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第一章 時の守り人篇
第2話 時の守り人
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「立ち話も何だし、お茶でもどうかな?」
目の前の人のような形のそいつは微笑みながらそう言った。
「は、はぁ……いただきます…。」
周りを見渡すと霧は晴れていて、何か建物のようなものの長い長い廊下の中に居た。
軽く思考停止していた俺は、通勤中だという事をを忘れ、そいつについていくことにした。
…………………………………
「うん、良い出来だ。美味しい。」
湯呑みで緑茶を飲みながら、人のような姿をしたはもの言う。黒いシルクハットに燕尾服。長いステッキを持ったその姿は、イギリスやフランスの紳士を思わせる服装だった。
その傍には黄色い犬のような生き物が、鼻ちょうちんを膨らませながら寝ていた。
(なんなんだこの状況は…夢にしてリアル過ぎるし、現実にしてはおかしいし……やっぱり俺の頭がおかしくなったのか?いや元々おかしいんだろうけど……)
状況を飲み込めずに頭がぐるぐるしてきた。
「ここは夢ではないよ。紛れもない現実さ。君はおかしくない。さぁ、遠慮せずに飲みたまえ。」
お茶の入った湯呑みを差し出してくる。緑茶特有のいい匂いがする。
「…いただきます。」
ずずず…と音を立てお茶を飲む。
そのお茶は温かくて苦味も程よく、美味しかった。心も体も温めてくれるような、そんな味だった。
「なんだこれ、美味しい…!」
思わず言葉が出た。
「ありがとう!そう言って貰えて嬉しいよ。」
目の前のそいつが ぱあっと笑顔になる。そこで、ふとあることに気がつく。
さっきこの人(?)は俺が思っている事に対して返事をしたのだ。心が読めるのだろうか。
「…あの、ここは一体……夢じゃないって…。貴方は誰なんですか?それに…今俺の思ってることをどうして…」
恐る恐る聞いてみた。
ちら、とこちらを見て、やがて俺の方に向き直り話し始めた。
「これはすまなかった、1つずつ応えよう。まず1つ目、ここは"時の廻廊。全ての時間の中心に位置する場所だ。」
「時の…廻廊?」
「そう、あらゆる時間に繋がっているんだ。例えばあそこ、今まさに関ヶ原で徳川家康率いる「東軍」と石田三成が中心の「西軍」がぶつかろうとしている。」
指を刺された方を見る。柱と柱の間から、甲冑を身につけた大勢の武者が見えた。
「マジか…!!すげぇ!!!本当にあらゆる時間と繋がってるのか…。」
「あぁ、君もあのゲートを通ってきたんだろう。さて、2つ目だ。私はここの守り人、"ジョーカー"だ。さしずめ、時の守り人ってとこかな。」
ふふっ、と笑うジョーカー。
「時の守り人…ジョーカー…。ジョーカーさんは何で俺の心を読めたんですか?何で俺はここに来たんですか?」
聞きたいことは山ほどあった。俺は次々と聞きたいことをジョーカーさんに言った。
すると彼は困り気味に言った。
「まてまて、質問は1つずつだ。時風 士くん。まず……」
「な、なんで俺の名前を!?俺名乗ってなんか居ないのに…!」
それを遮るように畳み掛けた。
「それを今から話すよ、ひとまず落ち着いてくれ士くん。深呼吸だ。」
言われるがまま深呼吸をする。
「…すーはー…すーはー……すみません、落ち着きました…。一方的に申し訳ないです…。」
「いやいや、謝ることは無いさ。誰だって見知らぬ人から名前を呼ばれたりしたら驚くし怖いだろう。ましてやこんな訳分からない見た目の奴から呼ばれたらね。はははっ。」
こちらこそ申し訳ない、とジョーカーさんは謝った。
「3つ目だが、察しの通り私は人の心を読むことができる。君の名前を言い当てたのもそういう事だ。…読もうと思わないと出来ないけどね、常時発動って訳じゃないから安心してくれ。」
そんな厨二病マックスな能力があるのか……!!常時発動じゃないとはいえ、エロい事は考えられないな…そんな事を思っていた。
