37 / 72
戦闘は飽きるので、飽きない日常を。
しおりを挟む
「ニワトリ!?」
目覚めた葉月に夢であったニワトリが頭に乗っていた。
「コケッ。」
(おはよう。葉月。)
ニワトリは葉月の心に話しかける。
「ウワアアアアアー!? このニワトリ!? ニワトリ!? ・・・・・・卵を産んでいる!?」
「コケッ・・・・・・。」
(そっちか・・・・・・。)
心に話しかけてくることよりも、頭の上で卵を産まれたことに驚く葉月。
「やったー! 今日のご飯はゆで卵!」
生まれたての卵に喜ぶ食欲旺盛な葉月であった。
「はあ!? ニワトリが喋った!?」
「コケッ・・・・・・。」
(今更か・・・・・・。)
ニワトリも呆れるしかない。
「あなたは!? 夢のニワトリ!?」
「コケッ。」
(その通りだ。)
葉月が夢で見たニワトリである。
「人間と心が通じるなんて高く売れるわ! さっそくオークションに出品しなくっちゃ!」
「コケッ!?」
(コラー!?)
さすがの大らかなニワトリも怒り、葉月を嘴で突きまくる。
「じょ、冗談です。」
「コケッ。」
(分かればいい。分かれば。)
この勝負、ニワトリの勝ちであった。
「コケッ。」
(葉月よ。おまえの命は私が救ってやった。)
「ありがとう。チキン。」
「コケッ?」
(チキン?)
「今日からあなたの名前はチキンよ! フルネームは、フライド・チキン!」
「コケッ・・・・・・。」
(名前なんか、どうでもいい。)
「あまり乗り気じゃないみたいね? それならチキンカレー? チキンライス? チキン南蛮なんていう名前もあるわよ?」
「コケッ!?」
(全部食べ物の名前かよ!?)
葉月の頭の中は煩悩の塊であった。
「コケッ。」
(まあ、いい。これからは酉の干支守として、世界の平和のために戦ってくれ。)
「チキンピザもあったわね。」
未だにチキンに関する料理を研究中の葉月。
「コケッ!?」
(ズコー!?)
さすがのチキンもこけた。
「コケッ。」
(ま、ま、まずは葉月。おまえが死ぬはずだった事故の原因を追究しよう。)
「私が死ぬはずだった自己の原因?」
「コケッ。」
(そうだ。全ての自己には原因があるのだ。)
遊んでいた葉月の動きが止まる。
「私の事故にも原因があるの!?」
「コケッ。」
(ある。アイドルとして歌を歌った時に、点検済みのセットの証明が落ちてくる。おかしいと思わないか?)
「確かに!?」
初めて自分の事故に疑念を抱く葉月。
「コケッ。」
(葉月は、人気アイドルだから、他人の妬みや嫉妬を買いやすい。)
「エエー!? 妬みや嫉妬!? 私は何も悪いことしてないよ!?」
「コケッ。」
(他人の悪意は、本人がどうこうではない。相手がどう思うかだけだ。)
「そ、そんな!?」
「コケッ。」
(教えてやろう。この世の中で一番怖いのは、目で見えないものだ。)
「目で見えないもの?」
「コケッ。」
(例えば、他人の心とかな。相手がどう思っているかなんて、誰にも分からないからな。)
「他人の心か・・・・・・。」
葉月は少し文学らしい作品になったと戸惑ったかもしれない。
つづく。
目覚めた葉月に夢であったニワトリが頭に乗っていた。
「コケッ。」
(おはよう。葉月。)
ニワトリは葉月の心に話しかける。
「ウワアアアアアー!? このニワトリ!? ニワトリ!? ・・・・・・卵を産んでいる!?」
「コケッ・・・・・・。」
(そっちか・・・・・・。)
心に話しかけてくることよりも、頭の上で卵を産まれたことに驚く葉月。
「やったー! 今日のご飯はゆで卵!」
生まれたての卵に喜ぶ食欲旺盛な葉月であった。
「はあ!? ニワトリが喋った!?」
「コケッ・・・・・・。」
(今更か・・・・・・。)
ニワトリも呆れるしかない。
「あなたは!? 夢のニワトリ!?」
「コケッ。」
(その通りだ。)
葉月が夢で見たニワトリである。
「人間と心が通じるなんて高く売れるわ! さっそくオークションに出品しなくっちゃ!」
「コケッ!?」
(コラー!?)
さすがの大らかなニワトリも怒り、葉月を嘴で突きまくる。
「じょ、冗談です。」
「コケッ。」
(分かればいい。分かれば。)
この勝負、ニワトリの勝ちであった。
「コケッ。」
(葉月よ。おまえの命は私が救ってやった。)
「ありがとう。チキン。」
「コケッ?」
(チキン?)
「今日からあなたの名前はチキンよ! フルネームは、フライド・チキン!」
「コケッ・・・・・・。」
(名前なんか、どうでもいい。)
「あまり乗り気じゃないみたいね? それならチキンカレー? チキンライス? チキン南蛮なんていう名前もあるわよ?」
「コケッ!?」
(全部食べ物の名前かよ!?)
