは…一応魔法陣にはなっているな」
神殿自体がこの結界の魔法陣の役割だと考えていたのだが一応はあっていたらしい。
だが…これは結界の魔法陣ではないなどちらかというと闇と水のシンボルが使用されている封印みたいな効果が付与されているような気がする。
闇は封印の親和性が高いとかで使用されているから何となく理解できるんだけど水は…封印する対象のものなのかなそれとも水の中にあるから使われているのかな?
神殿内にある何かを封じるために使われているように思えるけど神殿自体が壊れているからあんまり効果がないように思えるのだが…まぁ適当に木材とかで補強すれば万全な状態には出来るかなって感じ。
にしてもこうして考えると昔々の人が使っていた魔法陣がこうして建築物として観れるってのは中々に面白いな。
どういう経緯でこうしたのを作ったのかそれとどういう人物がこんなの作ったのかというのは気になるところだ。
「目的の結界の魔法陣ではなかったわけだが」
だがコレは中々に興味深いもの…メモしとこうと思ったがここ海の中だからそもそも紙に書けないなこれ。
ということはこの結界は地下にでも魔法陣が設置されているのだろうか?
面倒だがアルキアンと同行するのが正解だったか…神殿に注目していたせいでその周りのことなんて見ていなかったがどうやらあの貴族たちは神殿周りの探索を終了して優雅に昼食の時間らしい。
海の中だからどうやって食事するのかと思うところだがどうやら空気の泡を発生させる魔道具を使いその中で食事をするらしい羨ましい限りである。
かくいう私もそろそろ食事をしなければ動けなくなりそうなのでメタモルフォーゼで一瞬鰓などを作り出し食事を海の中でもできる状態にした後飽食の胃袋を虚空庫から取り出し手を入れ食べ物を取り出すと口に含んだ。
味はすごくしょっぱいってのが感想だ。
まぁ何せ口を開けることに海水が胃の中に入ってくるからね…まぁ『暴食』のおかげでそれすら気にせず海水すらもただの食事として飲み込めるんだけど味は最悪としか言いようがない。
食べ終わったとはちゃんと魔道具を口に固定しメタモルフォーゼを解除する。
貴族たちはまだ優雅な食事タイムのようで泡で覆われた船の中から出てくる気配はない…誰とも会わずにいくならこのタイミングが最高だろうと思い飛翔を駆使しゆっくりと屋根へと降り立つと階段を下り地下へと続く階段のフロアへと来た。
このフロアへ最初来た時は壁の模様と水瓶を持つ首の折れた女性の像があったと記憶しているんだが…なんか壁が壊されているな。
まぁ多分どっちかの派閥が自分の調査は終わったからと他の派閥の調査を邪魔しようと壊していったのだろう。
学者からしたらお顔真っ青になるぐらいの失態とも言えるだろうな。
私からしたら魔法陣とも関係なさそうだし別に気にすることでもないがこうやって壊れてしまったってのを見るのは悲しい気分になるものだ。
「ま、どうでもいいか。地下に進もう」
そう呟き地下へと続く階段を下りていく。
足を進め下っていくと切り裂かれた不気味な魚の死骸があるが…コレは港町で釣った変な魚に似ている気がする。
巨大な体躯の腕のあり体外に露出している歯が特徴の魚。
口をぱくぱくしているからまだ生きているのだろうが…まぁこれ以上は動け無さそうだし無視していくこととしよう。
10
お気に入りに追加
170
あなたにおすすめの小説
引きこもりのニートは異世界を旅したい。
有栖紫苑
ファンタジー
引きこもりのニート富永理玖24歳はいつの間にか異世界転生とやらをさせられていた。それも、幼児まで逆戻り。また、人生やり直しかよ!!そう思ったのもつかの間、貧しい家に生まれたらしく捨てられた!?しかし、そんなことは気にしない。楽をして過ごしたい理玖は、家も持たずに自由気ままに旅をしていく。無自覚の成り上がりを実行するお話です、多分。
更新は不定期です。ご了承ください。そして作者の気まぐれで趣旨も変わっていくかもしれません。
異世界転生したら何でも出来る天才だった。
桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。
だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。
そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。
===========================
始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
結婚なんて無理だから初夜でゲロってやろうと思う
風巻ユウ
恋愛
TS転生した。男→公爵令嬢キリアネットに。気づけば結婚が迫っていた。男と結婚なんて嫌だ。そうだ初夜でゲロってやるぜ。
TS転生した。女→王子ヒュミエールに。そして気づいた。この世界が乙女ゲーム『ゴリラ令嬢の華麗なる王宮生活』だということに。ゴリラと結婚なんて嫌だ。そうだ初夜でゲロってやんよ。
思考が似通った二人の転生者が婚約した。
ふたりが再び出会う時、世界が変わる─────。
注意:すっごくゴリラです。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる