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青森

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「いよいよ全国大会だ! 今年はクジ運が良く、強いライバルと全く当たらない。準決勝で恐らく東京代表の千代田と戦うぐらいだ。決勝戦は函館の北海道チームだから、準決勝が事実上の決勝戦だろう。」
「はい!」
 具志堅監督からのありがたいお言葉である。
「みんな! 気合を入れていくぞ!」
「おお!」
「三振は死刑だ!」
「おお・・・・・・え!?」
 沖縄殺人打線の規律は厳しかった。
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
 那覇は投手なので罰は免れている。
「いくぞ! 1回戦!」
 ズドーン!
 カキーン!
「ゲームセット!」
「やったー! 1回戦に勝ったです!」
 沖縄代表チームは2670対0のコールド勝ちで1回戦に勝利した。
「いくぞ! 準々決勝!」
 ズドーン! 
 カキーン!
「ゲームセット!」
「やったー! 準々決勝に勝ったです!」
 消化試合や素材を集めるだけの試合など、オートでも長い。スキップで十分である。まあ、その機能がある時点で周回的な試合や、戦闘に必要性があるのかという疑問が生まれる。
「次は準決勝で東京代表の千代田くんとライバル対決です!」
 那覇は千代田との約束通り準決勝に勝ち上がった。
「那覇!? 大変だ!?」
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
 那覇は被害妄想がすごいので、自分が何か悪いことをしたと思って全力で謝った。
「東京代表が負けたぞ!?」
「なんですと!?」
 那覇は千代田が負けたことに驚く。千代田は全日本のエースである。そんな千代田が負けたのである。
「どこに負けたんですか? 鹿児島ですか? 大阪ですか?」
「青森だ! 青森代表に負けたんだ! 鹿児島も大阪もだ!」
 青森代表は、東京、鹿児島、大阪にも勝ったのだ。
「青森!? 聞いたこともないんですけど?」
「向こうのトーナメントの試合会場は野外休場だったんだ!」
「野外休場!?」
 那覇は北海道ドームの室内球場で恵まれていたのだった。
「極寒の北海道の野外休場では、手がかじかみ、手の握力もなくなり、とてもじゃないが寒さになれていないチームが戦える雰囲気ではなかったらしい。」
 恐るべし!? 北海道!?
「でも僕たちの決勝戦も北海道ドームなので安心ですね。アハッ!」
 那覇は北海道を甘く見ていた。
 つづく。
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