地方創世！ 都道府剣４７

宮崎剣

「やって来ました！　宮崎県！」
　ユイたちは宮崎県にやって来た。
「マンゴー！　食べるぞ！　うおおおおおー！」
　ユリは別の意味で闘志を燃やす。
「ミカ、あんたも何か言いなさいよ。」
　ミカに振られる。
「え！？　私は後ろから付いていく方が楽なので。」
　控えめなミカ。
「さあ！　宮崎のアイドル候補生はどこにいるのかしら？」
　宮崎県の地図を見る。
「高千穂峡くらいしか知らない。」
「行ってみよう！」
「おお！」
　こうして高千穂峡に向かうことにした。

「ええ～い！　忌々しい！　アイドル候補生たちめ！」
　世界征服を企む悪の軍団ジョーカーの日本支部の幹部の酒呑童子はムカついていた。
「宮崎県の妖怪に直ぐにアイドル候補生たちを倒す様に命令しろ！」
　そして宮崎県の妖怪にアイドル候補生たちを攻撃する様に命令を出す。
「それが・・・・・・宮崎県には大した妖怪がいません。」
「なんだと！？」
　妖怪というけれど、そんなに人数もいないというオチ。
「何か術はないのか？」
「これから考えましょう。」
　小鬼たちはもっともな意見を言う。
「クソッ！　アイドル候補生たちめ！　待っていろよ！」
　こうして宮崎県に妖怪は未定になった。

「出てこい！　宮崎県のアイドル候補生！　私にマンゴーを食わせろ！」
　ユリたちは高千穂峡にたどり着いた。
「うるさいな！　ゆっくり作詞もできないじゃないか！　なんだ？　おまえたちは？」
　そこに少女が現れる。
「私たちはダブル・ユー・ウイズ・エムだ！　おまえが宮崎のアイドル候補生だな！」
　一人一人説明しなくても大丈夫。
「その通り！　私が宮崎県のアイドル候補生の河野アスカだ！」
　現れた少女は宮崎県のアイドル候補生のアスカだった。
「よく来た！　他県のアイドル候補生たち！　ここでおまえたちは死ぬのだ！　いでよ！　宮崎剣！」
　何も無い所から剣が現れる。
「いくぞ！　よそ者！」
　アスカがユリたちに襲い掛かる。
「いくよ！　ユイ！　ミカ！」
「おお！」
　ユリたちも戦闘態勢に入る。
「いでよ！　東京刀！」
「いでよ！　沖縄剣！」
「いでよ！　鹿児島剣！」
　何も無い所から刀と剣が現れる。
「いくぞ！　地元者！」
　アスカとユリたちの戦いが始める。
「エイ！　ヤア！　トウ！」
「クソッ！　多勢に無勢！　三対一とは卑怯だぞ！」
　アスカは分が悪かった。
「知るか！　勝てばいいのよ！　勝てば！」
　手を緩めないユリたち。
「こうなったら！　くらえ！　宮崎剣流奥義！　ヤマザクラ！」
　アスカは必殺技を放つ。
「ギャアアアアアアー！」
　ユリたちは吹き飛ばされてしまう。
「やるわね！　アスカ！　それでこそアイドル候補生よ！」
「当然よ！　これしきの事で負けていられないわ！　私は夢を叶えるんだから！」
　互いに認め合うユリたちとアスカ。

「オニオニ！」
　その時だった。小鬼たちが大量に現れた。
「なに！？　アイツらは！？」
　初めて小鬼を見るアスカは驚いた。
「あいつらは世界征服を企む悪の軍団ジョーカーの手下どもよ！」
「私たちの夢を叶えるのを邪魔する存在！」
「その通りです！」
　ユリたちはアスカに説明する。
「なんだって！　人の夢を生きる希望を奪おうとするなんて絶対に許せない！」
　アスカはジョーカーに強い怒りを覚える。
「どう？　アスカ。ここは一時休戦にして、一緒にジョーカーを倒さない？」
「いいわね。乗ったわ。共闘しましょう！」
　ここに４都道府県のチームが出来上がった。
「ダブル・ユー・ウイズ・エム・アンド・エーって感じかな？　もう無理。」
　ユイはユニット名を考えるのを諦めた。
「普通に４人だから都道府県４でいいじゃない。」
　ミカはもっともな意見を言う。
「それなら都道府剣４か、刀道府剣４にしようよ。」
　なかなかユニット名は決まらない。

