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準決勝

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「いよいよ準決勝のカナダ戦だ! 気合を入れていけ!」
「おお!」
「カナダはエースのバンクーバーの150キロの剛速球に気を付けるんだ!」
「150キロ!?」
 長嶋監督と原コーチからカナダ戦に向けて有難いお言葉を頂く。準決勝といっても世界大会は4チームしか参加できない狭き門である。
「みんな! 勝って、本場のディズニーランドに行くぞ!」
「おお!」
 相変わらず動機が不純な日本代表のメンバーだった。
「プレイボール!」
 日本対カナダの試合が始まる。
「一番バッター、石垣くん!」
「打ってきます!」
「頑張れ! 石垣くん!」
「おまえが日本代表の切り込み隊長だ!」
「はい! 150キロにくらいついてやるです!」
 石垣は気合十分でバッターボックスに入る。
「俺のボールを打てるものなら打ってみろ!」
 カナダの先発のバンクーバーが第一球を投げる。
「ストライク!」
「は、早い!? 早さだけなら那覇先輩と同じくらいだ!?」
 石垣はバンクーバーのボールの速さに驚いた。
「どうだ! ジャパニーズピーポーピーポー! 俺のボールは打てやしないぜ!」
 調子に乗るバンクーバー。
「どりゃー!」
 バンクーバーが150キロの剛速球の第二球目を投げた。
 カキーン!
「なに!?」
 石垣の振りぬいたバットがボールをとらえ、ボールは放物線を描きレフトスタンドに飛んでいく。
「俺は毎日、那覇先輩のフェニックス・ボールを見てるんだ。魂のこもっていないボールなど、止まって見える。」
 石垣はクールな表情でダイヤモンドをゆっくりと回る。
「よくやった! 石垣! みんなも石垣に続け!」
「おお!」
 盛り上がる日本代表チーム。
「うおおおおおー!? 俺の剛速球が撃たれた!? ホワイー!?」
 マウンドでもがき苦しむバンクーバー。
「スリーアウト! チェンジ!」
 1回の表が終わる頃には、日本代表は7点を取っていた。
「この調子なら楽勝ですね。」
「いや、待て! うちの先発は・・・・・・函館だ。」
「なんですと!?」
 日本の先発は函館だった。明日のアメリカ戦に備えて、エースの千代田は投げさすことが出来ない。那覇も病み上がりなので、控え投手扱いであった。
 つづく。
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