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孤児の冒険者活動
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アルキアン様かぁ。
うーむぅ顔をあまり覚えてないんだよな。
護衛は2時間後の王国の城門前からの開始だからまだ時間はあるんだがその間は準備に当てよう。
俺は早速ナイフを持ち長くなった髪を鏡を見て切る。
長さは少し短くして現代風に言うのならショートカットの一種になる感じの髪型に整える。
そしてここにきた時に着させられ今も着ている病衣を脱ぎ黒色のフード付きのパーカーとカーゴパンツのような黒色のズボンを履き最後に仮面を被る。
この仮面をつけると食べ物を食べづらくなるからあまりつけたくないんだがしょうがないよな出来るだけ個人情報は外に出したくないし。
まぁ他の人から見たら子供が仮面をつけているという感じにしか見えないだろうな…。
俺はギルドマスターが帰る際に取り外された枷を見る。
「いくつもあるからこれはやると言われたがこんな危険物どうしろというんだか…適当に虚空庫の中に入れとくか」
虚空庫を呼び出し枷とその枷の鍵を箱の中に入れて虚空庫の奥の方にギルドマスターへの憎しみを込めてぶち込む。
にしてもあんなにスッカスカだった虚空庫も今じゃ半分も埋まってしまったな。
まぁ大体が王国の報酬で『飽食の胃袋』とは別に貰った金貨とか魔術の研究で使用する紙の束や生活に必要な物だが。
報酬のおかげでお金は余程のことがない限り尽きることは無いがまぁ贅沢は敵なのは変わらない。
「準備したしそろそろ行くか」
俺はパンを口に入れベルトにナイフを2本挿す。
持っているナイフは合計で3本だがもう1本は邪魔になるため虚空庫の中に入れている。
そうして俺は扉を開け教会を出る。
王国は相変わらず商売をする人や冒険者で賑わっており騒々しいくらいだ。
人と人の間を通り抜けようやくの思いで城門前に移動ができた。
城門には銀色の鎧を着た兵士がおりその前には豪華に装飾された馬車がある。
…あれじゃどうぞ襲ってくださいと山賊に言っているようなものだと思うんだが貴族のプライドがそれを許さないのだろうと俺は1人でそう考えた。
ギルドマスターが言うには今回の護衛にくるパーティは1つだけ。
この度Aランクのパーティになった『ドラゴニア』だ。
まぁ来る時も同じだったから帰り道みたいな感じだろう。
あの人達のパーティだったら安心だし信頼もしているから今回の護衛は完璧なものとなるだろうね。
俺は馬車へ近づき御者に挨拶をした後に馬車の外で待機する。
今回の護衛での場合は貴族が馬車の中で待機し冒険者が馬車の周りを歩きながら移動すると言う形だ。
当然馬車は早く移動ができないから必然的に着く時間が遅くなってしまうがその分安全に移動ができる。
「というか俺達冒険者に頼むより騎士達に任せればいいと思うんだが…あちらさんは護衛のエキスパートなんだし」
俺がそんなことを言っていると俺の身体を黒い影が覆った。
それは大柄の男性で優しい声で俺に話しかけた。
「んなこと言うなよレナ。というか久しぶりだな元気してたか?」
俺は後ろを向く。
そこには冒険者の中で一番俺が信頼しているパーティ、『ドラゴニア』がいた。
相変わらずローガンさんは大きな大剣を持っているからわかりやすい。
そういえば『ドラゴニア』の面々はこの度の戦争で二つ名が変わったらしくそれはそれは大層な名前になったようだ。
ローガンさんは戦争で暴れ回ったことから『大剣豪』。
ミニューさんは何百ものキメラを一度に眠らせたことから二つ名が見直されて『睡蓮の女王』
フガクさんは戦争の時に竜化して全ての攻撃を自分に集中させたことから後衛そして前衛までも守り切り死傷者を出さなかったことから『守護竜』。
そしてモエさんはこの人達への指示及び冒険者への指示を的確に行い活躍したことで『参謀』。
モエさんはつけられた時騒ぎそうになっていたが王様がその二つ名を任命して見届けたのだから文句を言えないということもあり普通に受け入れている。
本人からしてはこんな二つ名は絶対嫌だと言っている。
俺は似合うと思うんだがなぁ…この一癖も二癖もあるパーティを取り締まっているんだからさ。
まぁそんなわけで俺にも王様から貰った二つ名がある。
確か戦争の最前線で最年少での活躍及び1人で国を守っていたことをこの国の老人達が見ていたことを後から知ったことからそれを称賛されてつけられた。
その名も『小さき英雄』。
こんな俺みたいな孤児には似合わなすぎる二つ名をつけられてしまったがこれを取り下げるなんてことはもうできない。
この二つ名は国中に広がっておりもう小さい子も知っているような名前になってしまっている。
ものすごく恥ずかしいが国王からの命令は絶対。
取り下げることはできない。
「こ、こんにちは、『ドラゴニア』の皆さん…こ、今回の護衛もよろしくお願いしますね?」
そう言う『ドラゴニア』の皆は「任せておけ」と言い俺の横にくる。
貴族…アルキアン様はまだ来ないからまだ雑談する時間がある。
俺はその時間を使い『ドラゴニア』の皆さんとの会話を楽しむことにした。
…俺はまだ会話には慣れていないようだ。
どうしても吃ってしまう。
これ、どうにかならないかなぁ?
ん?
ギルドマスターには吃ってなかったって?
あんなの人としてカウントしてないからいいんだよ…。
うーむぅ顔をあまり覚えてないんだよな。
護衛は2時間後の王国の城門前からの開始だからまだ時間はあるんだがその間は準備に当てよう。
俺は早速ナイフを持ち長くなった髪を鏡を見て切る。
長さは少し短くして現代風に言うのならショートカットの一種になる感じの髪型に整える。
そしてここにきた時に着させられ今も着ている病衣を脱ぎ黒色のフード付きのパーカーとカーゴパンツのような黒色のズボンを履き最後に仮面を被る。
この仮面をつけると食べ物を食べづらくなるからあまりつけたくないんだがしょうがないよな出来るだけ個人情報は外に出したくないし。
まぁ他の人から見たら子供が仮面をつけているという感じにしか見えないだろうな…。
俺はギルドマスターが帰る際に取り外された枷を見る。
「いくつもあるからこれはやると言われたがこんな危険物どうしろというんだか…適当に虚空庫の中に入れとくか」
虚空庫を呼び出し枷とその枷の鍵を箱の中に入れて虚空庫の奥の方にギルドマスターへの憎しみを込めてぶち込む。
にしてもあんなにスッカスカだった虚空庫も今じゃ半分も埋まってしまったな。
まぁ大体が王国の報酬で『飽食の胃袋』とは別に貰った金貨とか魔術の研究で使用する紙の束や生活に必要な物だが。
報酬のおかげでお金は余程のことがない限り尽きることは無いがまぁ贅沢は敵なのは変わらない。
「準備したしそろそろ行くか」
俺はパンを口に入れベルトにナイフを2本挿す。
持っているナイフは合計で3本だがもう1本は邪魔になるため虚空庫の中に入れている。
そうして俺は扉を開け教会を出る。
王国は相変わらず商売をする人や冒険者で賑わっており騒々しいくらいだ。
人と人の間を通り抜けようやくの思いで城門前に移動ができた。
城門には銀色の鎧を着た兵士がおりその前には豪華に装飾された馬車がある。
…あれじゃどうぞ襲ってくださいと山賊に言っているようなものだと思うんだが貴族のプライドがそれを許さないのだろうと俺は1人でそう考えた。
ギルドマスターが言うには今回の護衛にくるパーティは1つだけ。
この度Aランクのパーティになった『ドラゴニア』だ。
まぁ来る時も同じだったから帰り道みたいな感じだろう。
あの人達のパーティだったら安心だし信頼もしているから今回の護衛は完璧なものとなるだろうね。
俺は馬車へ近づき御者に挨拶をした後に馬車の外で待機する。
今回の護衛での場合は貴族が馬車の中で待機し冒険者が馬車の周りを歩きながら移動すると言う形だ。
当然馬車は早く移動ができないから必然的に着く時間が遅くなってしまうがその分安全に移動ができる。
「というか俺達冒険者に頼むより騎士達に任せればいいと思うんだが…あちらさんは護衛のエキスパートなんだし」
俺がそんなことを言っていると俺の身体を黒い影が覆った。
それは大柄の男性で優しい声で俺に話しかけた。
「んなこと言うなよレナ。というか久しぶりだな元気してたか?」
俺は後ろを向く。
そこには冒険者の中で一番俺が信頼しているパーティ、『ドラゴニア』がいた。
相変わらずローガンさんは大きな大剣を持っているからわかりやすい。
そういえば『ドラゴニア』の面々はこの度の戦争で二つ名が変わったらしくそれはそれは大層な名前になったようだ。
ローガンさんは戦争で暴れ回ったことから『大剣豪』。
ミニューさんは何百ものキメラを一度に眠らせたことから二つ名が見直されて『睡蓮の女王』
フガクさんは戦争の時に竜化して全ての攻撃を自分に集中させたことから後衛そして前衛までも守り切り死傷者を出さなかったことから『守護竜』。
そしてモエさんはこの人達への指示及び冒険者への指示を的確に行い活躍したことで『参謀』。
モエさんはつけられた時騒ぎそうになっていたが王様がその二つ名を任命して見届けたのだから文句を言えないということもあり普通に受け入れている。
本人からしてはこんな二つ名は絶対嫌だと言っている。
俺は似合うと思うんだがなぁ…この一癖も二癖もあるパーティを取り締まっているんだからさ。
まぁそんなわけで俺にも王様から貰った二つ名がある。
確か戦争の最前線で最年少での活躍及び1人で国を守っていたことをこの国の老人達が見ていたことを後から知ったことからそれを称賛されてつけられた。
その名も『小さき英雄』。
こんな俺みたいな孤児には似合わなすぎる二つ名をつけられてしまったがこれを取り下げるなんてことはもうできない。
この二つ名は国中に広がっておりもう小さい子も知っているような名前になってしまっている。
ものすごく恥ずかしいが国王からの命令は絶対。
取り下げることはできない。
「こ、こんにちは、『ドラゴニア』の皆さん…こ、今回の護衛もよろしくお願いしますね?」
そう言う『ドラゴニア』の皆は「任せておけ」と言い俺の横にくる。
貴族…アルキアン様はまだ来ないからまだ雑談する時間がある。
俺はその時間を使い『ドラゴニア』の皆さんとの会話を楽しむことにした。
…俺はまだ会話には慣れていないようだ。
どうしても吃ってしまう。
これ、どうにかならないかなぁ?
ん?
ギルドマスターには吃ってなかったって?
あんなの人としてカウントしてないからいいんだよ…。
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