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20階

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「自分の夢を取り戻すんだ! 夢魔法! ドリーム・カム・トゥルー!」
「そうだ!? 私の夢は普通に結婚して子供を産んで平凡な毎日を過ごすことだったんだ! 思い出させてくれて、ありがとう。」
 望たちは21階の敵、さまよえる渋谷人レベル4の夢を思い出させ、普通の人間に戻って成仏していく。
「だいたい片付いたな。」
「でも、さっきより少しだけ敵が強くなっているような気がするわ?」
「気の性よ。あなたが弱いから、相手を強いと思うのよ。」
「なんですって!? ウッキ~!?」
「ああ~嫌だ、嫌だ。どうして人間は争ってばっかりなんだ?」
 希たち女性が3人集めれば騒がしい。
「望お兄ちゃん! 早く次の階へ行こうよ!」
「そうだな。ここにいたら命がいくつあっても足らない。」
 ヒソヒソ話をする望と美杉の兄弟であった。

「ようこそ。20階へ。まさか、ここまでたどり着いてくる魔法使いがいるとは思いませんでしたよ。」
「出たな! 灰色の魔法使い!」
 20階で3人目の灰色の魔法使いが望たちを待ち構えている。
「私の名前は、灰色4号4分の1です。お見知りおきを。」
 簡単な分数の勉強にもなっている。
「どうせ、おまえも俺たちに倒される運命だ!」
「そうですか? 私はあなたたちから1つも攻撃を受けないで、あなたたちを倒してしまうでしょう。」
「いいぜ、なめていれば! そう言って、今までの灰色の魔法使いたちはやられていったんだぜ!」
 望たちと灰色4号4分の1の戦いが開戦する。
「おまえだって! 灰色の魔法使いになる前は、夢を抱いていたはずだ! おまえにも夢を思い出させてやるぜ! 夢魔法! ドリーム・・・・・・ゲホッ!?」
 その時だった。何かが望の胸を貫いて吹き飛ばした。
「キャアアアアアアー!? 望!?」
 希はあたふたと倒れこんでいる望に駆け寄る。
「構えて! あいつの攻撃よ! 美杉ちゃんは、直ぐに回復魔法を!」
「はい!」
 イバラは適切に状況判断し指示を出す。
「天使魔法! リカバー! 望お兄ちゃん! 死なないで!」
 美杉は、心配そうに回復魔法を望にかける。
「う・・・うう・・・。」
 何かに胸を貫かれた望は生死の境を彷徨っている。
「今のは、太陽光線か!?」
 夢魔のリリスには、灰色4号4分の1の攻撃が見えていた。
「その通りだ。私の3月魔法、春の芽生えの太陽光線だ。言っただろ? 私の高速の光の前に、おまえたちは私に反撃することもできままに殺されるのだ。」
 やはり灰色の魔法使いは強かった。
 つづく。
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