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転入生

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「いよいよ全国大会だ! だが、その前に転入生を紹介する。」
「転入生!?」
「沖縄モノレール小学校から転入してきました、首里です。よろしくお願いします。」
 なんと転入生は決勝戦でボコボコに打つこんだ首里であった。
「俺の夢はプロ野球選手になること。しかし弱小の沖縄モノレール小学校にいては、俺は夢を捨てることになる。俺は決勝戦で負けて、皆と仲良くプロ野球選手になる夢を諦めようとも思った。しかし赤の他人の友達と仲良く腐ることよりも、俺は俺の夢を優先した。俺はプロ野球選手になりたい。そのためには強豪の沖縄小学校の野球部に入部して、レベルアップをしないといけないんだ!」
 首里の夢に対する真摯な姿勢である。
「友達を見捨てたですか? 最低。」
「友達と仲良く夢を捨てて、コンビニの前でたむろしてろよ。」
「おまえのせいで全国大会の出場メンバーから、俺たちの一緒にやってきた仲間が1人ベンチ入りできなくて、観客席に回されるの分かってるのかよ。」
 沖縄小学校の野球部の首里に対する反応は冷たかった。
「おお!? これが転校生がいじめの的になるというやつですか!?」
 首里は初めていじめを体感して戸惑っていた。
(俺はどっちでもいいぜ。首里が野球が上手ければ戦力になる。俺も投げなくていいから休養も取れるしな。それに俺と同じで夢がプロ野球選手になることだからな。)
 俺は首里を快く歓迎した。
「首里くん、これからは仲良くするです。」
「那覇くん!? あ、ありがとう。」
 那覇は自分が試合に出たくないので首里が投げてくれると助かると悪いことを考えていた。
「那覇先輩がいじめをやらないなら、俺はいじめから抜けるぜ。」
 石垣が首里いじめから抜けた。
「おまえらいじめ何て子供のすることだぞ。」
 西表先輩は最初からいじめに加担しない。
「那覇がいじめないんなら俺も、いじめやめた。」
「俺も。」
「俺も。」
 結局、チームの中心選手たちがいじめをやらなければ、誰も首里をいじめることはしなかった。
「問題だな。全国大会常連の沖縄小学校野球部にいじめをしようとする者が、こんなにたくさんいたなんて。」
「野球が上手いと、いじめや偉そうにしたり、暴力を振るうアホが多いのは、うちの小学校も変わりませんな。」
 どこの小学校にもいじめはある。
 つづく。
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