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16 カミングアウトとぬいぐるみ
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「――看守長、看守長!」
……どれだけ、時間が経っただろうか。
俺が顔を上げると、そこには肩で息をしている職員がいた。
「看守長、大丈夫ですか看守長? ……死んでませんよね?」
彼女は怯えているようだったが、それでも意を決して俺に近づき、恐々と手に持った小瓶を差し出している。
「……なんとかな」
俺は口を半開きにして職員を見上げた。
職員は一瞬ビクッとしたが、俺の視線がその瓶に注がれていることに気が付いたのか、蓋を開けて、俺の口の中に注ぎ込む。
「……」
悍ましいほどに苦い水が、舌に触れる。
思わず吐き出したくなりそうなほどに苦く、叫びそうなくらいに熱い。
しかし確実に忌まわしい体はそれを望んでいる。俺はゆっくりと指先を握り、開いて、床を押し、上半身を起こした。
「……助かった」
職員は今年入ったばかりの新入りだ。数少ない新入りの看守の中でも、色んな意味で印象に残っている。
見るからに気の弱そうな若い女。実際、よく言えば心優しく、悪く言えば弱虫な性格だ。
彼女は新卒で就職したが、運悪く狡猾な同僚に目を付けられ、第六監獄に配属になった。
そして初出勤十五分くらいで俺に泣きついて来やがった。
第六監獄はお世辞にも新任に人気がある職場とは言い難いが、それでも公務員だ。
他の公務員よりマシとはいえ、コネが多いせいでその内定は狭き門となっている。
まぁ確かに、最初の週末で音信不通になるのはよくあるが、初日出勤して大泣きしながら上司に泣きつくのは、それはそれで違う度胸がいるような。
それから聞いてもいない身の上話を切々と打ち明けられ、いたたまれなくなった俺は、本来は新任を就けない事務職員の場所を空けてやった。
空けてやった甲斐があったくらいには、彼女は一生懸命に熱心に働いてくれていて、どうやら俺に対しても馬鹿正直に義理を感じているらしく、とても忠実だ。
そんなんだから陥れられるんだ、と、彼女と親しければ助言したかもしれない。
「594はどうした?」
「はい、直接報告を受けた看守が、独房に連行したと思います。私は看守長が以前ご命令なさったように、聖水、をお持ちしました」
「分かった」
周囲は、俺の血で真っ赤に汚れている。
快適な寮が台無しだ。油断するんじゃなかった。いつものように尋問室を使うべきだった。
職員は一刻も立ち去りたいと言わんばかりに腰を引いて、チラチラとドアを見ている。
彼女はいい子だが、看守志望とは思えないほどに暴力沙汰が苦手らしく、血だの死体だの、そういうものが大の苦手らしい。
そんな彼女が「まだマシ」と思って選んだ職が看守だということに、もうそろそろこの国の奴らは危機感を覚えた方がいい。
全身に痛みと共に広がった聖水から、力がみなぎる。
俺は既に塞がった首を軽く撫でながら立ち上がり、死んだように眠る427に近づいて、その体を持ち上げた。
「よくやった。仕事に戻れ」
「お体はもう大丈夫ですか? 私、他にもお薬をお持ちした方が……」
「気にしなくていい。それと、このことは他言するな。いいな」
「了解致しました」
彼女は小さく敬礼し、すぐに部屋を去った。
彼女が本気で黙っているとは思わないが、いずれにしろ変な噂は既に色々あるので、今更一つくらい増えたところで問題はない。
夜な夜なお気に入りの囚人の手足を切り落とし、気に入らない看守を拷問し、悲鳴を肴にドラッグに溺れながら百人の愛人を皆殺しにしているらしい俺が、今更自室で大出血パーティとか子供を連れ込んでいやらしいことをしたとか、その程度痛くも痒くもない。ただのフレーバーだ。
一体、根も葉もない噂って、どこから発生するんだろうな。
少なくとも、不眠症だという部分は間違いないが。
「……起きてたのか」
427は、死んだように眠っていると思ったが、起きていた。
起きていたが、虚ろな目をして、ぼんやりと遠くを見つめている。
「大丈夫か?」
