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引き立つ!?
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「そうか。今時の読者は、10万字よりも短編主義か。本を売りたい出版社と本を書いて出版して印税生活がしたい書き手は同じ方向を向いているが、読者はお金が無いから本を買わないし、ネットで無料で読めることを知ってしまっている。支離滅裂だな。」
「悪魔の天部長が、まともなことを言っている!?」
「まさに支離滅裂だ!?」
「おまえたち、殺す!」
「ギャア!?」
「いついかなる時でも、部活中は部長の権限は絶対なのだ! エッへ~ン。」
「天、あなたのは、ただのパワハラよ。」
「酷い!? カロヤカさん、麗に何か言ってやってくれ!」
「麗先輩は、正しいと思います。」
「ナイス! カロヤカさん。」
「カロヤカさんの裏切り者!?」
こうして、部長は成敗された。
「そうか、際立ったキャラクター設定か。私は完璧だぞ!」
「あんたわね。」
「やったー! 褒められた!」
「春夏冬天。あきなしあまね。名字もセンスがあるし、性格が悪いのに、名前が天使の天であまね。反則の上級テクニックね。」
「今の時代は、これぐらい考えないと読者にウケないからな。」
「あんたの名前は、読者ウケのための名前かい?」
「そうだよ。」
どんなに打ちのめされてもビクともしない。悪い事をすればする程、天という名前が輝きを放つ。それがライト文芸部の部長である。
「そういう麗はどうだよ?」
「私? 私は天の後始末をするだけで精一杯だわ。」
「よく言うよ。神様の様に、お淑やかで優しくてフォローするふりして、困ったら、ウラララー! って、叫んで逃げるし、きっと私よりも執念深くて怖いからな。」
「やめてよ。人のことを化け物みたいに言わないでよ。」
「確かに宇賀神先輩の方が、天部長よりも怖いかも?」
「麗先輩を怒らせるのはやめとこ。」
「どうして宇賀神先輩の名前は、レイじゃなくて、ウララなんだろう?」
単純に、この物語のキャラクターの名前設定が、名字が漢字3文字、名前は漢字1文字だからである。しかも、名字と名前は、あ、であり、次に、い、なら名字と名前も、い、から始まる。ただそれだけである。
「ていうか、私たち2人のことは、どうでもいいんだ。」
「どうでもいいの?」
「ごめんなさい。ちょっと言い過ぎた。」
素直に麗に謝る天。
「キャラ掘りは、私たち2人以外の救済のためにやっているんだから。おまえたち、私の個性を超えていけ!」
「おお!」
なんと後輩思いの先輩だろう。
「次、カロヤカさん。て、カロヤカさんの本名を知らないわ。」
「そう言われれば、そうね。私も知らない。」
「私の名前は、軽井沢花です。」
「軽井沢!? 花!?」
「正確には、カロヤカさんというニックネームからの逆転の発想で創作された名前です。」
「すごいな!? それで主役か!? いいな。完璧主義者、絶対無敵、ライオンも小指1本で倒すカロヤカさんの設定が羨ましい。」
「私は、終わった人間が、いじめや無差別殺人をする、この閉塞感しかない時代に、夢や希望を叶えたい人々の代弁者でいたい。人の痛みの分かる、心のある人間でありたい。」
まさにニュータイプな新人類のカロヤカさんである。
「あ、幽霊だ!」
「キャアアアアアア!? 怖い!?」
そんなカロヤカさんはお化けが怖い。
「お化けだぞ!」
「来るな!? 来るな!? 幽霊!? お化け!?」
「ワンワン。犬だぞ。ニャアニャア。猫だぞ。」
「ギャアアアアアア!? 犬も猫も来るな!?」
「すごい拒否反応。」
「完全に恐怖で区別がつかなくなっているんだわ。」
絶対無敵のカロヤカさん。しかしホラーが苦手だった。
「いいな。強いうえにギャップがある。ニコッ。」
「お化けが怖いとか、強いくせに女の子らしい。いいな。」
笑と大蛇は、羨ましそうにカロヤカさんを見る。
「どちらから自己紹介するんだ?」
「はい! 私がやります!」
「私もやります! 抜け駆けはズルい!?」
笑と大蛇は、殴り合いのケンカをする。
「私の名前は、伊集院苺! 名前は甘いが、教師の権限で、私に歯向かう生徒は宿題100倍だ! ワッハッハー!」
隙を見て、4人目の自己紹介は苺に決まった。
「しまった!? やられた!?」
「卑怯だぞ!? 苺ちゃん!? それが教師のすることか!?」
「キャラクター設定に教師も生徒もないのだ! この世は実力が全てだ! ワッハッハー!」
恐るべし、ライト文芸部の顧問。
「でも、苺先生にいじる所はないよ。」
「そうそう。特に伊集院先生は、大きなクリ頭だとか、銃を乱射するとか、コスプレの衣装を作るとか、個性はないものね。」
「苺先生は、言うだけ言ったら、スッキリして消えていくって感じだよね。」
「私って、そういうキャラだったの!?」
「不思議ちゃん。不思議先生ですね。」
「ガーン。教師なのに、不思議ちゃん・・・。」
「カロヤカさん、それを言っちゃあダメよ。先生に自覚症状はないんだから。」
カロヤカさんが苺にとどめを指す。
「複数の過去作を消して、何か新しいものを生み出したいな。」
その時、部長の天がライト文芸部の部長らしいことを口にした。
「それいいわね。」
「部長が初めて部長に見えました。」
「ガーン。部長なのに、先輩なのに・・・。」
「カロヤカさんは、結構毒舌ね。」
カロヤカさんが部長を地獄に叩き落す。
「あの、私たちのキャラクターの深堀はどうなりましたか? ニコッ。」
「まさか、忘れてたとか、そういうオチはないよな? キャッハッハ。」
「次の機会までお待ちください。」
「ガーン。酷い、私の個性は笑うしかないの・・・。」
「ガーン。私なんか、キャッハッハって笑うキャラでしかない・・・。」
カロヤカさんは、笑と大蛇の夢と希望を奪う。
「みんな、大丈夫よ。みんなは世界に一つだけの花なんですから。」
「そうだ! 私は部長だ!」
「そうよ! 私も教師!」
「そうね! これからは越後屋らしく、ずる賢く生きてやる!」
「そうさ! 鉄道や絶叫マシーン大好きキャラになってやる!」
「ワッハッハー!」
麗のフォローで、みんな元気に生き返った。
「なんて単純な人たちなんだ。」
「カロヤカさん、次、いってみよう。」
「カロヤカにお任せあれ。」
ライト文芸部の日々は、平和である。
つづく。
「悪魔の天部長が、まともなことを言っている!?」
「まさに支離滅裂だ!?」
「おまえたち、殺す!」
「ギャア!?」
「いついかなる時でも、部活中は部長の権限は絶対なのだ! エッへ~ン。」
「天、あなたのは、ただのパワハラよ。」
「酷い!? カロヤカさん、麗に何か言ってやってくれ!」
「麗先輩は、正しいと思います。」
「ナイス! カロヤカさん。」
「カロヤカさんの裏切り者!?」
こうして、部長は成敗された。
「そうか、際立ったキャラクター設定か。私は完璧だぞ!」
「あんたわね。」
「やったー! 褒められた!」
「春夏冬天。あきなしあまね。名字もセンスがあるし、性格が悪いのに、名前が天使の天であまね。反則の上級テクニックね。」
「今の時代は、これぐらい考えないと読者にウケないからな。」
「あんたの名前は、読者ウケのための名前かい?」
「そうだよ。」
どんなに打ちのめされてもビクともしない。悪い事をすればする程、天という名前が輝きを放つ。それがライト文芸部の部長である。
「そういう麗はどうだよ?」
「私? 私は天の後始末をするだけで精一杯だわ。」
「よく言うよ。神様の様に、お淑やかで優しくてフォローするふりして、困ったら、ウラララー! って、叫んで逃げるし、きっと私よりも執念深くて怖いからな。」
「やめてよ。人のことを化け物みたいに言わないでよ。」
「確かに宇賀神先輩の方が、天部長よりも怖いかも?」
「麗先輩を怒らせるのはやめとこ。」
「どうして宇賀神先輩の名前は、レイじゃなくて、ウララなんだろう?」
単純に、この物語のキャラクターの名前設定が、名字が漢字3文字、名前は漢字1文字だからである。しかも、名字と名前は、あ、であり、次に、い、なら名字と名前も、い、から始まる。ただそれだけである。
「ていうか、私たち2人のことは、どうでもいいんだ。」
「どうでもいいの?」
「ごめんなさい。ちょっと言い過ぎた。」
素直に麗に謝る天。
「キャラ掘りは、私たち2人以外の救済のためにやっているんだから。おまえたち、私の個性を超えていけ!」
「おお!」
なんと後輩思いの先輩だろう。
「次、カロヤカさん。て、カロヤカさんの本名を知らないわ。」
「そう言われれば、そうね。私も知らない。」
「私の名前は、軽井沢花です。」
「軽井沢!? 花!?」
「正確には、カロヤカさんというニックネームからの逆転の発想で創作された名前です。」
「すごいな!? それで主役か!? いいな。完璧主義者、絶対無敵、ライオンも小指1本で倒すカロヤカさんの設定が羨ましい。」
「私は、終わった人間が、いじめや無差別殺人をする、この閉塞感しかない時代に、夢や希望を叶えたい人々の代弁者でいたい。人の痛みの分かる、心のある人間でありたい。」
まさにニュータイプな新人類のカロヤカさんである。
「あ、幽霊だ!」
「キャアアアアアア!? 怖い!?」
そんなカロヤカさんはお化けが怖い。
「お化けだぞ!」
「来るな!? 来るな!? 幽霊!? お化け!?」
「ワンワン。犬だぞ。ニャアニャア。猫だぞ。」
「ギャアアアアアア!? 犬も猫も来るな!?」
「すごい拒否反応。」
「完全に恐怖で区別がつかなくなっているんだわ。」
絶対無敵のカロヤカさん。しかしホラーが苦手だった。
「いいな。強いうえにギャップがある。ニコッ。」
「お化けが怖いとか、強いくせに女の子らしい。いいな。」
笑と大蛇は、羨ましそうにカロヤカさんを見る。
「どちらから自己紹介するんだ?」
「はい! 私がやります!」
「私もやります! 抜け駆けはズルい!?」
笑と大蛇は、殴り合いのケンカをする。
「私の名前は、伊集院苺! 名前は甘いが、教師の権限で、私に歯向かう生徒は宿題100倍だ! ワッハッハー!」
隙を見て、4人目の自己紹介は苺に決まった。
「しまった!? やられた!?」
「卑怯だぞ!? 苺ちゃん!? それが教師のすることか!?」
「キャラクター設定に教師も生徒もないのだ! この世は実力が全てだ! ワッハッハー!」
恐るべし、ライト文芸部の顧問。
「でも、苺先生にいじる所はないよ。」
「そうそう。特に伊集院先生は、大きなクリ頭だとか、銃を乱射するとか、コスプレの衣装を作るとか、個性はないものね。」
「苺先生は、言うだけ言ったら、スッキリして消えていくって感じだよね。」
「私って、そういうキャラだったの!?」
「不思議ちゃん。不思議先生ですね。」
「ガーン。教師なのに、不思議ちゃん・・・。」
「カロヤカさん、それを言っちゃあダメよ。先生に自覚症状はないんだから。」
カロヤカさんが苺にとどめを指す。
「複数の過去作を消して、何か新しいものを生み出したいな。」
その時、部長の天がライト文芸部の部長らしいことを口にした。
「それいいわね。」
「部長が初めて部長に見えました。」
「ガーン。部長なのに、先輩なのに・・・。」
「カロヤカさんは、結構毒舌ね。」
カロヤカさんが部長を地獄に叩き落す。
「あの、私たちのキャラクターの深堀はどうなりましたか? ニコッ。」
「まさか、忘れてたとか、そういうオチはないよな? キャッハッハ。」
「次の機会までお待ちください。」
「ガーン。酷い、私の個性は笑うしかないの・・・。」
「ガーン。私なんか、キャッハッハって笑うキャラでしかない・・・。」
カロヤカさんは、笑と大蛇の夢と希望を奪う。
「みんな、大丈夫よ。みんなは世界に一つだけの花なんですから。」
「そうだ! 私は部長だ!」
「そうよ! 私も教師!」
「そうね! これからは越後屋らしく、ずる賢く生きてやる!」
「そうさ! 鉄道や絶叫マシーン大好きキャラになってやる!」
「ワッハッハー!」
麗のフォローで、みんな元気に生き返った。
「なんて単純な人たちなんだ。」
「カロヤカさん、次、いってみよう。」
「カロヤカにお任せあれ。」
ライト文芸部の日々は、平和である。
つづく。
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