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一回戦、北海道

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「いよいよ全国大会の始まりだ。我々の一回戦の相手は北海道代表チームだ。北海道代表チームは函館を中心としたチームワークの良いチームだ。気合を入れていこう!」
「おお!」
 具志堅監督の激励がある。
「那覇! おまえは今日は温存だ。球数制限で投げれなくなっては困るからな。」
「やったー! 今日はベンチでイカ焼きを自ら焼くです!」
 那覇は大阪百貨店にイカ焼きを買いに行けなかったので、自分でネット通販のアマゾン・リーバーで取り寄せたイカ焼きプレス機でベンチでイカ焼きを焼くのを楽しみにしている。
「監督、前の沖縄大会の決勝戦みたいに、北海道代表チームに助っ人や隠し玉とかいないんでしょうね?」
「今回は大丈夫だ。事前に偵察もして、北海道代表チームは真面目なチームだと分析した。助っ人なんかいないのチームだ。」
 那覇たちは沖縄大会決勝戦で相手の普天間小学校チームに騙されて日本名だけどアメリカ兵とのハーフとかの半助っと軍団にあわや負ける所だった。
「プレイボール!」
 いよいよ全国大会の一回戦が始まる。
「ピッチャー、函館くん。」
「一番バッター、石垣くん。」
「勝負だ! 沖縄代表! どさんこの恐ろしさを味合わせてやる!」
 函館が石垣に第一球を投げた。
「ストライク!」
「ナイスボール!」
 キャッチャーが函館にボールを返球する。
「あれ? なんだろう?」
 石垣は少し戸惑っていた。
「ストライク! ツー!」
「おかしいな? ボールが止まって見える? おかしいな?」
 それもそのはず。石垣は毎日、那覇の剛速球を受けているキャッチャー。たった100キロを小学生で超えたからと北海道大会を優勝できた函館とはレベルが違うのだ。石垣の動体視力は恐ろしく成長していた。
「ボール!」
 函館は警戒して一球外してみた。
「よし! 次で勝負だ!」
 投げる函館も、打つ石垣も四球目に全ての力を込めて戦おうと気合を入れた。
「これで終わりだ!」
 函館が第四球目を投げた。
「こんなもの! 那覇先輩の剛速球に比べれば、パンツを履いたまま
おしっこをするようなものです!」
 石垣の那覇のキャッチャーをしているという意思がこもったバットが振りこまれる。
 カキーン!
「なに!?」
 石垣の打球はセンターバックスクリーンに飛び込んだ。
「俺は那覇先輩のボールを受けているんだ! 悪いけど函館さんぐらいのボールなら余裕でスタンドまで運ぶことができるぜ!」
 石垣はダイヤモンドを一周してベンチに戻る。
「やったなー! 石垣! ナイス・ホームラン!」
「ありがとうございます!」
 石垣は流血するくらいの手荒い祝福を受ける。
「石垣くん、お祝いにイカ焼きをあげるです。」
「ありがとうございます! 那覇先輩!」
 石垣くんは憧れの那覇に認められたみたいで嬉しかった。
 つづく。
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