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第一章異世界に舞い降りたキチガイ
NPCの本質3/4
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「アリアっ!」
目覚めた部屋は見覚えのある部屋だった。
・・・ここは、アリアが引きこもってた部屋?
!
部屋の窓を慌てて見る。
いつも通りの、のどかな村でつい最近魔物に襲われる恐れがあったなんて思えないぐらいのどかなココノハ村だった。
「ぐええええええ・・・体だるい・・・ほっとしたらなおさらだ・・・」
思わずほっとして、ぐでええええっとベットに倒れ伏す。
村には避難体制すらひかせずに出てきてしまったからな。
かなり、心配してたんだ。
「目覚めたようだな。」
「ギャア!?」
天井に飛龍様が張り付いていた。
何を言ってるか分からないだろう、俺にも分からない。
飛竜様は体の大きさが普通の人間サイズになってる状態で、天井に張り付き二ヤアと口を開いていた。
・・・でも、絶対的な安心感が飛竜様にはあった。
飛竜様は、俺の寝ているベッドの横にすたっと降り立ち、器用に近くの椅子に座った。
エメラルドのようなキラキラと光る鱗に包まれた洋風タイプの龍は正直興奮する。
妙に人間っぽい動作で、キセルタバコをふかし始めているが。
・・・てか、龍が人語話してる?
「人語話せるんすか?しかも、体の大きさ変更できるとか、凄すぎだろ。」
てか、龍は人語を解せないから龍人の通訳がいるとか聞いたんだけど。
飛竜様は、流暢に人語を話している。
「まあ、、、いつもあのサイズで過ごしてたら、邪魔になるしな。それに恩義がある者以外とは龍はプライドが高いから話そうとせんのだよ。」
・・・まあ、しゃべれないことにした方が都合いいよな。
王様とかに『龍はプライドが高いからお前とは話さんよ?』とかいったら余計な波風たつし。
「あ~、この度は命を救っていただきありがとうございます、、、飛龍様?」
なんかサイズが俺と同じくらいで殺気を一切出していない状態では、飛龍様が普通の人間みたいで、様付けするのもなんか変な感じがする。
妙に人間じみた様子で欠伸を一度した飛龍様は、ウムと偉そうに頷いた。
「改めてこちらも礼をしておこうか。我を育ててくれた龍人たちと我が同胞に何の見返りもなく、救ってくれてくれた事に礼を言う。感謝するぞ。」
「いや、、、したくてしたことですし・・・そういえば、龍人や、、、トーリやトツカは無事なんですか?」
「龍人の里に戻る途中のようだが、何かあれば龍応石でしらせてくるだろう。それに龍人たちにはむしろ、自分達よりお前の手助けをしてくれと頼まれてしまった。」
「まあ、、、結果的に助かりましたけど、、、そんな無茶な。龍人たちは戦闘能力がほとんどないから、龍が守ってるんでしょ?飛龍様も、しょっちゅう狩りに出まくるのも、あんまりいいことじゃないと思います。」
龍人たちのことを想って、この際注意しておくことにした。
半年狩りに出るとかいくらなんでも無責任すぎる
「何を言っておる。龍ならいるではないか。」
「龍って、、、クリムゾンですか?でも、あれ幼龍なんじゃ?」
「あやつは既に齢100を超えるぞ?流石にそんじょそこらの魔物なんかには負けん。」
「・・・ファンタジーっすね。」
どうやら龍は人間と比べて極端に成長が遅いらしく、500年をかけて成龍へと成長していくらしい。
ちなみに幼龍ですらオークを丸呑みにするぐらい強いとか、、、流石テンプレ最強種族。
「ちなみに飛龍様は何歳ですか?」
「忘れた。」
「サイですか・・・」
道理で強そうだと思ったぜ。
そんな会話をしている中、何故か家の中から生活音が聞こえないのが気にかかり、飛竜様に聞いてみることにした。
「あの、、、この家に住んでた人はどこにいるか知りませんか?眼鏡かけた女のことか銀色の髪の女の子とか。」
相変わらず寝たら完璧に回復してる謎魔力を使って、軽く家の中を調べてみたが家にいるはずの三人はそこにはいなかった。
「・・・?たしか、眼鏡と筋肉は仕事に行くと言ってたが?」
眼鏡、、、はサマンサさん。筋肉、、、は旦那さんか。
無事にいつもどおり働いてることに安心する。
・・・てか、アリアは!?
