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一章:調教スタート
ハジマリ 04
しおりを挟む「もう良いよ。お兄ちゃんには教育が必要みたいだから、一杯可愛がってあげる。まずは、その汚ならしい体を浄めないと」
どんっ、とお腹を守るために丸めていた背中を横に蹴られ、勢いで転がった。
リードを引っ張られ、床の上を引き摺られる。
首輪が首を締め上げる形になり、息が出来ない。
苦しくて堪らない。
首輪と首の境目を必死で引っ掻いた。
どうなる訳でもないが、少しでも隙間を作りたかったのだ。
「ああ、ごめんね、お兄ちゃん。これじゃあ、死んじゃうか」
うーっうーっ、と唸っているのに前を向いて鎖を引っ張る弟に聞こえたのか、背中しか見えなかった弟が振り向いた。
近寄って来ると、今度は脇腹を何度も蹴り始める。
僕の体は、蹴りの衝撃で少しずつだが前に進んでいるようだった。
「良かったね、お兄ちゃん。これなら死なないよ? お兄ちゃん、ボールみたいだ。ふふ、犬じゃなくて犬以下なんだね」
脇腹を蹴る合間に、時折ワザとらしく他の箇所にも蹴りが当たった。
太股や顔面、股間にも容赦なく入る。
もう殺して欲しかった。
実の弟にこんな犬以下だと言われながらボールのように蹴られて運ばれるだなんて、耐えようのない屈辱だ。
げほっ、ごぼっ、と蹴られる度に出ていく息に血が混ざり、床にも血が垂れていく。
弟の足は血で赤く染まっていた。
寝ないでよ、と腹部を上から勢いを付けて踏まれる。
ぐはっ、と血の塊が外に出るのが見えた。
痛みで指一本動かせない。
それなのに、立てと鎖を引かれる。
「あ、がっ、ぁああっ、まっ、て。うご、けない」
「もう、だらしないなあ、お兄ちゃんは。女と遊んでばっかいるからだよ。体が全然出来てない。こんなんじゃ、お兄ちゃん生きられないよ?」
ぶつくさと物騒な台詞と共に、しゃがみ込んだ弟の手で服を引き裂かれる。
素手で乱暴にビリビリっと破いていく様は、最早人間ではない。
怪物か、と痛みで朦朧とする頭で考えていると、急に僕の体はふわりと持ち上がった。
弟の肩に担がれたようだ。
背中が見える。
「綺麗に浄めたら、痛いのはやめてあげるね。お兄ちゃん、弱いから死んじゃいそうだし。筋肉がないから、ほら、こんなにグロい色になってる」
赤紫に変色している肌をぐりぐりと遠慮なく押され、弟の肩の上でピクビクと体が跳ねた。
唇をギリッと噛んで堪える。
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