上 下
62 / 103

ミーノース

しおりを挟む
「それではどうぞ。作戦会議を続けてください。」
 ハーデース、ヘカテー、アイアコス、ミーノース、ラダマンテュスに、デーメーテールの使途として作戦会議に参加する。
「今回の作戦の一番の問題は、我々は冥界なので天界に行くまでには、魔界、人間界を超えて行かなければいけないということです。」
 アイアコスが作戦を説明していく。
「簡単ではないか? これのどこに問題があるのだ?」
「はい。人間界はヒュプノスとタナトスが眠りと死をもたらしたので抵抗勢力はいません。唯一無二の絶対神ルシファーも行方不明ですから。ただ、問題は魔界です。」
「魔界?」
「魔界は魔界城が崩壊した後に、冥界と魔界の境に首都を移動させています。そして現在の魔王が、生きていた魔王ネロです。」
「ネロ!? 奴が生きていたというのか!?」
 ネロと名前を聞いて驚くハーデース。
「はい。あのネロが魔王の座にカムバックしました。」
「あの途方もない魔法力をもった魔王ネロが生きていたというのか!?」
「それだけではありません。一番厄介なのは、ネロの娘婿が、あいつだということです。」
「なに!? あいつか!? あいつは魔王ネロと親戚関係だというのか!?」
「あいつだ。」
「あいつなんだな。」
「あいつをどうする?」
 作戦会議が、あいつ問題で頓挫してしまう。
「魔王ネロの家系図を整理しましょう。魔王ネロの妻が人間の勇者カトリーヌ。二人の間にできた子が、クリスティーナ。その彼女の夫が、ブラピ。その二人の子供がアンジー。アンジーの旦那は謎ですが、娘の名前はセーラです。」
 これが魔王ネロの家系図の説明である。
「あいつだ。あいつを何とかしないと、魔界を通れない!?」
「困った!? あいつをどうすればいいんだ!?」
 その時、プライドが声を発する。
「義理の母デーメーテール様のために、あいつの相手は、ハーデース様がすればいいのではないですか?」
「なにー!? 私に死ねというのか!?」
「もう死んでますよ。」
「そうか! ハーデース様を犠牲にして、デーメーテール様と私たちが魔界を通り過ぎればいいのだ!」
「名案だ! ナイス! アイデア!」
「ありがとうございます。」
 ハーデース以外の面々は納得した。
「おまえたち! 後で覚えていろよ!」
「いいえ。覚えません。なぜなら私たちはデーメーテール様が天界の神になられたら、デーメーテール様の使途になるからです。」
「なんだと!? この裏切り者どもめ!? ウッキー!?」
 冥王なのに哀れなハーデースであった。
 つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!

ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、 1年以内に妊娠そして出産。 跡継ぎを産んで女主人以上の 役割を果たしていたし、 円満だと思っていた。 夫の本音を聞くまでは。 そして息子が他人に思えた。 いてもいなくてもいい存在?萎んだ花? 分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。 * 作り話です * 完結保証付き * 暇つぶしにどうぞ

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

処理中です...