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ポーちゃんママとせめて主人公だけでも個性的にしよう。
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「おはよう! みんな!」
「おはようございます! ボス!」
ポーちゃんママは研究所にやって来た。
「今日は個性のある主人公でも考えよう。」
物語には限界があり、作品が違えど同じことの繰り返しだから。日常、事件、ピンチ、解決。
「まずは他の作品の主人公から参考にしましょう。」
「魅力的な主人公を作ってみせるぞ!」
燃えるポーちゃんママ。
「まずは孫悟空。これは西遊記のそのまんまのパクリ。ということはアーサー王だろうが、ツタンカーメンだろうが、主人公の名前は何でも良いという短絡的な答えが出ます。」
「次にモンキー・D・ルフィー。これもどうでも良い名前。あだ名の「麦わら」で敵味方が呼ぶのでルフィーという名前はそんなに関係ない。」
「ケンシロウ。拳とシロウなので意味はない。名字無し。」
「星矢。星に也を付けただけ。更に名字無し。」
「早乙女らんま。快刀乱麻的な。」
特に名前に関係はない。
「名前ではない。大切なのは主人公の個性だ。それが物語の設定の違いにもなる。」
まあ、第2話からは内容は他作とも同じだがな。
「名前ではない。主人公の性格か? それとも必殺技か? それとも境遇か?」
面倒臭いから性格から順に考えよう。
「孫悟空。戦闘が大好き。好奇心旺盛。ワクワクすんぞ! 戦闘民族野菜人。宇宙人。神。世間知らず。」
「ルフィ。戦闘が大好き。好奇心旺盛。世間知らず。」
「朝ドラ。好奇心旺盛。ドジっ子。」
「聖也。戦闘大好き。正義感?」
「ケンシロウ。戦闘大好き。正義感?」
「コナン。推理好き。好奇心旺盛。大人が小学生。」
NHKの朝ドラ曰く。長丁場なので主人公は飽きられないように好奇心旺盛、ドジっ子などいじりやすいキャラクター作りを心掛けている、とのこと。
「分かることは、好奇心旺盛で戦闘が大好きで正義感が強いということ。」
次に境遇を考える。
「孫悟空。おじいちゃんを月の日に大猿になって踏み潰す。からのおじいちゃんの形見のドラゴンボールを探しにいく物語。で、宇宙の支配者もドラゴンボールで不老不死を願う。」
「ルフィ。海賊王になる。麦わら帽子を赤髪に返しに行く。」
「聖也。沙織さんを守る。世界の平和。孤児。姉を探す。」
「ケンシロウ。ユリアを取り戻す。一子相伝。兄弟を殺しに行く。」
「コナン。薬を飲まされて子供になる。黒の組織の壊滅。元の大人に戻る。」
境遇は様々。しかし冒険に出ないといけないような必然性。
「物語を始めるためには人生という冒険に出ないといけない。」
つまり、そういうこと。
「次は必殺技か。」
何をやっているのか分からなくなってきた。だって名前も境遇も全ての作品が同じなんだもの。
「孫悟空がかめはめ波。元気玉。界王拳。」
「ルフィがゴムゴムの実。ギア2。ギア3。」
「聖也。ペガサス流星拳。ペガサス彗星拳。」
「ケンシロウ。北斗百裂拳。無想転生。」
「コナン。推理。」
「らんま。火中天津甘栗拳。」
「るろうに剣心。天翔龍閃。」
などなど。
「ああ~。数は要らないんだ。一つの必殺技をずっと使う方が一般大衆の記憶に残りやすいんだ。」
いいことに気がついた。
「毎回毎回、新しい必殺技を考える必要がなくなった。」
ラッキー!
