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16話 HRと通常運転の桃乃
しおりを挟む教室に着いた私は、自分の席に着いて
一時限目の授業の用意をしていると、背中に
誰かが覆い被さるかのような重みが感じる。
「なぁーに、朝からニヤニヤしてるのよ」
「その声はあずにゃんっ?」
振り返ると案の定私に覆いかぶさっていたのは
あずにゃんでした。びっくりした。
だって彼女は普段この様な行動は滅多にしない
「そうかな、そんなにニヤニヤしてた?」
「うん、ちょっと気持ち悪いくらいにね
何か嬉しいことでもあったの?」
だ、大正解です。ありましたとも
でもさ、さっきの事話すべきか悩んでるんだよね。だって殴られた先輩と仲良くなったよ
テヘッなんて言えないし、それに殴られたってこと言ってないんだよ。いや勘のいい彼女だから気づいているんだろうけど
「うん、ちょっと嬉しいことがね」
「へぇ、そう良かったわね」
あずにゃんは何故か私の頭を撫でて自分の席へと戻っていった。何だろう子供扱いされたような気が‥‥。
それにしても桃乃遅いなぁ、今日は遅刻かな
そろそろSHRが始まる。
先生来ちゃったよ、確か出欠を取るときにいないと遅刻になるんだよね。
「1番‥‥‥2番‥‥‥」
先生が出欠を取っていく。桃乃は出席番号10番なんだよな。
「えー、9番‥‥10番小川桃乃ー
いないのか?遅k‥」
ガラッッ!!!
教室のドアが壊れるかの勢いで開かれる
「い、います!朝からいますっ!」
教室のドアに手をかけて息を切らしていたのは
桃乃でした。ちょっと待て、朝からはいないだろ桃乃。今来たばかりだろ、それにドアに手をかけてる
時点からしてその答えはおかしいよ!
「おや、小川はいないから欠席だな」
桃乃が入ってきたことに気づいていたのかは
定かではないが、欠席と告げる先生の言葉に
桃乃はショボーンとした表情で自分の席に座っていった。いくら何でも出席扱いされないと思うぞ。
そんなことを迎えながらも、今日も穏やかに
1日が過ぎていくのでした。
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