「そうそう、この犬は"サブロー"私の昔からの相棒だ。」
横で寝ている犬の鼻ちょうちんを指先でつっつきながら言う。
パチン!と音を立てて鼻ちょうちんが破れる。ビクンッと飛び起きる犬。
「バウ?バウ?(なんだ?敵襲か?)」
「おはよう、サブロー。また新しい人が来たぞ。」
「バウ、バウバウっ(おう、まぁゆっくりしていけや)」
サブローと呼ばれた犬はほっこりした顔で言う。どうやらジョーカーさんとサブローという犬が相棒だと言うのはホントらしい。同じ立場で対等に話している。
(ゆっくりしていけや…って……犬にそんなこと言われるなんてなぁ。)
「……犬が喋ったぁ!?」
思わず椅子から立ち上がる。
「!サブローの言葉が分かるのか、それはすごい事だよ士くん。私以外にサブローの言葉が理解出来た人は他に一人しかいないよ。」
「バウバウバウ(ほほう、なかなかやるな若造褒めて遣わす。)」
「あ、ありがとうございます……(サブローさんキャラ安定してないな)」
「もしかしたら士くんには、何か特別な力があるのかもしれないな。」
「特別な力……。」
異世界転生モノの俺TUEEEE主人公を思い浮かべる。
情けない性格でも美少女が寄ってきてハーレムに…しかもチート能力者。人望も厚い。
「人生バラ色じゃん!!!!!!」
妄想して思わず顔がにやける。
「??まぁ、人には必ず何か1つは取り柄があるものだ、君にだってそういうものがあったっておかしくはないよ。」
「バウ、バウン(その通り、人の可能性は無限大だぞ。)」
キョトンとしながらも優しく笑ってくれるジョーカーさんとサブローさん。
「話がそれてしまったね、本題に入ろうか。士くん。」
「…本題……?」
「ここ、時の廻廊に来る者には、大きく分けて2種類いるんだ。1つは心に何か大きな悩みを持った、心を病んだ者。大半がこのパターンだ。」
その言葉を聞いてドキッとした。
そう、俺には悩みがあるのだ。
ブラック企業に入ってしまったことだ。人生お先真っ暗。何の希望も光もない。
「……悩み…。」
動悸が早くなり、上司の言葉が頭をよぎる。
「使えねえ新人だな。」
「そんな事も分からないのか。」
「はぁ…もういいよ、どけ。」
「お前さ、何しに来てんの?」
呼吸も過呼吸気味に荒くなる。
……俺なんか、役立たずのゴミクズなんだ。あぁ…もう死にたい……。
涙が出そうになる。
するとスっと手が伸びてきて頭を撫でる。頭をあげるとジョーカーさんが俺の頭を撫でていた。
「大変なんだな、そんなになるまで一生懸命頑張って。嫌なことに立ち向かって、君は偉いよ、士くん。ゴミクズなんかじゃない。」
その言葉で抑えていた涙が零れてきた。
「俺っ……俺っ…。」
涙が止まらない。涙で目の前が歪んでいく。すると、犬のサブローさんが寄ってきて、俺の頬の涙をベロンと舐めた。
「バウバウ!バーウ!(ジョーカーの言う通りだ!!お前はすげぇやつだ!!)」
ふんすっとドヤ顔で言うサブローさん。
その顔が面白くて、泣いているのに笑ってしまった。
「私のここでの役目は、君のように悩みを抱えた者たちの相手をすることだ。だから、君の悩みを聞かせてくれないか?士くん。聞くことしか出来ないかもしれないが…。」
優しく問いかけてくれるジョーカーさん。
「でも……俺の悩みなんか下らないし…ジョーカーさん心を読めるんでしょう?話す必要なんか…。」
「そんなことは無いさ、他の誰かが下らないと言おうと、ただの甘えだと言おうと、君にとっては大きな悩みのはずだ。それに、確かに心を読んで悩みを知ることは簡単だ、でも君の口からしっかりと悩みを聞きたいんだ。…無理に聞こうとは思わないけどね。」
優しい口調で、子供をなだめるように話してくれるジョーカーさん。
俺は意を決して言った。
「……聞いてくれますか?俺の悩みを…。」
「バウバウバウバウ(おうとも、俺たちが聞いてやんよ)」
「もちろんだ、君の気が済むまで、ありのまま話してくれて構わないよ。馬鹿にしたりなんかしないから。」
ドドンと構えるサブローさん、優しく微笑むジョーカーさん。
俺は自分の下らない悩みを話し始めた。
目の前の人のような形のそいつは微笑みながらそう言った。
「は、はぁ……いただきます…。」
周りを見渡すと霧は晴れていて、何か建物のようなものの長い長い廊下の中に居た。
軽く思考停止していた俺は、通勤中だという事をを忘れ、そいつについていくことにした。
…………………………………
「うん、良い出来だ。美味しい。」
湯呑みで緑茶を飲みながら、人のような姿をしたはもの言う。黒いシルクハットに燕尾服。長いステッキを持ったその姿は、イギリスやフランスの紳士を思わせる服装だった。
その傍には黄色い犬のような生き物が、鼻ちょうちんを膨らませながら寝ていた。
(なんなんだこの状況は…夢にしてリアル過ぎるし、現実にしてはおかしいし……やっぱり俺の頭がおかしくなったのか?いや元々おかしいんだろうけど……)
状況を飲み込めずに頭がぐるぐるしてきた。
「ここは夢ではないよ。紛れもない現実さ。君はおかしくない。さぁ、遠慮せずに飲みたまえ。」
お茶の入った湯呑みを差し出してくる。緑茶特有のいい匂いがする。
「…いただきます。」
ずずず…と音を立てお茶を飲む。
そのお茶は温かくて苦味も程よく、美味しかった。心も体も温めてくれるような、そんな味だった。
「なんだこれ、美味しい…!」
思わず言葉が出た。
「ありがとう!そう言って貰えて嬉しいよ。」
目の前のそいつが ぱあっと笑顔になる。そこで、ふとあることに気がつく。
さっきこの人(?)は俺が思っている事に対して返事をしたのだ。心が読めるのだろうか。
「…あの、ここは一体……夢じゃないって…。貴方は誰なんですか?それに…今俺の思ってることをどうして…」
恐る恐る聞いてみた。
ちら、とこちらを見て、やがて俺の方に向き直り話し始めた。
「これはすまなかった、1つずつ応えよう。まず1つ目、ここは"時の廻廊。全ての時間の中心に位置する場所だ。」
「時の…廻廊?」
「そう、あらゆる時間に繋がっているんだ。例えばあそこ、今まさに関ヶ原で徳川家康率いる「東軍」と石田三成が中心の「西軍」がぶつかろうとしている。」
指を刺された方を見る。柱と柱の間から、甲冑を身につけた大勢の武者が見えた。
「マジか…!!すげぇ!!!本当にあらゆる時間と繋がってるのか…。」
「あぁ、君もあのゲートを通ってきたんだろう。さて、2つ目だ。私はここの守り人、"ジョーカー"だ。さしずめ、時の守り人ってとこかな。」
ふふっ、と笑うジョーカー。
「時の守り人…ジョーカー…。ジョーカーさんは何で俺の心を読めたんですか?何で俺はここに来たんですか?」
聞きたいことは山ほどあった。俺は次々と聞きたいことをジョーカーさんに言った。
すると彼は困り気味に言った。
「まてまて、質問は1つずつだ。時風 士くん。まず……」
「な、なんで俺の名前を!?俺名乗ってなんか居ないのに…!」
それを遮るように畳み掛けた。
「それを今から話すよ、ひとまず落ち着いてくれ士くん。深呼吸だ。」
言われるがまま深呼吸をする。
「…すーはー…すーはー……すみません、落ち着きました…。一方的に申し訳ないです…。」
「いやいや、謝ることは無いさ。誰だって見知らぬ人から名前を呼ばれたりしたら驚くし怖いだろう。ましてやこんな訳分からない見た目の奴から呼ばれたらね。はははっ。」
こちらこそ申し訳ない、とジョーカーさんは謝った。
「3つ目だが、察しの通り私は人の心を読むことができる。君の名前を言い当てたのもそういう事だ。…読もうと思わないと出来ないけどね、常時発動って訳じゃないから安心してくれ。」
そんな厨二病マックスな能力があるのか……!!常時発動じゃないとはいえ、エロい事は考えられないな…そんな事を思っていた。
「そうそう、この犬は"サブロー"私の昔からの相棒だ。」
横で寝ている犬の鼻ちょうちんを指先でつっつきながら言う。
パチン!と音を立てて鼻ちょうちんが破れる。ビクンッと飛び起きる犬。
「バウ?バウ?(なんだ?敵襲か?)」
「おはよう、サブロー。また新しい人が来たぞ。」
「バウ、バウバウっ(おう、まぁゆっくりしていけや)」
サブローと呼ばれた犬はほっこりした顔で言う。どうやらジョーカーさんとサブローという犬が相棒だと言うのはホントらしい。同じ立場で対等に話している。
(ゆっくりしていけや…って……犬にそんなこと言われるなんてなぁ。)
「……犬が喋ったぁ!?」
思わず椅子から立ち上がる。
「!サブローの言葉が分かるのか、それはすごい事だよ士くん。私以外にサブローの言葉が理解出来た人は他に一人しかいないよ。」
「バウバウバウ(ほほう、なかなかやるな若造褒めて遣わす。)」
「あ、ありがとうございます……(サブローさんキャラ安定してないな)」
「もしかしたら士くんには、何か特別な力があるのかもしれないな。」
「特別な力……。」
異世界転生モノの俺TUEEEE主人公を思い浮かべる。
情けない性格でも美少女が寄ってきてハーレムに…しかもチート能力者。人望も厚い。
「人生バラ色じゃん!!!!!!」
妄想して思わず顔がにやける。
「??まぁ、人には必ず何か1つは取り柄があるものだ、君にだってそういうものがあったっておかしくはないよ。」
「バウ、バウン(その通り、人の可能性は無限大だぞ。)」
キョトンとしながらも優しく笑ってくれるジョーカーさんとサブローさん。
「話がそれてしまったね、本題に入ろうか。士くん。」
「…本題……?」
「ここ、時の廻廊に来る者には、大きく分けて2種類いるんだ。1つは心に何か大きな悩みを持った、心を病んだ者。大半がこのパターンだ。」
その言葉を聞いてドキッとした。
そう、俺には悩みがあるのだ。
ブラック企業に入ってしまったことだ。人生お先真っ暗。何の希望も光もない。
「……悩み…。」
動悸が早くなり、上司の言葉が頭をよぎる。
「使えねえ新人だな。」
「そんな事も分からないのか。」
「はぁ…もういいよ、どけ。」
「お前さ、何しに来てんの?」
呼吸も過呼吸気味に荒くなる。
……俺なんか、役立たずのゴミクズなんだ。あぁ…もう死にたい……。
涙が出そうになる。
するとスっと手が伸びてきて頭を撫でる。頭をあげるとジョーカーさんが俺の頭を撫でていた。
「大変なんだな、そんなになるまで一生懸命頑張って。嫌なことに立ち向かって、君は偉いよ、士くん。ゴミクズなんかじゃない。」
その言葉で抑えていた涙が零れてきた。
「俺っ……俺っ…。」
涙が止まらない。涙で目の前が歪んでいく。すると、犬のサブローさんが寄ってきて、俺の頬の涙をベロンと舐めた。
「バウバウ!バーウ!(ジョーカーの言う通りだ!!お前はすげぇやつだ!!)」
ふんすっとドヤ顔で言うサブローさん。
その顔が面白くて、泣いているのに笑ってしまった。
「私のここでの役目は、君のように悩みを抱えた者たちの相手をすることだ。だから、君の悩みを聞かせてくれないか?士くん。聞くことしか出来ないかもしれないが…。」
優しく問いかけてくれるジョーカーさん。
「でも……俺の悩みなんか下らないし…ジョーカーさん心を読めるんでしょう?話す必要なんか…。」
「そんなことは無いさ、他の誰かが下らないと言おうと、ただの甘えだと言おうと、君にとっては大きな悩みのはずだ。それに、確かに心を読んで悩みを知ることは簡単だ、でも君の口からしっかりと悩みを聞きたいんだ。…無理に聞こうとは思わないけどね。」
優しい口調で、子供をなだめるように話してくれるジョーカーさん。
俺は意を決して言った。
「……聞いてくれますか?俺の悩みを…。」
「バウバウバウバウ(おうとも、俺たちが聞いてやんよ)」
「もちろんだ、君の気が済むまで、ありのまま話してくれて構わないよ。馬鹿にしたりなんかしないから。」
ドドンと構えるサブローさん、優しく微笑むジョーカーさん。
俺は自分の下らない悩みを話し始めた。
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