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一章:援交とタローさん
プロローグ
しおりを挟む1.援交に求めるモノ
【プロローグ】
皮膚と皮膚の触れ合いは、何処か母親との想い出に似ている。
まだ物心が着く前の、赤ん坊の頃に抱き上げて貰った感触は、はっきりとは覚えていなくとも、記憶の奥底に残っているのだ。
そう思うと、肌を辿る武骨な男の指先にでさえ、愛を感じることが出来た。
それだから、体を差し出して、僕は愛を受け取る。
これは契約だ。
世の中は契約で成り立っている。
ギブアンドテイクの世界である。
大人も子供も関係ない。
僕は肌を重ねて愛を感じたい。
相手は快楽が欲しい。
お互いの利害は一致している。
喩えそれが、犯罪であったとしても、構わない程に飢えている。
溺れてしまいたい。
誰も僕に与えてはくれないのだから、自分から求めるしかないのだ。
気持ち良くなって、お金も手に入る。
その上、愛を感じられるのならば、幾等でも体を売ろう。
僕は愛が欲しいのだ。
焦がれても手に入らないなんてことは解っているけれど、少しでも貴女の愛を感じたい。
それだから僕は、汚れることにも躊躇しなかった――。
* * * * * *
ヴヴゥー、ヴー、と携帯が震えているのを太股が感じ取る。
黒い学ランのズボンから携帯を取り出してみれば、案の定、メールが届いていた。
出会い系と呼べる代物ではないが、男同士の相手を探す掲示板で手当たり次第に返信した内の一人からだった。
ご主人様や奴隷を募る本格的なパートナー募集から、セフレにならないかと言う軽めのものまで、その掲示板には多岐に渡って募集が書き込まれている。
僕が遊ぶのは、軽めの援交染みたセフレ募集のみ。
SMの世界にはまだ首を突っ込みたくはなかった。
何せまだ中学生である。
体を売りこそすれ、そこまでの度胸は流石にない。
机の中に携帯を移動させ、教卓に立つ教師に見つからないようにメールを返した。
今日の夜、会う約束を取り付けて携帯を閉じる。
気分が高揚して、僕は熱い息を吐き出した。
また肌の上をごつごつとした大人の手が這い回り、僕の体を侵略していくのだ。
愛と性交は似ている。
僕の中を得体の知れないものが満たしていくのだ。
考えるだけで体が熱くなるのだった。
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