声をかけたが、反応はない。ベッドに寝かせ、枕元に座るが、やはり反応はない。
細腕を取る。脈はある。
しかし、魂が抜けたみたいにくたりと四肢が死んでいる。
「おい、大丈夫か」
「……」
「……無視するな」
そう言っても、やはり反応はない。
俺はまるでぬいぐるみみたいだなと思いながら、その胸元あたりを親が子供にするように優しく撫でてやった。
「……」
その目には光りがなく、瞬きもしない。傍目には俺が殺したみたいに見える。
しかし、俺は気づいた。その両目から、涙が溢れていた。
蒼白な頬に似合う、綺麗な涙だ。
しばらく眺めていると、涙はゆっくりとかさを増して、427は俺に背を向けるように体を丸めてころんと横に転がった。
「どした。ん?」
俺はその髪を撫でながら、猫撫で声で言う。
427は肩を震わせていた。やけに酷く泣いているらしいが、腕を噛んで声を殺していた。
「泣くのはいいが、噛むな。痛いだろ」
「…………いたかった?」
427は濡れた声で言った。
クソガキが、そんな艶っぽい声を出すのは遊女だけにしろ、といつもなら言ったかもしれない。
「そういうことを言ってるわけじゃない」
「……」
427はこちらを振り向かず、より強く腕を噛んだ。
腕からは赤い血が流れたが、427はそれを舐めようとはしなかった。
「……やめろ」
「……」
427は言うことを聞かない。
俺は耳をくすぐるようにその頭を優しく撫でてやりながら、昔話を聞かせるようにこう言った。
「……なあ、427。秘密の話を教えてやろうか」
「……」
427は何も答えなかったが、俺は語り始めた。
「俺はな、ニンゲンじゃないんだ。お前と同じ化け物なんだよ」
「……」
427は、少し興味を惹かれたように、目だけきゅるっと動かし俺の方を見つめた。
「だから不死身なんだ。お前に何されようと死にはしない」
「……ほんと?」
427は振り返って俺の方を見上げ、首を傾げてそう言った。
俺が頷くと、427は泣き止んで、ただじっと俺の方を見ている。
「……かんしゅさま、ヴァンピールのおなかま?」
「正確に表現するのは難しい。人間が、天使と呼んでる存在の、なりそこない、ってのが一番正しいかもな」
「てんし……さま?」
「出来損ないだけどな。それに、名前こそ天使様だが、下界に来たら化け物なんだよ。神の言を騙り信仰を貪る悪しき堕天使、お前と一緒だ」
昔からずっと。
俺は427の小さな体を抱きしめる手に力を込めた。
「……かんしゅさま、しんこーされてるの?」
と、427は言う。
「すごいね」
「褒められたことじゃない」
本当に褒められたことではない。
俺を信仰しているのは、官吏が飼っている奴隷達だ。
彼らはそうしろと言われたからしているだけで、誰も望んで俺を信じ崇めているわけではない。
嘘っぱちの聖書を物理的に叩き込まれ、鞭に怯えて祝詞を唱える内に、やがて完璧に洗脳され、心から天使様に尽くすようになった。
やってることはヴァンピールより数段タチが悪い。
「……それでも僕は、看守様のこと、大好きだよ」
「そうか」
「僕は、大好きな人を、傷つけたくないの。それだけなのに、なんで、できないの?」
427は大きな丸い瞳にいっぱいに涙をためて、それは瞬く間に零れ落ちる。
宝石みたいにつぶつぶの涙が、とめどなく生まれて落ちて割れていく。
427は激しく泣き始めた。
しゃくりあげて、わんわんと大きな声で。
「みんな大好きなの! 大好きなんだよ! 何も傷つけたくないの、傷つけてまで生きたくないの! 僕が苦しんで、それで誰も傷つけなくていいなら、それが一番いいの。そうじゃないと嫌なの、いやなの!」
駄々をこねる子供のように、427はイヤイヤと頭を振りながら泣き続けている。
「前も言ったけどな、人間だって色々傷つけながら生きてんだよ。お前だけが我慢する必要はないだろ」
「違う、違う! 人間様は大事な人を噛み殺したりしない! 守りたい人を守れる! 僕はそんな人になりたい、なりたい!!」
「……」
守られるべきお前らが守られなかったから、そんな化け物が生まれたんだけどな。
人間なんて、そんな高尚なもんじゃない。
ちょっと不愉快だってだけで、簡単に相手を呪い殺すような。ちょっと自分より弱いだけで、簡単に嬲り殺すような。
そんな狂った、お前なんかよりよっぽど醜悪な、化け物なのに。
「……他のヴァンピールはそう思ってないみたいだけど、なんでお前だけ特別なんだ?」
「特別じゃない。僕が普通だよ。人間様を殺したいなんて、そんな野蛮なこと思わないのが普通だもん。家族を皆殺しにしても生きたいなんて、そっちの方がおかしいよ。産んでくれたお母様と、育ててくれたお父様と、尊敬すべきお姉様とお兄様、守らなきゃいけない妹と弟、傷つけていい人なんて誰もいないもん。誰もいない」
「お前は家族が好きなんだな」
「看守さまもすきでしょ?」
「……」
家族。家族か。
家族なんて、俺にはいない。
「……家族が、お前のために何をしてくれた? 家畜小屋に押し込めて、召使いみたくこき使ってただけだ。そんな家族をよく愛せるな」
「そんなことないもん! みんな仲良しだったもん!」
「そうだな。思い出はきれいにとっとけ」
「ずっと……ずっと、だって僕のせいで、僕のせいで僕の家族は、みんな、みんな……僕が死ねば、僕がもっと早くに死ねば、そうすれば、誰も、誰も傷つかなくて、幸せだったのに……」
そう思ってたのはお前だけだ。
そう。お前の家族は一致団結して、自分達の幸せのために、快適のために、娯楽のために、お前を犠牲にした。
自分一人が傷付けばいいなんて、お前だけしか思ってなかった。
みんな、お前一人が傷付けばいいと思ってた。
それにお前は気が付かなかった。
気が付かないまま皆殺しにした。
――本当に、気が付いてなかったのか?
「苦しいだろ、そんな生き方。ちょっとは肩の力抜けよ」
「苦しくていいもん。みんなが幸せなら、僕も幸せだもん」
ああたぶん、大人ってのはこういう子供が好きなんだ。
優しくて、健気で、頑張り屋で、素直で。
人類の本能に刻まれた、都合のいい家畜を慈しむ性分。
可愛くって幼くって弱くって、どれだけ痛めつけても傷付けても耐え忍んで、ぶっ壊れるまで尽くし続ける、そんな家畜。
いくらでも代わりのいる存在、朝夕入れ替わっても気づかない程度の奴隷に劣る、愛されない玩具。
可哀想に。
お前はどんなに努力しても、誰にも認められない。
「ほんと、お前は良い子だな」
「……看守様のことを傷つけるなんて、良い子じゃないよ」
「言っただろ。俺は人間じゃないんだよ。人様を傷つけた勘定には入ってない。お前は良い子だ」
「ちがう」
「良い子なんだよ。いいな、そういうのを良い子って言うんだよ。お前だけが犠牲になる必要もない。少しは笑って楽に生きてろ」
427はぐるっと首を回して、俺の顔を見た。
「今日の看守様、優しい」
「俺はいつも優しいだろ」
「ゼノさんも看守様、優しいって言ってた」
「ゼノさん?」
「594さん」
思わぬ話の流れの転換に、俺は些か驚き息を止めた。
「……俺が優しいって? 594が?」
「うん、言ってた。看守様、恋人さんなんでしょ? 594さんも看守様のこと、好きなんだね」
「違うと思うけどな」
やや過保護気味な594は、恋人になるのは愛し合う二人だけだと教育したいのかもしれない。
無理に決まってるだろ。夢を見過ぎだ。
「看守様、かっこいいし、きっとゼノさんも、看守さまが大好きなんだね。ゼノさんに告白した?」
「告白……この前結婚するか、聞いてみたよ」
「けっこん? するの?」
「返事は聞いてない」
「結婚したら、赤ちゃんできる?」
「さあな」
「赤ちゃんできたら、見せてくれる?」
「できたらな」
未だかつて何をどうしてもできたことはないので、恐らくできないと思うけどな。
まぁ、それを正面から説明してやる義理はない。自分の生殖事情とか、少なくとも俺は積極的に開示したいとは思えない。
それにそんなことを思い出したら、官吏に受けた虐待の傷が開く。ただでさえ歪んだ俺の性癖をさらに歪ませやがって、あのマッドサイエンティストが……
「お前はいないのか、好きな人とか」
「すきなひと?」
「いないのか? 男でも女でも無機物でも」
「いないよ」
「できるといいな」
「どうして?」
「恋愛は楽しいから」
「……どうせ叶わないのに?」
と、427は悲しいことを言う。
「叶わない恋も、慣れれば楽しい」
「苦しいだけじゃないの?」
「苦しい恋の思い出があるのか?」
分かったような口を利く427は、少し首を傾げて、小さく呟いた。
「……恋じゃ、ないけど、アニスのこと、好きだった」
「アニス?」
「妹」
「あぁ」
妹、と言われれば俺にも分かる。
幼い427よりもさらに幼かった、たった一人の妹だ。
彼女は、427の最初の被害者だった。
「とっても可愛くてね、優しくて。いつも一緒にいてくれたの。一緒に……僕なんかと一緒に。本家の子なのに。優しかった。大好きだった。なのに、僕は、殺したんだ。噛み殺した。僕は人なんか愛せない。愛せるわけない。そんな資格ないよ。だって僕は、僕がこの牙で、アニスの首を噛み千切って」
「……」
そういえば、この可哀想な小さいのがここまで壊れたのは、件の妹を殺したせいだった。
427はそこで、息子として育てられた。
後継の子がいなかったので、養子として家に入った。
優秀だったらしい。
スポンジのように教えられたことを覚えたらしい。
覚えも良く、物分かりもいい。
427は昔から、今のようにいい子だった。
そうして彼は幼い頃から英才教育を受け、厳しい躾をされてきたが、それにも耐え、優秀な息子として一定の評価を得た。
が、お払い箱になった。
病床に臥していた兄の病は奇跡的に完治し、家に戻ってきたからだ。
もとの家に帰されれば、427も幸せに暮らせたかもしれない。だが、実家は彼を受け取ることを拒んだ。
理由は定かではないが、とにかく彼の行く宛はなくなってしまった。
仕方なく本家は彼を育てることになったのだが、彼は邪魔者扱いされるようになった。
家族も使用人も彼に冷たく接した。
労働を強いられ、家に入ることを制限され、食事も減らされ、外出を禁止された。
八つ当たりのように暴力を振るわれ、殺されかけた。
何度も何度も。
それはそれは執拗に。
小さな体に余るほどの罰を、かなりの長期間受け続けた。
「それでも家族が好きか」
「もちろんです」
427の中にあるのは、かつて自分を厳しくも、身勝手にも、後継者として育ててくれていた頃の記憶なのだろう。
自分がもっと良い子になれば、立派になれば、また愛してもらえるなんて、そんな幻想。
生まれて間もなく本家に引き取られた彼には、本来縋るべき、生みの親の記憶などない。
実の親より慕った家族に、幼くしてある日突然手の平を返された恐怖と絶望は、想像するに余りある。
理由なんて理解できるような年齢ではなかったし、仮に理解できる年齢だったとしても、受け入れ難い冷遇。
身勝手な大人の都合で存在価値を失った。
それでもなんとかして愛されようと足掻いた。
足掻いて、藻掻いて、喘いで、悶えて、苦しんで、努力して、届かず、それでも必死で望んで、祈って、叶わず、限界を超えて、ヴァンピールになった。
……のだろう、と、今は考えられている。
「俺のことは?」
「好きです」
「俺もだよ」
「きゃっ」
427は妹を殺した後、他の家族と使用人を、一人残らず皆殺しにした。
故に、彼が知性に目覚めた瞬間を、誰も知らない。
廃墟と化した住処で、愛する家族の生き血に塗れた自分を認識した瞬間。
427は何を思ったのだろう。
何を思い、何を考え。
そして人に投降したのだろう。
427は語らない。
素直でいい子の427だが、自分が家族を殺してから、人に投降するまでのことは、一切話そうとしない。
覚えていないのか、思い出したくないのか、知られたくないのか。
尋ねてもただ困ったように無言で首を傾げるだけだ、と、調査票にはそう記されている。
「俺は可愛がってる、つもりだ」
「ふへへ、嬉しい。427も、看守様すき」
427はすっかり機嫌を直して、きらきらした目で俺をみつめ、俺に向かって両手を伸ばしている。
「……ぎゅーか?」
「んっ」
「いいよ」
俺はその体を、強く抱きしめる。
死体みたいに冷たい体温を感じる。
恐らく、俺の体温では、温めることはできないのだろう。
「ねぇ、看守様」
「なんだ」
「看守様のお仕事って、大変だね」
何が言いたいのか、よく分からない。
「お前ほどじゃない」
折れそうなほどに細い胴を綿入りみたいに抱きしめながら、俺は吐き捨てるようにそう言った。
……どれだけ、時間が経っただろうか。
俺が顔を上げると、そこには肩で息をしている職員がいた。
「看守長、大丈夫ですか看守長? ……死んでませんよね?」
彼女は怯えているようだったが、それでも意を決して俺に近づき、恐々と手に持った小瓶を差し出している。
「……なんとかな」
俺は口を半開きにして職員を見上げた。
職員は一瞬ビクッとしたが、俺の視線がその瓶に注がれていることに気が付いたのか、蓋を開けて、俺の口の中に注ぎ込む。
「……」
悍ましいほどに苦い水が、舌に触れる。
思わず吐き出したくなりそうなほどに苦く、叫びそうなくらいに熱い。
しかし確実に忌まわしい体はそれを望んでいる。俺はゆっくりと指先を握り、開いて、床を押し、上半身を起こした。
「……助かった」
職員は今年入ったばかりの新入りだ。数少ない新入りの看守の中でも、色んな意味で印象に残っている。
見るからに気の弱そうな若い女。実際、よく言えば心優しく、悪く言えば弱虫な性格だ。
彼女は新卒で就職したが、運悪く狡猾な同僚に目を付けられ、第六監獄に配属になった。
そして初出勤十五分くらいで俺に泣きついて来やがった。
第六監獄はお世辞にも新任に人気がある職場とは言い難いが、それでも公務員だ。
他の公務員よりマシとはいえ、コネが多いせいでその内定は狭き門となっている。
まぁ確かに、最初の週末で音信不通になるのはよくあるが、初日出勤して大泣きしながら上司に泣きつくのは、それはそれで違う度胸がいるような。
それから聞いてもいない身の上話を切々と打ち明けられ、いたたまれなくなった俺は、本来は新任を就けない事務職員の場所を空けてやった。
空けてやった甲斐があったくらいには、彼女は一生懸命に熱心に働いてくれていて、どうやら俺に対しても馬鹿正直に義理を感じているらしく、とても忠実だ。
そんなんだから陥れられるんだ、と、彼女と親しければ助言したかもしれない。
「594はどうした?」
「はい、直接報告を受けた看守が、独房に連行したと思います。私は看守長が以前ご命令なさったように、聖水、をお持ちしました」
「分かった」
周囲は、俺の血で真っ赤に汚れている。
快適な寮が台無しだ。油断するんじゃなかった。いつものように尋問室を使うべきだった。
職員は一刻も立ち去りたいと言わんばかりに腰を引いて、チラチラとドアを見ている。
彼女はいい子だが、看守志望とは思えないほどに暴力沙汰が苦手らしく、血だの死体だの、そういうものが大の苦手らしい。
そんな彼女が「まだマシ」と思って選んだ職が看守だということに、もうそろそろこの国の奴らは危機感を覚えた方がいい。
全身に痛みと共に広がった聖水から、力がみなぎる。
俺は既に塞がった首を軽く撫でながら立ち上がり、死んだように眠る427に近づいて、その体を持ち上げた。
「よくやった。仕事に戻れ」
「お体はもう大丈夫ですか? 私、他にもお薬をお持ちした方が……」
「気にしなくていい。それと、このことは他言するな。いいな」
「了解致しました」
彼女は小さく敬礼し、すぐに部屋を去った。
彼女が本気で黙っているとは思わないが、いずれにしろ変な噂は既に色々あるので、今更一つくらい増えたところで問題はない。
夜な夜なお気に入りの囚人の手足を切り落とし、気に入らない看守を拷問し、悲鳴を肴にドラッグに溺れながら百人の愛人を皆殺しにしているらしい俺が、今更自室で大出血パーティとか子供を連れ込んでいやらしいことをしたとか、その程度痛くも痒くもない。ただのフレーバーだ。
一体、根も葉もない噂って、どこから発生するんだろうな。
少なくとも、不眠症だという部分は間違いないが。
「……起きてたのか」
427は、死んだように眠っていると思ったが、起きていた。
起きていたが、虚ろな目をして、ぼんやりと遠くを見つめている。
「大丈夫か?」
声をかけたが、反応はない。ベッドに寝かせ、枕元に座るが、やはり反応はない。
細腕を取る。脈はある。
しかし、魂が抜けたみたいにくたりと四肢が死んでいる。
「おい、大丈夫か」
「……」
「……無視するな」
そう言っても、やはり反応はない。
俺はまるでぬいぐるみみたいだなと思いながら、その胸元あたりを親が子供にするように優しく撫でてやった。
「……」
その目には光りがなく、瞬きもしない。傍目には俺が殺したみたいに見える。
しかし、俺は気づいた。その両目から、涙が溢れていた。
蒼白な頬に似合う、綺麗な涙だ。
しばらく眺めていると、涙はゆっくりとかさを増して、427は俺に背を向けるように体を丸めてころんと横に転がった。
「どした。ん?」
俺はその髪を撫でながら、猫撫で声で言う。
427は肩を震わせていた。やけに酷く泣いているらしいが、腕を噛んで声を殺していた。
「泣くのはいいが、噛むな。痛いだろ」
「…………いたかった?」
427は濡れた声で言った。
クソガキが、そんな艶っぽい声を出すのは遊女だけにしろ、といつもなら言ったかもしれない。
「そういうことを言ってるわけじゃない」
「……」
427はこちらを振り向かず、より強く腕を噛んだ。
腕からは赤い血が流れたが、427はそれを舐めようとはしなかった。
「……やめろ」
「……」
427は言うことを聞かない。
俺は耳をくすぐるようにその頭を優しく撫でてやりながら、昔話を聞かせるようにこう言った。
「……なあ、427。秘密の話を教えてやろうか」
「……」
427は何も答えなかったが、俺は語り始めた。
「俺はな、ニンゲンじゃないんだ。お前と同じ化け物なんだよ」
「……」
427は、少し興味を惹かれたように、目だけきゅるっと動かし俺の方を見つめた。
「だから不死身なんだ。お前に何されようと死にはしない」
「……ほんと?」
427は振り返って俺の方を見上げ、首を傾げてそう言った。
俺が頷くと、427は泣き止んで、ただじっと俺の方を見ている。
「……かんしゅさま、ヴァンピールのおなかま?」
「正確に表現するのは難しい。人間が、天使と呼んでる存在の、なりそこない、ってのが一番正しいかもな」
「てんし……さま?」
「出来損ないだけどな。それに、名前こそ天使様だが、下界に来たら化け物なんだよ。神の言を騙り信仰を貪る悪しき堕天使、お前と一緒だ」
昔からずっと。
俺は427の小さな体を抱きしめる手に力を込めた。
「……かんしゅさま、しんこーされてるの?」
と、427は言う。
「すごいね」
「褒められたことじゃない」
本当に褒められたことではない。
俺を信仰しているのは、官吏が飼っている奴隷達だ。
彼らはそうしろと言われたからしているだけで、誰も望んで俺を信じ崇めているわけではない。
嘘っぱちの聖書を物理的に叩き込まれ、鞭に怯えて祝詞を唱える内に、やがて完璧に洗脳され、心から天使様に尽くすようになった。
やってることはヴァンピールより数段タチが悪い。
「……それでも僕は、看守様のこと、大好きだよ」
「そうか」
「僕は、大好きな人を、傷つけたくないの。それだけなのに、なんで、できないの?」
427は大きな丸い瞳にいっぱいに涙をためて、それは瞬く間に零れ落ちる。
宝石みたいにつぶつぶの涙が、とめどなく生まれて落ちて割れていく。
427は激しく泣き始めた。
しゃくりあげて、わんわんと大きな声で。
「みんな大好きなの! 大好きなんだよ! 何も傷つけたくないの、傷つけてまで生きたくないの! 僕が苦しんで、それで誰も傷つけなくていいなら、それが一番いいの。そうじゃないと嫌なの、いやなの!」
駄々をこねる子供のように、427はイヤイヤと頭を振りながら泣き続けている。
「前も言ったけどな、人間だって色々傷つけながら生きてんだよ。お前だけが我慢する必要はないだろ」
「違う、違う! 人間様は大事な人を噛み殺したりしない! 守りたい人を守れる! 僕はそんな人になりたい、なりたい!!」
「……」
守られるべきお前らが守られなかったから、そんな化け物が生まれたんだけどな。
人間なんて、そんな高尚なもんじゃない。
ちょっと不愉快だってだけで、簡単に相手を呪い殺すような。ちょっと自分より弱いだけで、簡単に嬲り殺すような。
そんな狂った、お前なんかよりよっぽど醜悪な、化け物なのに。
「……他のヴァンピールはそう思ってないみたいだけど、なんでお前だけ特別なんだ?」
「特別じゃない。僕が普通だよ。人間様を殺したいなんて、そんな野蛮なこと思わないのが普通だもん。家族を皆殺しにしても生きたいなんて、そっちの方がおかしいよ。産んでくれたお母様と、育ててくれたお父様と、尊敬すべきお姉様とお兄様、守らなきゃいけない妹と弟、傷つけていい人なんて誰もいないもん。誰もいない」
「お前は家族が好きなんだな」
「看守さまもすきでしょ?」
「……」
家族。家族か。
家族なんて、俺にはいない。
「……家族が、お前のために何をしてくれた? 家畜小屋に押し込めて、召使いみたくこき使ってただけだ。そんな家族をよく愛せるな」
「そんなことないもん! みんな仲良しだったもん!」
「そうだな。思い出はきれいにとっとけ」
「ずっと……ずっと、だって僕のせいで、僕のせいで僕の家族は、みんな、みんな……僕が死ねば、僕がもっと早くに死ねば、そうすれば、誰も、誰も傷つかなくて、幸せだったのに……」
そう思ってたのはお前だけだ。
そう。お前の家族は一致団結して、自分達の幸せのために、快適のために、娯楽のために、お前を犠牲にした。
自分一人が傷付けばいいなんて、お前だけしか思ってなかった。
みんな、お前一人が傷付けばいいと思ってた。
それにお前は気が付かなかった。
気が付かないまま皆殺しにした。
――本当に、気が付いてなかったのか?
「苦しいだろ、そんな生き方。ちょっとは肩の力抜けよ」
「苦しくていいもん。みんなが幸せなら、僕も幸せだもん」
ああたぶん、大人ってのはこういう子供が好きなんだ。
優しくて、健気で、頑張り屋で、素直で。
人類の本能に刻まれた、都合のいい家畜を慈しむ性分。
可愛くって幼くって弱くって、どれだけ痛めつけても傷付けても耐え忍んで、ぶっ壊れるまで尽くし続ける、そんな家畜。
いくらでも代わりのいる存在、朝夕入れ替わっても気づかない程度の奴隷に劣る、愛されない玩具。
可哀想に。
お前はどんなに努力しても、誰にも認められない。
「ほんと、お前は良い子だな」
「……看守様のことを傷つけるなんて、良い子じゃないよ」
「言っただろ。俺は人間じゃないんだよ。人様を傷つけた勘定には入ってない。お前は良い子だ」
「ちがう」
「良い子なんだよ。いいな、そういうのを良い子って言うんだよ。お前だけが犠牲になる必要もない。少しは笑って楽に生きてろ」
427はぐるっと首を回して、俺の顔を見た。
「今日の看守様、優しい」
「俺はいつも優しいだろ」
「ゼノさんも看守様、優しいって言ってた」
「ゼノさん?」
「594さん」
思わぬ話の流れの転換に、俺は些か驚き息を止めた。
「……俺が優しいって? 594が?」
「うん、言ってた。看守様、恋人さんなんでしょ? 594さんも看守様のこと、好きなんだね」
「違うと思うけどな」
やや過保護気味な594は、恋人になるのは愛し合う二人だけだと教育したいのかもしれない。
無理に決まってるだろ。夢を見過ぎだ。
「看守様、かっこいいし、きっとゼノさんも、看守さまが大好きなんだね。ゼノさんに告白した?」
「告白……この前結婚するか、聞いてみたよ」
「けっこん? するの?」
「返事は聞いてない」
「結婚したら、赤ちゃんできる?」
「さあな」
「赤ちゃんできたら、見せてくれる?」
「できたらな」
未だかつて何をどうしてもできたことはないので、恐らくできないと思うけどな。
まぁ、それを正面から説明してやる義理はない。自分の生殖事情とか、少なくとも俺は積極的に開示したいとは思えない。
それにそんなことを思い出したら、官吏に受けた虐待の傷が開く。ただでさえ歪んだ俺の性癖をさらに歪ませやがって、あのマッドサイエンティストが……
「お前はいないのか、好きな人とか」
「すきなひと?」
「いないのか? 男でも女でも無機物でも」
「いないよ」
「できるといいな」
「どうして?」
「恋愛は楽しいから」
「……どうせ叶わないのに?」
と、427は悲しいことを言う。
「叶わない恋も、慣れれば楽しい」
「苦しいだけじゃないの?」
「苦しい恋の思い出があるのか?」
分かったような口を利く427は、少し首を傾げて、小さく呟いた。
