孤児のTS転生

シキ

文字の大きさ
上 下
60 / 196
孤児の冒険者活動

60

しおりを挟む
私はフロストワイバーンを倒した後、門を通り冒険者ギルドへと帰還して虚空庫に入っていたフロストワイバーンをギルドに売った。
フロストワイバーンは色々なところが優秀な素材にできる。
鱗、牙はCランク級の装備に加工でき肉は貴族にも食べられるているくらいに高級食材となり内蔵と尻尾の毒針は錬金素材となる。

私は冒険者ギルドでフロストワイバーンを売った後帰ろうとしていた。
だが今の時間は1時。
今帰ったところで引きこもることぐらいしかやることがないし研究することも今はこれといってない。

私は何をしようか悩みながら『飽食の胃袋』に手を入れて食べ物を適当に取り出して仮面をずらして口に入れる。
今回出てきたのはおにぎり。
『飽食の胃袋』は自分の記憶の中にある食べ物もランダムに取り出せるらしく日本の料理も取り出せるため非常に便利だ。
私はこの世界の料理があまり口に合わないため食事の8割ぐらいはこの袋に頼った生活をしている。
そのおかげで消費するお金より稼いだお金の方が多くなってしまいお金は溜まっていく一方だ。
そんなこんなで私が今から何をしようか考えているとギルド職員の人からお呼び出しを受けた。

「すみませんレナさん。あなたに指名依頼が入っていますので受けてくれませんか?」

そう言われて私はびっくりした。
指名依頼はよく貴族が高ランクの冒険者に対して依頼を指定して受けさせる依頼だ。
その依頼の報酬金額は普通の依頼の2倍ぐらいにも跳ね上がる。
そんな依頼をまだ高ランクとは言いづらい私に依頼されるということは少し異例の依頼となっている。

「依頼を出したお方はこの街の領主様の御子息様。依頼内容はとりあえず友達としてきて欲しいとのことです」

そう言われて私は「なるほど」と納得した。
アルキアンとは友達だと前に約束した。
だから貴族としての命令ではなく友達としてきて欲しいと言われているのだと納得した。
まぁ正直言って面倒だが行くしかないだろう。
私は冒険者でアルキアンは貴族。
冒険者で庶民である私から貴族が断れたらあっちのメンツも悪くなってしまうから私は行くしか選択肢はないのだろうね。

「…了解」

私はそう小さく呟く。
ギルド職員は私が呟いたと同時に指定時間や指定場所を話し出した。
指定時間は鐘のなる頃で指定場所はあの時起き上がった部屋とのこと。

…なんとなくは理解ができた。
この街の鐘は朝の4時と昼の12時と夜の9時頃に鐘が鳴らされる。
ということで指定時間は9時頃に行けばいいということだろう。
んであの時起き上がった部屋はあいつを助けて起き上がった部屋だから客室に行けばいいんじゃないだろうか。
まぁ今日の夜は退屈しなさそうである。

「これ前金だそうです。…頑張ってくださいね?」

ギルド職員は私のことを応援した後に前金を渡してきた。
前金は金貨100枚。
軽く私が今日稼いだ金額を超えてしまった。
というかこんなにお金が支払われるということはかなりやばい依頼なのではないだろうか?

そうと決まれば入りそうなものを揃えてくるか。
といってもそんなに揃えるものなんてないんだがね。

私は冒険者ギルドを出て商業区に移動して野営などで便利そうな道具を買い集めた。
テントやポーションなど色々だ。
にしてもマナポーションというのはやっぱり高い。
一つだけで金貨1枚もする。
まぁこれによって魔術を乱射できるようになった。
それを活用できることがないことが一番だけど。

テントやポーションを買い集めて数時間が経過した。
今の時間は4時ぐらいになってしまっただろうか?
陽が少しずつ傾いていき人通りも少しずつ少なくなってきているようになっている。

にしてもそろそろ陽の光がなくなるから寒くなってしまう。
やっぱり防寒具も必要だろうか?
いつも夜になると気温が下がりまくって布団にくるまらないと生きていけないほどになってしまうからな。
重ね着みたいなやつが必要になるだろう。

…少女買い物中…

「ふぅこんなもんかな?一応必要そうなのは買ったし着替えとかも買い揃えたからこれで準備は十分だと思うんだが」

今の時刻は8時30分ぐらい。
もう陽は落ち月が上に出てきている。
今まで外に出ていた屋台はすっかり店じまいしてしまい外で遊んでいた子供たちも帰宅してしまった。

「そろそろ仕事の時間か…」

私は気配操作を駆使して自分の気配をできるだけ薄くする。
そうして俺は走り出した。
ここからは友達として俺という一人称を使っていくことにしよう。
これから行くところは俺を使っても誰も叱らないからね。
気軽に行くこととしようではないか。

走り続け時に家の屋根を走り路地裏を抜け俺はようやく領主の館の客室にたどり着いた。
いや正確には忍び込んだが正解かな?
なんとなくだがここの兵士は気が立っているような気がしたし見つかったらやばいと直感で思ったため見つからないように忍び込んだがこれでよかったのだろうか?
…そろそろ鐘が鳴る頃だからここで待っていればアルキアンが来るはずだが。

そんな風に考えていると部屋のドアが静かに音を立てて開いた。
俺は顔を上げてその方向を向く。
そこにいたのはプラチナの髪を持ち一方に翡翠色の瞳もう一方に水色の瞳を持つ少年がそこに立っていた。

「やぁレナ。こんばんは…久しぶりだね?」

そう言ってアルキアンは笑みを浮かべていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

異世界転生、死に損なったら鬼スキルが付いた。そして俺は吸血鬼ハンターとなる

ものぐさたろうの末裔
ファンタジー
橘秀樹はバイクの事故で死ぬことになったが、異世界に転生する事が出来た。 ラノベ小説を読んでいた為、転生するとチート能力が付くのではと喜んだが、ろくなスキルがつかない上に家は貧乏で、ろくでなし親父が嫌になり家を飛び出し冒険者になる。しかし伸び悩み盗賊にまで落ちぶれてしまっう。 ある日、山で馬車を襲った仕事帰りに隕石が落ちて来て仲間全員が吹き飛ばされ死ぬ中、瀕死状態になるも秀樹は何処からか聞こえて来た不思議な声の力で生きながらえた。 理由は解らないが、せっかく助かった命なのでやり直す事を決めたやさき、必死に生きているスラムの孤児達に襲われ、捕まえた孤児達に昔の自分の姿を見た秀樹は腹が立ち殴ろうとしたが、やり直す気持ちと思惑が相まって孤児達を1人前にしようと決め共同生活を始める事になる。 そんな中、拾った隕石のお陰で自分に特別なスキルが付いている事に気づき、成り上りを目指すが孤児達の仲間が国の軍部に拐われた事をきっかけに、裏で国に繋がっている盗賊が国に渡す金を強奪し孤児の仲間を救出する事を企てる。 まんまと金を強奪し孤児の仲間を救出した秀樹達は安全の為に他の遠い国へ逃げ、目立たないように何でも屋を開業する事にした。 仕事をする内に今まで鳴りを潜めていた吸血鬼が各国で暗躍している事に気づく。それは遥か昔に落ちた隕石にまつわる物だった。 秀樹自身も隕石を持っている事から因縁に巻き込まれ吸血鬼と戦う事を決意する。 何でも屋で冒険者でもあり吸血鬼ハンターの秀樹達は現れる強敵に打ち勝ち、成り上がれるか?

クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃
ファンタジー
「殺すと決めたら殺す。容赦なく殺す」 クラスで酷いいじめを受けていた猟牙はある日クラスメート共々異世界に召喚されてしまう。異世界の姫に助けを求められクラスメート達に特別なスキルが与えられる中、猟牙にはスキルが一切なく、無能として召喚した姫や王からも蔑まされクラスメートから馬鹿にされる。 しかし実は猟牙には暗殺者としての力が隠されており次々とクラスメートをその手にかけていく。猟牙の強さを知り命乞いすらしてくる生徒にも一切耳を傾けることなく首を刎ね、心臓を握り潰し、頭を砕きついには召喚した姫や王も含め殺し尽くし全てが終わり血の海が広がる中で猟牙は考える。 「そうだ普通に生きていこう」と――だが猟牙がやってきた異世界は過酷な世界でもあった。Fランク冒険者が行う薬草採取ですら命がけな程であり冒険者として10年生きられる物が一割もいないほど、な筈なのだが猟牙の暗殺者の力は凄まじく周りと驚かせることになり猟牙の望む普通の暮らしは別な意味で輝かしいものになっていく――

転生皇太子は、虐待され生命力を奪われた聖女を救い溺愛する。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ
ファンタジー
 私は死んだ。  はずだったんだけど、 「君は時空の帯から落ちてしまったんだ」  神様たちのミスでみんなと同じような輪廻転生ができなくなり、特別に記憶を持ったまま転生させてもらえることになった私、シエル。  なんと幼女になっちゃいました。  まだ転生もしないうちに神様と友達になるし、転生直後から神獣が付いたりと、チート万歳!  エーレスと呼ばれるこの世界で、シエルはどう生きるのか? *不定期更新になります *誤字脱字、ストーリー案があればぜひコメントしてください! *ところどころほのぼのしてます( ^ω^ ) *小説家になろう様にも投稿させていただいています

いらないと言ったのはあなたの方なのに

水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。 セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。 エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。 ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。 しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。 ◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬 ◇いいね、エールありがとうございます!

ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?

望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。 ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。 転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを―― そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。 その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。 ――そして、セイフィーラは見てしまった。 目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を―― ※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。 ※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)

魔王のジョブを持っているVRMMOのアバターで異世界へ転移してしまった件

Crosis
ファンタジー
借金まみれになり自殺した滝沢祐介は、目覚めると自分がプレイしていたVRMMOのアバター、クロ・フリートの身体とチート能力を持ち異世界に転生してしまう。 しかしいくら強力な力があってもお腹は満たせない為転生してすぐ、空腹により気を失うのであった。 そんな彼のハーレム異世界奮闘記である。

処理中です...