18 / 35
#3 試練
18 沈んだの
しおりを挟む
私は、自分の過去の話をほとんど洗いざらい、隠すことなくアインに伝えた。
少なくとも、思い出せる限りは。
「じゃあ、アンタの家族はその、ルシファーとジャックだけなの?」
「いや、私には甥がいる。ルシファーの拾って来た子供だ。名をブロウという。ルシファーの老化速度の関係で、今のところ後継ぎが持てないからな。王権の存続を不安視する貴族共を黙らせるためだったようだ」
「跡継ぎが持てないって? なんで?」
「婚姻云々以前に、ルシファーの身体は未だ五、六歳男児程度しかない。精通が来ていない以上、子孫を残すのは生物学的に不可能だ」
「アンタの兄さん、なんでしょ? それなりに年の離れた」
「そうだな。二十年は離れている」
「ふぅん……やっぱり、悪い奴ほど、長生きするよね」
「どういう意味だ?」
「なんでもない。それで、そのブロウって子も長生きなの?」
「いや、そうではない。確か、天寿は三百年ほどだ」
「へえ」
「ブロウはとても美しい男だ。極めて見かけがいい。外見だけだが」
「中身はそうじゃないの?」
「精神病を患っている。そうでなくとも頭がおかしい。いつも幻覚に話しかけている上に、自殺未遂や自傷を繰り返していた。迷惑な奴だ」
「ふぅん」
アインは私と話すことが好きだと、そう言っていた。
だから彼女は狩りに行かないで、釣りばかりしているそうだ。
自分は釣れやしないのに。
「アンタにとって、自殺未遂は迷惑なんだね」
「そうだな」
「いっそ死んでくれればいいのに、って思ってたの?」
「そうではない。ブロウはルシファーに可愛がられていたからな、アレが死んではルシファーが悲しむだろう。だから私は奴を生かすために、常に監視下に置かなければならなかった」
「……ふぅん、そう」
話すのが好きだという割に、返事はつれない。
特に、ルシファーの話題が嫌いなようだったが、それなのにアインは積極的にルシファーのことを知りたがる。
彼女の真意が分からない私は、ただ求められるがままに会話するしかなかった。
「ルシファーは、アンタのことを嫌ってたんだっけ」
「嫌っていた、と思う。私のことにはあまり干渉して来なかった。期待していなかったのだろうな、昔からそうだ。とはいえ幼い頃は、少しは私を賞賛してくれることもあった。もう言ったかもしれないが」
「ああ、うん。アンタを奴隷扱いしてたって話でしょ」
「そうだ、私を……奴隷? いや、そんなことは言っていない。人聞きの悪い……私は好んでルシファーに仕えていた」
「好んでるかどうかは別として、対価もなしに奉仕してるんだから奴隷と一緒でしょ」
「まあ、言葉の意味はそうかもしれないが……」
そもそもアインは、多分ルシファーのこと自体が好きではない。
まさかこの世界でルシファーを嫌う人間がいるだなんて、以前の私なら想像もしていなかっただろう。
しかし、アインは大陸に行ったことがないと言うし、ルシファーの名声が届いていないとしても、仕方のない話かもしれない。
「ルシファーは、アンタや、その息子に酷いことをする? 例えば暴力を振るったり、食事を与えなかったり」
「ルシファーは暴力を好まない。故に何かされたことはない。食事については、ブロウのことはむしろ気にかけていた。アレは痩せた子供だったからな。私の食事のことは、特に関心を示すような風はなかった。息子と弟では、やはり抱く感情も違うのだろう」
「アンタは子供の時、ちゃんと食べさせてもらってたの?」
「基本的には乳母の気分次第だったが、満足に食べていた。折檻は鞭打ちなどの体罰が多かったから、それほど食事を抜かれた覚えはない」
「……へぇ、そうなんだ。折檻とかされるんだね」
「島には子供を躾ける文化はないのか?」
尋ねると、アインは顔を顰めて首を振った。
「鞭なんか使わない。トラウマになる」
「少しくらい痛い思いをしても、いずれはいい思い出になるものだがな。ルシファーの前を横切って、肉が裂けるまで鞭打たれたことも、当時は感染症に罹って死ぬような目に遭ったが、今では笑って話せる」
「聞いてる方は笑えない」
昔を思い出して目を細め、思わず口元が緩んだ。
なんであれ、ルシファーに関わる記憶は幸せなものばかりなのだ。
「アタシは、それをいい思い出だとは思えないけどね」
「お前は家族との思い出はないのか? 聞いてみたい」
そう尋ねると、アインは少し目を伏せ、考える素振りを見せた。
「……アタシは子供の時に母さんと父さんが死んだから、それからはずっと田舎のばあちゃんとじいちゃんに育てられた。狩りはじいちゃんに、料理はばあちゃんに教えてもらった」
「祖父母に育てられたのか」
「そうだよ。まあ、それなりに楽しかった」
「そういえば、その家族はどこに行ったんだ? この島にはお前しかいないだろう?」
「大陸に渡ろうとした」
「お前はついていかなかったのか?」
「そうだね。アタシは島に残った。別に大陸に興味なかったし」
「それじゃあ、お前の家族は大陸にいるんだな」
「いないよ」
「何故だ? 渡ったんだろう」
「海を渡るのは、そんなに簡単じゃないよ」
アインはそう言って、ゆっくりと竿を上げた。
針先が輝いていた。
「沈んだの。全員死んだ」
「……」
「そんな顔しないでレビィ。別に平気だよ。アタシは、アンタと一緒に釣りをしてるだけで楽しい」
そうでしょ、とアインは私にそう言った。
私は頷く。
「アタシのことはいいよ。アンタの話を聞かせて」
「私の話はそんなに興味深いか?」
「……うん、まあ、そうだね。アンタの話は面白いよ」
「そうか。私の話はつまらないと言われがちだが」
「そいつらは見る目がないんだよ。まあ、話は聞くものなんだけど」
そう言ってアインは、私を急かす。
そんなに聞きたいのかと、せがまれると悪い気もしない。
私が彼女に対して貢献できることは、極めて少ないので。
「誰の話が聞きたい? ルシファーか、ジャックか、ブロウか?」
「その他の人はいないの? 例えば、アンタの恋人とか。そう、恋人といえば、アンタに子供はいないの? いてもおかしくない年齢だと思うけど」
「私に三人以外の家族はいない。恋人もいないし、子供もいない。そんなことをしている暇はなかったからな。しかし、そうだ。恋人といえば、ブロウには恋人がいた」
「ブロウね、アンタの甥っ子か。まだ小さい子じゃなかったの?」
「いや、ブロウはもう成人している。公にされてはいないが、昔に何度か政略結婚をしていてな。その時にもうけた子供もいた。それは本人の知らないことだが」
「へぇ……上手くいかなかったの?」
「ああ。ブロウの精神病で、結婚生活は崩壊し、政治権力まで使って無理矢理離婚を成立させたんだ。法的に離婚は認められていないというのに……私とルシファーがどれだけ大変な思いをしたか」
「結婚、ね。大陸だとそういう文化もあるんだっけ」
「島にはないのか?」
「あたしの育った場所では、夫婦って関係はなかった。恋人はいたけど。夫婦は、子供に対する、両親としての存在でしかなかった。みんな家族みたいなものだった」
「そうか。いずれにせよ、私には縁のない関係だな」
「アンタは寂しくないの? アタシの聞く限り、アンタは兄弟とも仲が悪かったみたいだし、親の記憶もない。そのブロウとも別に仲良しってわけじゃないんでしょ」
「ブロウのことは嫌いだ。何故か分からないが、生理的に」
「そう。アンタは生理的だとか本能的だとか、そういうものに弱いよね」
「そういう問題ではない。ブロウに関しては、多くの者が私と同じ感情を抱くようだ。ルシファーやジャックなど、例外はあるようだが。アレが他者と友好関係を築けないのも、それが関係しているのだろうな」
「可哀想な子だね」
「だから恋愛関係も長続きしないのだが、その割に惚れっぽいので困っている。毎度毎度、本当に迷惑だ。最後には、アレは私の作った人造人間が好きだと抜かしていた」
「人造人間」
「そうだ、人造人間。正確には不良品だが、奴はそれに惚れたらしい。正直心の底から困惑したが、案外上手くやっていた」
「そう。まだ付き合ってるのかな」
「どうだろうな。私がこの島に流れ着いてから、大分経ったが」
「……四年近くになるね」
「そうか、四年か。そうなると、私を覚えている者はもういないかもしれないな」
「四年じゃ忘れないよ、家族のことは」
「お前はそうかもしれないが、私はそれほど存在感のある方ではなかったからな。ルシファーとジャックは多忙だし、ブロウは恋愛で忙しいだろうし、私のことなど忘れている」
「そう……」
アインは私を慰めるようにして、抱きしめた。
「アタシは忘れないよ、アンタのこと」
「そうか。私も忘れないだろうな、お前のことは」
アインは私にとって、初めての家族だ。
初めて心を許せる、なんでも話せる存在。
私にとって姉のような、母のような、そんな存在。
「寂しくない?」
「寂しくない。お前がいてくれれば、私はそれでいいんだ。もう大陸に未練はない」
「……アタシもそうだよ」
そう、それだけでいい。
ただ永遠に二人でいられたら、それで十分だ。
それ以上でも、それ以下でもない、ただ今とイコールの状態が、永遠に続いて欲しい。
私は強くそう願った。
それ以外には、何も望まなかった。
少なくとも、思い出せる限りは。
「じゃあ、アンタの家族はその、ルシファーとジャックだけなの?」
「いや、私には甥がいる。ルシファーの拾って来た子供だ。名をブロウという。ルシファーの老化速度の関係で、今のところ後継ぎが持てないからな。王権の存続を不安視する貴族共を黙らせるためだったようだ」
「跡継ぎが持てないって? なんで?」
「婚姻云々以前に、ルシファーの身体は未だ五、六歳男児程度しかない。精通が来ていない以上、子孫を残すのは生物学的に不可能だ」
「アンタの兄さん、なんでしょ? それなりに年の離れた」
「そうだな。二十年は離れている」
「ふぅん……やっぱり、悪い奴ほど、長生きするよね」
「どういう意味だ?」
「なんでもない。それで、そのブロウって子も長生きなの?」
「いや、そうではない。確か、天寿は三百年ほどだ」
「へえ」
「ブロウはとても美しい男だ。極めて見かけがいい。外見だけだが」
「中身はそうじゃないの?」
「精神病を患っている。そうでなくとも頭がおかしい。いつも幻覚に話しかけている上に、自殺未遂や自傷を繰り返していた。迷惑な奴だ」
「ふぅん」
アインは私と話すことが好きだと、そう言っていた。
だから彼女は狩りに行かないで、釣りばかりしているそうだ。
自分は釣れやしないのに。
「アンタにとって、自殺未遂は迷惑なんだね」
「そうだな」
「いっそ死んでくれればいいのに、って思ってたの?」
「そうではない。ブロウはルシファーに可愛がられていたからな、アレが死んではルシファーが悲しむだろう。だから私は奴を生かすために、常に監視下に置かなければならなかった」
「……ふぅん、そう」
話すのが好きだという割に、返事はつれない。
特に、ルシファーの話題が嫌いなようだったが、それなのにアインは積極的にルシファーのことを知りたがる。
彼女の真意が分からない私は、ただ求められるがままに会話するしかなかった。
「ルシファーは、アンタのことを嫌ってたんだっけ」
「嫌っていた、と思う。私のことにはあまり干渉して来なかった。期待していなかったのだろうな、昔からそうだ。とはいえ幼い頃は、少しは私を賞賛してくれることもあった。もう言ったかもしれないが」
「ああ、うん。アンタを奴隷扱いしてたって話でしょ」
「そうだ、私を……奴隷? いや、そんなことは言っていない。人聞きの悪い……私は好んでルシファーに仕えていた」
「好んでるかどうかは別として、対価もなしに奉仕してるんだから奴隷と一緒でしょ」
「まあ、言葉の意味はそうかもしれないが……」
そもそもアインは、多分ルシファーのこと自体が好きではない。
まさかこの世界でルシファーを嫌う人間がいるだなんて、以前の私なら想像もしていなかっただろう。
しかし、アインは大陸に行ったことがないと言うし、ルシファーの名声が届いていないとしても、仕方のない話かもしれない。
「ルシファーは、アンタや、その息子に酷いことをする? 例えば暴力を振るったり、食事を与えなかったり」
「ルシファーは暴力を好まない。故に何かされたことはない。食事については、ブロウのことはむしろ気にかけていた。アレは痩せた子供だったからな。私の食事のことは、特に関心を示すような風はなかった。息子と弟では、やはり抱く感情も違うのだろう」