「ワッハッハー！　細かいことは気にするな！　アイドル候補生どもよ！　おまえたちはここで死ぬのだ！」
　そこに妖怪らしきものが現れる。
「何者だ！？」
　お約束なので聞いてみた。
「私は悪の軍団ジョーカーの妖怪マンゴーだ！」
　現れたのは妖怪マンゴー。
「食べてもいいですか！？　ジュルジュル！」
　ユリは涎が足れていた。
「敵を食うな！」
　ユイはツッコム。
「ケチッ。」
　いじけるユリ。
「妖怪がいない県は名産品を妖怪にするなんて！？　なんて恐ろしいんだ！　ジョーカーめ！」
　ある意味で悪の軍団ジョーカーの創作力に恐怖を感じる。蜘蛛男、蜘蛛山が最初はお約束なのだが、そんな定番には流されない。
「いくぞ！　アイドル候補生ども！　くらえ！　宮崎マンゴー・ボム！」
　マンゴーの形をした爆弾である。
「いでよ！　東京刀衣！」
「いでよ！　沖縄剣衣！」
「いでよ！　鹿児島剣衣！」
「いでよ！　宮崎剣衣！」
　ユリたちは剣衣を身に纏う。
「やったか？」
　ドカーンっとマンゴー爆弾が爆発する。
「やられる訳ないでしょ！　私たちの夢は誰にも奪わせない！」
　ユリたちは変身して防御力を上げ爆弾から生きていた。
「なに！？　爆弾でも死なないとは！？　おまえたちは化け物か！？」
　妖怪マンゴーもビックリ。
「今度はこっちの番よ！　くらえ！　東京刀！　秘剣！　ユリカモメ！」
「くらえ！　沖縄剣！　奥義！　デイゴ！」
「くらえ！　鹿児島剣！　奥義！　ミヤマキリシマ！」
「くらえ！　宮崎剣！　奥義！　ヤマザクラ！」
　ユリたちは必殺技をぶち込む。
「ギャアアアアアアー！」
　ダメージを受けて妖怪マンゴーは弱まる。
「今がチャンスだ！　いくよ！　みんな！」
「おお！」
「必殺！　都道府剣４連撃！」　
　ユリたち４人で妖怪マンゴーを美味しそうにブツ切りにしていく。
「ギャアアアアアアー！」
　妖怪マンゴーは倒された。
「美味しくいただきます！」
「正義は勝つ！」
　ユリたちは戦いに勝利した。

「今日のヒーローはあなたよ。アスカ。しっかり宮崎の歌を歌ってね。」
「任せておいて！」
　アスカは勝利のライブを行う。
「曲は高千穂峡・夏景色！　あなたと流されたい！　高千穂峡～！」
　堂々と歌うアスカ。
「せっかく都道府県のアイドル候補生が４人もいるんだから、みんなで歌いましょうよ。」
「そうね。それがいいわ。」
　こうしてユリたちは４人でライブを行うことにする。
「強いぞ！　東京！」
「きれいな！　沖縄！」
「うまいぞ！　鹿児島！」
「ヤシの実！　宮崎！」
　４人で歌うと独特な歌になる。これでアイドル候補生の都道府県４７人揃ったら恐ろしい歌になるのは創造できる。

「私も仲間に入れて。あなたたちと一緒だと楽しいわ。」
　アスカはユリたちの友達にないなりたいという。
「喜んで。アイドル候補生たちは戦って潰し合うんじゃなくて、仲良くなって４７都道府県で一つのグループになればいいのよ。」
「そうそう。みんな友達だよ。」
「これからよろしくね。アスカちゃん。」
　アスカが仲間に加わった。

「これからどこに行くの？」
　ユリたちは次の目的地を検討する。
「熊本か大分に行こうと思うんだけどどうしよう？」
　目的地の選択肢は２つ。
「それに４人いるから二手に分かれたら早く全国行脚できるんじゃない？」
　編成を４人でいくか、２人づつ二手に分けるか悩む。
「じゃあ、ミカは一人でということで。」
「なんでそうなるのよ！？　嫌！　絶対に一人は嫌！　私！　一人じゃ死んじゃうから！」
　ミカは控えめで大人しい。
「冗談よ。冗談。」
　半分以上本気だったユリ。
「ユリとミカの組み合わせはダメだから、私かアスカがミカと組もう。」
　戦力を二手に分けることにした。
「ダブル・ユーとミカ・アンド・アスカね。」
「ミカ。名前をチャゲに変えなさい。」
「どうしてよ！？」
　分かる人には分かるグループ訳が出来た。
「いくぞ！　私たちの夢に向かって！」
「おお！」
　ユリたちがアイドルになれる日はやってくるのだろうか？
　つづく。