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15の災い。その13
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「ねえねえ、ペリー。」
「なに? ちいちゃん。」
「災いって、一人歩きすると思う?」
「一人歩き!? するんじゃない、一人歩き。」
「そうだよ。災いさんだって、お腹が空いたら、おにぎりを食べるよ。」
「それはない。」
「ということは、やっぱり家々のご先祖様たちが災いを起こしたんだから、家々のご先祖様が悪いのよ。」
「そうだ! そうだ! 家々が悪い!」
「ええー!? なんで、そうなるんだよ!?」
「みんな、家々くんのことが好きなんだよ。」
「なんだ、そうなのか。エヘヘッ。」
「照れるな!」
「僕はモテモテなのか! ワッハッハー!」
「調子に乗るな!」
「ワッハッハー! ワッハッハー! ワッハッハー!」
「やっぱり家々は除名だな。」
「それだけはご勘弁ください!? 調子に乗った僕が悪かった!? 許してください!?」
「除名は効くんだな。」
「よっぽど少年少女剣客隊にいたいんだな。」
「許してください!? ウエエエ~!」
「泣くな! 男のくせに!」
「除名だけは嫌だ! ウエエエ~!」
「分かった。除名はやめてやるから。」
「本当? エヘエヘッ。」
「泣き止んだ。」
「嘘泣きだったのか。」
「笑顔が不気味だ。」
「それほどでも。ニコッ。」
「誰も褒めてない!」
「やはり! 少年少女剣客隊には、リーダーの僕がいないと物語が面白くないのだ! 第16代将軍、徳川家々あっての少年少女剣客隊だ! ワッハッハー!」
「おまえは不幸をまき散らしているだけだろうが。」
「桜先生!?」
子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。
「今日から、宿題を出す。」
「宿題!? 災いだ!?」
「ええー!? 嫌だ!?」
「鬼!? 悪魔!? ババア!?」
「黙れ! 者共!」
「ねえねえ、実朝くん。」
「なに? 楓ちゃん。」
「宿題って、何?」
「寺子屋が終わってから、家で勉強しろってことだよ。」
「死ね! 桜お姉ちゃんなんか死んでしまえ!」
「私はもう死んでいます! 楓! それが姉に向かって言う言葉か!?」
「除霊のお札を貼ってやる! 家の四隅に貼って、家に入れなくしてやる! 嫌なら宿題を撤回しなさい!」
「仕方がないでしょ。私はこれでも教師なんだから。」
「じゃあ、教師やめれば?」
「簡単に言うんじゃない!? どうやってご飯を食べていくのよ? 楓は、おにぎりが食べれなくなってもいいの?」
「宿題、最高! 大好き! だから桜お姉ちゃん、しっかり働いてね。キラン!」
「ちょろい。楓に言うことをきかせる時は、食べ物の話に限るわ。」
「なんて恐ろしい姉妹なんだ!? ブルブル。」
「ということで。」
「どういうところなんだ!?」
「オープニングの寺子屋トークだけで、1話の半分も使うのよ。これじゃあ、話をまたぐか、話を長くするかしか、課題やクエストを行うのは無理です。どうしましょう?」
「そこを考えるのが教師の仕事でしょうが!?」
「そうだね。アハッ。」
「笑って誤魔化してる。」
「いるよね。今時の公務員教師。」
「税金泥棒! 金返せ!」
「あなたたち! 宿題を2倍にします!」
「お許しください! 桜先生様!」
「私たちが悪かったです!」
「家々を差し出しますから、煮るなり焼くなり好きにして下さい!」
「どうして僕が生贄にならねばらん!?」
「家々、熱湯風呂にでも入るか? ニコッ。」
「遠慮します!」
「ダメだ! 一つの会話で売り言葉に買い言葉の話が膨れ上がってしまう!? これでは話が先に進めない!? 私は教師失格だわ!? ウエエエ~!」
「桜先生、私たちの頭の回転が良いってことですよ。」
「そうですよ。これも桜先生の日々の授業で育てられたからです。」
「ありがとう。桜お姉ちゃん。」
「みんな! 私、教師をやっていて良かった! 復活!」
「桜先生の機嫌も直ったことだし、今日の宿題は無しということで。」
「それとこれとは話が別です。」
「チッ。」
「舌打ちするな。」
「で、桜お姉ちゃん。」
「なに? 楓。」
「今日の宿題は、何にするの?」
「え? しまった!? 宿題の中身を考えていなかった。」
「そんなことだろうと思ったよ。」
「だな。桜先生らしい。」
「とりあえず今日の宿題は、家々くんのご先祖様が帰るのを手を振ってお見送りしましょう。」
「それって、宿題!?」
「私は、徳川15将軍の一人、第5代将軍、徳川綱吉だ。」
「どこから現れたんだ。どこから。」
「は~い。みなさん。ご先祖様に手を振ってお別れしましょうね。それでは、さようなら。」
「桜先生、さようなら。」
子供たちは寺子屋から帰って行った。
「え? え? どういうこと?」
寺子屋には、綱吉一人だけが残されたのだった。
つづく。
「なに? ちいちゃん。」
「災いって、一人歩きすると思う?」
「一人歩き!? するんじゃない、一人歩き。」
「そうだよ。災いさんだって、お腹が空いたら、おにぎりを食べるよ。」
「それはない。」
「ということは、やっぱり家々のご先祖様たちが災いを起こしたんだから、家々のご先祖様が悪いのよ。」
「そうだ! そうだ! 家々が悪い!」
「ええー!? なんで、そうなるんだよ!?」
「みんな、家々くんのことが好きなんだよ。」
「なんだ、そうなのか。エヘヘッ。」
「照れるな!」
「僕はモテモテなのか! ワッハッハー!」
「調子に乗るな!」
「ワッハッハー! ワッハッハー! ワッハッハー!」
「やっぱり家々は除名だな。」
「それだけはご勘弁ください!? 調子に乗った僕が悪かった!? 許してください!?」
「除名は効くんだな。」
「よっぽど少年少女剣客隊にいたいんだな。」
「許してください!? ウエエエ~!」
「泣くな! 男のくせに!」
「除名だけは嫌だ! ウエエエ~!」
「分かった。除名はやめてやるから。」
「本当? エヘエヘッ。」
「泣き止んだ。」
「嘘泣きだったのか。」
「笑顔が不気味だ。」
「それほどでも。ニコッ。」
「誰も褒めてない!」
「やはり! 少年少女剣客隊には、リーダーの僕がいないと物語が面白くないのだ! 第16代将軍、徳川家々あっての少年少女剣客隊だ! ワッハッハー!」
「おまえは不幸をまき散らしているだけだろうが。」
「桜先生!?」
子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。
「今日から、宿題を出す。」
「宿題!? 災いだ!?」
「ええー!? 嫌だ!?」
「鬼!? 悪魔!? ババア!?」
「黙れ! 者共!」
「ねえねえ、実朝くん。」
「なに? 楓ちゃん。」
「宿題って、何?」
「寺子屋が終わってから、家で勉強しろってことだよ。」
「死ね! 桜お姉ちゃんなんか死んでしまえ!」
「私はもう死んでいます! 楓! それが姉に向かって言う言葉か!?」
「除霊のお札を貼ってやる! 家の四隅に貼って、家に入れなくしてやる! 嫌なら宿題を撤回しなさい!」
「仕方がないでしょ。私はこれでも教師なんだから。」
「じゃあ、教師やめれば?」
「簡単に言うんじゃない!? どうやってご飯を食べていくのよ? 楓は、おにぎりが食べれなくなってもいいの?」
「宿題、最高! 大好き! だから桜お姉ちゃん、しっかり働いてね。キラン!」
「ちょろい。楓に言うことをきかせる時は、食べ物の話に限るわ。」
「なんて恐ろしい姉妹なんだ!? ブルブル。」
「ということで。」
「どういうところなんだ!?」
「オープニングの寺子屋トークだけで、1話の半分も使うのよ。これじゃあ、話をまたぐか、話を長くするかしか、課題やクエストを行うのは無理です。どうしましょう?」
「そこを考えるのが教師の仕事でしょうが!?」
「そうだね。アハッ。」
「笑って誤魔化してる。」
「いるよね。今時の公務員教師。」
「税金泥棒! 金返せ!」
「あなたたち! 宿題を2倍にします!」
「お許しください! 桜先生様!」
「私たちが悪かったです!」
「家々を差し出しますから、煮るなり焼くなり好きにして下さい!」
「どうして僕が生贄にならねばらん!?」
「家々、熱湯風呂にでも入るか? ニコッ。」
「遠慮します!」
「ダメだ! 一つの会話で売り言葉に買い言葉の話が膨れ上がってしまう!? これでは話が先に進めない!? 私は教師失格だわ!? ウエエエ~!」
「桜先生、私たちの頭の回転が良いってことですよ。」
「そうですよ。これも桜先生の日々の授業で育てられたからです。」
「ありがとう。桜お姉ちゃん。」
「みんな! 私、教師をやっていて良かった! 復活!」
「桜先生の機嫌も直ったことだし、今日の宿題は無しということで。」
「それとこれとは話が別です。」
「チッ。」
「舌打ちするな。」
「で、桜お姉ちゃん。」
「なに? 楓。」
「今日の宿題は、何にするの?」
「え? しまった!? 宿題の中身を考えていなかった。」
「そんなことだろうと思ったよ。」
「だな。桜先生らしい。」
「とりあえず今日の宿題は、家々くんのご先祖様が帰るのを手を振ってお見送りしましょう。」
「それって、宿題!?」
「私は、徳川15将軍の一人、第5代将軍、徳川綱吉だ。」
「どこから現れたんだ。どこから。」
「は~い。みなさん。ご先祖様に手を振ってお別れしましょうね。それでは、さようなら。」
「桜先生、さようなら。」
子供たちは寺子屋から帰って行った。
「え? え? どういうこと?」
寺子屋には、綱吉一人だけが残されたのだった。
つづく。
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