葉月の頭の中は煩悩の塊であった。
「コケッ。」
(まあ、いい。これからは酉の干支守として、世界の平和のために戦ってくれ。)
「チキンピザもあったわね。」
未だにチキンに関する料理を研究中の葉月。
「コケッ!?」
(ズコー!?)
さすがのチキンもこけた。
「コケッ。」
(ま、ま、まずは葉月。おまえが死ぬはずだった事故の原因を追究しよう。)
「私が死ぬはずだった自己の原因?」
「コケッ。」
(そうだ。全ての自己には原因があるのだ。)
遊んでいた葉月の動きが止まる。
「私の事故にも原因があるの!?」
「コケッ。」
(ある。アイドルとして歌を歌った時に、点検済みのセットの証明が落ちてくる。おかしいと思わないか?)
「確かに!?」
初めて自分の事故に疑念を抱く葉月。
「コケッ。」
(葉月は、人気アイドルだから、他人の妬みや嫉妬を買いやすい。)
「エエー!? 妬みや嫉妬!? 私は何も悪いことしてないよ!?」
「コケッ。」
(他人の悪意は、本人がどうこうではない。相手がどう思うかだけだ。)
「そ、そんな!?」
「コケッ。」
(教えてやろう。この世の中で一番怖いのは、目で見えないものだ。)
「目で見えないもの?」
「コケッ。」
(例えば、他人の心とかな。相手がどう思っているかなんて、誰にも分からないからな。)
「他人の心か・・・・・・。」
葉月は少し文学らしい作品になったと戸惑ったかもしれない。
つづく。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
都会ノ暮ラシ
テヅカミ ユーキ
青春
周防の山奥から都会への憧れを胸に広島へと移り住んだ、二十歳の橘川遥香(きっかわはるか)。
マリーナ近くのアウトレットモールの販売員として毎日を過ごす。
孤独な都会の暮らしに変化があったのは春から数えて17回目の休日。歩いて出かけた平和公園の橋の上で自筆のイラストを売っているシンキチと出会い、交流を深めてゆく。やがて路上ミュージシャンをやりながら全国を周るという三木祐亮(みつきゆうすけ)に出会ったことで、彼女の暮らしは小さく変化してゆく。
彼のためのスペアキー、灰皿。彼との仲を縮めたいと思いつつも、後輩の三浦紗恵(みうらさえ)に立場を奪われそうになり、複雑な気持ちで過ごす遥香。
三木の演奏仲間のひげGに出会い、少しずつ三木の人となりを理解し始め、自分は彼の旅の港になろうと決意する。
いくつかの夜を過ごし、彼に惹かれる理由もわからないまま、しかし事件は起きる。ある日彼女のアパートの部屋で紗恵が死んだ。一緒にいた三木は意識不明の重体。もどかしくも楽しかった彼女の暮らしは色を変えてゆく。
婚活パーティーで、国一番の美貌の持ち主と両想いだと発覚したのだが、なにかの間違いか?
ぽんちゃん
BL
日本から異世界に落っこちた流星。
その時に助けてくれた美丈夫に、三年間片思いをしていた。
学園の卒業を目前に控え、商会を営む両親に頼み込み、婚活パーティーを開いてもらうことを決意した。
二十八でも独身のシュヴァリエ様に会うためだ。
お話出来るだけでも満足だと思っていたのに、カップル希望に流星の名前を書いてくれていて……!?
公爵家の嫡男であるシュヴァリエ様との身分差に悩む流星。
一方、シュヴァリエは、生涯独り身だと幼い頃より結婚は諦めていた。
大商会の美人で有名な息子であり、密かな想い人からのアプローチに、戸惑いの連続。
公爵夫人の座が欲しくて擦り寄って来ていると思っていたが、会話が噛み合わない。
天然なのだと思っていたが、なにかがおかしいと気付く。
容姿にコンプレックスを持つ人々が、異世界人に愛される物語。
女性は三割に満たない世界。
同性婚が当たり前。
美人な異世界人は妊娠できます。
ご都合主義。
俺を振った元カノがしつこく絡んでくる。
エース皇命
青春
〈未練たらたらな元カノ×エロ教師×超絶ブラコン姉さん〉
高校1年生の山吹秋空(やまぶき あきら)は、日曜日のデート後に彼女である長谷部千冬(はせべ ちふゆ)に別れを切り出される。
同棲してくれるなら別れないであげる、という強烈な条件に愛想を尽かし別れることを了承した秋空だったが、それからというもの、千冬のしつこい絡みが始まることになる……。
頭のおかしい美人教師と、秋空を溺愛する姉、秋空が千冬と別れたことで秋空を狙うクラスメイトの美少女たち。
クセの強い友達に囲まれる、秋空の苦悩に満ちた学校生活!
※小説家になろうにも投稿しています。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
顔と名前を覚えることが苦手な私が出会ったお爺さんは、私とよく似た人を忘れられなかったようです
珠宮さくら
青春
三千華は結婚して家庭を持ってから、思い出深い季節が訪れて大学生の頃のことを思い出すことになった。
家族以外の人の顔と名前を覚えることが苦手な三千華は、そこで自分の顔にそっくりな女性と間違い続けるお爺さんとボランティアを通じて出会うことになるのだが、その縁がより自分に縁深いことを知ることになるとは思ってもみなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる