184 / 204
孤児と大罪を背負う英雄
184
しおりを挟む
「…どうしたものか」
知りたいといえばこのような異世界の不思議なことには触れてみたい…がまぁ絶対になんかめんどくさい事にはなるだろう。
今からでも水の中でどうにか息をできるような魔術でも作るべきだろうか?
いや、そもそも私はメタモルフォーゼで魚になれるんだから呼吸器官とかそのものを魚に変えれば海で呼吸することはできるか…戻った時大変なことになりそうだから最終手段にしたいけど。
「とりあえず今日はもう帰ろうかな…」
こうしている間にも魚人族は海底街に機械のように導かれているが私にとっては興味は惹かれるこそあるが同情はしない。
まぁ確かに可哀想だとは思うが…まぁ元はと言えば自分で入った店で操られたってことだしな。
自業自得というやつだ。
いつまでもここにいてもだしそろそろ帰ることとしよう。
にしてもちょっと寄り道をするってだけでとんでもないことが見つかった…ような気がする。
そうして腕を大きく上に伸ばし欠伸をした後メタモルフォーゼを解いた。
魚の鱗の肌から人間の肌にパキパキと音を立てながら戻って行き海に映る顔は自分の幼い顔が写っている。
どうせなら体の一部を常時竜の鱗とかにしてみるのも面白そうだし何よりかっこいいと思うんだが…まぁやっぱり私は人だからか何処かメタモルフォーゼをしてると身体が動かしづらいんだよなぁ。
というのもメタモルフォーゼをしてるとその部分の反応がどうも悪いというか…単純に腕をメタモルフォーゼしてその腕を大きく振るうとかだと簡単なんだが。
検証はしたものの我流戦闘術はかなり意識して使わないとまず使うことができない…火事場の馬鹿力とかだったら使えるのかもしれんが普段使いは獣のような動きしかできないのが難点だ。
「お腹すいた…なぁ」
あぁこうして考えている間にもお腹が空いてしまった…。
早く帰ってご飯でも食べるとしよう。
最近というか朝気づいたことなんだがここでは水の持ち込みが可能だったからな…水を沸かせるウォーターボールのような水の魔術を使いその水を水筒に入れて食事処に持って行くことで普通に食事を楽しめることに気づいてしまったのだよ。
肉もいいが魚も美味しい…特に私は魚醤で煮た魚が濃い味わいで好きだ。
此処では周りが海で大地も限られているからか野菜がないってのが難点だし貿易で運ばれてくる野菜も馬鹿なほど高いから当然味噌もないってのが残念だが私的に醤油に似た味わいの魚醤が盛んに製作されていて安く買えるってのは利点である。
虚空庫にも魚醤が入った瓶があるほどだしな。
そうこうしている間に私とアルキアンが泊まっている宿へと辿り着いた。
宿は貴族が住むには少し不相応に思えるぐらいの外観だがコレでもこの国ではずいぶん立派な豪邸だと言える。
まぁ泊まるための値段がちとあれだが…貴族価格ってやつなのだろう。
出される飯もこの国では高級品である野菜が普通に提供されるしな。
「ねぇ聞いたかしら!あの良い貿易をしてくださってるサヴィンコフさんのとこのお爺さんが昨日からまだ帰ってきてないんですって…何処に行ったのかしらねぇ」
「えぇお父様からそんなことをぼやいてたわ…ホント何処に行ったのかしらね。お年でしたからそこの粗暴な冒険者にでも捕まってしまったのかしら?ホント、心配ねぇ~」
私が宿に入る手前でそんな声が聞こえてきた。
振り向けば扇を手に持ち顔を隠しながら喋る人族の女貴族と魚人族の貴族衣装を見に纏った女性が話しているようだった。
この国では神官が確か一番偉いという形だったから貴族なんてものいないと思ってたんだが…いや神官の娘だからあんな立ち振る舞いができるのか?
それに普通の魚人族が使わない共通言語まで喋っているし立場が高い方なんだろうな。
その扇の隙間から私のことをチラチラと見ているようだしどうやら私の外見から冒険者だということを見抜いて私に向けるように話題を話しているようだ。
「何というか…陰湿」
…あぁそういえば海でちゃんと顔が戻っているかみるために仮面を外したまんまだったな。
だからこんな女性特有の嫌味が言われるわけか。
何かと貴族はマウントを取りまくる種族だからな…学園でも経験したがこういうのは無視するのに限る。
下手に手を出すと衛兵を呼ばれるからな。
それにしてもコイツらはどうにも魚人族との付き合いがあるようだな。
普通だったら人族と魚人族は相容れない関係性なんだが…。
何せ人族からすれば近くにいるだけで魔法や魔道具が使えないという不備が起きやすくなると言われているからか印象はあんまりよくない。
魚人族からすればキモいだの何だの言われる対象にされるわ、魚人族であろうと一応は人であるからか人族ほどではないが野菜は必要で貿易面で不利だからと値段をふっかけられるからか仲は良好とはいえない。
ということは彼女は…貿易を良好に進める貴族の娘というわけか。
コイツらが後を継いだら不利益しか産みそうにないな…関わりたくないがさっきの言葉からあの薬屋と何か関連しているのではないかという何処ぞの名探偵並の思考が生まれたから聞きたいんだが。
やっぱりやめておこう。
このままでは腹がなってしまうからな…そんなことになったらこの二人から何を言われるか。
さっさと中に入って遅めの昼食とするのが最善なのだろうな。
そう思いながら私は踵を返し宿の中に入って行くことにした。
知りたいといえばこのような異世界の不思議なことには触れてみたい…がまぁ絶対になんかめんどくさい事にはなるだろう。
今からでも水の中でどうにか息をできるような魔術でも作るべきだろうか?
いや、そもそも私はメタモルフォーゼで魚になれるんだから呼吸器官とかそのものを魚に変えれば海で呼吸することはできるか…戻った時大変なことになりそうだから最終手段にしたいけど。
「とりあえず今日はもう帰ろうかな…」
こうしている間にも魚人族は海底街に機械のように導かれているが私にとっては興味は惹かれるこそあるが同情はしない。
まぁ確かに可哀想だとは思うが…まぁ元はと言えば自分で入った店で操られたってことだしな。
自業自得というやつだ。
いつまでもここにいてもだしそろそろ帰ることとしよう。
にしてもちょっと寄り道をするってだけでとんでもないことが見つかった…ような気がする。
そうして腕を大きく上に伸ばし欠伸をした後メタモルフォーゼを解いた。
魚の鱗の肌から人間の肌にパキパキと音を立てながら戻って行き海に映る顔は自分の幼い顔が写っている。
どうせなら体の一部を常時竜の鱗とかにしてみるのも面白そうだし何よりかっこいいと思うんだが…まぁやっぱり私は人だからか何処かメタモルフォーゼをしてると身体が動かしづらいんだよなぁ。
というのもメタモルフォーゼをしてるとその部分の反応がどうも悪いというか…単純に腕をメタモルフォーゼしてその腕を大きく振るうとかだと簡単なんだが。
検証はしたものの我流戦闘術はかなり意識して使わないとまず使うことができない…火事場の馬鹿力とかだったら使えるのかもしれんが普段使いは獣のような動きしかできないのが難点だ。
「お腹すいた…なぁ」
あぁこうして考えている間にもお腹が空いてしまった…。
早く帰ってご飯でも食べるとしよう。
最近というか朝気づいたことなんだがここでは水の持ち込みが可能だったからな…水を沸かせるウォーターボールのような水の魔術を使いその水を水筒に入れて食事処に持って行くことで普通に食事を楽しめることに気づいてしまったのだよ。
肉もいいが魚も美味しい…特に私は魚醤で煮た魚が濃い味わいで好きだ。
此処では周りが海で大地も限られているからか野菜がないってのが難点だし貿易で運ばれてくる野菜も馬鹿なほど高いから当然味噌もないってのが残念だが私的に醤油に似た味わいの魚醤が盛んに製作されていて安く買えるってのは利点である。
虚空庫にも魚醤が入った瓶があるほどだしな。
そうこうしている間に私とアルキアンが泊まっている宿へと辿り着いた。
宿は貴族が住むには少し不相応に思えるぐらいの外観だがコレでもこの国ではずいぶん立派な豪邸だと言える。
まぁ泊まるための値段がちとあれだが…貴族価格ってやつなのだろう。
出される飯もこの国では高級品である野菜が普通に提供されるしな。
「ねぇ聞いたかしら!あの良い貿易をしてくださってるサヴィンコフさんのとこのお爺さんが昨日からまだ帰ってきてないんですって…何処に行ったのかしらねぇ」
「えぇお父様からそんなことをぼやいてたわ…ホント何処に行ったのかしらね。お年でしたからそこの粗暴な冒険者にでも捕まってしまったのかしら?ホント、心配ねぇ~」
私が宿に入る手前でそんな声が聞こえてきた。
振り向けば扇を手に持ち顔を隠しながら喋る人族の女貴族と魚人族の貴族衣装を見に纏った女性が話しているようだった。
この国では神官が確か一番偉いという形だったから貴族なんてものいないと思ってたんだが…いや神官の娘だからあんな立ち振る舞いができるのか?
それに普通の魚人族が使わない共通言語まで喋っているし立場が高い方なんだろうな。
その扇の隙間から私のことをチラチラと見ているようだしどうやら私の外見から冒険者だということを見抜いて私に向けるように話題を話しているようだ。
「何というか…陰湿」
…あぁそういえば海でちゃんと顔が戻っているかみるために仮面を外したまんまだったな。
だからこんな女性特有の嫌味が言われるわけか。
何かと貴族はマウントを取りまくる種族だからな…学園でも経験したがこういうのは無視するのに限る。
下手に手を出すと衛兵を呼ばれるからな。
それにしてもコイツらはどうにも魚人族との付き合いがあるようだな。
普通だったら人族と魚人族は相容れない関係性なんだが…。
何せ人族からすれば近くにいるだけで魔法や魔道具が使えないという不備が起きやすくなると言われているからか印象はあんまりよくない。
魚人族からすればキモいだの何だの言われる対象にされるわ、魚人族であろうと一応は人であるからか人族ほどではないが野菜は必要で貿易面で不利だからと値段をふっかけられるからか仲は良好とはいえない。
ということは彼女は…貿易を良好に進める貴族の娘というわけか。
コイツらが後を継いだら不利益しか産みそうにないな…関わりたくないがさっきの言葉からあの薬屋と何か関連しているのではないかという何処ぞの名探偵並の思考が生まれたから聞きたいんだが。
やっぱりやめておこう。
このままでは腹がなってしまうからな…そんなことになったらこの二人から何を言われるか。
さっさと中に入って遅めの昼食とするのが最善なのだろうな。
そう思いながら私は踵を返し宿の中に入って行くことにした。
13
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
異世界転生したら何でも出来る天才だった。
桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。
だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。
そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。
===========================
始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
転生王女は現代知識で無双する
紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。
突然異世界に転生してしまった。
定番になった異世界転生のお話。
仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。
見た目は子供、頭脳は大人。
現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。
魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。
伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。
読んでくれる皆さまに心から感謝です。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる