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「何が出るかな? 何が出るかな? ヤッホー! ヤッホー!」

僕は大雨から人々を救いたいと心のサイコロを振った。出たサイコロの目は・・・。

「地上に降り注いだ雨を天に返す、水返し!」

逆流を始めた。地上に降り注いだ大量の雨が空に向かって登っていく。

「水が!? 水が空に上がっていく!?」
「なんだ!? 何が起こっているんだ!?」
「こんな光景・・・見たことが無い!?」
「虹だ! 虹が出てるぞ!」
「きれい。」
「きっと神様に願いが届いたんだ!? ありがとう! 神様!」
「ははは、神様は僕のお父さんだから。」

人々は奇跡を見ていた。神でなければ起こせないような奇跡を目の当たりしている。しかし、奇跡を起こしたのは神ではない。さいぴょんである。

「クックックッ!? 忌々しい、さいぴょんめ!? 生みの親に歯向かうとは・・・許せん!」
「いいじゃないか。さいぴょんは、おまえのかわいい息子だろうが。」
「嫌だ!? 俺が1番じゃないきゃ!?」
「わがままだな。」
「だって、神だもの。」
「可愛く言うな。」
「あは!」

これでも俺は神なのだ。神が自ら生み出した息子に負けることがあってはいけないのだ。神は絶対でなければならないのだ。

「まさか俺が悪役になろうとは・・・いいだろう。神の特権を使い極悪非道の限りを尽くし、我が息子を倒し、俺が1番だと証明しよう!」
「自己中、サイコパス、他人を思いやれ。」
「いやあ、面白くなってきたな。神を悪役にすれば、人間に試練を与えるなど雑作もないこと。どうして今まで気づかなかったんだ。俺のバカバカ。」
「おまえ、神じゃなかったら、生きていけないと思うわ。」
「俺を神に産んでくれてありがとう。神様。」
「神様は、おまえだ。」
「あは! そうでした。」

ということで俺の方針は決まった。決心した俺の顔つきはイキイキとしていた。これから何をするのかも決まった。

「いくぞ! くまぴょん! 俺のサイコロを取り戻す!」
「なんで私まで!?」
「いいだろう!? 友達なんだから!?」
「はいはい。しょうがない。一緒に行けばいいんでしょう。」
「ありがとう!」

こうして、俺とくまぴょんは、生意気なさいぴょんからサイコロを取り戻すために動き始めた。

「どうです? さいぴょんさんの水芸を見て、ショッピングモールの壁面には滝のように水が流れる作りにしてみました。」
「おお! 素晴らしい!」
「きれいだ!」
「あ!? 虹も出てる!?」
「ありがとうございます。これもみなさんのおかげです。」
「やめて下さい。大雨が降って、みんなが諦めかけた時に、奇跡を起こしてくれたのは、さいぴょんさんじゃありませんか。みんな、さいぴょんさんに感謝しているんだから。」
「そうだ! そうだ!」
「ありがとう! さいぴょん!」
「さいぴょん! さいぴょん!」
「万歳! 万歳!」
「や、やめて下さい!? 照れます。」
「はっははは!」

ショッピングモールのイチの町とニの町を結ぶ通路の商店街ができた。この世界で初めての屋根付き3階建てのショッピングモールが完成した。特に完成式典をしている訳ではないが、多くの人々が集まっていた。後はニの町にお城を築くだけである。

「喜ぶのは、そこまでだ!」

その時、空に暗雲が立ち込め、黒い雲の隙間から光が地上に降り注ぐ。その光の中から二つの影が現れる。

つづく。
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