124 / 196
孤児の学園生活
124
しおりを挟む
『蜘蛛の粘玉』を作ること2時間後…私たちはその日の部活動を終了し皆で帰路につくこととした。
錬金術で錬成した『蜘蛛の粘玉』はそれほど多くは出来上がることはなかった。
何せ作れる人物が私とネルちゃんぐらいしかおらず他のクラスメイトは失敗続きで作れる人がかなり限られていたからだ。
私がこうして作れたのは…おそらくというか結局はレベルが高かったからとしか言いようがないだろう。
ということはネルちゃんはレベルが高いっていうことになるがまぁ元から錬金術に精通していた彼女だ。
多分錬金術で失敗しない方法とか身についているのだろう。
そんなことを考えながら歩く帰り道私たちは皆と別れ自分の寮へと帰る時だった。
ガサッという音と共に何かが飛来してくる影が視界の端に確認できた。
脊髄反射でそちらを向くがもうそれは遅くその影の姿は一人のクラスメイトの首へ深々と突き刺さっているのが確認できる。
一瞬の静寂そして絶叫の声が辺りに響く。
一人のクラスメイトの女子が叫び出したのだ。
それを皮切りにその場を逃げ出すクラスメイト達一番は自分の身だと考えた結果なのだろう。
足早にその場から逃げようとして地を蹴り空振る足を必死にばたつかせ動き回る。
「落ち着いてくれッ!各自防御体勢をッ!」
そう、その場にいた一人である殿下が指示を叫ぶがそんなもので人が急に落ち着くなんてことは無くクラスメイト達は逃げ出そうと足を手を腕を使って逃げ出す。
こうなれば仲間なんてものは関係ない。
ここにいるのは瞬時に統率が取れる訓練を受けた騎士ではなく逃げる訓練も防御をする訓練もましてや統率を取る訓練すら受けたことがない子供だけだ。
自分が、自分が助かれば良いという我を出し人を蹴り落とす醜くそれでいて実に人間らしいその姿が私の目に映った。
助かりたいための行動は一つの出来事を生んだ。
それは弱いものいじめだ。
自分が助かりたいためにはどうすれば良いかと考えた結果たどり着いたのは遅れれば狙われるという単純なこと…考えれば直ぐに実行に移すのが無駄に自分に価値があると考える人間だ。
そうして彼は足が遅くこの中で一番価値のない人間を自らの手で押し除け転ばせた。
彼は逃げる…自分がやったことをその場では考えず自分がやったことこそ正義だと信じきって走る。
「まさに阿鼻叫喚と言ったところかな?」
そんな光景を私はただ黙って見て一言呟いた。
足を動かし首に矢が突き刺さったクラスメイトを見る…失血多量でこれじゃあもう助からないだろう。
いや私だったらもしかしたら助けられるかもしれないがまぁそんな義理をする相手じゃない。
私はその矢が飛んできた方向を見る。
そこには木の上に登ってこちら側に矢をつがえ今にも逃げ惑うクラスメイトに向かって矢を射ろうとしている一人の男性の姿が見えた。
服からしてこの学園の生徒なのだろう。
何故ここの生徒なのにその生徒に向かって矢を射ろうとしているのだろうか?
まぁそんなものはどうでも良いことか…殿下は…まだこの学園を出ていない。
「はぁぁぁ…面倒くさい」
ため息を吐く。
殿下がまだこの学園から一歩も外に出ていないということは私はまだ殿下を守る護衛としての仕事をしなければならないということ。
つまりは殿下を守るための行動を強制的にしなければならないということであり。
人数は…一人だけか。
もうちょっと奇襲なんだし暗殺者とか雇っているものだと思っていたがなんというか拍子抜けだな。
マジで単独の犯行なんて…ちっとも面白くない。
やるからにはここの全員を暗殺するぐらいの気持ちで人数揃えてきて欲しいんだが…その方が敵の戦力を減らせるし。
「ここは風でいいか…新緑なる風よ…我の敵を吹き飛ばせ『ウィンド』」
そうして魔法が発動し強風が木に向かって放たれる。
その風により木は枝を揺らし葉と虫を吹き飛ばし風に煽られ足を滑らせ矢をつがえていた男性は木から落ちてくる。
私はその隙を逃すことなく脚に力を入れて地を蹴り一気に近づくとその男性の首根っこを掴み取る。
ここは殺すべきだろうか…それとも気絶させとくべきだろうか?
そのままその男の首を掴み思考すること数十秒後後ろから殿下が「殺すなッ!」という声が聞こえたためその掴んだ首の力を緩めいつの間にか来ていた騎士に任せることとした。
その脚で人集りができている方へと足を進めるとその中心には先程首に矢を射られたクラスメイトの姿があった。
クラスメイトはぐったりとしているが息をしている。
どうやら通報を受けてここまで来たこの学園の保健室の先生が魔法で治療しているらしい。
そういえばこの世界には身体の回復を促す魔法があるということをすっかり忘れていた。
確か水と光の魔法には回復する魔法があるんだっけか。
それ以外には…神聖魔法という神の信徒になることによって身につく特殊な魔法が回復する手段を持つんだっけかな?
そんなことを考えていると殿下がこちらに向かって歩いてくるのが見えたのでそちらへ顔を向ける。
「すまないなこんなことになってしまって…疲れただろう?もう解散だから各自夜道に注意して帰るように」
そうクラスメイトの全員に聞こえるように伝えると殿下はどこか重い足取りでその場を去って行く。
それぞれが重い足取りで帰って行き…その場には私と二人の女子が残った。
一人は暗い顔をしたネルちゃんそしてもう一人は顔を青くしてその場に蹲り震える名前を覚えていない女の子。
確かこの子は…あぁ逃げる時に囮と言わんばかりに転ばされた子か。
「もう今日は帰ろうかな?」
そう聞こえるように呟き足を寮に進める。
私はついてくる二人分の足音を耳で聞き取りながらゆっくりとそれでいて不自然ではないように足を進めた。
錬金術で錬成した『蜘蛛の粘玉』はそれほど多くは出来上がることはなかった。
何せ作れる人物が私とネルちゃんぐらいしかおらず他のクラスメイトは失敗続きで作れる人がかなり限られていたからだ。
私がこうして作れたのは…おそらくというか結局はレベルが高かったからとしか言いようがないだろう。
ということはネルちゃんはレベルが高いっていうことになるがまぁ元から錬金術に精通していた彼女だ。
多分錬金術で失敗しない方法とか身についているのだろう。
そんなことを考えながら歩く帰り道私たちは皆と別れ自分の寮へと帰る時だった。
ガサッという音と共に何かが飛来してくる影が視界の端に確認できた。
脊髄反射でそちらを向くがもうそれは遅くその影の姿は一人のクラスメイトの首へ深々と突き刺さっているのが確認できる。
一瞬の静寂そして絶叫の声が辺りに響く。
一人のクラスメイトの女子が叫び出したのだ。
それを皮切りにその場を逃げ出すクラスメイト達一番は自分の身だと考えた結果なのだろう。
足早にその場から逃げようとして地を蹴り空振る足を必死にばたつかせ動き回る。
「落ち着いてくれッ!各自防御体勢をッ!」
そう、その場にいた一人である殿下が指示を叫ぶがそんなもので人が急に落ち着くなんてことは無くクラスメイト達は逃げ出そうと足を手を腕を使って逃げ出す。
こうなれば仲間なんてものは関係ない。
ここにいるのは瞬時に統率が取れる訓練を受けた騎士ではなく逃げる訓練も防御をする訓練もましてや統率を取る訓練すら受けたことがない子供だけだ。
自分が、自分が助かれば良いという我を出し人を蹴り落とす醜くそれでいて実に人間らしいその姿が私の目に映った。
助かりたいための行動は一つの出来事を生んだ。
それは弱いものいじめだ。
自分が助かりたいためにはどうすれば良いかと考えた結果たどり着いたのは遅れれば狙われるという単純なこと…考えれば直ぐに実行に移すのが無駄に自分に価値があると考える人間だ。
そうして彼は足が遅くこの中で一番価値のない人間を自らの手で押し除け転ばせた。
彼は逃げる…自分がやったことをその場では考えず自分がやったことこそ正義だと信じきって走る。
「まさに阿鼻叫喚と言ったところかな?」
そんな光景を私はただ黙って見て一言呟いた。
足を動かし首に矢が突き刺さったクラスメイトを見る…失血多量でこれじゃあもう助からないだろう。
いや私だったらもしかしたら助けられるかもしれないがまぁそんな義理をする相手じゃない。
私はその矢が飛んできた方向を見る。
そこには木の上に登ってこちら側に矢をつがえ今にも逃げ惑うクラスメイトに向かって矢を射ろうとしている一人の男性の姿が見えた。
服からしてこの学園の生徒なのだろう。
何故ここの生徒なのにその生徒に向かって矢を射ろうとしているのだろうか?
まぁそんなものはどうでも良いことか…殿下は…まだこの学園を出ていない。
「はぁぁぁ…面倒くさい」
ため息を吐く。
殿下がまだこの学園から一歩も外に出ていないということは私はまだ殿下を守る護衛としての仕事をしなければならないということ。
つまりは殿下を守るための行動を強制的にしなければならないということであり。
人数は…一人だけか。
もうちょっと奇襲なんだし暗殺者とか雇っているものだと思っていたがなんというか拍子抜けだな。
マジで単独の犯行なんて…ちっとも面白くない。
やるからにはここの全員を暗殺するぐらいの気持ちで人数揃えてきて欲しいんだが…その方が敵の戦力を減らせるし。
「ここは風でいいか…新緑なる風よ…我の敵を吹き飛ばせ『ウィンド』」
そうして魔法が発動し強風が木に向かって放たれる。
その風により木は枝を揺らし葉と虫を吹き飛ばし風に煽られ足を滑らせ矢をつがえていた男性は木から落ちてくる。
私はその隙を逃すことなく脚に力を入れて地を蹴り一気に近づくとその男性の首根っこを掴み取る。
ここは殺すべきだろうか…それとも気絶させとくべきだろうか?
そのままその男の首を掴み思考すること数十秒後後ろから殿下が「殺すなッ!」という声が聞こえたためその掴んだ首の力を緩めいつの間にか来ていた騎士に任せることとした。
その脚で人集りができている方へと足を進めるとその中心には先程首に矢を射られたクラスメイトの姿があった。
クラスメイトはぐったりとしているが息をしている。
どうやら通報を受けてここまで来たこの学園の保健室の先生が魔法で治療しているらしい。
そういえばこの世界には身体の回復を促す魔法があるということをすっかり忘れていた。
確か水と光の魔法には回復する魔法があるんだっけか。
それ以外には…神聖魔法という神の信徒になることによって身につく特殊な魔法が回復する手段を持つんだっけかな?
そんなことを考えていると殿下がこちらに向かって歩いてくるのが見えたのでそちらへ顔を向ける。
「すまないなこんなことになってしまって…疲れただろう?もう解散だから各自夜道に注意して帰るように」
そうクラスメイトの全員に聞こえるように伝えると殿下はどこか重い足取りでその場を去って行く。
それぞれが重い足取りで帰って行き…その場には私と二人の女子が残った。
一人は暗い顔をしたネルちゃんそしてもう一人は顔を青くしてその場に蹲り震える名前を覚えていない女の子。
確かこの子は…あぁ逃げる時に囮と言わんばかりに転ばされた子か。
「もう今日は帰ろうかな?」
そう聞こえるように呟き足を寮に進める。
私はついてくる二人分の足音を耳で聞き取りながらゆっくりとそれでいて不自然ではないように足を進めた。
0
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
異世界転生、死に損なったら鬼スキルが付いた。そして俺は吸血鬼ハンターとなる
ものぐさたろうの末裔
ファンタジー
橘秀樹はバイクの事故で死ぬことになったが、異世界に転生する事が出来た。
ラノベ小説を読んでいた為、転生するとチート能力が付くのではと喜んだが、ろくなスキルがつかない上に家は貧乏で、ろくでなし親父が嫌になり家を飛び出し冒険者になる。しかし伸び悩み盗賊にまで落ちぶれてしまっう。
ある日、山で馬車を襲った仕事帰りに隕石が落ちて来て仲間全員が吹き飛ばされ死ぬ中、瀕死状態になるも秀樹は何処からか聞こえて来た不思議な声の力で生きながらえた。
理由は解らないが、せっかく助かった命なのでやり直す事を決めたやさき、必死に生きているスラムの孤児達に襲われ、捕まえた孤児達に昔の自分の姿を見た秀樹は腹が立ち殴ろうとしたが、やり直す気持ちと思惑が相まって孤児達を1人前にしようと決め共同生活を始める事になる。
そんな中、拾った隕石のお陰で自分に特別なスキルが付いている事に気づき、成り上りを目指すが孤児達の仲間が国の軍部に拐われた事をきっかけに、裏で国に繋がっている盗賊が国に渡す金を強奪し孤児の仲間を救出する事を企てる。
まんまと金を強奪し孤児の仲間を救出した秀樹達は安全の為に他の遠い国へ逃げ、目立たないように何でも屋を開業する事にした。
仕事をする内に今まで鳴りを潜めていた吸血鬼が各国で暗躍している事に気づく。それは遥か昔に落ちた隕石にまつわる物だった。
秀樹自身も隕石を持っている事から因縁に巻き込まれ吸血鬼と戦う事を決意する。
何でも屋で冒険者でもあり吸血鬼ハンターの秀樹達は現れる強敵に打ち勝ち、成り上がれるか?
クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~
空地大乃
ファンタジー
「殺すと決めたら殺す。容赦なく殺す」
クラスで酷いいじめを受けていた猟牙はある日クラスメート共々異世界に召喚されてしまう。異世界の姫に助けを求められクラスメート達に特別なスキルが与えられる中、猟牙にはスキルが一切なく、無能として召喚した姫や王からも蔑まされクラスメートから馬鹿にされる。
しかし実は猟牙には暗殺者としての力が隠されており次々とクラスメートをその手にかけていく。猟牙の強さを知り命乞いすらしてくる生徒にも一切耳を傾けることなく首を刎ね、心臓を握り潰し、頭を砕きついには召喚した姫や王も含め殺し尽くし全てが終わり血の海が広がる中で猟牙は考える。
「そうだ普通に生きていこう」と――だが猟牙がやってきた異世界は過酷な世界でもあった。Fランク冒険者が行う薬草採取ですら命がけな程であり冒険者として10年生きられる物が一割もいないほど、な筈なのだが猟牙の暗殺者の力は凄まじく周りと驚かせることになり猟牙の望む普通の暮らしは別な意味で輝かしいものになっていく――
チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~
ふゆ
ファンタジー
私は死んだ。
はずだったんだけど、
「君は時空の帯から落ちてしまったんだ」
神様たちのミスでみんなと同じような輪廻転生ができなくなり、特別に記憶を持ったまま転生させてもらえることになった私、シエル。
なんと幼女になっちゃいました。
まだ転生もしないうちに神様と友達になるし、転生直後から神獣が付いたりと、チート万歳!
エーレスと呼ばれるこの世界で、シエルはどう生きるのか?
*不定期更新になります
*誤字脱字、ストーリー案があればぜひコメントしてください!
*ところどころほのぼのしてます( ^ω^ )
*小説家になろう様にも投稿させていただいています
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
魔王のジョブを持っているVRMMOのアバターで異世界へ転移してしまった件
Crosis
ファンタジー
借金まみれになり自殺した滝沢祐介は、目覚めると自分がプレイしていたVRMMOのアバター、クロ・フリートの身体とチート能力を持ち異世界に転生してしまう。
しかしいくら強力な力があってもお腹は満たせない為転生してすぐ、空腹により気を失うのであった。
そんな彼のハーレム異世界奮闘記である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる