勇者が踏まれに来た。

桜若葉

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ルクが来て数日経った。相変わらず敵意は無いようだった。武器を返せと要求することなくこちらの命令に大人しく従う。

ルク用に用意された部屋で魔王の業務が終わるまで大人しく待っている。しかしルクは時たま突飛な行動を取るのでゲレを飽きさせなかった。

「フン他愛もない」

政が終わり一息つくと不意に気配を感じて見れば物陰でルクがこちらを窺っていた。こうしているとほぼペットのような存在だ。

「どうした?遊んで欲しいのか?」

僅かに頷いた相手は物陰からそわそわしながら姿を現す……裸だった。初めて会った時の羞恥はどこへ行ったのかとよく見ると萎えて納まっている彼の性器に何かが巻きついていた。

(何だ……リードか?)

陰囊から裏筋、亀頭まで丁寧に結ばれ、先端から伸びるリードの持ち手をルクは上目遣いでゲレに差し出した。

「引っ張ってくれ……思い切り」
「…………」

ゲレは無言でリードを手に取る。言われた通りぐいっと思い切り引っ張ってやるとぶるんっと僅かに伸びたペニスがこちらに向いた。

「んおぉっ」

リードを引かれる衝撃に身を震わせながらルクは背後にある壁にもたれかかると前のめりになるまいと足を踏ん張るようにガニ股になった。まるでリードを引いて反抗する犬のような滑稽さを鼻で嗤うとさらに引っ張ってやる。

「んおっ!?つ、つよいぃ!」

強く引く度に前のめりになるまいとくいっくいっと腰を引き反発してくるのが面白くてまるで綱引きでもしているみたいだ。

「ククク…………ほら、どうした?もっと踏ん張ってみせろ」
「ひおっん、ん、がんばるぅっ……!」

初めの頃の凛とした表情は跡形もなく眉が垂れ下がり、泣きそうな顔で頬を弛ませている。リードを引き合っているうちにぷるぷると跳ねていたペニスが膨らんでゲレに引かれなくても反り返り自ら裏筋を見せた。

「何だ?こんなので勃起したのか?恥ずかしいやつめ」
「あっあっらって、おちんちんがこしゅれちゃうからっ……!おぉっ……ぐ……。」

萎えていた時よりムクムクと成長したペニスに巻きつけられているリードがぎゅっと食い込む。血管が浮いて今にも爆発寸前と言った所だが亀頭回りを拘束する縄が射精を妨げていた。

……なんて恥ずかしい格好だ。
そう思いながら尚もリードを強弱つけて弾いてやると我慢汁が床を汚した。

「あんっおっおっ!とってぇっこれっとってぇぇぇっイきたいっ!おっちんちんくるしいっ!」
「そうか?良さそうじゃないかこんなに涎を垂らして」

痛くないように絶妙な力加減でリードを引きペニスを刺激してやる。敏感な部分を紐で擦られ射精感は高まりガクガクと腰が跳ねる。

「やら……これ……まおう……」
「……仕方の無いやつめ」

涙目で強請られたゲレは拘束されたペニスを解こうと結び目を弄るが気持ちいいのかくすぐったいのかルクの身体が跳ねてしまうのでなかなか解けなかった。

「あっ、ひんっや、やぁ……、」
「こら、動くな……全くどれだけきつく結んだのだ?」
「ん、ん……!あっ」

揺れ動くそれを掴み解れを解くと緩んだ縄は先走りに滑り戒めを解放した。にも関わらず未だにルクのペニスはゲレの手から離れようとしない。

「は、まおうっまおう……っ」
「……」
「っあひぃいぃ……~~~~~っ!」

掌に擦り付けてくる様に呆れながら陰囊を思い切り潰してやるとルクは舌を突き出して白濁を飛ばした。

「はぁ……だから自分で解かなかったのか。」
「ひゃ……ごめ……あぅっ……」

悶えながらずるずると地面にへたれ込むルクを抱え上げると嬉しそうに顔を埋めてきた。

「はぁ……すごいよお……こんなのはじめて……」
「そうか」
「王国に居た時からずっと魔王にこうされたくてがんばってきてやっと……」
「なんだと?」

ふにゃりと笑いながら聞き捨てならないことを言い出したルクに少し目を見開いた。

「ん……お前の噂を聞いた時からずっと会いたくて、一生懸命鍛錬して勇者になれるようにがんばったんだ」
「私に会う為……か」

巷で流れる魔王の噂などどれも悪虐の限りを尽くす恐怖の魔王と蹂躙される国々というろくでもないものばかりだったのではないか。
そんな魔王に虐めてもらう為にわざわざ勇者になってまでここまで来たということか?

(なんというか、面白い……面白いというか、すごい奴だな)

「でも、実際会ってみて拍子抜けというか」
「?」
「いや、少し安心した部分もあるかも……だって魔王、なんだかんだ優しい……ひゃっ……!」
「黙れ」
「ひゃい」

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