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孤児のダンジョン生活
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そんなこんなで歩きながらゴブリンを倒して5層前の門がある場所まで到着するとができた。
出てくる魔物は変わらなくスライムやらゴブリンが出てくるだけで特に危なくない探索をすることができた。
まぁ1人を除いてだが。
「はぁはぁ…よ、ようやく5層だね。5層はね階層主っていう魔物がいてねそいつを倒さないと先に進めないんだ」
ヨグは槍を杖代わりにし息を切らしながらそう言った。
ここまで休まず戦い続け下りてきたせいでヨグには体力の限界が来ているみたいだ。
ちなみに私はというと全くと言っていいほど疲れていない。
私はほとんど戦っていないから疲れていないのかもしれないが。
「ふぅふぅ…じゃあ階層主と戦おうか」
そう私に喋りかけ門を開いた。
門をヨグは開けようと力一杯押しているのだが…開かない。
もしかしてマジで力不足で開かないの?
ヨグが門を押すこと1分が経ち2分が経ちヨグの顔は真っ赤になっていた。
そしてヨグは押すのをやめた。
「…ねぇレナさん。お願いします助けてください!」
そう私に言い放ち助けを求めてきた。
私の頭の中には2つの選択肢が思い浮かんだ。
1つ目が素直に私が門を開くのを助けて階層主の階層に入るというもの。
そして2つ目が門を開くのを助けずヨグが自力で門を開けるのを待つというものだ。
簡単に開けてしまったらヨグのためにならないしさ。
まぁそろそろ時間も時間だし今日泊まるところも取らなきゃいけないからさっさと倒すとしますかね。
階層主を倒したらダンジョンを出られる魔法陣が出現するみたいだし。
そう思い私は目の前にある門をヨグと一緒になって押すことにした。
感覚的には少し重く錆びているので開けづらくはあるが一般人の力でも十分に押せそうだと思った。
これもやっぱりヨグのユニークスキルにある『不完全体』の影響があるせいなのだろうか?
だとしたら普通の生活にも支障がありそうだな。
門を開けるとローマのコロッセオのような感じの闘技場の舞台がここにいるはずもない人だかりが観衆となって観戦の席へその身を置いていた。
ヨグと目を合わせ私たちはコロッセオの舞台へ足を踏み入れた。
観衆はその瞬間に盛り上がり各所から頑張れという声やらなんやらが聞こえてきた。
そうしてトランペットのような高い音が周囲を鳴らしとある声がその場に響く。
「レディースアンドジェントルメーンッ!今回も無謀な挑戦者が参りました!この無謀な挑戦者と戦うのは鋼鉄すら突撃して破壊する暴走の雄牛!ブルファーイ!」
そう男性のような女性のような声が響くとともに向こうから体長5メートル以上はあるであろう象サイズの牛が出てきた。
目は赤く体毛は赤黒い。
頭の角は先端が鋭くなっており一突きされたら体が貫かれると思えるような風貌をしている。
ブルファーイと呼ばれた雄牛は私たちの前まで来ると立ち止まり鼻を鳴らしその場に立ち止まった。
「こいつの名前はブルファーイ。星屑ダンジョンの1番目の階層主だよ…突進しかしてこなくて一定のダメージを与えると階層主は退場してくれてこの階層をクリアすることができるんだけど…まともにこいつの攻撃を食らわない方がいいよ。こいつはボク一人じゃ絶対に倒せない。ここからは手伝ってくれない?」
そういうとヨグは一息つき槍を構える。
私もそれに合わせるように腰につけてあるナイフを抜き構える。
「それでは両者準備ができたようなのでレディー…ファイッ!」
その声が響くとともにブルファーイが前のめりになりながら突進をしてくるので横に避け通り過ぎる時に斬りつける。
だがどうやら皮が相当厚いようでナイフの刃は突き刺さることもなくただ表面の毛を薄くするだけだった。
ヨグはというと避けた後に槍を地面に突き刺し両手に魔法玉を持ちそれを投げブルファーイの毛を焼いていた。
だがそれもあまり効くことはなくすぐに消火しヨグの方を向いた。
観衆はその光景に盛り上がり各所から応援の声が聞こえてくる。
ブルファーイはヨグの方を見るともう一度突進を行って行きヨグはそれを避けるがブルファーイはすぐさま避けられたのを見ると立ち止まりもう一度ヨグへと突進した。
「これじゃあまりにも距離が空きすぎて私は近接での攻撃はできないな。まぁだからこそ私は魔術で支援、攻撃を行うか」
属性は何が効くのかよくわからないがまぁとりあえず攻撃を行えればいいかということでとりあえず火でいいか。
いやそれとも闇属性でデバフをかけた方がいいのだろうか?
まぁとりあえず相手の体力を減らすとしますか。
「魔法陣展開!獄炎舞!」
周りには8つの炎の玉が浮かび上がり自分の肌を焼くような熱を発しながら周りを回る。
狙うは突進した後少し止まる足の部分。
体制さえ崩れればブルファーイの心臓やら頭やら狙って攻撃すれば多分だがこの戦闘は終了するだろう。
いやそもそもダンジョンの敵に心臓なんてあるのかわからないが。
「とりあえず行けッ!」
私が手をブルファーイの方へと振り落とし獄炎舞を操作する。
流石に並行思考があった時よりかは精度が落ちるが獄炎舞の炎の玉は豪速球と化し飛んでいき見事6つが足へと着弾し他の2つが体へと着弾しブルファーイは体制を崩す。
だがまだ倒れない。
「やぁぁぁぁぁッ!」
すると体制を崩したブルファーイに向かって今まで逃げて避けていたヨグが槍でぐらついたブルファーイの足を薙ぎブルファーイはようやくその身を地面へと倒した。
出てくる魔物は変わらなくスライムやらゴブリンが出てくるだけで特に危なくない探索をすることができた。
まぁ1人を除いてだが。
「はぁはぁ…よ、ようやく5層だね。5層はね階層主っていう魔物がいてねそいつを倒さないと先に進めないんだ」
ヨグは槍を杖代わりにし息を切らしながらそう言った。
ここまで休まず戦い続け下りてきたせいでヨグには体力の限界が来ているみたいだ。
ちなみに私はというと全くと言っていいほど疲れていない。
私はほとんど戦っていないから疲れていないのかもしれないが。
「ふぅふぅ…じゃあ階層主と戦おうか」
そう私に喋りかけ門を開いた。
門をヨグは開けようと力一杯押しているのだが…開かない。
もしかしてマジで力不足で開かないの?
ヨグが門を押すこと1分が経ち2分が経ちヨグの顔は真っ赤になっていた。
そしてヨグは押すのをやめた。
「…ねぇレナさん。お願いします助けてください!」
そう私に言い放ち助けを求めてきた。
私の頭の中には2つの選択肢が思い浮かんだ。
1つ目が素直に私が門を開くのを助けて階層主の階層に入るというもの。
そして2つ目が門を開くのを助けずヨグが自力で門を開けるのを待つというものだ。
簡単に開けてしまったらヨグのためにならないしさ。
まぁそろそろ時間も時間だし今日泊まるところも取らなきゃいけないからさっさと倒すとしますかね。
階層主を倒したらダンジョンを出られる魔法陣が出現するみたいだし。
そう思い私は目の前にある門をヨグと一緒になって押すことにした。
感覚的には少し重く錆びているので開けづらくはあるが一般人の力でも十分に押せそうだと思った。
これもやっぱりヨグのユニークスキルにある『不完全体』の影響があるせいなのだろうか?
だとしたら普通の生活にも支障がありそうだな。
門を開けるとローマのコロッセオのような感じの闘技場の舞台がここにいるはずもない人だかりが観衆となって観戦の席へその身を置いていた。
ヨグと目を合わせ私たちはコロッセオの舞台へ足を踏み入れた。
観衆はその瞬間に盛り上がり各所から頑張れという声やらなんやらが聞こえてきた。
そうしてトランペットのような高い音が周囲を鳴らしとある声がその場に響く。
「レディースアンドジェントルメーンッ!今回も無謀な挑戦者が参りました!この無謀な挑戦者と戦うのは鋼鉄すら突撃して破壊する暴走の雄牛!ブルファーイ!」
そう男性のような女性のような声が響くとともに向こうから体長5メートル以上はあるであろう象サイズの牛が出てきた。
目は赤く体毛は赤黒い。
頭の角は先端が鋭くなっており一突きされたら体が貫かれると思えるような風貌をしている。
ブルファーイと呼ばれた雄牛は私たちの前まで来ると立ち止まり鼻を鳴らしその場に立ち止まった。
「こいつの名前はブルファーイ。星屑ダンジョンの1番目の階層主だよ…突進しかしてこなくて一定のダメージを与えると階層主は退場してくれてこの階層をクリアすることができるんだけど…まともにこいつの攻撃を食らわない方がいいよ。こいつはボク一人じゃ絶対に倒せない。ここからは手伝ってくれない?」
そういうとヨグは一息つき槍を構える。
私もそれに合わせるように腰につけてあるナイフを抜き構える。
「それでは両者準備ができたようなのでレディー…ファイッ!」
その声が響くとともにブルファーイが前のめりになりながら突進をしてくるので横に避け通り過ぎる時に斬りつける。
だがどうやら皮が相当厚いようでナイフの刃は突き刺さることもなくただ表面の毛を薄くするだけだった。
ヨグはというと避けた後に槍を地面に突き刺し両手に魔法玉を持ちそれを投げブルファーイの毛を焼いていた。
だがそれもあまり効くことはなくすぐに消火しヨグの方を向いた。
観衆はその光景に盛り上がり各所から応援の声が聞こえてくる。
ブルファーイはヨグの方を見るともう一度突進を行って行きヨグはそれを避けるがブルファーイはすぐさま避けられたのを見ると立ち止まりもう一度ヨグへと突進した。
「これじゃあまりにも距離が空きすぎて私は近接での攻撃はできないな。まぁだからこそ私は魔術で支援、攻撃を行うか」
属性は何が効くのかよくわからないがまぁとりあえず攻撃を行えればいいかということでとりあえず火でいいか。
いやそれとも闇属性でデバフをかけた方がいいのだろうか?
まぁとりあえず相手の体力を減らすとしますか。
「魔法陣展開!獄炎舞!」
周りには8つの炎の玉が浮かび上がり自分の肌を焼くような熱を発しながら周りを回る。
狙うは突進した後少し止まる足の部分。
体制さえ崩れればブルファーイの心臓やら頭やら狙って攻撃すれば多分だがこの戦闘は終了するだろう。
いやそもそもダンジョンの敵に心臓なんてあるのかわからないが。
「とりあえず行けッ!」
私が手をブルファーイの方へと振り落とし獄炎舞を操作する。
流石に並行思考があった時よりかは精度が落ちるが獄炎舞の炎の玉は豪速球と化し飛んでいき見事6つが足へと着弾し他の2つが体へと着弾しブルファーイは体制を崩す。
だがまだ倒れない。
「やぁぁぁぁぁッ!」
すると体制を崩したブルファーイに向かって今まで逃げて避けていたヨグが槍でぐらついたブルファーイの足を薙ぎブルファーイはようやくその身を地面へと倒した。
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