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第三章 ダンジョン抜けても町まで遠く

キャラクター紹介(第三章終了時点)

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 キャラクター紹介(第三章終了時点)

 桜井時久

 やっとダンジョンから出たと思ったら、今度はダンジョンコアとの仲介役になったり、高所からスカイダイビングをしたりと、結構波乱万丈な具合になっている主人公。だけど後悔はしていない。

 クラウンとの再戦。セプトとの戦い。おまけに魔力暴走を食い止めるための器になったりと、身体に物凄い負担がかかってミイラ男状態。……常人ならとっくに亡くなってます。

 新技……というより最初から使えた技である“金こそ我が血肉なりマネーアブソーバー”によって一命をとりとめるも、今回のことで手持ちの金がほとんどなくなってしまった。

 戦いの跡地に散らばっていたものをかき集めたものの、使った分には程遠い。現在治療費やらエプリに払う分やらで頭を抱えている。

 知らないうちに奴隷少女セプトのご主人様になっている。奴隷は本人的にはロマンかどうか微妙。

 本で読む分には好みだけど、実際に人一人を養うとなると倫理観やら何やらがあるので難しい。だけど成り行きでもそうなった以上、自分が納得できるまでは面倒を見ようと考えている。

 エプリと再び契約したことに後悔はない。ただ、しかし……護衛料どうしようかと悩んではいる。




 エプリ

 契約に関しては筋を通しまくる系傭兵。結ぶのも破るのも直接会ってがモットーです。

 依頼人の善悪は問わないけれど、依頼内容を故意に偽ったりすると怒る。今回クラウンとの契約を破棄したのもそういう事。

 ……まあ依頼内容を正しく伝えていた場合、そもそも依頼を断った可能性もあるけれど。エプリにも仕事の好みくらいはあるので。

 きちんと護衛し終わったと判断して時久から一度離れ、クラウンとの戦いを終えて再び時久と契約している。

 時久に対して、今回のことで少し関係が変わった……かもしれない。ただの依頼人と傭兵ではなく、少しだけ気になる依頼人仲間と傭兵として。……傭兵としての部分は変わらないようだ。

 実は闇属性も多少使えたりする。ただし風属性の方が得意であるという点と、闇属性を見せるとそれだけで場所によっては問題になることから普段は使わない。

 時久と再契約したことに後悔はない。恩も借りもあるし、個人的に好感も持てる。なにより仲間と呼んでくれた相手と一緒に居ることは居心地が良い。……だけど仕事は仕事。護衛料はきっちり請求する。

 ……ちょっとくらいはまけても良いかなとも思っている。

 ちなみに調査隊で出されたステーキは、エプリは後でちゃんと美味しく頂きました。……六枚は食べ過ぎたかな?




 ジューネ

 無事ダンジョンから出た後は、調査隊と合流して情報を売りつけかなりの報酬を手に入れている。ダンジョンコアのことを交渉する際も立ち会い、その後は調査隊の陣にてちょこちょこ商売をしているようだ。




 アシュ・サード

 ダンジョンから出たと思ったら調査隊とバッタリ遭遇。たまたま隊長が知り合いだったこともあって話がとんとん拍子で進み、なんと当日にダンジョンにとんぼ返りというはめに。

 その後はジューネと共に調査隊の陣に残るが、時久の放った銭投げの爆発を見て助けに駆け付ける。クラウンを圧倒的な実力差で下し、セプトの魔力暴走を止める際にも先陣に立って道を切り開いて見せた。

 凄まじい速さを誇り、短距離であれば空属性の転移とほぼ変わらない動きも可能。本人曰くただ残像が出来るくらいの速度で走って静かに止まるだけ。……普通は無理です。

 調査隊の陣から時久達の所まで、全力で駆け抜けたことは流石に身体に無理があったようで、クラウンを追い払った後軽く吐血している。ただ本人からすれば大したことはなく、許容範囲の無茶らしい。

 今の調査隊の大部分は顔見知り。以前少し剣や体捌きを教えていたこともあって、アシュ先生と慕われている。




 ボジョ

 基本的に時久の服の中に潜り込んでおり、時久がスカイダイビングをした時は自身がパラシュート代わりになって速度や方向をコントロールしていた。

 調査隊の陣ではウォールスライムの亜種だと思われている。時久にテイムされていると認識されていて、見られても攻撃されることはない。テイムしている自覚が無いのは本人時久のみである。




 ゴッチ・ブルーク

 調査隊隊長。二十四歳。時久曰く人の好さそうな顔をしていて優しそうな印象の人。

 ダンジョンの調査に向かっていた所、時久達とバッタリ遭遇。アシュとは顔見知りだったこともあって話がスムーズに進み、ダンジョンの近くに陣を張って調査に乗り出すことに。