「アンタは子供の時、ちゃんと食べさせてもらってたの?」
「基本的には乳母の気分次第だったが、満足に食べていた。折檻は鞭打ちなどの体罰が多かったから、それほど食事を抜かれた覚えはない」
「……へぇ、そうなんだ。折檻とかされるんだね」
「島には子供を躾ける文化はないのか?」
尋ねると、アインは顔を顰めて首を振った。
「鞭なんか使わない。トラウマになる」
「少しくらい痛い思いをしても、いずれはいい思い出になるものだがな。ルシファーの前を横切って、肉が裂けるまで鞭打たれたことも、当時は感染症に罹って死ぬような目に遭ったが、今では笑って話せる」
「聞いてる方は笑えない」
昔を思い出して目を細め、思わず口元が緩んだ。
なんであれ、ルシファーに関わる記憶は幸せなものばかりなのだ。
「アタシは、それをいい思い出だとは思えないけどね」
「お前は家族との思い出はないのか? 聞いてみたい」
そう尋ねると、アインは少し目を伏せ、考える素振りを見せた。
「……アタシは子供の時に母さんと父さんが死んだから、それからはずっと田舎のばあちゃんとじいちゃんに育てられた。狩りはじいちゃんに、料理はばあちゃんに教えてもらった」
「祖父母に育てられたのか」
「そうだよ。まあ、それなりに楽しかった」
「そういえば、その家族はどこに行ったんだ? この島にはお前しかいないだろう?」
「大陸に渡ろうとした」
「お前はついていかなかったのか?」
「そうだね。アタシは島に残った。別に大陸に興味なかったし」
「それじゃあ、お前の家族は大陸にいるんだな」
「いないよ」
「何故だ? 渡ったんだろう」
「海を渡るのは、そんなに簡単じゃないよ」
アインはそう言って、ゆっくりと竿を上げた。
針先が輝いていた。
「沈んだの。全員死んだ」
「……」
「そんな顔しないでレビィ。別に平気だよ。アタシは、アンタと一緒に釣りをしてるだけで楽しい」
そうでしょ、とアインは私にそう言った。
私は頷く。
「アタシのことはいいよ。アンタの話を聞かせて」
「私の話はそんなに興味深いか?」
「……うん、まあ、そうだね。アンタの話は面白いよ」
「そうか。私の話はつまらないと言われがちだが」
「そいつらは見る目がないんだよ。まあ、話は聞くものなんだけど」
そう言ってアインは、私を急かす。
そんなに聞きたいのかと、せがまれると悪い気もしない。
私が彼女に対して貢献できることは、極めて少ないので。
「誰の話が聞きたい? ルシファーか、ジャックか、ブロウか?」
「その他の人はいないの? 例えば、アンタの恋人とか。そう、恋人といえば、アンタに子供はいないの? いてもおかしくない年齢だと思うけど」
「私に三人以外の家族はいない。恋人もいないし、子供もいない。そんなことをしている暇はなかったからな。しかし、そうだ。恋人といえば、ブロウには恋人がいた」
「ブロウね、アンタの甥っ子か。まだ小さい子じゃなかったの?」
「いや、ブロウはもう成人している。公にされてはいないが、昔に何度か政略結婚をしていてな。その時にもうけた子供もいた。それは本人の知らないことだが」
「へぇ……上手くいかなかったの?」
「ああ。ブロウの精神病で、結婚生活は崩壊し、政治権力まで使って無理矢理離婚を成立させたんだ。法的に離婚は認められていないというのに……私とルシファーがどれだけ大変な思いをしたか」
「結婚、ね。大陸だとそういう文化もあるんだっけ」
「島にはないのか?」
「あたしの育った場所では、夫婦って関係はなかった。恋人はいたけど。夫婦は、子供に対する、両親としての存在でしかなかった。みんな家族みたいなものだった」
「そうか。いずれにせよ、私には縁のない関係だな」
「アンタは寂しくないの? アタシの聞く限り、アンタは兄弟とも仲が悪かったみたいだし、親の記憶もない。そのブロウとも別に仲良しってわけじゃないんでしょ」
「ブロウのことは嫌いだ。何故か分からないが、生理的に」
「そう。アンタは生理的だとか本能的だとか、そういうものに弱いよね」
「そういう問題ではない。ブロウに関しては、多くの者が私と同じ感情を抱くようだ。ルシファーやジャックなど、例外はあるようだが。アレが他者と友好関係を築けないのも、それが関係しているのだろうな」
「可哀想な子だね」
「だから恋愛関係も長続きしないのだが、その割に惚れっぽいので困っている。毎度毎度、本当に迷惑だ。最後には、アレは私の作った人造人間が好きだと抜かしていた」
「人造人間」
「そうだ、人造人間。正確には不良品だが、奴はそれに惚れたらしい。正直心の底から困惑したが、案外上手くやっていた」
「そう。まだ付き合ってるのかな」
「どうだろうな。私がこの島に流れ着いてから、大分経ったが」
「……四年近くになるね」
「そうか、四年か。そうなると、私を覚えている者はもういないかもしれないな」
「四年じゃ忘れないよ、家族のことは」
「お前はそうかもしれないが、私はそれほど存在感のある方ではなかったからな。ルシファーとジャックは多忙だし、ブロウは恋愛で忙しいだろうし、私のことなど忘れている」
「そう……」
アインは私を慰めるようにして、抱きしめた。
「アタシは忘れないよ、アンタのこと」
「そうか。私も忘れないだろうな、お前のことは」
アインは私にとって、初めての家族だ。
初めて心を許せる、なんでも話せる存在。
私にとって姉のような、母のような、そんな存在。
「寂しくない?」
「寂しくない。お前がいてくれれば、私はそれでいいんだ。もう大陸に未練はない」
「……アタシもそうだよ」
そう、それだけでいい。
ただ永遠に二人でいられたら、それで十分だ。
それ以上でも、それ以下でもない、ただ今とイコールの状態が、永遠に続いて欲しい。
私は強くそう願った。
それ以外には、何も望まなかった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~
志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。
政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。
社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。
ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。
ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。
一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。
リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。
ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。
そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。
王家までも巻き込んだその作戦とは……。
他サイトでも掲載中です。
コメントありがとうございます。
タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。
必ず完結させますので、よろしくお願いします。
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
陛下から一年以内に世継ぎが生まれなければ王子と離縁するように言い渡されました
夢見 歩
恋愛
「そなたが1年以内に懐妊しない場合、
そなたとサミュエルは離縁をし
サミュエルは新しい妃を迎えて
世継ぎを作ることとする。」
陛下が夫に出すという条件を
事前に聞かされた事により
わたくしの心は粉々に砕けました。
わたくしを愛していないあなたに対して
わたくしが出来ることは〇〇だけです…
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる