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一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼
秘密の関係 92*
しおりを挟むくに、と腹側に指が動き、ある一点を掠めた瞬間、思わず「ひゃう」と声が漏れていた。
電流が走る感覚に全身がビクンと揺れる。
両手で口を押さえ細かく震える体躯をどうすることも出来ずに首を左右に振った。
「ぁ、そこ、っ、や、へん! こわ、い」
性的な事柄に嫌悪感を強く抱いていた明紫亜は、あまり知識を持たない。
どうして其処を刺激されると快感が全身を巡るのか。
排泄器官で快感を得られるのが何故なのか。
異常だと思えば思う程に身体は熱くなる。
何度も同じ場所を押され愉悦に支配されていく。
ビクビクと止まらない体が怖かった。
直接に生殖器を刺激されるよりも、自分がおかしくなってしまいそうな快感が酷く恐ろしい。
前にも弄られた場所だが、以前はアブノーマルな行為に逃げられた。
今は逃げを封じられているのだ。
ヤダヤダ、と涙が溢れれば、司破の舌に舐め取られる。
「ココ、はじめてじゃないだろ? 前いじった時も気持ち良かったの覚えてるよな? 男はココを弄られるとヨくなるんだよ。別に怖いことじゃねぇから安心して気持ち良くなってろ。大丈夫だ」
もふり、としたキノコヘアーを撫でられた。
気持ち良くなっても良いのだと知れば、少しだけ気持ちは楽になる。
「し、ばさ、んも。ココされたら、気持ち良く、なる? 僕、変じゃない?」
真剣な顔で尋ねる明紫亜に渋い表情になりつつも頷いてみせた司破の顔に苦笑が浮かぶ。
「……されたことはないから解らないが。まあ、なるんじゃねぇか? 生理現象なんてそんなもんだろ。扱かれたら勃つのと同じだ。変じゃねぇよ。寧ろ理性が困るぐらいお前は可愛い。キノコの癖に可愛いとか生意気だろ。ふざけんな、変態キノコ」
「ひぅう、っ、そんなしたら、っ、っ、やだ」
ああくそ、と悪態を吐いた司破の指に弱いところを強く刺激され、背筋が伸びていく。
突っぱねた足が司破の肩を蹴り、力の入った背中はマットに沈みスプリングがギシリと軋んだ。
「やだじゃないだろ? 勃ってきてる。メシアは物覚えがいいな。もう一本、イケるか?」
ちゅぽん、と音を立てて指が抜けていく。
ひくん、と肛門が犇めくのが自分でも解った。
まだ続けるつもりの司破に無理だと涙目で訴える。
気持ちが一杯で、これ以上の刺激は辛かった。
「も、終わり。おしまい、です。司破さんの、手か口でするよ?」
司破の股間に手を伸ばすも、鼻で嗤う司破に手首を掴まれてしまう。
「泣いても許さない。そう言っただろ? 俺のは後で良い」
掴まれた手はすぐに解放され、明紫亜の手は所在無く体の横に落ちた。
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