「一人必殺技は1つ。」
それで十分だ。
「名前も境遇も必殺技も大して意味はなかった。」
ショック。
「問題は何?」
まったく無駄な時間を使って確認した程度である。
「こうなると物語を完遂することだけに意味がある。」
10万字書けってことね。
「超個性。更に大人の事情も加味したスターな時代劇。」
恐ろしいことを思いつくものだ。
「時代劇救世主最強伝説 茶店の歌姫。」
死の歌を歌う女。
「相手は侍。しかし主人公は歌を歌う。死の歌を歌う。」
もちろん侍さんは死ぬよね。
「私のデスボイスが聞きたいか!」
「おお!」
コンサートは盛り上がりまくるだろうな。日本武道館炎上だ。
「いつもはお淑やかな茶店の娘。おみっちゃんでいいだろう。」
どんな事件も歌って解決。なぜならおみっちゃんの歌を聞いた者は死ぬからだ。
「水戸黄門の印籠、大岡裁き、金さんの桜吹雪、銭形平次の銭、孫悟空のかめはめ波、るろうに剣心の天翔ける龍の閃き。」
どれも必殺技で一緒だな。なんか変わった話になるのは分かってきた。
「弱点は耳が聞こえない相手。」
デスボイスが届かないもんね。
「おみっちゃんは最強の音痴であった。」
魔法、忍術使いみたいなものだな。
「これでいいのかな?」
主人公が最強のデスボイスは分かったけど、後は物語は同じことの繰り返しなんだよね。
「半妖にするか?」
人間と妖怪のハーフ。だからデスボイスは妖術か?
「盗賊にするか?」
デスボイスで越後屋を強襲! 千両箱を奪って逃げる!
「弱い奉行、与力、同心、岡っ引き。それを倒した相手を倒すおみっちゃんのデスボイス。」
あ! まさかのエヘッ妖怪のおみっちゃんだ!
「作者が一緒だから芸風が被るのは仕方があるまい。」
でもエヘ妖怪のおみっちゃんとすると思い出して一つの作品につなげれば面白いな。
「今日は疲れたから、また明日、考えよう。」
なんでも、かかってこい!
「デスボイスの半妖のおみっちゃんが酒呑童子、玉藻の前、大嶽丸を倒す物語。」
ペリー暗殺計画。
徳川義綱暗殺。
「おみっちゃんの歌を聞いて生き残った者はいない。」
君は、この恐怖に耐えられるか?
「恐ろしい主人公の個性とオリジナリティーだ。」
たまには物語を書かずに考えてみるもんだな。アハッ!
「続きは明日と。」
ちゃんちゃん。
「これは時代劇か? ホラーじゃないのか?」
ふと目覚めると思う。
「プロットでも作るか。」
創作なんて、こんなもの。
・まず普通におみっちゃんが茶店で働く。
・彼女は村人が皆殺しにされ一人だけ生き残った両親も死んだ。
・悪者が登場。
・正義のヒーローも現れます。
・しかし正義のヒーローは破れます。
・茶店のおかみさんたちは逃げます。
・彼女は逃げ遅れます。
・歌います。
・悪役を倒します。
・めでたし、めでたし。
「怖い! 怖すぎる! 自分の才能が!」
詰まらない物語が多い。それを補うのがギャグ作品。
「これも海苔巻きせんべいと同じといえば同じなんだよね。」
若い人は昔の作品なんか知らないか。
「そういえばドラゴンボール、ワンピース、コナン。もう興味もないや。早く終わってくれ。」
最近、名を残したアニメって、毀滅と進撃しかない。
「後のアニメは垂れ流し。」
まあ、1年1作ぐらいだな売れるアニメは。
「売れたらいいな~でアニメ作り過ぎなんだよね。」
中身がない作品が多い。
「それを無理やり書籍化やアニメ化してるから、もっと売れない。」
売上を稼ぐためとかコネとか大人の事情でしないといけないんだろうけど、その大人の事情でアニメにしている作品のレベルが低いんだろうね。
「コネの書籍化やコネのコンテスト大賞作より、素人作品の方が面白い作品が多いと思うんだけどな。」
案ではあるが愚痴にしか聞こえないだろうからやめておこう。
「登場人物でも考えよう。」
・おみっちゃん。茶店の看板娘。
・女将さん。
・後はゲストだな。
「できた。できてしまった。我ながら自分の才能が恐ろしい。」
海苔巻きせんべい風。
「なんか、アンパンマンとジャムおじさんみたいな、ヤバイ空気感だな。」
逆に言えば、それって成功するってことだよね。
「とりあえず書いてみよう。」
少しづつ肉付けしよう。
「私の歌を聞け! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは歌を歌う。
「なんだ!? この歌は!? 耳が砕ける!?」
おみっちゃんは極度の音痴であった。
「の、脳みそが破裂する!? ギャアアアアアアー!」
悪い人の脳みそが内部から破裂していく。
「どうですか? 私の歌声は?」
歌い終わり気持ちいいおみっちゃんは悪い人に感想を聞く。
「え?」
目の前は血の海になっていた。
「ええー!? これはどういうこと!?」
おみっちゃんは意味が分からなかった。
「まあ、いいっか。エヘッ!」
細かいことは気にしない、おみっちゃんであった。
「すごい。破壊力だな。デスボイス。」
まさに死の歌だ。
「戦闘シーン? オチ? に日常を足してみよう。」
こうして物語は作られていく。
「いらっしゃいませ!」
とある谷に茶店がありました。看板娘が笑顔で明るく接客をします。
「お茶とお団子を下さい。」
「はい! 女将さん! お茶とお団子をお願いします!」
看板娘はテキパキとよく働く真面目な女の子であった。
「はいよ! おみっちゃん!」
茶店はおかみさんと看板娘のおみっちゃんの二人で切り盛りしていた。
「女将さん、いい娘さんだね。」
お茶とお団子を出す時にお客さんが声をかけてきた。
「いいえ。実の娘の娘じゃないんですよ。」
「そうなのかい?」
「あの子のいた村はある日妖怪が現れて、助かったのはあの子一人だけなんですよ。」
「そうかい。それは可愛そうだね。」
おみっちゃんの過去。そんな悲劇があってもおみっちゃんは元気に生きている。
「渋い!? このお茶渋いね。」
「渋いぐらいがお団子には合うんですよ! エヘッ!」
「可愛く笑われたらなんも言えねえな。ワッハッハー!」
こんな感じである谷の渋いお茶を出す団子の茶店はカワイイ看板娘のおかげで繁盛していた。
「でも、この辺りも盗賊だの妖怪だの現れて物騒だから気を付けて通ってくださいね。」
「分かったよ。ありがとう。」
場所も地方と江戸の通り道で宿場町ではなく、抜け道の谷なので他にお店もないのでお茶が飲める休憩所は重宝された。
「金を出せ!」
茶店に盗賊が現れた。
「キャアアアアアアー!? 盗賊!?」
おみっちゃんは恐怖で悲鳴をあげる。
「カワイイ娘じゃねえか! 俺様の嫁にしてやる!」
「いや! やめてください! 代わりに歌を歌いますから聞いてください!」
「歌? まあ、いいだろう。聞いてやろう。」
こうしておみっちゃんは歌を歌うことになった。
「私の歌を聞け! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは歌を歌う。
「なんだ!? この歌は!? 耳が砕ける!?」
おみっちゃんは極度の音痴であった。
「の、脳みそが破裂する!? ギャアアアアアアー!」
悪い人の脳みそが内部から破裂していく。
「どうですか? 私の歌声は?」
歌い終わり気持ちいいおみっちゃんは悪い人に感想を聞く。
「え?」
目の前は血の海になっていた。
「ええー!? これはどういうこと!?」
おみっちゃんは意味が分からなかった。
「まあ、いいっか。エヘッ!」
細かいことは気にしない、おみっちゃんであった。
「おみっちゃん、何か変わったことはあったかい?」
女将さんが戻ってきた。
「何もありませんよ。エヘッ!」
可愛いと笑っただけで許されるのだ。おみっちゃんは最強であった。
「はあ~。この手の話は簡単にできてしまうのよね。」
続けるためには面白さと飽きよりも強い情熱が必要だ。
「ドラえもんやアンパンマンのように生活費のために淡々と続けるだけなのよね。」
どうすれば面白く続けられるのか?
「おみっちゃんデスボイス。」
だけでも面白いと思うんだけどな。
「まあ、いいや。話を変えてもう少し頑張ってみよう。」
つづく。
「おはようございます! ボス!」
ポーちゃんママは研究所にやって来た。
「今日は個性のある主人公でも考えよう。」
物語には限界があり、作品が違えど同じことの繰り返しだから。日常、事件、ピンチ、解決。
「まずは他の作品の主人公から参考にしましょう。」
「魅力的な主人公を作ってみせるぞ!」
燃えるポーちゃんママ。
「まずは孫悟空。これは西遊記のそのまんまのパクリ。ということはアーサー王だろうが、ツタンカーメンだろうが、主人公の名前は何でも良いという短絡的な答えが出ます。」
「次にモンキー・D・ルフィー。これもどうでも良い名前。あだ名の「麦わら」で敵味方が呼ぶのでルフィーという名前はそんなに関係ない。」
「ケンシロウ。拳とシロウなので意味はない。名字無し。」
「星矢。星に也を付けただけ。更に名字無し。」
「早乙女らんま。快刀乱麻的な。」
特に名前に関係はない。
「名前ではない。大切なのは主人公の個性だ。それが物語の設定の違いにもなる。」
まあ、第2話からは内容は他作とも同じだがな。
「名前ではない。主人公の性格か? それとも必殺技か? それとも境遇か?」
面倒臭いから性格から順に考えよう。
「孫悟空。戦闘が大好き。好奇心旺盛。ワクワクすんぞ! 戦闘民族野菜人。宇宙人。神。世間知らず。」
「ルフィ。戦闘が大好き。好奇心旺盛。世間知らず。」
「朝ドラ。好奇心旺盛。ドジっ子。」
「聖也。戦闘大好き。正義感?」
「ケンシロウ。戦闘大好き。正義感?」
「コナン。推理好き。好奇心旺盛。大人が小学生。」
NHKの朝ドラ曰く。長丁場なので主人公は飽きられないように好奇心旺盛、ドジっ子などいじりやすいキャラクター作りを心掛けている、とのこと。
「分かることは、好奇心旺盛で戦闘が大好きで正義感が強いということ。」
次に境遇を考える。
「孫悟空。おじいちゃんを月の日に大猿になって踏み潰す。からのおじいちゃんの形見のドラゴンボールを探しにいく物語。で、宇宙の支配者もドラゴンボールで不老不死を願う。」
「ルフィ。海賊王になる。麦わら帽子を赤髪に返しに行く。」
「聖也。沙織さんを守る。世界の平和。孤児。姉を探す。」
「ケンシロウ。ユリアを取り戻す。一子相伝。兄弟を殺しに行く。」
「コナン。薬を飲まされて子供になる。黒の組織の壊滅。元の大人に戻る。」
境遇は様々。しかし冒険に出ないといけないような必然性。
「物語を始めるためには人生という冒険に出ないといけない。」
つまり、そういうこと。
「次は必殺技か。」
何をやっているのか分からなくなってきた。だって名前も境遇も全ての作品が同じなんだもの。
「孫悟空がかめはめ波。元気玉。界王拳。」
「ルフィがゴムゴムの実。ギア2。ギア3。」
「聖也。ペガサス流星拳。ペガサス彗星拳。」
「ケンシロウ。北斗百裂拳。無想転生。」
「コナン。推理。」
「らんま。火中天津甘栗拳。」
「るろうに剣心。天翔龍閃。」
などなど。
「ああ~。数は要らないんだ。一つの必殺技をずっと使う方が一般大衆の記憶に残りやすいんだ。」
いいことに気がついた。
「毎回毎回、新しい必殺技を考える必要がなくなった。」
ラッキー!
「一人必殺技は1つ。」
それで十分だ。
「名前も境遇も必殺技も大して意味はなかった。」
ショック。
「問題は何?」
まったく無駄な時間を使って確認した程度である。
「こうなると物語を完遂することだけに意味がある。」
10万字書けってことね。
「超個性。更に大人の事情も加味したスターな時代劇。」
恐ろしいことを思いつくものだ。
「時代劇救世主最強伝説 茶店の歌姫。」
死の歌を歌う女。
「相手は侍。しかし主人公は歌を歌う。死の歌を歌う。」
もちろん侍さんは死ぬよね。
「私のデスボイスが聞きたいか!」
「おお!」
コンサートは盛り上がりまくるだろうな。日本武道館炎上だ。
「いつもはお淑やかな茶店の娘。おみっちゃんでいいだろう。」
どんな事件も歌って解決。なぜならおみっちゃんの歌を聞いた者は死ぬからだ。
「水戸黄門の印籠、大岡裁き、金さんの桜吹雪、銭形平次の銭、孫悟空のかめはめ波、るろうに剣心の天翔ける龍の閃き。」
どれも必殺技で一緒だな。なんか変わった話になるのは分かってきた。
「弱点は耳が聞こえない相手。」
デスボイスが届かないもんね。
「おみっちゃんは最強の音痴であった。」
魔法、忍術使いみたいなものだな。
「これでいいのかな?」
主人公が最強のデスボイスは分かったけど、後は物語は同じことの繰り返しなんだよね。
「半妖にするか?」
人間と妖怪のハーフ。だからデスボイスは妖術か?
「盗賊にするか?」
デスボイスで越後屋を強襲! 千両箱を奪って逃げる!
「弱い奉行、与力、同心、岡っ引き。それを倒した相手を倒すおみっちゃんのデスボイス。」
あ! まさかのエヘッ妖怪のおみっちゃんだ!
「作者が一緒だから芸風が被るのは仕方があるまい。」
でもエヘ妖怪のおみっちゃんとすると思い出して一つの作品につなげれば面白いな。
「今日は疲れたから、また明日、考えよう。」
なんでも、かかってこい!
「デスボイスの半妖のおみっちゃんが酒呑童子、玉藻の前、大嶽丸を倒す物語。」
ペリー暗殺計画。
徳川義綱暗殺。
「おみっちゃんの歌を聞いて生き残った者はいない。」
君は、この恐怖に耐えられるか?
「恐ろしい主人公の個性とオリジナリティーだ。」
たまには物語を書かずに考えてみるもんだな。アハッ!
「続きは明日と。」
ちゃんちゃん。
「これは時代劇か? ホラーじゃないのか?」
ふと目覚めると思う。
「プロットでも作るか。」
創作なんて、こんなもの。
・まず普通におみっちゃんが茶店で働く。
・彼女は村人が皆殺しにされ一人だけ生き残った両親も死んだ。
・悪者が登場。
・正義のヒーローも現れます。
・しかし正義のヒーローは破れます。
・茶店のおかみさんたちは逃げます。
・彼女は逃げ遅れます。
・歌います。
・悪役を倒します。
・めでたし、めでたし。
「怖い! 怖すぎる! 自分の才能が!」
詰まらない物語が多い。それを補うのがギャグ作品。
「これも海苔巻きせんべいと同じといえば同じなんだよね。」
若い人は昔の作品なんか知らないか。
「そういえばドラゴンボール、ワンピース、コナン。もう興味もないや。早く終わってくれ。」
最近、名を残したアニメって、毀滅と進撃しかない。
「後のアニメは垂れ流し。」
まあ、1年1作ぐらいだな売れるアニメは。
「売れたらいいな~でアニメ作り過ぎなんだよね。」
中身がない作品が多い。
「それを無理やり書籍化やアニメ化してるから、もっと売れない。」
売上を稼ぐためとかコネとか大人の事情でしないといけないんだろうけど、その大人の事情でアニメにしている作品のレベルが低いんだろうね。
「コネの書籍化やコネのコンテスト大賞作より、素人作品の方が面白い作品が多いと思うんだけどな。」
案ではあるが愚痴にしか聞こえないだろうからやめておこう。
「登場人物でも考えよう。」
・おみっちゃん。茶店の看板娘。
・女将さん。
・後はゲストだな。
「できた。できてしまった。我ながら自分の才能が恐ろしい。」
海苔巻きせんべい風。
「なんか、アンパンマンとジャムおじさんみたいな、ヤバイ空気感だな。」
逆に言えば、それって成功するってことだよね。
「とりあえず書いてみよう。」
少しづつ肉付けしよう。
「私の歌を聞け! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは歌を歌う。
「なんだ!? この歌は!? 耳が砕ける!?」
おみっちゃんは極度の音痴であった。
「の、脳みそが破裂する!? ギャアアアアアアー!」
悪い人の脳みそが内部から破裂していく。
「どうですか? 私の歌声は?」
歌い終わり気持ちいいおみっちゃんは悪い人に感想を聞く。
「え?」
目の前は血の海になっていた。
「ええー!? これはどういうこと!?」
おみっちゃんは意味が分からなかった。
「まあ、いいっか。エヘッ!」
細かいことは気にしない、おみっちゃんであった。
「すごい。破壊力だな。デスボイス。」
まさに死の歌だ。
「戦闘シーン? オチ? に日常を足してみよう。」
こうして物語は作られていく。
「いらっしゃいませ!」
とある谷に茶店がありました。看板娘が笑顔で明るく接客をします。
「お茶とお団子を下さい。」
「はい! 女将さん! お茶とお団子をお願いします!」
看板娘はテキパキとよく働く真面目な女の子であった。
「はいよ! おみっちゃん!」
茶店はおかみさんと看板娘のおみっちゃんの二人で切り盛りしていた。
「女将さん、いい娘さんだね。」
お茶とお団子を出す時にお客さんが声をかけてきた。
「いいえ。実の娘の娘じゃないんですよ。」
「そうなのかい?」
「あの子のいた村はある日妖怪が現れて、助かったのはあの子一人だけなんですよ。」
「そうかい。それは可愛そうだね。」
おみっちゃんの過去。そんな悲劇があってもおみっちゃんは元気に生きている。
「渋い!? このお茶渋いね。」
「渋いぐらいがお団子には合うんですよ! エヘッ!」
「可愛く笑われたらなんも言えねえな。ワッハッハー!」
こんな感じである谷の渋いお茶を出す団子の茶店はカワイイ看板娘のおかげで繁盛していた。
「でも、この辺りも盗賊だの妖怪だの現れて物騒だから気を付けて通ってくださいね。」
「分かったよ。ありがとう。」
場所も地方と江戸の通り道で宿場町ではなく、抜け道の谷なので他にお店もないのでお茶が飲める休憩所は重宝された。
「金を出せ!」
茶店に盗賊が現れた。
「キャアアアアアアー!? 盗賊!?」
おみっちゃんは恐怖で悲鳴をあげる。
「カワイイ娘じゃねえか! 俺様の嫁にしてやる!」
「いや! やめてください! 代わりに歌を歌いますから聞いてください!」
「歌? まあ、いいだろう。聞いてやろう。」
こうしておみっちゃんは歌を歌うことになった。
「私の歌を聞け! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは歌を歌う。
「なんだ!? この歌は!? 耳が砕ける!?」
おみっちゃんは極度の音痴であった。
「の、脳みそが破裂する!? ギャアアアアアアー!」
悪い人の脳みそが内部から破裂していく。
「どうですか? 私の歌声は?」
歌い終わり気持ちいいおみっちゃんは悪い人に感想を聞く。
「え?」
目の前は血の海になっていた。
「ええー!? これはどういうこと!?」
おみっちゃんは意味が分からなかった。
「まあ、いいっか。エヘッ!」
細かいことは気にしない、おみっちゃんであった。
「おみっちゃん、何か変わったことはあったかい?」
女将さんが戻ってきた。
「何もありませんよ。エヘッ!」
可愛いと笑っただけで許されるのだ。おみっちゃんは最強であった。
「はあ~。この手の話は簡単にできてしまうのよね。」
続けるためには面白さと飽きよりも強い情熱が必要だ。
「ドラえもんやアンパンマンのように生活費のために淡々と続けるだけなのよね。」
どうすれば面白く続けられるのか?
「おみっちゃんデスボイス。」
だけでも面白いと思うんだけどな。
「まあ、いいや。話を変えてもう少し頑張ってみよう。」
つづく。
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