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孤児の学園生活
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アルキアンは俺に向かってようやく本気で戦えると呟いた後俺の横を通り過ぎディーセの元へと駆け出していく。
その身体は黒い炎によって包み込まれており悪魔よりも悪魔らしい悪魔の格好をしている。
…本当の悪魔がというかアイツがいたら悪魔だとか叫んでいたのだろかと考えると少し笑えてくる。
「あぁ…少し落ち着いてきたよ」
目の前ではアルキアンとディーセによる最終戦が行われている。
それは私が入ってもどうにもならない様な凄まじい迫力の戦闘となっており手出しすら難しい。
アルキアンはその炎を操り空中に黒い炎の槍を展開し両手にはそれぞれ炎でできた片手剣を持ちディーセを攻撃する。
対するディーセは光速と呼べる速さでその身を動かしアルキアンの双剣を捌きつつ空中に展開され飛んでくる黒炎槍を光で抹消している。
そんな凄まじい光景を見て私は落ち着いてしまった。
…もしかしたら私は少しアルキアンを侮っていたのかもしれない。
だがこの光景を見て確信ができた…私はアルキアンよりも弱いのだと。
あんな攻撃されたら私だったらどうやっても防ぐことができないしおそらく身体強化を最大限引き上げても交わすことも難しい状況になっていた事だろう。
だかアルキアンはどうだ?
あの接近した状態でもディーセからくる攻撃は剣でいなし身体に入る攻撃は避けてすらいる。
だからこそそんな状況を見てアルキアンなら死ぬことは無いと安心できた…落ち着けた。
「スキル発動…『回生』」
一息ついて深呼吸をした後に『回生』を行う。
コレだけ余裕が生まれたのだ体調を整えてから次の攻撃を行うというのが今の最善の行動だろう。
そうして身体に魔力が流れ腕が再生されその後に至る所に出来ている傷がグジュグジュと音を立てて再生されていく。
あの山で使った時はまだ痛いという感覚があったからその後から使うことは躊躇っていたがこうして痛覚が鈍くなってしまったからには出来るだけ優先的に使っていこうと思う。
まぁ治る所見るとかなりキモい音を立てながら治っていくから人のいる前ではあんまり使いたくないが。
そうこうしている間に全身の傷が治った。
痛みはもう無く先程まで重く動かすごとに麻酔の様な独特のなんとも言えないあの痛みもなくなり動かしやすくなっている。
「さて…コレからどう動こうか?」
そう呟き私は手を口につけて思考を働かせる。
あんな激しい戦闘に私は混ざることなんて出来っこないしかといってこのまま戦闘に参加しないわけにもいかない。
おそらくだがこのまま戦っていたら永遠に戦闘は終わらないだろう。
戦闘能力はディーセの方が少し優勢にみえそれに対してアルキアンが手数でその戦闘をさせないように妨害しているというのが現状だ。
コレは何かがきっかけで簡単に崩れてしまうそんな不安定な状態だと言える。
思考を深く巡らせ今までディーセと戦った一つ一つの出来事に何か鍵がないかと考える。
そうして一つの言葉を思い出す。
「確か…人の身体は滅びたとか言ってたな」
目でアルキアンの戦闘を観察する。
それはアルキアンが黒炎で出来た剣と槍で応戦しディーセがソレを光の剣で弾き捌き時には手で炎を握りつぶす…そんな先程とはかわらない戦闘。
いやちょっと待て。
なんで手でアイツは魔法かスキルかどうかはわからないが炎を握り潰せるんだ?
いや握り潰しているというよりかは抹消?
そういえばこの世界で一回光属性について解析して作成した光属性の最高傑作にして失敗作でもある煌天は光を放つがその光の範囲にいる物が崩壊して崩れて消滅するという結果になった。
ディーセの今の状況が煌天と同じ様な効果を持つ光となっているとなると…その正体は膨大は魔力とでもなるのか?
だとすればディーセの今の身体は魔力体…魔力がなくなればその身体は消滅するのではないか?
魔力をなくすには魔法を使わせるとか魔力を吸う…となるとあの光の魔力吸ったらこっちが消滅しそうで怖いな。
いや…その光の魔力を封印しちゃえばいいのではないか?
「ハハハ…ここにきて今まで使ってこなかった魔法陣を使うことになるのか…こんなことならこの魔法陣も改良しとけばよかったな」
『魔封の理』…それは一定時間ではあるが魔力を対象に封じるという自作の厨二っぽい魔術だ。
使い道は…まぁ今までなかったから使い道はないに等しいのだがこうして使うとなると本当に起動するのか怪しいと思える。
だがソレを何処に封じるのかソノ魔力を封じるために必要な魔力は何処から来るのかと考えると…『収集の魔印』で空気から魔素を集めてやれば行けるか?。
魔封の理は込めた魔力によってその発動時間が変わる。
と言っても魔封の理で封じた魔力は魔封の理に使えないっていうのは確か昔の実験で自分が証明していたはずだからそう簡単に封じるわけにもいかない。
封じて少し経ったら封印が解除されてまた復活なんてされたら目も当てられないからな。
魔封の理に封じる瞬間にディーセの魔力によって魔法陣が崩壊されたらこの計画はおじゃんになる。
なら…だったら煌天のような強烈な光属性を圧縮した魔力で構成された魔法陣に封じたらどうなるだろうか?
…いや考えてもしょうがないかダメだったらダメでその時その時で考えよう。
虚空庫からこの数年のダンジョン生活で確保した魔石といつも魔道具を作る際に使う彫刻刀の様な物を取り出し早速作業に取り掛かる。
この不思議な彫刻刀を魔石の表面に押し当て魔石内に強力な光の魔力を流し魔封の理と表面に収集の魔印を描く。
…が描く途中で魔石はボロボロと崩れ塵に帰る。
「チッ…やはり耐えられないか」
小さな魔石じゃ描く魔術に込められる魔力の量に耐えきれなくなって崩れてしまうのは魔道具製作には当たり前なこと。
しかもこの魔術は昔に凝りに凝りまくって自作した厨二魔術…その魔法陣は細かくないわけがない。
「あぁなんで昔の私はこんなクソどうでもいい模様を入れてんだ?」
そんな愚痴をこぼしながら魔道具に使用する魔石を取り出しては描き取り出しては描きを繰り返して…そうしてようやく理想型の魔道具が完成する。
かなり時間はかかったがアルキアンが耐えて私がその打開策を完成させた…後はこの魔道具をディーセへ押し付ける。
それだけでこの魔道具『光の封印石』にディーセを封ずることが可能となったのだ。
その身体は黒い炎によって包み込まれており悪魔よりも悪魔らしい悪魔の格好をしている。
…本当の悪魔がというかアイツがいたら悪魔だとか叫んでいたのだろかと考えると少し笑えてくる。
「あぁ…少し落ち着いてきたよ」
目の前ではアルキアンとディーセによる最終戦が行われている。
それは私が入ってもどうにもならない様な凄まじい迫力の戦闘となっており手出しすら難しい。
アルキアンはその炎を操り空中に黒い炎の槍を展開し両手にはそれぞれ炎でできた片手剣を持ちディーセを攻撃する。
対するディーセは光速と呼べる速さでその身を動かしアルキアンの双剣を捌きつつ空中に展開され飛んでくる黒炎槍を光で抹消している。
そんな凄まじい光景を見て私は落ち着いてしまった。
…もしかしたら私は少しアルキアンを侮っていたのかもしれない。
だがこの光景を見て確信ができた…私はアルキアンよりも弱いのだと。
あんな攻撃されたら私だったらどうやっても防ぐことができないしおそらく身体強化を最大限引き上げても交わすことも難しい状況になっていた事だろう。
だかアルキアンはどうだ?
あの接近した状態でもディーセからくる攻撃は剣でいなし身体に入る攻撃は避けてすらいる。
だからこそそんな状況を見てアルキアンなら死ぬことは無いと安心できた…落ち着けた。
「スキル発動…『回生』」
一息ついて深呼吸をした後に『回生』を行う。
コレだけ余裕が生まれたのだ体調を整えてから次の攻撃を行うというのが今の最善の行動だろう。
そうして身体に魔力が流れ腕が再生されその後に至る所に出来ている傷がグジュグジュと音を立てて再生されていく。
あの山で使った時はまだ痛いという感覚があったからその後から使うことは躊躇っていたがこうして痛覚が鈍くなってしまったからには出来るだけ優先的に使っていこうと思う。
まぁ治る所見るとかなりキモい音を立てながら治っていくから人のいる前ではあんまり使いたくないが。
そうこうしている間に全身の傷が治った。
痛みはもう無く先程まで重く動かすごとに麻酔の様な独特のなんとも言えないあの痛みもなくなり動かしやすくなっている。
「さて…コレからどう動こうか?」
そう呟き私は手を口につけて思考を働かせる。
あんな激しい戦闘に私は混ざることなんて出来っこないしかといってこのまま戦闘に参加しないわけにもいかない。
おそらくだがこのまま戦っていたら永遠に戦闘は終わらないだろう。
戦闘能力はディーセの方が少し優勢にみえそれに対してアルキアンが手数でその戦闘をさせないように妨害しているというのが現状だ。
コレは何かがきっかけで簡単に崩れてしまうそんな不安定な状態だと言える。
思考を深く巡らせ今までディーセと戦った一つ一つの出来事に何か鍵がないかと考える。
そうして一つの言葉を思い出す。
「確か…人の身体は滅びたとか言ってたな」
目でアルキアンの戦闘を観察する。
それはアルキアンが黒炎で出来た剣と槍で応戦しディーセがソレを光の剣で弾き捌き時には手で炎を握りつぶす…そんな先程とはかわらない戦闘。
いやちょっと待て。
なんで手でアイツは魔法かスキルかどうかはわからないが炎を握り潰せるんだ?
いや握り潰しているというよりかは抹消?
そういえばこの世界で一回光属性について解析して作成した光属性の最高傑作にして失敗作でもある煌天は光を放つがその光の範囲にいる物が崩壊して崩れて消滅するという結果になった。
ディーセの今の状況が煌天と同じ様な効果を持つ光となっているとなると…その正体は膨大は魔力とでもなるのか?
だとすればディーセの今の身体は魔力体…魔力がなくなればその身体は消滅するのではないか?
魔力をなくすには魔法を使わせるとか魔力を吸う…となるとあの光の魔力吸ったらこっちが消滅しそうで怖いな。
いや…その光の魔力を封印しちゃえばいいのではないか?
「ハハハ…ここにきて今まで使ってこなかった魔法陣を使うことになるのか…こんなことならこの魔法陣も改良しとけばよかったな」
『魔封の理』…それは一定時間ではあるが魔力を対象に封じるという自作の厨二っぽい魔術だ。
使い道は…まぁ今までなかったから使い道はないに等しいのだがこうして使うとなると本当に起動するのか怪しいと思える。
だがソレを何処に封じるのかソノ魔力を封じるために必要な魔力は何処から来るのかと考えると…『収集の魔印』で空気から魔素を集めてやれば行けるか?。
魔封の理は込めた魔力によってその発動時間が変わる。
と言っても魔封の理で封じた魔力は魔封の理に使えないっていうのは確か昔の実験で自分が証明していたはずだからそう簡単に封じるわけにもいかない。
封じて少し経ったら封印が解除されてまた復活なんてされたら目も当てられないからな。
魔封の理に封じる瞬間にディーセの魔力によって魔法陣が崩壊されたらこの計画はおじゃんになる。
なら…だったら煌天のような強烈な光属性を圧縮した魔力で構成された魔法陣に封じたらどうなるだろうか?
…いや考えてもしょうがないかダメだったらダメでその時その時で考えよう。
虚空庫からこの数年のダンジョン生活で確保した魔石といつも魔道具を作る際に使う彫刻刀の様な物を取り出し早速作業に取り掛かる。
この不思議な彫刻刀を魔石の表面に押し当て魔石内に強力な光の魔力を流し魔封の理と表面に収集の魔印を描く。
…が描く途中で魔石はボロボロと崩れ塵に帰る。
「チッ…やはり耐えられないか」
小さな魔石じゃ描く魔術に込められる魔力の量に耐えきれなくなって崩れてしまうのは魔道具製作には当たり前なこと。
しかもこの魔術は昔に凝りに凝りまくって自作した厨二魔術…その魔法陣は細かくないわけがない。
「あぁなんで昔の私はこんなクソどうでもいい模様を入れてんだ?」
そんな愚痴をこぼしながら魔道具に使用する魔石を取り出しては描き取り出しては描きを繰り返して…そうしてようやく理想型の魔道具が完成する。
かなり時間はかかったがアルキアンが耐えて私がその打開策を完成させた…後はこの魔道具をディーセへ押し付ける。
それだけでこの魔道具『光の封印石』にディーセを封ずることが可能となったのだ。
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