 貴族の出ではあるが鼻にかけることもなく、むしろ他人を気遣う事を忘れない好青年。隊員からの評判も良く、戦闘能力や指揮能力もかなりの物。

 ただ本人としては、どれもアシュの教えの賜物だと思っている。……間違いではないが、半分近くは本人の資質によるものである。

 マコアとの同盟は本来自分の意思のみで決めることは出来ないが、上には事後承諾ということで同盟を進めた。




 ラニー

 調査隊薬師兼副隊長代理。

 本来薬師なのだが、副隊長が事情により町に残っているため兼任している。バルガスの容体を診てすぐに薬を処方した。その際に凶魔化のことを聞かされる。

 時久達が大怪我をして戻ってきた際も、ラニーの迅速な処置によって一命をとりとめている。




 マコア

 名前を付けられたダンジョンコア。

 交渉に向けて陣営を強化していた所、その日に出たはずの時久達が戻ってきたことにビックリ。更に交渉相手である調査隊がもう来たことに二度ビックリ。

 しかし相手もマコアが予想より多くスケルトン達を従えていたのにビックリしていたりする。

 対人経験が少ないこともあって、相手を試すような言動をとることがしばしば。信じたいけど信じられない。だから行動で信じさせてという理屈。ちょっぴりメンドクサイ性格。

 ゴッチ達との同盟後、時久と別れる際に思いの丈を吐露したことでゴッチ達の信用を得る。何故信用されたのか自分では分かっていないのが困った所。

 現在はダンジョンにて着々と陣容を拡大中。調査隊と協力して急速にダンジョンの調査を進めている。

 ちなみに余談だがダンジョンマスター、あるいはダンジョンコアがモンスターに近くで直接指揮をとる場合、規律が取れたり能力が底上げされたりとモンスターの戦闘能力が一気に跳ね上がる。

 もし調査隊とマコアの同盟が成立せずに戦闘になっていた場合、ほぼ確実に調査隊に死傷者が出ていただろう。

 マコアと調査隊の協調は、常にそのような危険と隣り合わせで成り立っている。




 クラウン

 王都襲撃後、イザスタとの戦いで魔力を消耗していた所、エプリからの連絡を受けて口を封じるために合流する。

 エプリの後任であるセプトを連れて合流場所で待ち伏せていたが、エプリに看破されて戦闘に。二対一で襲い掛かり、もう少しという所までエプリを追い詰めたが時久の空からの乱入によって邪魔される。

 その後さらに乱入したアシュによって身体を滅多切り(峰打ち)にされ、大ダメージを負いながら撤退。相手に毒を打ち込んでいたぶったり、撤退の際にセプトに魔力暴走を強要していくなど非道な性格。




 セプト

 奴隷少女。エプリの後任。身長百四十七センチ。体重は不明。

 クラウンが従えていた少女。濃い青色の髪のおかっぱ頭。前髪を目元を隠すように伸ばしているが、しかし目元以外で分かる顔立ちは整っている。

 エプリが涼やかな妖精のような幻想的な美少女だとすれば、セプトは言わば静かに佇む人形のように整った美少女というのが時久の言。

 闇属性に高い適性を持ち、影造形や潜影などを使用する。長時間の連続使用が可能であり、単純な魔力量だけで言えばエプリより上。ただし戦闘経験という点ではやや劣り、その点を突かれて敗北する。

 クラウンの命により魔力暴走を強要されるも、時久の決死の行動により中断。その際に時久が隷属の首輪を貯金箱で外し、新たに付け直したことによって、現在の所有者は時久となっている。

 奴隷であり続けることにこだわりがあるようで、時久が首輪を外した直後は酷く取り乱した。

 胸元にクラウンに魔石を埋め込まれているが、魔力暴走の際に相当魔力を消費したため凶魔化までは至っていない。時折魔力を消費すれば凶魔化の危険はある程度抑えられるとのこと。

 時久へはあくまで奴隷として接する。奴隷は主人に奉仕するものである。主人が時久であってもクラウンであってもその姿勢は変わらない。ただ……時久への好意が無い訳ではない。




 月村優衣

 現在は王都でイザスタの指導の下、自分に出来ることはないか模索する日々を送っている。他の『勇者』に対して強い劣等感を持っていて、ちょっとしたことですぐ落ち込む。

 王都襲撃で怪我をした人の治療を手伝っていたが、そこで以前自分が助けた少女マリーと再会。自分が『勇者』ではなく月村優衣として誰かを助けられたことに涙を流す。




 イザスタ・フォルス

 『勇者』の付き人兼護衛としてディランから推薦され、現在は王都に滞在している。手加減した上で『勇者』四人を相手取れる実力を見せ、講義に口を出したり戦闘面の簡単なアドバイスもしたりともう完全に教育係である。

 裏でも何やら暗躍しているようで、アシュとはこっそり連絡を取り合っている。




 西東成世さいとうなるせ

 身長百八十三センチ。体重七十五キロ。十七歳。やや浅黒い肌に黒髪黒目。夏用の学生服を着こなしている。

 肉体は絞り込まれた細マッチョ。筋トレで付いたというよりも、実戦の中で付いたものである。顔立ちは端正だが、鋭すぎる程の三白眼で他者を寄せ付けない。

 時久の“相棒”にしてゲームの八番目の参加者。ディーというゲームの主催者を名乗る者により、時久を追って異世界にやってきた。現在位置はヒュムス国とビースタリア国の境。通称ココの大森林。

 時久曰く不愛想で皮肉屋な人間嫌い。実家が物凄い金持ちで、個人的に稼いだ金だけでも課題の一億円ぐらいポンっと出せるほど。そして時久が知る限りもっとも喧嘩が強い男。

 加護で強化された自分でもワンパンで負けるという予測だが、今の時久ならしっかりガードを固めた上で殴られれば一撃は保つ……かもしれない。

 ゲームの参加者なので加護が付与された結果、遂には軽く苛立って放たれた威圧感だけで周囲のモンスターが怯えて逃げ出すほど。……加護が無くても逃げ出したかもしれないが。

 一緒にやってきた“プゥ”という謎の苺大福モドキと共に、時久を連れ戻すべく捜索を開始する。
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