「……恋じゃ、ないけど、アニスのこと、好きだった」
「アニス?」
「妹」
「あぁ」
妹、と言われれば俺にも分かる。
幼い427よりもさらに幼かった、たった一人の妹だ。
彼女は、427の最初の被害者だった。
「とっても可愛くてね、優しくて。いつも一緒にいてくれたの。一緒に……僕なんかと一緒に。本家の子なのに。優しかった。大好きだった。なのに、僕は、殺したんだ。噛み殺した。僕は人なんか愛せない。愛せるわけない。そんな資格ないよ。だって僕は、僕がこの牙で、アニスの首を噛み千切って」
「……」
そういえば、この可哀想な小さいのがここまで壊れたのは、件の妹を殺したせいだった。
427はそこで、息子として育てられた。
後継の子がいなかったので、養子として家に入った。
優秀だったらしい。
スポンジのように教えられたことを覚えたらしい。
覚えも良く、物分かりもいい。
427は昔から、今のようにいい子だった。
そうして彼は幼い頃から英才教育を受け、厳しい躾をされてきたが、それにも耐え、優秀な息子として一定の評価を得た。
が、お払い箱になった。
病床に臥していた兄の病は奇跡的に完治し、家に戻ってきたからだ。
もとの家に帰されれば、427も幸せに暮らせたかもしれない。だが、実家は彼を受け取ることを拒んだ。
理由は定かではないが、とにかく彼の行く宛はなくなってしまった。
仕方なく本家は彼を育てることになったのだが、彼は邪魔者扱いされるようになった。
家族も使用人も彼に冷たく接した。
労働を強いられ、家に入ることを制限され、食事も減らされ、外出を禁止された。
八つ当たりのように暴力を振るわれ、殺されかけた。
何度も何度も。
それはそれは執拗に。
小さな体に余るほどの罰を、かなりの長期間受け続けた。
「それでも家族が好きか」
「もちろんです」
427の中にあるのは、かつて自分を厳しくも、身勝手にも、後継者として育ててくれていた頃の記憶なのだろう。
自分がもっと良い子になれば、立派になれば、また愛してもらえるなんて、そんな幻想。
生まれて間もなく本家に引き取られた彼には、本来縋るべき、生みの親の記憶などない。
実の親より慕った家族に、幼くしてある日突然手の平を返された恐怖と絶望は、想像するに余りある。
理由なんて理解できるような年齢ではなかったし、仮に理解できる年齢だったとしても、受け入れ難い冷遇。
身勝手な大人の都合で存在価値を失った。
それでもなんとかして愛されようと足掻いた。
足掻いて、藻掻いて、喘いで、悶えて、苦しんで、努力して、届かず、それでも必死で望んで、祈って、叶わず、限界を超えて、ヴァンピールになった。
……のだろう、と、今は考えられている。
「俺のことは?」
「好きです」
「俺もだよ」
「きゃっ」
427は妹を殺した後、他の家族と使用人を、一人残らず皆殺しにした。
故に、彼が知性に目覚めた瞬間を、誰も知らない。
廃墟と化した住処で、愛する家族の生き血に塗れた自分を認識した瞬間。
427は何を思ったのだろう。
何を思い、何を考え。
そして人に投降したのだろう。
427は語らない。
素直でいい子の427だが、自分が家族を殺してから、人に投降するまでのことは、一切話そうとしない。
覚えていないのか、思い出したくないのか、知られたくないのか。
尋ねてもただ困ったように無言で首を傾げるだけだ、と、調査票にはそう記されている。
「俺は可愛がってる、つもりだ」
「ふへへ、嬉しい。427も、看守様すき」
427はすっかり機嫌を直して、きらきらした目で俺をみつめ、俺に向かって両手を伸ばしている。
「……ぎゅーか?」
「んっ」
「いいよ」
俺はその体を、強く抱きしめる。
死体みたいに冷たい体温を感じる。
恐らく、俺の体温では、温めることはできないのだろう。
「ねぇ、看守様」
「なんだ」
「看守様のお仕事って、大変だね」
何が言いたいのか、よく分からない。
「お前ほどじゃない」
折れそうなほどに細い胴を綿入りみたいに抱きしめながら、俺は吐き捨てるようにそう言った。
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