10 / 242
一章:可愛いキノコ、愛しい殺人鬼
やじるし 08
しおりを挟む熱に浮かされた目で誘うように青年へと視線を送り、ねえ、と少年の掠れた声が響く。
「これ、……っ、辛く、ない、の?」
未だに苦しそうに呼吸を繰り返しながらも、少年は悪戯に指を動かしていた。
細い指が、青年の屹立を辿る。
親指で先端を押すと、答えを促すように柔く首が傾けられた。
「……っ……! 初めてなのに、お前は手慣れた娼婦の様だな」
はっ、と鼻で嗤い、青年は自身を撫でる悪戯な手を掴んだ。
少年の眉が僅かにピクリと動き、手の自由を奪う主に向かい、べぇっ、と舌を出す。
「それ、褒め言葉? 僕、娼婦って嫌いだなあ。うん、でも。もう一回シタいから許します。今度はお兄さんもイケますかね?」
ぎゅっ、と眉間に皺が寄って表情を隠すように少年の顔が横を向いた。
それでも、おずおずと青年へと目線を戻せば、くたり、とゆるい笑みを投げ掛ける。
「流石に、首絞めたぐらいじゃイケねえよ。お前が協力してくれるなら、まあ、イケないこともないと思うが」
苦々しく眉を寄せ、少年の頬を撫でる。
青年が窺うように少年を見ている。
少年は目を瞬かせて、自身の頬を撫でる青年の手を握った。
「どうすれば、いいですか? セックスしながらヤります?」
にしし、と子供のように笑いながら、その口からは不釣り合いな台詞が飛び出す。
青年は、にぃ、と口端を持ち上げ、少年の頬を抓った。
「セックスまではしねぇよ。擦り合わせるだけで十分だ。お前なあ、自分の体、大事にしろよな、……って、俺が言えた台詞じゃねぇか」
呆れたと少年を見遣るも、彼の首を絞めた人間の台詞ではないかと眉尻が下がる。
ホントそれなー、と少年が、頬を甚振(いたぶ)る手を抓り返した。
頬から青年の手が離れていく。
ぐはは、と笑い声を上げて、青年の手を抓っていた手を彼のボサボサヘアーに差し入れた。
「残念。僕、お兄さんになら、……って、思ったんだけど。……脱がせて、くれますか? 実はね、2回もおパンツの中で精液ドックンしたから、気持ち悪くて。お願い、お兄さん」
わざとらしく甘えた声を出し、くいくい、と腰を上げ下げする少年に、ふっ、と息だけで微笑した青年の手がベルトに伸ばされる。
「餓鬼の癖にイヤらしいな。本当に初めてか?」
ガチャガチャ、と音を立ててベルトが外されていく。
疑うように問う青年に、唇を尖らせて彼の髪を引っ張った。
「初めてですよー。僕、女の人苦手だから、下のキノコ君、勃たないし、ゲイじゃないから、男でも勃ちません。そもそも、他人に触られるの、キライ」
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる