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「俺に歯向かった罰だ! 俺を敬え! 俺を拝め! そして、金を寄こせ!」
「ちなみに、これは神様の話です。」
俺とくまぴょんは、自分で作ったさいぴょんの想像以上の強さに悪役を作ることにした。悪役、ありぴょんの苦しむ姿を見て楽しむのであった。これが本当の神様ゲームだ。
「た・・・助けて・・・。」
ありぴょんは命かながら、町の人々の暴動から逃げ出した。どさくさに紛れてレベルは1から2にレベルアップしている。何事も経験である。
「どうして私が、こんなひどい目に合わないといけないんだ!? 私が何をしたという!?」
ただただ、ありぴょんは届かない文句を空に言うことことしかできなかった。
「どうだ? 少しは反省したか? 神を奴隷犬と扱った罰ゲームの感想は?」
「うさぴょん!? くまぴょんは!?」
そこに俺たちが神として神々しく現れた。
「いったい私に何をした!? どうして私が町人に襲われなければいけないんだ!?」
「はっははは! 自分のしたことを悔い改めるがいい!」
「散々、町の人々に悪いことをしただろう? 巨大アリになって町を破壊しまくったじゃないか?」
「あれは、おまえたちのサイコロが原因じゃないか!? 私は悪くないぞ!?」
「そうだっけ? 知ってる? くまぴょん?」
「知らないな。」
「とぼけるな!?」
「ということで、ありぴょん。おまえにはこれから悪役として頑張ってもらうぞ。」
「嫌だ!? 悪役なんて!?」
「抵抗する? 面白い。ならもっと面白くなるように、おまえに賞金を出そう。」
「賞金?」
「賞金首として、町の人々に襲われるがいい! ワッハッハー!」
「勝手に決めるな!?」
「全ては神が決めるのだよ。君に選択権はない。」
「それでは俺たちは退散するとしよう。精々踏ん張るがいい。神に逆らったことを懺悔するがいい。ワッハッハー!」
「ま、待て!? 待ってください!? 神様!?」
手を伸ばすがありぴょんの願いは届かず、俺とくまぴょんは光の中に消えていった。
「ゆ、夢だ。これは夢に違いない・・・本当の私は温かい地面の中で寝てるんだ。ははははは・・・ゲッ!?」
ありぴょんは壁の指名手配の自分の写真を見て驚いた。
「賞金20ゴールド!?」
自分に少ないとはいえ、自分の首に賞金がついているのだ。ありぴょんは賞金首になってしまった。
「なんだ!? なんだ!? なんなんだー!?」
ありぴょんは自分の人生が神に遊ばれているように思えてイライラしたが、叫ぶしかできない自分にも腹が立った。
「いたぞ! 賞金首だ!」
「極悪非道のありぴょんだ!」
「カトリーヌ・ねこぴょん親衛隊の生き残りだ!」
「殺せ! 殺せ!」
「賞金20ゴールドじゃ、死んだ人たちが報われない!」
「しまった!? 大声を出しちゃった!?」
町の人々がありぴょんの声を聞きつけて殺意を持って近づいてくる。
「どうすればいい!? どうすればこの場を切り抜けることが出来る!?」
ありぴょんは小さな頭で考えに考えた。出した結論は・・・。
「ありぴょんがいないぞ!?」
「おかしいな!? こっちから声が聞こえたはずなのに!?」
「探せ!? まだ近くにいるはずだ!?」
町人たちは四方八方に散っていった。
「クックック。さすが私だ。アリだけに、地面を掘って隠れるとは。アリである私にしか考えつかない作戦だ。」
説明しよう。ありぴょんは地面の土を掘って地中に隠れた。さすが元々アリであって、穴を掘るのは得意だった。
「でも・・・どうやって、ここから抜け出せばいいんだ? おい! 誰か助けてくれ!」
ありぴょんは地中の穴の中で挟まって、身動きが取れなくなってしまった。
つづく。
「ちなみに、これは神様の話です。」
俺とくまぴょんは、自分で作ったさいぴょんの想像以上の強さに悪役を作ることにした。悪役、ありぴょんの苦しむ姿を見て楽しむのであった。これが本当の神様ゲームだ。
「た・・・助けて・・・。」
ありぴょんは命かながら、町の人々の暴動から逃げ出した。どさくさに紛れてレベルは1から2にレベルアップしている。何事も経験である。
「どうして私が、こんなひどい目に合わないといけないんだ!? 私が何をしたという!?」
ただただ、ありぴょんは届かない文句を空に言うことことしかできなかった。
「どうだ? 少しは反省したか? 神を奴隷犬と扱った罰ゲームの感想は?」
「うさぴょん!? くまぴょんは!?」
そこに俺たちが神として神々しく現れた。
「いったい私に何をした!? どうして私が町人に襲われなければいけないんだ!?」
「はっははは! 自分のしたことを悔い改めるがいい!」
「散々、町の人々に悪いことをしただろう? 巨大アリになって町を破壊しまくったじゃないか?」
「あれは、おまえたちのサイコロが原因じゃないか!? 私は悪くないぞ!?」
「そうだっけ? 知ってる? くまぴょん?」
「知らないな。」
「とぼけるな!?」
「ということで、ありぴょん。おまえにはこれから悪役として頑張ってもらうぞ。」
「嫌だ!? 悪役なんて!?」
「抵抗する? 面白い。ならもっと面白くなるように、おまえに賞金を出そう。」
「賞金?」
「賞金首として、町の人々に襲われるがいい! ワッハッハー!」
「勝手に決めるな!?」
「全ては神が決めるのだよ。君に選択権はない。」
「それでは俺たちは退散するとしよう。精々踏ん張るがいい。神に逆らったことを懺悔するがいい。ワッハッハー!」
「ま、待て!? 待ってください!? 神様!?」
手を伸ばすがありぴょんの願いは届かず、俺とくまぴょんは光の中に消えていった。
「ゆ、夢だ。これは夢に違いない・・・本当の私は温かい地面の中で寝てるんだ。ははははは・・・ゲッ!?」
ありぴょんは壁の指名手配の自分の写真を見て驚いた。
「賞金20ゴールド!?」
自分に少ないとはいえ、自分の首に賞金がついているのだ。ありぴょんは賞金首になってしまった。
「なんだ!? なんだ!? なんなんだー!?」
ありぴょんは自分の人生が神に遊ばれているように思えてイライラしたが、叫ぶしかできない自分にも腹が立った。
「いたぞ! 賞金首だ!」
「極悪非道のありぴょんだ!」
「カトリーヌ・ねこぴょん親衛隊の生き残りだ!」
「殺せ! 殺せ!」
「賞金20ゴールドじゃ、死んだ人たちが報われない!」
「しまった!? 大声を出しちゃった!?」
町の人々がありぴょんの声を聞きつけて殺意を持って近づいてくる。
「どうすればいい!? どうすればこの場を切り抜けることが出来る!?」
ありぴょんは小さな頭で考えに考えた。出した結論は・・・。
「ありぴょんがいないぞ!?」
「おかしいな!? こっちから声が聞こえたはずなのに!?」
「探せ!? まだ近くにいるはずだ!?」
町人たちは四方八方に散っていった。
「クックック。さすが私だ。アリだけに、地面を掘って隠れるとは。アリである私にしか考えつかない作戦だ。」
説明しよう。ありぴょんは地面の土を掘って地中に隠れた。さすが元々アリであって、穴を掘るのは得意だった。
「でも・・・どうやって、ここから抜け出せばいいんだ? おい! 誰か助けてくれ!」
ありぴょんは地中の穴の中で挟まって、身動きが取れなくなってしまった。
つづく。
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