玩具にされた子供

Neu(ノイ)

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一章:秘められた情事

虐待の行き着く先 02*

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淵から溢れた血液を絡め、バイブを出し入れする父の瞳に生気は見えない。
何処か壊れているのだ。
父も母も殺伐とした日常の中で何かを消耗し、壊れてしまったのだ。
僕のたった一つの願いは、壊れた二人の何かが治り、僕を人間として扱ってくれる二人に戻ることだった。
だが、希望が何の役にも立たないことは、この時には痛い程に解っていた。
目の前に拡がるのは、絶望のみである。
絶望だけが僕に与えられる。
体内を好き勝手に動き回る無機質な玩具に犯される僕に未来などないのだ。


 動かない体躯を揺らし、少しでも楽になろうと試みるも、ギリギリまで引き抜いたバイブを思い切り根本まで押し込まれ「ひぐぅ」と苦悶の声が自由にならない口から漏れる。
ぐいんぐいん、と振動と旋回を繰り返す玩具で体内を掻き混ぜられる感覚に内臓が口から飛び出しそうだった。

「ぇ、っぐぅ」

口端からだらしなく垂れる唾液と溢れた涙で顔中が濡れている。
それでも涎を垂らさずにはいられない。
腹の中を無機物が犯し、侵略し、今にも突き破って頭を出しそうで怖かった。
吐気を緩和させようと本能が唾液の分泌をやめてはくれない。

「ぶっとい物で犯されて涎垂らして。そんなにケツがイイか? この淫乱がっ」

父は痛がっている僕のことなど目には入っておらず、いつも口汚く貶める。
縮こまる性器を足で踏まれながら乱暴に引き摺り出された玩具が肛門の淵から、ずちゃり、と音を立てて抜けていく。
漸く異物から解放されても僕は喜べなかった。
これから何が起こるのかを知っている。


 ぴとり、と丸みを帯びた亀頭が切れて血を垂らす菊門に宛行(あてが)われ、狙いを定めるかのように切っ先で擦られた。
ぴりり、と走る痛みの向こう側から、ぐにっ、と肉を押し開き入り込んでくる他人の肉は、隘路の抵抗などもろともせずに、一思いに最奥まで叩き込まれる。
大の大人の体重を乗せた凶器が直腸を穿つ衝撃に堪えようと背中を反らして顎を上げた。
頭頂部が敷布と擦れて頭皮が痛む。
圧迫感と摩擦痛で歪んだ顔を見下ろしてくる男は征服欲を満たされるのだろう、恍惚に表情を蕩けさせて舌なめずりをしている。
気持ちの悪い寒気が全身を巡った。
屈服させることに悦びを抱いている人間の醜さに嫌悪感でどうにかなりそうだった。

「そんなに締めて、っ、男を誘う淫乱、っ、には、っ、お仕置きが必要だろ? お前が悪いんだ、っ、た、たっぷり、注いでやる!」

僕が悪いのだと頻りに責める父は、自身の行動の異常性を自覚しているからこそ、他に責任転嫁しなくては精神を保てない、哀れな人なのだ。
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