眼前に、血の気を失ったアリアが倒れてる様子がフラッシュバックする。
「銀髪の女の子は!?盆地で俺の近くに倒れてた女の子は生きてるんですか!?無事なんですか!?」
「落ち着け。お主と一緒に村へと運び込んだ。治療も間に合った。」
「そう、、、ですか。」
いつの間にか乗り出していた体をベッドに戻す。
「それにしても大変だったぞ。すぐに治療を受けさせたかったのに、龍様が降臨なされたとか言い始めて村は大騒ぎになるし。めんどくさいから、通訳のトツカに現状を説明させてやったわ。」
カカカと笑う飛竜に苦笑いを返す。
トツカから、新聞くんと同じにおいがする・・・
って、それよりアリアだ!あんな大怪我を負ってたのに大丈夫なのかよ・・・
「じゃ、、、じゃあ、、、アリアに会いに行きたいんですけど、どこにいるんですか?家の中にいないってこと治療施設ですか?それとも、クエストでも受けに外に出てるんですか?」
「銀髪にはもう会えんと思うぞ?だってあの少女はもう」
村を旅立っているのだから。
全速力で村の中を駆け、ギルドの扉を押し開く。
周りがざわつき始める中、俺は受付の所に急ぐ。
サマンサさんが座る机に辿り着くと、挨拶も忘れて本題に入る
「サクラ君!?まだ動いちゃ駄目よ!5日間も寝ていたのよ!?」
「アリアが俺をおいて旅に出たってなんなんすか!どこに行ったんですか!」
サマンサさんは驚いた様子で俺を見上げる。
「そんなことはいいから!アリアは!アリアは何で俺をおいてったんですか!」
サマンサさんに思わず掴みかかる。
「落ち着いて!」
サマンサさんに頬を張られた。
「・・・すんません、頭に血が上りすぎてました。」
頭に上った血が冷え、周りが見渡せるようになってきた。
包帯だらけの俺を、周りが怪訝な様子で見ている。
遠くから、支部長が近づいて来ている様子も見える。
「これ・・・」
サマンサさんが机にポツンと置かれていた一枚の手紙を俺に手渡す。
「アリアからの…ですか?」
サマンサさんはこくりと頷いた。
――――――――――――――
サクラへ
破門にしたからとかそういうわけではなく、元々、この村にあなたを置いていくつもりでした。
あなたには伝えないようにお願いしていたのですが、元々ギルド規定によって入会後一か月は入会した拠点に滞在しなければならないという規定があります。
それを利用して、あなたを置いてくつもりだったんです。
謝らなければならないことは分かっています
でも、私にはやらなければならないことがあります。
私の旅の目的は雷の勇者への復讐と『英雄』を生み出すシステムの破壊です。
それにあなたを付き合わせることが出来なかった。
あなたは甘ちゃんだからという理由もありますが、サマンサ同様あなたのこともいつの間にか大切な存在になっていたからです。
思い返すと、出会いの時から腹立たしい事ばかりです。
初対面は覗きで、普段はセクハラ発言ばかり。
でもあなたは私の最初で最高の弟子です。
優秀な弟子が可愛くないわけないじゃないですか。
あ、でも破門ですから。
譲りませんから。絶対に。
でも、『お師匠さん』って呼ぶのだけは許可しましょう。
別に、アリアって呼ばれるのがむず痒いとかそういうわけではないですよ?
う~ん、もう書くこと無いかな。
じゃ、また会えたらどこかで。
『曇の魔術師』アリア=レイディウスより
―――――――――――――――――――――
何だよ、こんな他人行儀な手紙・・・
お別れぐらいちゃんとさせてくれよ・・・
もっと君の声が聞きたい・・・
もっとずっと一緒にいたい・・・
「・・・桜、バイパスを強めてくれ。」
手紙をギリギリと握りしめ、ギルドの外に走り出る。
五日もあれば、魔術師の身体強化された足でどこまで遠くに行けるか。
すくなくとも、今のぼろっぼろの体では追いつける距離にはいないだろう。
俺の魔力量の雲ではおそらく捉えきれない距離まで行ってしまっているだろう。
・・・でも
「『自分であり自分でない者 ≪アナザー・ミー≫』」
アリア、、、俺を甘く見過ぎてる。
今の俺なら、魔力枯渇を起こす覚悟で雲を張れば絶対に彼女を見つけられる。
青白い自分も、イイネ!という顔でにやりと笑う。
捨て身とか主人公っぽいからとか言いそうな顔だ。
まあ、、、協力してくれてるんだから何を思っていたとしても気にしないが。
「『嵐曇魔術≪スーパーセル≫』」
余りに強力すぎて、五日は目覚めない程の反動が後から襲ってしまうが構わない。
誰が甘いだっ、誰が大切だからだッ!
