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1-1 異世界ファンタジー部 創部
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「ワッハッハー! 私の名前はシュベルト! 魔界の魔王だ!」
ある日、地球に魔王が現れた。
「この世は私がいただこう! マオー!」
魔王シュベルトは地球に侵攻してきた。
「キャアアアアアア!」
世界にモンスターが現れて人々を襲い街を破壊していった。
「魔王を倒すんだ!」
「おお!」
いがみ合い戦争ばかりしていた世界の各国は共通の敵である魔王を倒すために一致団結する。
「撃て!」
ドカーンっとモンスターにミサイルを撃ち込む。世界の各地で人類と魔王軍との激しい戦いが繰り広げられる。
「そうだ。勇者を育てよう。」
人類は魔王を倒す勇者を育てることにした。
「おはよう。」
僕の名前は佐藤サト。
「おはよう? おはようではない。おはようございますだ。なぜなら私は日本国の皇女なのだから。オッホッホー!」
鈴木スズは日本の皇女の一人。正式名称は鈴木宮スズらしい。
「うざい。」
「なによ! サト! あなたは私の従者でしょ! 従者のくせに生意気よ!」
「誰がアンドレだ。」
サトはスズの従者であった。
(口が悪いのは蛍ちゃんそっくりだ。血は争えないな。)
サトは蛍という人のことを思い出した。
「急がないと遅れるぞ。皇女様が遅刻したら笑えないぞ。」
「そうね。私にも自覚ある行動と責任が求められるわ。」
サトとスズは歩き出す。
「なんてったって、今日から私は小学一年生! 出世したのよ! 私は偉くなったのわ! オッホッホー!」
二人は小学生になる。
「奴隷を100人作るわよ!」
「友達100人の間違いだ。」
「私の夢は全国制覇! 世界征服! 宇宙の支配者! 異次元の統べる者!」
「おまえは魔王か? ああ、疲れる・・・・・・。」
サトのスズに対する受難は終わらない。
「・・・・・・。」
スズは小学一年生になった。
「暇だ。」
そして何も変わらなかった。
「成績優秀! スポーツ万能! 才色兼備! 文武両道! 容姿端麗過ぎて退屈だ!」
スズの成績は皇室から学校へ寄付金で常に100点に教師が改ざん。スポーツも護衛の忍者のお庭番集が陰からサポート。
「私はなんでもできるのだ! なぜなら日本国の皇女だからな! オッホッホー!」
常に皇女としてスズは完璧であった。
「なんかない?」
「なんもない。」
(こいつが何もしない方が世界が平和だからな。)
サトはスズを冷たくあしらう。
「ああ・・・・・・暇で死にそうだ・・・・・・。」
スズは鎮魂間が流れ滅びようとしていた。
「むむむむむっ!? これだ!」
その時、スズは一枚の張り紙を見た。
「異世界ファンタジー部を作ろう!」
張り紙には異世界ファンタジー部の大会のお知らせが書いてあった。
「危険だ。やめておけ。」
「馬鹿者! 皇女の私が先頭に立って我が日本国民を守るのだ!」
「奴隷としか思っていないくせに。」
「アハッ!」
スズは退屈しのぎさえできればいいのだった。
「私だ! 学校に異世界ファンタジー部を作れ! もちろん部長は私だ!」
「かしこまりました。スズお嬢様。」
スズは執事に電話した。
「これでいいのか?」
「いいのだ! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
スズの高笑いが響き渡る。
「夢は世界征服だ!」
「おまえは魔王か。」
「アハッ!」
笑って誤魔化すスズ。
「なに!? 部活が作れないだと!?」
スズの異世界ファンタジー部の創部は許可されなかった。
「どういうことだ? ヤマ!」
山本ヤマ。スズの執事である。
「はい。学校で部活動を創るためには、部室の確保、顧問の確保、最低5人の部員の確保が必要になります。」
「そんなものお金を渡して買収すればいいだろうが!」
「こら。おまえのお金は国民の税金だ。」
「アハッ!」
笑って誤魔化すスズ。
「部室と顧問の買収は完了しています。問題は部員です。皇区で唯一ある皇小学校は公務員や大企業の子供が通います。特にお金に困っていないので、命がけの異世界ファンタジー部に入部する生徒がいませんでした。」
スズは皇居が独立してできた新しい区の皇区に住んでいる。
「けしからん! 私に従わない日本国民など皆殺しだ! ワッハッハー!」
「こら。それが皇女の言うことか。この独裁者め。」
「アハッ!」
スズは落ち着きを取り戻す。
「分かった! 部員集めぐらいは私自らやろう! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! ワッハッハー!」
スズには皇女のプライドがある。
「後3人くらい直ぐに集めてやる。」
「3人? 後4人ではないのか?」
「どうして? 私。サト。後3人だよ。アハッ!」
「巻き込まれた!?」
「後3人! 後3人! わ~い!」
サトは異世界ファンタジー部に入部が決まった。
「部員集めは楽しいな! アハッ!」
スズは目標ができて生き生きとしていた。
「スズ! 俺と結婚しろ!」
そこに一人の男の子が現れた。
「タカ?」
「変なのが現れた。」
現れたのは高橋タカ。皇区に在住のセレブの息子である。
「俺と結婚すれば我が家の資産で皇室の財政を支えてやろう! そして俺は皇室の一員になり日本国を手中に収めるのだ! ワッハッハー!」
「バリバリの政略結婚だな。」
タカの目的は皇族の誰でもいいから結婚して日本国を支配することだった。
「いいだろう。おまえと結婚してやろう。」
「いいのか!?」
「やったー! これで俺も皇族だ!」
「ただし、おまえが私の従者に勝つことができたらな。」
「従者?」
タカはサトを見る。
「もし負けたら私の言うことを何でもきけよ。」
「いいだろう! 俺が貧乏人に負ける訳がないからな! これで俺も皇族だ! ワッハッハー!」
タカはスズの条件を全て受け入れた。
「おい、スズ。僕は戦うとは言ってないぞ。」
「いいのか? 私があんなセレブというだけの傲慢なクソ野郎と結婚しても? 私は不幸になるだろうな。サト、おまえはそれでいいのか?」
「ううっ!? ・・・・・・戦えばいいんだろ! 戦えば!」
「そうだ。それでいい。私とおまえは運命共同体なのだからな。アハッ!」
サトはタカと戦うことになった。
「いくぞ! 貧乏人!」
「はあ・・・・・・。」
タカと戦うことになったサトはため息が零れた。
「セレブに生まれた俺は3才から親の金で剣術道場に通い竹刀を振って稽古してきた! おまえみたいな貧乏は粉々に砕いてやろう! ワッハッハー!」
タカはただの親ガチャの勝ち組であった。
「貧乏貧乏、さっきからうるさいんだよ。」
「はあっ!?」
「僕も3才から地獄は見てきた。一瞬で終わらせてやるからかかってこい。」
物静かにサトの気配が変わる。
「調子に乗るな! 貧乏人!」
挑発され単純にタカがサトに切りかかる。
「いでよ。光刀。」
「光る刀だと!?」
サトは光る刀を呼び出す。
「光刀斬!」
サトは光の斬撃で斬りかかった。
「ギャアアアアアアー!」
タカは吹き飛ばされて気絶する。
「貧乏人に負けて恥ずかしいセレブだ。」
戦いはサトが勝った。
「さすが私の従者だ。それにしても光刀を出さなくてもよかったんじゃないか?」
「嫌いなんだ。こういういじめとか平気でする性格の悪い奴。一度ボコボコにしておけば、二度と歯向かってこないだろ。」
「さすが私の従者だ。」
どこかでサトとスズは心が通じ合っていた。
「タカ、おまえには異世界ファンタジー部に入部してもらうぞ! あれ? いない?」
「あいつなら救急車が病院に運んで行ったぞ。」
「なに!?」
タカは負傷のためピーポーピーポーっと救急車に乗せられて病院に運ばれていった。
「まあいい。これで後2人だ! アハッ!」
異世界ファンタジー部、創部まで後2人。
「おまえだ!」
その時、スズは目の前を歩いた女の子を指さした。
「はいっ?」
いきなり女の子は知らない人に声をかけられて戸惑う。
「こら。他人を指さすな。」
「ごめんなさい。・・・・・・んんっ!? 何をしても私は許されるのだ! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
お嬢様育ちのスズには世間の常識はなかった。
「あの人は何なんですか?」
「少し頭がおかしい人なんだ。」
「ですよね。」
「納得するな!」
サトと女の子は共感していた。
「あのキチガイは、あれでも日本国の皇女なんだ。」
「そういえばテレビで見たことがあります。ご両親が亡くなったって。」
スズはスズで大変らしい。
「おめでとう! 今日から君も異世界ファンタジー部の部員だ! 私と同じ部員になれることを光栄に思うがいい! ワッハッハー!」
「異世界ファンタジー部!?」
女の子は自分が異世界ファンタジー部に入部させられそうで驚く。
「それは無理です! 私は合唱部に入ります!」
「なに!?」
スズは自分の勧誘を断られて驚く。
「皇女である私の誘いを断るというのか!?」
「はい。」
女の子はきっぱりと断る。
「汚点だ。日本国の皇女の私に汚点があってはいけない。こうなったら仕方がない。」
スズは電話をかけ始めた。
「ヤマ。私だ。直ぐに合唱部を廃部させろ! 顧問や部員の生徒にいくらでもお金をばらまいていい! かかれ!」
「かしこまりました。スズお嬢様。」
1分後。
「さあ! 合唱部はなくなった! 私の異世界ファンタジー部に入るがいい! ワッハッハー!」
「いったい何が行われたの!?」
皇小学校の合唱部は廃部になった。
「嫌です! こんな嫌がらせをされて、あなたなんかと一緒に部活動ができる訳がないでしょ!」
「・・・・・・そうか。仕方がない。こうなったら、おまえの両親や兄弟を刑務所に収容し、資産も全て没収するしかないな。皇女である私に歯向かったおまえの罪だ。ホームレスとして生きていくがいい。」
容赦ないスズ。
「ごめんなさい。僕の名前はサト。あの精神病の従者です。実はスズは両親を殺されて心の病なんです。右と左がどっちか分からないんです!」
「なんですって!? やっぱり頭がおかしかったのね。」
「そうなんです。」
「なんて可哀そうな子なの!」
女の子はスズに同情する。
「このままでは本当にあなたの家族にも危害を加えるかもしれません。嘘でいいので異世界ファンタジー部に入部してもらえませんか? 自分と自分の家族を守ると思って。」
「そうね。家族のためね。あなたの立場は大変なのね。」
「そうなんです。分かってくれますか。ありがとう。」
「可哀そうな皇女様。分かりました。」
女の子は覚悟を決めた。
「私、異世界ファンタジー部に入部します!」
女の子は異世界ファンタジー部に入部した。
「これで後1人! もうすぐ異世界ファンタジー部の誕生だ! ワッハッハー!」
スズは部員を4人集めた。
「まったく人の話を聞いてない!?」
「ごめんね。スズはそういう奴なんだ。」
二人はスズに呆れた。
「私は田中タナ。よろしくね。」
「僕は佐藤サト。こちらこそよろしく。」
タナが仲間に加わった。
「姫様!」
そこに二人の女の子が現れた。
「イト! イトではないか!」
「お久しぶりです! スズ姫様!」
スズと女の子の一人は知り合いみたいだった。
「スズ。知り合いか?」
「私の幼馴染で一つ年上で宮内庁長官の娘の伊藤イトだ。」
「長っ!? 肩書が長い。」
「はじめまして。伊藤イトだ。幼少期から小学校に入学するまでは私が姫様を護衛してきた。」
「よくお馬さんごっこをして遊んだものだ。アハッ!」
女の子の一人はイト。
「で、こっちは私の同級生の渡辺ワタ。」
「ワタです。よろしく。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
もう一人はワタ。
「ギャアー!? く、首が!?」
「見てはいけないものを見てしまった!?」
「バタッ・・・・・・。」
その時、頭を下げたワタの首が地面に落ちた。
「大丈夫ですよ。私、ロボットなので。アハハハハー。」
「なに!? ロボット!?」
「ワタは日本の最先端の人工知能を搭載したAIロボットです。」
ワタの正体はロボットだった。
「な~んだ。ロボットか。時代だな。」
「気絶して損したわ。」
「ワタよ! 私に仕えることができることを光栄に思え! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
「はは。スズ姫様。」
「姫様、相変わらずだな。」
スズは昔から絶好調だった。
「イト。今日はどうした?」
「はい! スズ姫様が新しい部活を創ると聞いたので入部しようと思い馳せ参じました!」
「おお! なんという忠誠心! いいだろう! 認めてやろう! イトとワタの二人の入部を承認しよう!」
「はは! 有難き幸せ! この命が尽きるまでスズ姫様にお仕えいたします。」
「ミイ、ツウ。(私も)」
イトとワタは異世界ファンタジー部に入部した。
「ん? ムムムッ!? イトとワタが異世界ファンタジー部に入部したので、これで部員が6人になった。」
スズは大切なことに気が付いてしまった。
「一人多いな。タナ。」
「なに?」
「バイバイ。いままでありがとう。好きな部活に入っていいよ。アハッ!」
「はあっ!?」
スズはタナを切り捨てようとした。
「おまえ! いままで私のことを国家権力で散々脅しておいて要らなくなったらポイ!? 絶対に許さない! おまえなんか可哀そうじゃない! くらえ! 正義の鉄拳!」
「ギャアアアアアアー! やめろ! 私は皇女だぞ! 私に危害を加えて無事でいられると思うなよ!」
「知るか! 皇女だろうが国王だろうが、ぶっとっばす!」
そしてタナはキレた。
「助けて! サト!」
「知らん。自業自得だ。タナに謝れ。」
「ギャア! ブギャ! アベシ!」
タナのラッシュが続く。
「ごめんなさい! 私が悪かった! お詫びに国家公務員にしてあげるから!」
「国家公務員!?」
タナの手が止まる。
「私にはおまえを公務員にする力がある。なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
「やったー! これで私もコネで公務員になれるのね! 将来安泰! アハッ!」
タナはスズを許した。
「フッ。助かった。」
「国家権力の乱用だ。」
「アハッ!」
笑って誤魔化すスズ。
「これで部員も集まった! 異世界ファンタジー部の誕生だ! ワッハッハー!」
「これでいいのか?」
「いいのよ! アハッ!」
こうして異世界ファンタジー部が創部された。
つづく。
ある日、地球に魔王が現れた。
「この世は私がいただこう! マオー!」
魔王シュベルトは地球に侵攻してきた。
「キャアアアアアア!」
世界にモンスターが現れて人々を襲い街を破壊していった。
「魔王を倒すんだ!」
「おお!」
いがみ合い戦争ばかりしていた世界の各国は共通の敵である魔王を倒すために一致団結する。
「撃て!」
ドカーンっとモンスターにミサイルを撃ち込む。世界の各地で人類と魔王軍との激しい戦いが繰り広げられる。
「そうだ。勇者を育てよう。」
人類は魔王を倒す勇者を育てることにした。
「おはよう。」
僕の名前は佐藤サト。
「おはよう? おはようではない。おはようございますだ。なぜなら私は日本国の皇女なのだから。オッホッホー!」
鈴木スズは日本の皇女の一人。正式名称は鈴木宮スズらしい。
「うざい。」
「なによ! サト! あなたは私の従者でしょ! 従者のくせに生意気よ!」
「誰がアンドレだ。」
サトはスズの従者であった。
(口が悪いのは蛍ちゃんそっくりだ。血は争えないな。)
サトは蛍という人のことを思い出した。
「急がないと遅れるぞ。皇女様が遅刻したら笑えないぞ。」
「そうね。私にも自覚ある行動と責任が求められるわ。」
サトとスズは歩き出す。
「なんてったって、今日から私は小学一年生! 出世したのよ! 私は偉くなったのわ! オッホッホー!」
二人は小学生になる。
「奴隷を100人作るわよ!」
「友達100人の間違いだ。」
「私の夢は全国制覇! 世界征服! 宇宙の支配者! 異次元の統べる者!」
「おまえは魔王か? ああ、疲れる・・・・・・。」
サトのスズに対する受難は終わらない。
「・・・・・・。」
スズは小学一年生になった。
「暇だ。」
そして何も変わらなかった。
「成績優秀! スポーツ万能! 才色兼備! 文武両道! 容姿端麗過ぎて退屈だ!」
スズの成績は皇室から学校へ寄付金で常に100点に教師が改ざん。スポーツも護衛の忍者のお庭番集が陰からサポート。
「私はなんでもできるのだ! なぜなら日本国の皇女だからな! オッホッホー!」
常に皇女としてスズは完璧であった。
「なんかない?」
「なんもない。」
(こいつが何もしない方が世界が平和だからな。)
サトはスズを冷たくあしらう。
「ああ・・・・・・暇で死にそうだ・・・・・・。」
スズは鎮魂間が流れ滅びようとしていた。
「むむむむむっ!? これだ!」
その時、スズは一枚の張り紙を見た。
「異世界ファンタジー部を作ろう!」
張り紙には異世界ファンタジー部の大会のお知らせが書いてあった。
「危険だ。やめておけ。」
「馬鹿者! 皇女の私が先頭に立って我が日本国民を守るのだ!」
「奴隷としか思っていないくせに。」
「アハッ!」
スズは退屈しのぎさえできればいいのだった。
「私だ! 学校に異世界ファンタジー部を作れ! もちろん部長は私だ!」
「かしこまりました。スズお嬢様。」
スズは執事に電話した。
「これでいいのか?」
「いいのだ! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
スズの高笑いが響き渡る。
「夢は世界征服だ!」
「おまえは魔王か。」
「アハッ!」
笑って誤魔化すスズ。
「なに!? 部活が作れないだと!?」
スズの異世界ファンタジー部の創部は許可されなかった。
「どういうことだ? ヤマ!」
山本ヤマ。スズの執事である。
「はい。学校で部活動を創るためには、部室の確保、顧問の確保、最低5人の部員の確保が必要になります。」
「そんなものお金を渡して買収すればいいだろうが!」
「こら。おまえのお金は国民の税金だ。」
「アハッ!」
笑って誤魔化すスズ。
「部室と顧問の買収は完了しています。問題は部員です。皇区で唯一ある皇小学校は公務員や大企業の子供が通います。特にお金に困っていないので、命がけの異世界ファンタジー部に入部する生徒がいませんでした。」
スズは皇居が独立してできた新しい区の皇区に住んでいる。
「けしからん! 私に従わない日本国民など皆殺しだ! ワッハッハー!」
「こら。それが皇女の言うことか。この独裁者め。」
「アハッ!」
スズは落ち着きを取り戻す。
「分かった! 部員集めぐらいは私自らやろう! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! ワッハッハー!」
スズには皇女のプライドがある。
「後3人くらい直ぐに集めてやる。」
「3人? 後4人ではないのか?」
「どうして? 私。サト。後3人だよ。アハッ!」
「巻き込まれた!?」
「後3人! 後3人! わ~い!」
サトは異世界ファンタジー部に入部が決まった。
「部員集めは楽しいな! アハッ!」
スズは目標ができて生き生きとしていた。
「スズ! 俺と結婚しろ!」
そこに一人の男の子が現れた。
「タカ?」
「変なのが現れた。」
現れたのは高橋タカ。皇区に在住のセレブの息子である。
「俺と結婚すれば我が家の資産で皇室の財政を支えてやろう! そして俺は皇室の一員になり日本国を手中に収めるのだ! ワッハッハー!」
「バリバリの政略結婚だな。」
タカの目的は皇族の誰でもいいから結婚して日本国を支配することだった。
「いいだろう。おまえと結婚してやろう。」
「いいのか!?」
「やったー! これで俺も皇族だ!」
「ただし、おまえが私の従者に勝つことができたらな。」
「従者?」
タカはサトを見る。
「もし負けたら私の言うことを何でもきけよ。」
「いいだろう! 俺が貧乏人に負ける訳がないからな! これで俺も皇族だ! ワッハッハー!」
タカはスズの条件を全て受け入れた。
「おい、スズ。僕は戦うとは言ってないぞ。」
「いいのか? 私があんなセレブというだけの傲慢なクソ野郎と結婚しても? 私は不幸になるだろうな。サト、おまえはそれでいいのか?」
「ううっ!? ・・・・・・戦えばいいんだろ! 戦えば!」
「そうだ。それでいい。私とおまえは運命共同体なのだからな。アハッ!」
サトはタカと戦うことになった。
「いくぞ! 貧乏人!」
「はあ・・・・・・。」
タカと戦うことになったサトはため息が零れた。
「セレブに生まれた俺は3才から親の金で剣術道場に通い竹刀を振って稽古してきた! おまえみたいな貧乏は粉々に砕いてやろう! ワッハッハー!」
タカはただの親ガチャの勝ち組であった。
「貧乏貧乏、さっきからうるさいんだよ。」
「はあっ!?」
「僕も3才から地獄は見てきた。一瞬で終わらせてやるからかかってこい。」
物静かにサトの気配が変わる。
「調子に乗るな! 貧乏人!」
挑発され単純にタカがサトに切りかかる。
「いでよ。光刀。」
「光る刀だと!?」
サトは光る刀を呼び出す。
「光刀斬!」
サトは光の斬撃で斬りかかった。
「ギャアアアアアアー!」
タカは吹き飛ばされて気絶する。
「貧乏人に負けて恥ずかしいセレブだ。」
戦いはサトが勝った。
「さすが私の従者だ。それにしても光刀を出さなくてもよかったんじゃないか?」
「嫌いなんだ。こういういじめとか平気でする性格の悪い奴。一度ボコボコにしておけば、二度と歯向かってこないだろ。」
「さすが私の従者だ。」
どこかでサトとスズは心が通じ合っていた。
「タカ、おまえには異世界ファンタジー部に入部してもらうぞ! あれ? いない?」
「あいつなら救急車が病院に運んで行ったぞ。」
「なに!?」
タカは負傷のためピーポーピーポーっと救急車に乗せられて病院に運ばれていった。
「まあいい。これで後2人だ! アハッ!」
異世界ファンタジー部、創部まで後2人。
「おまえだ!」
その時、スズは目の前を歩いた女の子を指さした。
「はいっ?」
いきなり女の子は知らない人に声をかけられて戸惑う。
「こら。他人を指さすな。」
「ごめんなさい。・・・・・・んんっ!? 何をしても私は許されるのだ! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
お嬢様育ちのスズには世間の常識はなかった。
「あの人は何なんですか?」
「少し頭がおかしい人なんだ。」
「ですよね。」
「納得するな!」
サトと女の子は共感していた。
「あのキチガイは、あれでも日本国の皇女なんだ。」
「そういえばテレビで見たことがあります。ご両親が亡くなったって。」
スズはスズで大変らしい。
「おめでとう! 今日から君も異世界ファンタジー部の部員だ! 私と同じ部員になれることを光栄に思うがいい! ワッハッハー!」
「異世界ファンタジー部!?」
女の子は自分が異世界ファンタジー部に入部させられそうで驚く。
「それは無理です! 私は合唱部に入ります!」
「なに!?」
スズは自分の勧誘を断られて驚く。
「皇女である私の誘いを断るというのか!?」
「はい。」
女の子はきっぱりと断る。
「汚点だ。日本国の皇女の私に汚点があってはいけない。こうなったら仕方がない。」
スズは電話をかけ始めた。
「ヤマ。私だ。直ぐに合唱部を廃部させろ! 顧問や部員の生徒にいくらでもお金をばらまいていい! かかれ!」
「かしこまりました。スズお嬢様。」
1分後。
「さあ! 合唱部はなくなった! 私の異世界ファンタジー部に入るがいい! ワッハッハー!」
「いったい何が行われたの!?」
皇小学校の合唱部は廃部になった。
「嫌です! こんな嫌がらせをされて、あなたなんかと一緒に部活動ができる訳がないでしょ!」
「・・・・・・そうか。仕方がない。こうなったら、おまえの両親や兄弟を刑務所に収容し、資産も全て没収するしかないな。皇女である私に歯向かったおまえの罪だ。ホームレスとして生きていくがいい。」
容赦ないスズ。
「ごめんなさい。僕の名前はサト。あの精神病の従者です。実はスズは両親を殺されて心の病なんです。右と左がどっちか分からないんです!」
「なんですって!? やっぱり頭がおかしかったのね。」
「そうなんです。」
「なんて可哀そうな子なの!」
女の子はスズに同情する。
「このままでは本当にあなたの家族にも危害を加えるかもしれません。嘘でいいので異世界ファンタジー部に入部してもらえませんか? 自分と自分の家族を守ると思って。」
「そうね。家族のためね。あなたの立場は大変なのね。」
「そうなんです。分かってくれますか。ありがとう。」
「可哀そうな皇女様。分かりました。」
女の子は覚悟を決めた。
「私、異世界ファンタジー部に入部します!」
女の子は異世界ファンタジー部に入部した。
「これで後1人! もうすぐ異世界ファンタジー部の誕生だ! ワッハッハー!」
スズは部員を4人集めた。
「まったく人の話を聞いてない!?」
「ごめんね。スズはそういう奴なんだ。」
二人はスズに呆れた。
「私は田中タナ。よろしくね。」
「僕は佐藤サト。こちらこそよろしく。」
タナが仲間に加わった。
「姫様!」
そこに二人の女の子が現れた。
「イト! イトではないか!」
「お久しぶりです! スズ姫様!」
スズと女の子の一人は知り合いみたいだった。
「スズ。知り合いか?」
「私の幼馴染で一つ年上で宮内庁長官の娘の伊藤イトだ。」
「長っ!? 肩書が長い。」
「はじめまして。伊藤イトだ。幼少期から小学校に入学するまでは私が姫様を護衛してきた。」
「よくお馬さんごっこをして遊んだものだ。アハッ!」
女の子の一人はイト。
「で、こっちは私の同級生の渡辺ワタ。」
「ワタです。よろしく。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
もう一人はワタ。
「ギャアー!? く、首が!?」
「見てはいけないものを見てしまった!?」
「バタッ・・・・・・。」
その時、頭を下げたワタの首が地面に落ちた。
「大丈夫ですよ。私、ロボットなので。アハハハハー。」
「なに!? ロボット!?」
「ワタは日本の最先端の人工知能を搭載したAIロボットです。」
ワタの正体はロボットだった。
「な~んだ。ロボットか。時代だな。」
「気絶して損したわ。」
「ワタよ! 私に仕えることができることを光栄に思え! なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
「はは。スズ姫様。」
「姫様、相変わらずだな。」
スズは昔から絶好調だった。
「イト。今日はどうした?」
「はい! スズ姫様が新しい部活を創ると聞いたので入部しようと思い馳せ参じました!」
「おお! なんという忠誠心! いいだろう! 認めてやろう! イトとワタの二人の入部を承認しよう!」
「はは! 有難き幸せ! この命が尽きるまでスズ姫様にお仕えいたします。」
「ミイ、ツウ。(私も)」
イトとワタは異世界ファンタジー部に入部した。
「ん? ムムムッ!? イトとワタが異世界ファンタジー部に入部したので、これで部員が6人になった。」
スズは大切なことに気が付いてしまった。
「一人多いな。タナ。」
「なに?」
「バイバイ。いままでありがとう。好きな部活に入っていいよ。アハッ!」
「はあっ!?」
スズはタナを切り捨てようとした。
「おまえ! いままで私のことを国家権力で散々脅しておいて要らなくなったらポイ!? 絶対に許さない! おまえなんか可哀そうじゃない! くらえ! 正義の鉄拳!」
「ギャアアアアアアー! やめろ! 私は皇女だぞ! 私に危害を加えて無事でいられると思うなよ!」
「知るか! 皇女だろうが国王だろうが、ぶっとっばす!」
そしてタナはキレた。
「助けて! サト!」
「知らん。自業自得だ。タナに謝れ。」
「ギャア! ブギャ! アベシ!」
タナのラッシュが続く。
「ごめんなさい! 私が悪かった! お詫びに国家公務員にしてあげるから!」
「国家公務員!?」
タナの手が止まる。
「私にはおまえを公務員にする力がある。なぜなら私は日本国の皇女なのだから! オッホッホー!」
「やったー! これで私もコネで公務員になれるのね! 将来安泰! アハッ!」
タナはスズを許した。
「フッ。助かった。」
「国家権力の乱用だ。」
「アハッ!」
笑って誤魔化すスズ。
「これで部員も集まった! 異世界ファンタジー部の誕生だ! ワッハッハー!」
「これでいいのか?」
「いいのよ! アハッ!」
こうして異世界ファンタジー部が創部された。
つづく。
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