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ペットの散歩

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「望、いくわよ。おいで、ワンニャ~。」
「望は私と行くのよ。人を食べちゃあダメよ、ヘルハウンド。」
 今回はペットの散歩である。いつも激しい希とイバラの望争奪戦。漢字の並びが本当にありそうな戦争の名前にも思える。
「ど、どちらを選んでも、選ばなかった方に殺される!?」
「大丈夫! 私も行きますよ! みんなで行きましょう!」
 兄、望の危機をフォローする良く出来た妹、美杉である。
「私も望と散歩がしたいな。ゴホゴホ。」
「いつもの女の声!? いったい!? どこから聞こえてくるんだ!?」
 こうして望はペットの散歩に行くことにした。

「ワンニャ~。」
 元、獏の犬と猫のいいとこどりをした容姿のワンニャ~はカワイイ。
「ワンワン。」
 ワンニャ~とヘルハウンドは、飼い主と違いとても仲良しである。
「パカパカパカパカ!」
「な、なんだ!?」
 どこからか馬の走る音がする。
「おまえたちも散歩か?」
 クロムが悪夢の黒馬ナイトメアに乗って現れた。
「街中で乗馬するなー!?」
「いけないのか?」
「当たり前だ!」 
 まったく悪びれる様子の無いクロム。
「ハウンド、馬肉は好きか?」
「ワン。」
「あの馬なら飼い主事食べてもいいぞ。」
「ワンワン!」
 イバラから食事の許可が出たヘルハウンドは涎を垂らして大喜びである。
「く、食うな!? 私は不味いぞ!? それに悪いのは私だけではない!? あれを見ろ! あれを!」
 この時、誰もがクロムの命乞いだと思った。
「ゲッ!?」
 しかし望たちは見てはいけないものを見てしまった。 
「公園の池は大きなプールみたいで、水芸をするのにいいわね。」
 水の魔法使いたちは、公園で水の精霊ウンディーネを遊ばせて断水を起こす。
「あ、散歩していたら火が家に着いちゃった。まいいっか。」
 火の魔法使いたちは、散歩していると火の精霊サラマンダーの火が火事を引き起こす。
「今日は落雷が多いな。まさかサンダーバードの性? そんなこともないか。ワッハッハー。」
 雷の魔法使いたちは、サンダーバードを空に飛ばしていると落雷を引き寄せる。
「ギャアアアアー!? 道が凍っちゃった!?」
 氷の魔法使いたちが氷狼の氷の精霊フェンリルが歩くと道が凍結した。
「できたー! 砂の城! 最高傑作だ!」
 地の魔法使いたちは、砂場で地の精霊ノームを遊ばせたら、他の子供たちが砂場で遊べなくなった。
「風よ! 吹け吹け! これで宿題は無しだ!」
 風の魔法使いたちは、風の精霊シルフを使って、学校を吹き飛ばす。
「・・・何も見なかったことにしよう。」
 望たちは何も見なかったことにした。
「みんな! ご飯の時間ですよ!」
「おお! ワンニャ~、ハウンド、おまえたち散歩は楽しかったか?」
「ワンニャ~!」
「ワンワン!」
 望の祖父と祖母が現れて、救われる望たちであった。
 つづく。
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