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二章 修行編
二十四話 修行の成果
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ポワンとルグレに出会って三ヶ月が経った。
今から、この三か月間ずっとしてきたマナ制御の成果を師匠のポワンに見せる所だ。
ポワンは私のマナの動きを感じるために、岩の上に自然体で立つ私の背中に触れている。
「やるのじゃ」
「うん」
ポワンの合図を皮切りに、集中力を高めた。
体内のマナを、マナの器である下腹部の丹田から左手に集中させ、次は左手から左足に動かす。
同様に左足から右足、右足から右腕へと、体をマナが一周していくように素早くコントロールした。
「三ヶ月でマナの制御をなりにはこなすようになったか、中々の才なのじゃ」
「本当!?」
ポワンが満足そうに、背中から手を離す。
マナの制御は合格点だってことだよね!?
「俺は師匠のお墨付きをもらうまでに一年以上もかかったのに……」
「小娘はワシが見た中でも、マナを感覚的に掴むのが類を見ない程上手いのじゃ。妹弟子を可愛がるのは良いが、うかうかしているとあっという間に追い抜かされるのう、ルグレ」
「う……精進します……」
やった!! ポワンに褒められた!!
この三ヶ月、寝ても覚めてもずっとマナ制御のことを考えて来たんだもん。
マナ制御の修練をする夢を見るくらいにはね……。
「ねぇ、これだけ操れるようになったんだから闘技を教えてよ!! 私のマナ量も前より増えたしさ!!」
マナは体力と似たようなもので、マナ量を増やす為には使うしかないらしい。
毎日欠かさずマナを使っていた私は、いつの間にか体内のマナ量も増えていて、闘気も力強さを増していた。
まだルグレには及ばないけどさ。
「ま、これだけ扱えればいいかの」
「やったーっ!!」
こうして魔法を持たない私は、闘技を教わることになった――。
*****
「よし、やるかの」
「ほぇ!? どこから拾って来たの!? こんなでっかいの!!」
ポワンがどこからか持ってきたのは、巨大な岩。
一見山にも見える程の大岩は、置かれているだけでとてつもないほどの主張をしている。
私が闘気を纏ってもこんなの持ち上げられないのに、ポワンは闘気も纏わず二つも持ってきちゃったよ。
馬鹿力過ぎでしょ。
「今からお主に教えるのは、闘技【衝波】なのじゃ。よーく見ておれ」
闘技【衝波】。
三ヶ月前、私がポワンに吹き飛ばされた技だ。
「師匠、お願いですから手加減して下さいね……」
「わぁておるわ!」
ポワンは機嫌を悪くしながら一つの岩に触れ、手の平に一瞬でマナを集める。
【衝波】
岩に触れた手から、闘気を放っているようにも見えた。
ポワンの闘気に吹き飛ばされた大岩は、私達がいる山を離れ、隣の山へと激突し土煙を上げる。
隣の山からは鳥達が飛び立ち、突如起きた異常現象から動物達が逃げ出していた。
力の調節を間違ってしまい、やらかした顔をするポワンを、ルグレはジト目で見ている。
「闘技【衝波】は、密接した相手吹き飛ばす。体制を崩したり、吹き飛ばした相手に追い討ちをかけるための技なのじゃ。ワシ程とは言わんまでも、この大岩を倒せるくらいになるのじゃ」
自慢気に闘技の説明をし、誤魔化そうとするポワンだったけど、当然ルグレは誤魔化されない。
「誤魔化そうとしても、駄目ですからね!? あんなの体制を崩す技じゃなくて、トドメの技じゃないですか!? あそこに人がいたらどうするんですか!? 死んでますよ!!」
「ええぃ! やかましいわ!! ちっとだけ加減を間違えただけなのじゃ!!」
二人が大騒ぎする中、私はポワンのマナの流れを思い出していた。
闘気を放った……ううん、ちゃんと見てたけど違う。
見た感じは闘気を放っている様に見えるけど、マナを岩に触れた手に集めて、闘気に変えただけだ。
マナを体に巡らせて闘気を纏うのと、マナ制御がいる以外は変わらない……。
「いつも言ってるでしょう!? 師匠は歩く災害みたいなモノなんですから、振る舞いには常に細心の注意を払って下さいって!!」
「阿呆! そんな小さいことをいちいち気にして生きてられるか!!」
揉めてる二人を横に、ポワンが持ってきたもう一つの岩に、同じ様に左手で触れる。
ポワンが高速で行った工程を思い出し、私は集中して慎重に左手の手の平にマナを集め――。
「……まぁ、あれじゃ。小娘。一朝一夕で出来ると思うでないのじゃ」
「師匠!! また誤魔化そうとして……」
「破っ!!」
掛け声と共に左手のマナを闘気へと変える。
「「!?」」
二人が私が急にポワンの真似をしたことに驚く中、目の前の大岩が徐々に傾いていき――やがて、大きな音を立てて倒れた。
「で、出来ちゃった……」
「「……うそーん……」」
何故か見様見真似で、闘技【衝波】を習得出来た。
やったね!!
今から、この三か月間ずっとしてきたマナ制御の成果を師匠のポワンに見せる所だ。
ポワンは私のマナの動きを感じるために、岩の上に自然体で立つ私の背中に触れている。
「やるのじゃ」
「うん」
ポワンの合図を皮切りに、集中力を高めた。
体内のマナを、マナの器である下腹部の丹田から左手に集中させ、次は左手から左足に動かす。
同様に左足から右足、右足から右腕へと、体をマナが一周していくように素早くコントロールした。
「三ヶ月でマナの制御をなりにはこなすようになったか、中々の才なのじゃ」
「本当!?」
ポワンが満足そうに、背中から手を離す。
マナの制御は合格点だってことだよね!?
「俺は師匠のお墨付きをもらうまでに一年以上もかかったのに……」
「小娘はワシが見た中でも、マナを感覚的に掴むのが類を見ない程上手いのじゃ。妹弟子を可愛がるのは良いが、うかうかしているとあっという間に追い抜かされるのう、ルグレ」
「う……精進します……」
やった!! ポワンに褒められた!!
この三ヶ月、寝ても覚めてもずっとマナ制御のことを考えて来たんだもん。
マナ制御の修練をする夢を見るくらいにはね……。
「ねぇ、これだけ操れるようになったんだから闘技を教えてよ!! 私のマナ量も前より増えたしさ!!」
マナは体力と似たようなもので、マナ量を増やす為には使うしかないらしい。
毎日欠かさずマナを使っていた私は、いつの間にか体内のマナ量も増えていて、闘気も力強さを増していた。
まだルグレには及ばないけどさ。
「ま、これだけ扱えればいいかの」
「やったーっ!!」
こうして魔法を持たない私は、闘技を教わることになった――。
*****
「よし、やるかの」
「ほぇ!? どこから拾って来たの!? こんなでっかいの!!」
ポワンがどこからか持ってきたのは、巨大な岩。
一見山にも見える程の大岩は、置かれているだけでとてつもないほどの主張をしている。
私が闘気を纏ってもこんなの持ち上げられないのに、ポワンは闘気も纏わず二つも持ってきちゃったよ。
馬鹿力過ぎでしょ。
「今からお主に教えるのは、闘技【衝波】なのじゃ。よーく見ておれ」
闘技【衝波】。
三ヶ月前、私がポワンに吹き飛ばされた技だ。
「師匠、お願いですから手加減して下さいね……」
「わぁておるわ!」
ポワンは機嫌を悪くしながら一つの岩に触れ、手の平に一瞬でマナを集める。
【衝波】
岩に触れた手から、闘気を放っているようにも見えた。
ポワンの闘気に吹き飛ばされた大岩は、私達がいる山を離れ、隣の山へと激突し土煙を上げる。
隣の山からは鳥達が飛び立ち、突如起きた異常現象から動物達が逃げ出していた。
力の調節を間違ってしまい、やらかした顔をするポワンを、ルグレはジト目で見ている。
「闘技【衝波】は、密接した相手吹き飛ばす。体制を崩したり、吹き飛ばした相手に追い討ちをかけるための技なのじゃ。ワシ程とは言わんまでも、この大岩を倒せるくらいになるのじゃ」
自慢気に闘技の説明をし、誤魔化そうとするポワンだったけど、当然ルグレは誤魔化されない。
「誤魔化そうとしても、駄目ですからね!? あんなの体制を崩す技じゃなくて、トドメの技じゃないですか!? あそこに人がいたらどうするんですか!? 死んでますよ!!」
「ええぃ! やかましいわ!! ちっとだけ加減を間違えただけなのじゃ!!」
二人が大騒ぎする中、私はポワンのマナの流れを思い出していた。
闘気を放った……ううん、ちゃんと見てたけど違う。
見た感じは闘気を放っている様に見えるけど、マナを岩に触れた手に集めて、闘気に変えただけだ。
マナを体に巡らせて闘気を纏うのと、マナ制御がいる以外は変わらない……。
「いつも言ってるでしょう!? 師匠は歩く災害みたいなモノなんですから、振る舞いには常に細心の注意を払って下さいって!!」
「阿呆! そんな小さいことをいちいち気にして生きてられるか!!」
揉めてる二人を横に、ポワンが持ってきたもう一つの岩に、同じ様に左手で触れる。
ポワンが高速で行った工程を思い出し、私は集中して慎重に左手の手の平にマナを集め――。
「……まぁ、あれじゃ。小娘。一朝一夕で出来ると思うでないのじゃ」
「師匠!! また誤魔化そうとして……」
「破っ!!」
掛け声と共に左手のマナを闘気へと変える。
「「!?」」
二人が私が急にポワンの真似をしたことに驚く中、目の前の大岩が徐々に傾いていき――やがて、大きな音を立てて倒れた。
「で、出来ちゃった……」
「「……うそーん……」」
何故か見様見真似で、闘技【衝波】を習得出来た。
やったね!!
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