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ペルセポネー

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「お、お母さん!」
「おお! 我が麗しの娘! ペルセポネー!」
 冥界の城でデーメーテールとペルセポネーの親子は感動の対面を果たした。
「元気だったかい? ちゃんとご飯は食べているかい? ハーデースは浮気してないかい?」
「大丈夫よ。私は元気に暮らしているわ。」
「お母様、その質問はおかしくありませんか?」
 このレアなメンバーのやり取りを見ているプライド。
「冥王ハーデース、冥府の妃ペルセポネー、その母の女神デーメーテール。誰一人として神っぽくない!?」
 これがプライドの素直な感想であった。人間味に溢れている3人に親しみを覚える。
「でも、どうして冥界にお母さんが? ま、まさか!?」
「そのまさかだよ。死んじゃったんだ。」
「ええー!?」
 母親が死んだと知ったペルセポネー。
「どうして死んだのよ!? おやつの食べ過ぎ!? それともコタツで寝ちゃったの!? トイレの便器にはまって死んだとかやめてよね!?」
「こら。私はどんな母親だ。これでも元女神だぞ。」
「ようこそ! 冥界へ!」
 ペルセポネーとデーメーテールの親子は仲が良い。
「本当に、どうして死んでしまったのですか?」
「実は、私を殺したのはヒュプノスとタナトスだよ。」
「なんだって!?」
 ハーデースは名前を聞いて驚いた。
「バカな!? あの二人は奈落のタルタロスで幽閉されているはず!?」
「いや、天界の神の座を狙って、タルタロスから脱獄して人間界にいるよ。」
 ハーデースは衝撃を受ける。危険な神が二人も冥界から人間界に逃亡させてしまったからだ。
「そんなはずはない!?」
「証人ならいるよ、プライドさんだ。」
「どうも、初めまして。元新しい魔王7将軍の一人の高慢のプライドと申します。」
「プライドさんは、とても親切な方なんだよ。死んで右も左も分からなくて困っていた私を冥界まで連れて来てくれたんだから。」
「これはどうも母がお世話になりました。」
 ペルセポネーは深々とプライドに頭を下げる。
「や、やめてください!? ただ幽霊の先輩として当然のことをしたまでです!?」
「なんて謙虚なんだ! 気に入った! 君を名誉冥界人にしよう!」
「名誉冥界人!?」
 そんな賞があったことは知らなかった。
「分かりました! お母様! この冥王自ら、冥界の全軍を率いて、ヒュプノスとタナトスを捕えに参りましょう!」
「おお! 行ってくれるのですね! ハーデース! なんと頼もしい娘の旦那!」
「出陣だ!」
 冥王ハーデース、遂に参戦する。
 つづく。
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