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悪戯してもイイよね?
悪戯してもイイよね? 08
しおりを挟む「っ、ぅ、がん、ば、るよ。……ぁ、サ、ンく」
息が上がる中でどうにか言葉を口にするも甘い声が出そうになり戸惑いに参の名を呼んでいた。
彼は薄く笑うだけで、もどかしい刺激しかくれはしない。
さわさわ、と触れるか触れないかギリギリのところを掌が、指先が、男の肉が行き来するのだ。
「ぁぅ、っ、う、っ、もっ、と」
ねだるような言葉を吐き出すのははしたなくて恥ずかしいと思う。
けれども、下半身から這い上がってくる甘い感覚に、もっと強い刺激を欲してしまうのだ。
「もっと? 具体的にどうして欲しいのか教えてくれないと。解らないだろ?」
意地悪く問うてくる参の顔は笑っている。
口にするまで何もしてくれないのだろうか、と快感を欲してしまう自分に戸惑いながら深黒の目が瞬いた。
一方的に嬲られる性行為しか知らない深黒にはハードルが高いのだ。
「さ、ささ、サン、く、ん。僕、ぼ、く。わかんない。わかんないよ」
うううう、と唸り首を左右させる深黒の唇が優しく塞がられる。
そっ、と頭を撫でてくれる感触が慈愛に満ちていて深黒は安堵した。
「ごめん、クロ君。ウブな君に求めることではなかったね。つい苛めたくなって。悪かったよ」
「う、ん。大丈夫」
頷いた深黒の額に参の額が当たる。
至近距離で見詰めた瞳が互いに細まった。
一方通行なのではなく想い合っているのだと、参の胸を熱い何かが込み上げていく。
親友でいることを自身に課していた時には、深黒を愛しく想うことを無意識に封じていた。
その反動なのか、愛しくて愛らしくてどうしていいのか解らない。
彼を甚振った男達と同じになりたくはないと自身を諌めながらも、深黒に触れたくて堪らない。
探るみたいな慎重さで唇を寄せると、鼻の頭に当たった。
深黒の唇から「サン君」と言葉が零れ落ちる。
瞳を潤ませている深黒の瞼に口付けた。
身体を重ねる行為が神聖に思えてしまうのは、深黒を大事に大切にしたいからなのだろう。
「だ、っ、だだだ、っ、大丈夫、だよ。キス、いっぱい、したい」
ちゅ、ちゅ、と唇を避けて顔中にキスを降らしていると、深黒の両腕が首に回された。
顔を真っ赤にさせた深黒の唇が尖り、拗ねた響きでねだってくる。
参と深黒が共に過ごしてきた月日はとても長い。
言葉にしなくとも考えていることは何となく伝わってしまう。
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