ここは現実なんかじゃないんだから、どう生きようと俺の勝手じゃねえか!
ぜってえに、、、見つけてやる、、、文句を、、、言って、、、やる、、、
「アリアああああああああああっ!!!」
「落ち着け」
飛竜がいつの間にか隣にいて、俺の頭をはたいた。
慌てて俺を追いかけてきたサマンサさんが、俺の起こした雲を見て悲しそうな顔をする。
「やっぱり、、、君はそうしたんだ。自分の命をないがしろにするようなことを、、、するんだ。」
「・・・だからどうした!?アンタらに俺の気持ちが分かるかよっ!!ぜってえにアリアを見つけ出す!」
「わかった、、、アリアが、、、君を置いてった理由が何となくわかったよ。ほら。」
「ああ!?・・・手紙?」
サマンサさんが懐からくっちゃくちゃの手紙を取り出した。
「君が、、、アリアが君を置いてったことを知った時、、、命をないがしろにするようなことしたとき、、、これを、、、渡せって、、、ぐずっ、、、ぐず。」
感極まったのか、鼻をすすりながら彼女は俺に手紙を押し付けてギルドの中に戻った。
飛竜様がピシピシと俺の頬をしっぽで叩いてくる。
「おぬし、、、さっさとこのふざけた魔術を解かんか。周りがおびえとる。」
「くっ・・・『解除』。」
桜がすっと意識体に戻るのと同時に、雲がうっすらと消えていく。
完全な連結魔術だから失敗時の魔力枯渇反動は無い。
やろうと思えば、何度だって使える。
手紙を読むには黒雲は暗すぎて邪魔になるからな。・・・そのために解いただけだ。
手紙を開く
いきなり頬をぶっ叩かれて、大声で怒鳴りつけられた気分だった。
―――――――――――――
このバカ野郎!
あなたが無茶するから、おいてったにきまってるじゃないですかっ!
絶対にあなたがこの手紙を読むってわかってましたよ!このバカ弟子!
私においてかれるぐらいあなたには問題があることをいい加減理解しなさい!
あなたは自分の命をまるで物語の主人公のように無駄に危機にさらすことに快感を得てるんです!
もし、私の復讐に付き合ってくれるっていったとしても、私の為ではなく、あなたが主人公のように命の危機を得られる方を選んだからとしか思えないんです!
もし、今のあなたを連れて行ったとしても、命の危機に進んで飛び込み死んでしまう描写しか私には見えない。
分かりますよね?自分のことなんだから。
あなたは主人公になりたいって言いまくってますが、、、自分の命を懸ける事を楽しんでるだけなんです。倒錯してるんです。
上手く言えませんが、、、まるで、なりたかったものになろうとして結果的に別の方向に流れてしまった、、、そんな感じです。
次に会える時までに、そういう意識を捨ててください。じゃないと、、、私が辛いです。
二か月間、一緒にいたのにずっといたのは、あなたではない別の薄っぺらい人間だったんです。
そんな薄っぺらい人間と話すことはもうありません。
今度会うときはそんなくだらない根性叩き直しておいてください。修行も続けるように。
追伸
初めての弟子が破門っていうのは体裁が悪いから、免許皆伝にしておきます。
そして免許皆伝になったあなたの、そのふざけた感じを評してあなたの職業名を考えておきました。
『曇の奇術師』
嘘つきであり、人をからかうのが大好きで、、、しかも薄っぺらいあなたにはぴったりです。
もし、本当のあなたを見せてくれたなら、、、新しい職業名を考えてあげます。
――本当のあなたに今回のことの礼を言いたい元師匠より。
―――――――――――――――
文法はめっちゃくちゃ。手紙の文字も汚い。
言いたいことは、抽象的で分かりにくい。
最後の名前の文も、嫌味なのか、礼を言いたいのか分かりにくい。
・・・って、最後の嘘つきとかからかうのが好きとか薄っぺらいとか、主人公としてあってはならんだろう。しかも、薄っぺらいとか小説の主人公では一番あってはならないもんだからねっ!?
最近の人気小説の主人公は基本的に癖がある、面の皮の厚い奴ばっかなのに。
俺が薄っぺらいとか、駄目小説フラグだからね!?
でも、、、不器用なアリアらしい。
やっと、お別れが言えた気がした。
・・・すっと、心の荒れが消えた。
「そうか、、、お別れすら出来ずに、、、何も知らされずに置いてかれたのに、、、、ムカついただけだったのか。」
間違いなく主人公らしくなく、、、サクラ、、、俺らしくない感情だった。
本当の俺って何なんだろうな?
まさか、如峰月桜の理想が薄っぺらいって言われるとは思ってなかった。
ずっとごまかしごまかししながら、俺はアリアと話してたんだろうか。
「『曇よ』」
雲を上に上にと昇らせていく。
そして、雲に文字を描かせる大きな大きな文字を
これだけ大きく描けば遠くにいるはずのアリアにも見えるだろう。
~ アリア=レイディウス、本当の俺でもう一度会おう -曇の奇術師- ~
よし、これで俺とアリアのお別れはようやくできた。
こういう人がしない、そして、人を驚かせるようなことするのって、、、主人公らしく、、、奇術師らしいよな。
今度会う時までに、本当の俺を探してみよう。
・・・桜もな。
俺が薄っぺらいのは、お前の主人公になりたいって思いの元々の理由が俺に適用されないからだ。
何で適用されないかは・・・桜。分かってるよな。
お前の元々の理想の『主人公になりたい』は俺の理想でもあるからこれからも努力するけど。
俺は、アリアにもう一度会うために、本当の自分を探す。
俺が変われたんだから、、、お前も変われるよな。
桜がバイパスを通して、、、不服の表情をしているのが感じ取れた。
しょうがねえなあ、、、
そんなことを考えてると、飛龍が頬をぴくぴくさせながらないわあ・・・という表情でこっちを見てきた。
「キチガイじゃな、、、お主。大陸中の人間に実名を晒すとは・・・人間の世にはあまり詳しくないが、晒された本人は今頃恥ずかしさでもだえ苦しんでると思うぞ?まさか、置いてかれたことへの腹いせか?最悪だな。」
「違うよ!?」
「しかも、自分の名前はなんか変な偽名使ってるし・・・若いからか?」
「俺は、中二病じゃないよ!?」
辺りを見渡してみると、周りの人間までうわああ・・・という目で俺を見ていた
待て!待ってくれ!
そんな俺の悲鳴にもかかわらず、キチガイコールは周りに伝播していく。
「振られた腹いせに実名公開とか・・・キチガイだ」
「キチガイだ」
「キチガイだ」
「キチガイだ」
「キチガイだ」
「「「「「「「「「「「「「キチガイだ」」」」」」」」」」」」」」
あれ?新しい自分みつかったかもしれないよ?
・・・俺の自分探しは桜の理想のルーツ探しより難しいみたいだ。
俺の視界が暗闇に包まれた。
ぷちんっと、何かが弾ける音がして、俺と『サクラ』をつなぐ糸が切れてしまった。
体から急に力が抜け、感覚的にぐんぐん引き離されていくのを感じ取っていた。
そして膜のようなものを突き抜けたかと思うと、ドンっと何か大きなものに突き飛ばされた。
でももう、俺は『主人公』になれないと泣き喚くことはない。
もう一人の俺が別の現実で主人公として頑張ってくれてるんだから。
だから、俺も変わんなきゃいけないよな。
ケリをつけなきゃ・・・
気付いた時には俺はアスファルトの上に立っていた。
世界に拒絶された時の感覚はもう感じない。
俺はこの現実でやらなきゃいけないことがあるからだ。
気づかずに手にずっと持っていた、文化祭の書類を開いて読み始める。
・・・読むのはいいが、考える時間が結構かかりそうだ。
まだ、踏ん切りがつかないんだよな・・・
「あ」
門くぐれば、数秒の時間で一日分の考える時間が得られるんじゃね?
考えれば、即行動だ。俺はもう一度違う入口から入り門の前に立つ。
これからも何度も門をくぐるだろうが。
今までみたいにただ盲目的に『主人公』になりたいっていう思いでくぐるんじゃない。
俺の腐った根性にケリをつけるための道具の為にこの門を『使う』んだ。
大丈夫。
もう主人公になりたいなんて思いに振り回されない。
俺は俺の為に自分を変える。
俺には帰って来れる、、、帰らなきゃならない現実があるんだから。
如峰月桜は桜として門をくぐった。
目覚めた部屋は見覚えのある部屋だった。
・・・ここは、アリアが引きこもってた部屋?
!
部屋の窓を慌てて見る。
いつも通りの、のどかな村でつい最近魔物に襲われる恐れがあったなんて思えないぐらいのどかなココノハ村だった。
「ぐええええええ・・・体だるい・・・ほっとしたらなおさらだ・・・」
思わずほっとして、ぐでええええっとベットに倒れ伏す。
村には避難体制すらひかせずに出てきてしまったからな。
かなり、心配してたんだ。
「目覚めたようだな。」
「ギャア!?」
天井に飛龍様が張り付いていた。
何を言ってるか分からないだろう、俺にも分からない。
飛竜様は体の大きさが普通の人間サイズになってる状態で、天井に張り付き二ヤアと口を開いていた。
・・・でも、絶対的な安心感が飛竜様にはあった。
飛竜様は、俺の寝ているベッドの横にすたっと降り立ち、器用に近くの椅子に座った。
エメラルドのようなキラキラと光る鱗に包まれた洋風タイプの龍は正直興奮する。
妙に人間っぽい動作で、キセルタバコをふかし始めているが。
・・・てか、龍が人語話してる?
「人語話せるんすか?しかも、体の大きさ変更できるとか、凄すぎだろ。」
てか、龍は人語を解せないから龍人の通訳がいるとか聞いたんだけど。
飛竜様は、流暢に人語を話している。
「まあ、、、いつもあのサイズで過ごしてたら、邪魔になるしな。それに恩義がある者以外とは龍はプライドが高いから話そうとせんのだよ。」
・・・まあ、しゃべれないことにした方が都合いいよな。
王様とかに『龍はプライドが高いからお前とは話さんよ?』とかいったら余計な波風たつし。
「あ~、この度は命を救っていただきありがとうございます、、、飛龍様?」
なんかサイズが俺と同じくらいで殺気を一切出していない状態では、飛龍様が普通の人間みたいで、様付けするのもなんか変な感じがする。
妙に人間じみた様子で欠伸を一度した飛龍様は、ウムと偉そうに頷いた。
「改めてこちらも礼をしておこうか。我を育ててくれた龍人たちと我が同胞に何の見返りもなく、救ってくれてくれた事に礼を言う。感謝するぞ。」
「いや、、、したくてしたことですし・・・そういえば、龍人や、、、トーリやトツカは無事なんですか?」
「龍人の里に戻る途中のようだが、何かあれば龍応石でしらせてくるだろう。それに龍人たちにはむしろ、自分達よりお前の手助けをしてくれと頼まれてしまった。」
「まあ、、、結果的に助かりましたけど、、、そんな無茶な。龍人たちは戦闘能力がほとんどないから、龍が守ってるんでしょ?飛龍様も、しょっちゅう狩りに出まくるのも、あんまりいいことじゃないと思います。」
龍人たちのことを想って、この際注意しておくことにした。
半年狩りに出るとかいくらなんでも無責任すぎる
「何を言っておる。龍ならいるではないか。」
「龍って、、、クリムゾンですか?でも、あれ幼龍なんじゃ?」
「あやつは既に齢100を超えるぞ?流石にそんじょそこらの魔物なんかには負けん。」
「・・・ファンタジーっすね。」
どうやら龍は人間と比べて極端に成長が遅いらしく、500年をかけて成龍へと成長していくらしい。
ちなみに幼龍ですらオークを丸呑みにするぐらい強いとか、、、流石テンプレ最強種族。
「ちなみに飛龍様は何歳ですか?」
「忘れた。」
「サイですか・・・」
道理で強そうだと思ったぜ。
そんな会話をしている中、何故か家の中から生活音が聞こえないのが気にかかり、飛竜様に聞いてみることにした。
「あの、、、この家に住んでた人はどこにいるか知りませんか?眼鏡かけた女のことか銀色の髪の女の子とか。」
相変わらず寝たら完璧に回復してる謎魔力を使って、軽く家の中を調べてみたが家にいるはずの三人はそこにはいなかった。
「・・・?たしか、眼鏡と筋肉は仕事に行くと言ってたが?」
眼鏡、、、はサマンサさん。筋肉、、、は旦那さんか。
無事にいつもどおり働いてることに安心する。
・・・てか、アリアは!?
眼前に、血の気を失ったアリアが倒れてる様子がフラッシュバックする。
「銀髪の女の子は!?盆地で俺の近くに倒れてた女の子は生きてるんですか!?無事なんですか!?」
「落ち着け。お主と一緒に村へと運び込んだ。治療も間に合った。」
「そう、、、ですか。」
いつの間にか乗り出していた体をベッドに戻す。
「それにしても大変だったぞ。すぐに治療を受けさせたかったのに、龍様が降臨なされたとか言い始めて村は大騒ぎになるし。めんどくさいから、通訳のトツカに現状を説明させてやったわ。」
カカカと笑う飛竜に苦笑いを返す。
トツカから、新聞くんと同じにおいがする・・・
って、それよりアリアだ!あんな大怪我を負ってたのに大丈夫なのかよ・・・
「じゃ、、、じゃあ、、、アリアに会いに行きたいんですけど、どこにいるんですか?家の中にいないってこと治療施設ですか?それとも、クエストでも受けに外に出てるんですか?」
「銀髪にはもう会えんと思うぞ?だってあの少女はもう」
村を旅立っているのだから。
全速力で村の中を駆け、ギルドの扉を押し開く。
周りがざわつき始める中、俺は受付の所に急ぐ。
サマンサさんが座る机に辿り着くと、挨拶も忘れて本題に入る
「サクラ君!?まだ動いちゃ駄目よ!5日間も寝ていたのよ!?」
「アリアが俺をおいて旅に出たってなんなんすか!どこに行ったんですか!」
サマンサさんは驚いた様子で俺を見上げる。
「そんなことはいいから!アリアは!アリアは何で俺をおいてったんですか!」
サマンサさんに思わず掴みかかる。
「落ち着いて!」
サマンサさんに頬を張られた。
「・・・すんません、頭に血が上りすぎてました。」
頭に上った血が冷え、周りが見渡せるようになってきた。
包帯だらけの俺を、周りが怪訝な様子で見ている。
遠くから、支部長が近づいて来ている様子も見える。
「これ・・・」
サマンサさんが机にポツンと置かれていた一枚の手紙を俺に手渡す。
「アリアからの…ですか?」
サマンサさんはこくりと頷いた。
――――――――――――――
サクラへ
破門にしたからとかそういうわけではなく、元々、この村にあなたを置いていくつもりでした。
あなたには伝えないようにお願いしていたのですが、元々ギルド規定によって入会後一か月は入会した拠点に滞在しなければならないという規定があります。
それを利用して、あなたを置いてくつもりだったんです。
謝らなければならないことは分かっています
でも、私にはやらなければならないことがあります。
私の旅の目的は雷の勇者への復讐と『英雄』を生み出すシステムの破壊です。
それにあなたを付き合わせることが出来なかった。
あなたは甘ちゃんだからという理由もありますが、サマンサ同様あなたのこともいつの間にか大切な存在になっていたからです。
思い返すと、出会いの時から腹立たしい事ばかりです。
初対面は覗きで、普段はセクハラ発言ばかり。
でもあなたは私の最初で最高の弟子です。
優秀な弟子が可愛くないわけないじゃないですか。
あ、でも破門ですから。
譲りませんから。絶対に。
でも、『お師匠さん』って呼ぶのだけは許可しましょう。
別に、アリアって呼ばれるのがむず痒いとかそういうわけではないですよ?
う~ん、もう書くこと無いかな。
じゃ、また会えたらどこかで。
『曇の魔術師』アリア=レイディウスより
―――――――――――――――――――――
何だよ、こんな他人行儀な手紙・・・
お別れぐらいちゃんとさせてくれよ・・・
もっと君の声が聞きたい・・・
もっとずっと一緒にいたい・・・
「・・・桜、バイパスを強めてくれ。」
手紙をギリギリと握りしめ、ギルドの外に走り出る。
五日もあれば、魔術師の身体強化された足でどこまで遠くに行けるか。
すくなくとも、今のぼろっぼろの体では追いつける距離にはいないだろう。
俺の魔力量の雲ではおそらく捉えきれない距離まで行ってしまっているだろう。
・・・でも
「『自分であり自分でない者 ≪アナザー・ミー≫』」
アリア、、、俺を甘く見過ぎてる。
今の俺なら、魔力枯渇を起こす覚悟で雲を張れば絶対に彼女を見つけられる。
青白い自分も、イイネ!という顔でにやりと笑う。
捨て身とか主人公っぽいからとか言いそうな顔だ。
まあ、、、協力してくれてるんだから何を思っていたとしても気にしないが。
「『嵐曇魔術≪スーパーセル≫』」
余りに強力すぎて、五日は目覚めない程の反動が後から襲ってしまうが構わない。
誰が甘いだっ、誰が大切だからだッ!
ここは現実なんかじゃないんだから、どう生きようと俺の勝手じゃねえか!
ぜってえに、、、見つけてやる、、、文句を、、、言って、、、やる、、、
「アリアああああああああああっ!!!」
「落ち着け」
飛竜がいつの間にか隣にいて、俺の頭をはたいた。
慌てて俺を追いかけてきたサマンサさんが、俺の起こした雲を見て悲しそうな顔をする。
「やっぱり、、、君はそうしたんだ。自分の命をないがしろにするようなことを、、、するんだ。」
「・・・だからどうした!?アンタらに俺の気持ちが分かるかよっ!!ぜってえにアリアを見つけ出す!」
「わかった、、、アリアが、、、君を置いてった理由が何となくわかったよ。ほら。」
「ああ!?・・・手紙?」
サマンサさんが懐からくっちゃくちゃの手紙を取り出した。
「君が、、、アリアが君を置いてったことを知った時、、、命をないがしろにするようなことしたとき、、、これを、、、渡せって、、、ぐずっ、、、ぐず。」
感極まったのか、鼻をすすりながら彼女は俺に手紙を押し付けてギルドの中に戻った。
飛竜様がピシピシと俺の頬をしっぽで叩いてくる。
「おぬし、、、さっさとこのふざけた魔術を解かんか。周りがおびえとる。」
「くっ・・・『解除』。」
桜がすっと意識体に戻るのと同時に、雲がうっすらと消えていく。
完全な連結魔術だから失敗時の魔力枯渇反動は無い。
やろうと思えば、何度だって使える。
手紙を読むには黒雲は暗すぎて邪魔になるからな。・・・そのために解いただけだ。
手紙を開く
いきなり頬をぶっ叩かれて、大声で怒鳴りつけられた気分だった。
―――――――――――――
このバカ野郎!
あなたが無茶するから、おいてったにきまってるじゃないですかっ!
絶対にあなたがこの手紙を読むってわかってましたよ!このバカ弟子!
私においてかれるぐらいあなたには問題があることをいい加減理解しなさい!
あなたは自分の命をまるで物語の主人公のように無駄に危機にさらすことに快感を得てるんです!
もし、私の復讐に付き合ってくれるっていったとしても、私の為ではなく、あなたが主人公のように命の危機を得られる方を選んだからとしか思えないんです!
もし、今のあなたを連れて行ったとしても、命の危機に進んで飛び込み死んでしまう描写しか私には見えない。
分かりますよね?自分のことなんだから。
あなたは主人公になりたいって言いまくってますが、、、自分の命を懸ける事を楽しんでるだけなんです。倒錯してるんです。
上手く言えませんが、、、まるで、なりたかったものになろうとして結果的に別の方向に流れてしまった、、、そんな感じです。
次に会える時までに、そういう意識を捨ててください。じゃないと、、、私が辛いです。
二か月間、一緒にいたのにずっといたのは、あなたではない別の薄っぺらい人間だったんです。
そんな薄っぺらい人間と話すことはもうありません。
今度会うときはそんなくだらない根性叩き直しておいてください。修行も続けるように。
追伸
初めての弟子が破門っていうのは体裁が悪いから、免許皆伝にしておきます。
そして免許皆伝になったあなたの、そのふざけた感じを評してあなたの職業名を考えておきました。
『曇の奇術師』
嘘つきであり、人をからかうのが大好きで、、、しかも薄っぺらいあなたにはぴったりです。
もし、本当のあなたを見せてくれたなら、、、新しい職業名を考えてあげます。
――本当のあなたに今回のことの礼を言いたい元師匠より。
―――――――――――――――
文法はめっちゃくちゃ。手紙の文字も汚い。
言いたいことは、抽象的で分かりにくい。
最後の名前の文も、嫌味なのか、礼を言いたいのか分かりにくい。
・・・って、最後の嘘つきとかからかうのが好きとか薄っぺらいとか、主人公としてあってはならんだろう。しかも、薄っぺらいとか小説の主人公では一番あってはならないもんだからねっ!?
最近の人気小説の主人公は基本的に癖がある、面の皮の厚い奴ばっかなのに。
俺が薄っぺらいとか、駄目小説フラグだからね!?
でも、、、不器用なアリアらしい。
やっと、お別れが言えた気がした。
・・・すっと、心の荒れが消えた。
「そうか、、、お別れすら出来ずに、、、何も知らされずに置いてかれたのに、、、、ムカついただけだったのか。」
間違いなく主人公らしくなく、、、サクラ、、、俺らしくない感情だった。
本当の俺って何なんだろうな?
まさか、如峰月桜の理想が薄っぺらいって言われるとは思ってなかった。
ずっとごまかしごまかししながら、俺はアリアと話してたんだろうか。
「『曇よ』」
雲を上に上にと昇らせていく。
そして、雲に文字を描かせる大きな大きな文字を
これだけ大きく描けば遠くにいるはずのアリアにも見えるだろう。
~ アリア=レイディウス、本当の俺でもう一度会おう -曇の奇術師- ~
よし、これで俺とアリアのお別れはようやくできた。
こういう人がしない、そして、人を驚かせるようなことするのって、、、主人公らしく、、、奇術師らしいよな。
今度会う時までに、本当の俺を探してみよう。
・・・桜もな。
俺が薄っぺらいのは、お前の主人公になりたいって思いの元々の理由が俺に適用されないからだ。
何で適用されないかは・・・桜。分かってるよな。
お前の元々の理想の『主人公になりたい』は俺の理想でもあるからこれからも努力するけど。
俺は、アリアにもう一度会うために、本当の自分を探す。
俺が変われたんだから、、、お前も変われるよな。
桜がバイパスを通して、、、不服の表情をしているのが感じ取れた。
しょうがねえなあ、、、
そんなことを考えてると、飛龍が頬をぴくぴくさせながらないわあ・・・という表情でこっちを見てきた。
「キチガイじゃな、、、お主。大陸中の人間に実名を晒すとは・・・人間の世にはあまり詳しくないが、晒された本人は今頃恥ずかしさでもだえ苦しんでると思うぞ?まさか、置いてかれたことへの腹いせか?最悪だな。」
「違うよ!?」
「しかも、自分の名前はなんか変な偽名使ってるし・・・若いからか?」
「俺は、中二病じゃないよ!?」
辺りを見渡してみると、周りの人間までうわああ・・・という目で俺を見ていた
待て!待ってくれ!
そんな俺の悲鳴にもかかわらず、キチガイコールは周りに伝播していく。
「振られた腹いせに実名公開とか・・・キチガイだ」
「キチガイだ」
「キチガイだ」
「キチガイだ」
「キチガイだ」
「「「「「「「「「「「「「キチガイだ」」」」」」」」」」」」」」
あれ?新しい自分みつかったかもしれないよ?
・・・俺の自分探しは桜の理想のルーツ探しより難しいみたいだ。
俺の視界が暗闇に包まれた。
ぷちんっと、何かが弾ける音がして、俺と『サクラ』をつなぐ糸が切れてしまった。
体から急に力が抜け、感覚的にぐんぐん引き離されていくのを感じ取っていた。
そして膜のようなものを突き抜けたかと思うと、ドンっと何か大きなものに突き飛ばされた。
でももう、俺は『主人公』になれないと泣き喚くことはない。
もう一人の俺が別の現実で主人公として頑張ってくれてるんだから。
だから、俺も変わんなきゃいけないよな。
ケリをつけなきゃ・・・
気付いた時には俺はアスファルトの上に立っていた。
世界に拒絶された時の感覚はもう感じない。
俺はこの現実でやらなきゃいけないことがあるからだ。
気づかずに手にずっと持っていた、文化祭の書類を開いて読み始める。
・・・読むのはいいが、考える時間が結構かかりそうだ。
まだ、踏ん切りがつかないんだよな・・・
「あ」
門くぐれば、数秒の時間で一日分の考える時間が得られるんじゃね?
考えれば、即行動だ。俺はもう一度違う入口から入り門の前に立つ。
これからも何度も門をくぐるだろうが。
今までみたいにただ盲目的に『主人公』になりたいっていう思いでくぐるんじゃない。
俺の腐った根性にケリをつけるための道具の為にこの門を『使う』んだ。
大丈夫。
もう主人公になりたいなんて思いに振り回されない。
俺は俺の為に自分を変える。
俺には帰って来れる、、、帰らなきゃならない現実があるんだから。
如峰月桜は桜として門をくぐった。
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