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戦闘、一撃でドカーン!

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「何とか自軍の争いは収まったみたいね。これも孔明の秘策のおかげだわ。」
 妹のSランクばかりの軍勢は、味方同士の争いで滅びる所だった。
「私はただ、殿の絵を踏めるかどうかを試しただけです。誰に忠誠を誓い、誰を倒すのか。ちょっと共有意識を持たせただけです。」
 孔明の踏み絵の計である。
「さすが孔明! 孔明を選んだ私の目に間違いはない! アハッ!」
 殿と飛ばれて渋子は上機嫌だった。
「しまった!? 原子爆弾で敵も味方も全員、吹き飛ばせばよかったんだ!? チッ! しまった!?」
 渋子はお約束の展開を忘れたことに後悔した。
「渋子! この調子でクエスト2もクリアするわよ!」
「おお!」
「クエスト2は黄巾の乱よ。」
「黄巾の乱って何?」
「簡単にいうと政治家が汚職しまくって、怒った庶民が野党になったって感じかしら? それでも国の偉い人から「黄巾族を討て!」と命令があると従わなければいけないのが武将の辛い所ね。」
「そっか。だから曹操は天下を欲しがったんだね。」
 歴史について勉強をした渋子は少し頭が賢くなったので、クエスト2に挑む。
「くらえ! 黄巾族! と曹操軍! これが私の必殺技! アトミックボム!」
 渋子は容赦なく原子爆弾を打ち込み一撃でキノコ雲を発生させクエスト2をクリアした。
「クエスト3は董卓討伐よ!」
「董卓?」
「董卓さんが洛陽に上洛して好き放題やっちゃったの。だから曹操たちは連合軍を作って董卓を倒そうとするんだけど、味方同士でケンカを始めちゃったの。」
「なんか渋子のSランク軍と一緒だね。」
 渋子はクエスト3に挑む。
「くらえ! 董卓軍! と曹操軍! これが私の必殺技! バスターランチャーだ! 当たれー!!!」
 集約した強大なエネルギーが董卓軍や曹操の連合軍を一瞬で焼き払う。
「う!? あれは武器なのか!? それとも妖術か!?」
 三国志の時代の武将たちは渋子の化学兵器を初めて見るので言葉を失うぐらい驚いている。
「強すぎるって罪ね。アハッ!」
「この時代に化学兵器って、破壊力に差があり過ぎるのね。今後の課題だわ。」
 自身の開発中のデス・ゲームに、一定の手応えを感じている姉の日向だった。
 つづく。
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