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第6Q モルドレッド
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「カムランの戦い? 聞いたこともない。」
渋子は戦いの名称に興味を持ち始めた。
「私と袁紹が戦ったのが官渡の戦いだ。」
「呉と戦った赤壁の戦いなんていうのもあります。名称になると歴史に残りますし、人々が言いやすかったり、覚えやすかったりしますよね。」
「そういうものなんだ。」
改めて戦いに名称を付けることの意義を思い知る渋子である。
「うちは簡単よ。ソウちゃんの戦い、シバちゃんの戦い、アーちゃんの戦いだから。アハッ!」
「な、なんと!?」
「どうしたの?」
渋子の無意識に恐怖するソウちゃん、シバちゃん。
「殿!? 今、アーちゃんと言いましたか!?」
「え? ・・・・・・はあ!? 言った!? 言ってしまった!?」
大変なことに渋子は気づいてしまった。
「な、何を言ってるの!? 私が言ったのは、アイドルグループ48の不動のセンターのアーちゃんよ!」
渋子の苦し塗れの言い訳だった。
「呼んだ?」
「え?」
その時、どこかからか声がする。
「アーちゃんだよ。」
現れたのはアーちゃんこと、アーサー王だった。
「ギャアアアアアアー!? お化けー!?」
「あ、アーサー王だ!?」
「出たな!? 第二形態隠しめ!?」
アーサー王の登場に驚きを隠せない渋子たち。
「私のアーサー王クエストなんだから、私を第1クエストから登場させてくれないと、私のファンが増えないじゃないか! これだけ悲劇の出生の秘密のある私なのに読者や視聴者の親しみも共感も同情も得られないじゃないか!」
そのメインのクエストのキャラクターは最初から登場させろというのが、アーサー王の正当な言い分である。
「なんで不忠を働いたランスロットが第1クエストで私より早くに登場するんだ!? ああ! 知っているよ! 私よりもランスロットの方が人気があることくらい!? どうせ、どうせ私なんか妻に浮気される情けない男だもん。ウエ~ン!」
自虐的なアーサー王は泣き出してしまった。
「ご、ごめんなさい。アーちゃん。」
「すまん。自分の出番ばかり、自分のことばかり考えて。」
「なんて可愛そうなアーサー王。私たちは友達になろう。」
渋子たちは自身の傲慢さを反省し、泣き崩れているアーサー王に手を差し伸べる。
「ありがとう! 渋子王! ありがとう! みんな! やったー! 私にも友達ができたぞ! ワッハッハー!」
アーサー王は立ち直りも早かった。
「僕はアーサー王から奥さんを奪ったモルドレッドだぞ! ここはカムランだ!」
第6クエスト、間男モルドレッドを倒せ!
「これから歓迎パーティーよ! 邪魔しないで! ポイッ。」
渋子はモルドレッドにアトミックボムを投げた。
「ギャアアアアアアー!?」
跡形もなくモルドレッドは吹き飛んだ。
「まずはビールで乾杯! 飲み会の基本でしょ!」
いつも通り渋子の去った後にはキノコ雲しか残らない。
つづく。
渋子は戦いの名称に興味を持ち始めた。
「私と袁紹が戦ったのが官渡の戦いだ。」
「呉と戦った赤壁の戦いなんていうのもあります。名称になると歴史に残りますし、人々が言いやすかったり、覚えやすかったりしますよね。」
「そういうものなんだ。」
改めて戦いに名称を付けることの意義を思い知る渋子である。
「うちは簡単よ。ソウちゃんの戦い、シバちゃんの戦い、アーちゃんの戦いだから。アハッ!」
「な、なんと!?」
「どうしたの?」
渋子の無意識に恐怖するソウちゃん、シバちゃん。
「殿!? 今、アーちゃんと言いましたか!?」
「え? ・・・・・・はあ!? 言った!? 言ってしまった!?」
大変なことに渋子は気づいてしまった。
「な、何を言ってるの!? 私が言ったのは、アイドルグループ48の不動のセンターのアーちゃんよ!」
渋子の苦し塗れの言い訳だった。
「呼んだ?」
「え?」
その時、どこかからか声がする。
「アーちゃんだよ。」
現れたのはアーちゃんこと、アーサー王だった。
「ギャアアアアアアー!? お化けー!?」
「あ、アーサー王だ!?」
「出たな!? 第二形態隠しめ!?」
アーサー王の登場に驚きを隠せない渋子たち。
「私のアーサー王クエストなんだから、私を第1クエストから登場させてくれないと、私のファンが増えないじゃないか! これだけ悲劇の出生の秘密のある私なのに読者や視聴者の親しみも共感も同情も得られないじゃないか!」
そのメインのクエストのキャラクターは最初から登場させろというのが、アーサー王の正当な言い分である。
「なんで不忠を働いたランスロットが第1クエストで私より早くに登場するんだ!? ああ! 知っているよ! 私よりもランスロットの方が人気があることくらい!? どうせ、どうせ私なんか妻に浮気される情けない男だもん。ウエ~ン!」
自虐的なアーサー王は泣き出してしまった。
「ご、ごめんなさい。アーちゃん。」
「すまん。自分の出番ばかり、自分のことばかり考えて。」
「なんて可愛そうなアーサー王。私たちは友達になろう。」
渋子たちは自身の傲慢さを反省し、泣き崩れているアーサー王に手を差し伸べる。
「ありがとう! 渋子王! ありがとう! みんな! やったー! 私にも友達ができたぞ! ワッハッハー!」
アーサー王は立ち直りも早かった。
「僕はアーサー王から奥さんを奪ったモルドレッドだぞ! ここはカムランだ!」
第6クエスト、間男モルドレッドを倒せ!
「これから歓迎パーティーよ! 邪魔しないで! ポイッ。」
渋子はモルドレッドにアトミックボムを投げた。
「ギャアアアアアアー!?」
跡形もなくモルドレッドは吹き飛んだ。
「まずはビールで乾杯! 飲み会の基本でしょ!」
いつも通り渋子の去った後にはキノコ雲しか残らない。
つづく。
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