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一章:出逢イハ突然ニ
新学期 07
しおりを挟む招かれるままに安津の隣の先生のデスクに腰掛けた。
安津は自分のデスクに座り、事務用の回転椅子を知有の方に向ける。
自然と安津の体も知有と向かい合わせになった。
「あのよお、頼みたいことがあんだよ。他の奴には頼み難いし、俺は引き継ぎやら何やらで忙しくて身動きが取れねぇんだ。お前にしか頼めなくてさ。悪いけど、宅配頼まれてくんないか?」
安津にしては珍しく、歯切れ悪く切り出された話題。
彼は困り顔で頭を掻いている。
知有の顔色を窺うようにして見ていた。
知有は怪訝に思いながらも、叱られなかったことに安堵し、宅配ぐらいならば大丈夫だと頷いてみせるのだった。
全ては必然に。
彼との出逢いは用意されていたのだろう。
動きを止めていた歯車が、ゆっくりと稼働を始めた。
様々なものを巻き込みながら、其れは廻る――。
解ッテイタンダ。
オレハ不要品デ。
ガラクタヲ受ケ入レテクレタ
叔父ダケガ世界ニハ必要。
他ニハ何モ要ラナカッタ──
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