20 / 33
エヘッ! 20
しおりを挟む
「私にかかれば八岐大蛇さんもイチコロでしたよ。エヘッ!」
恐るべし! エヘ幽霊。
「コン。」
美味しそうに油揚げを食べているコンコン。
「だろうね。あんたは呪いが解けない方がいいんじゃないかい?」
女将さんはおみっちゃんに一生音痴でいろと言う。
「嫌です! 私の夢はお江戸で歌姫になるです! 音痴じゃ歌姫にはなれません!」
本人も自分が音痴だと知っている。
「はいはい。分かったよ。八岐大蛇の次は鵺が暴れて人々を困らせているから、鵺を退治して善行を積むんだね。そうすれば、きっと神様が音痴を治してくれるよ。」
音痴が治るのは神頼みである。
「分かりました。鵺さんを倒してきますね。行こう。コンコン。」
「コン。」
おみっちゃんとコンコンは鵺退治に出かける。
「歌って素晴らしい! 歌はみんなを笑顔にする! 歌はみんなに勇気をくれる! こういう路線の方がいいのかな?」
戦いモノからアイドルモノに路線変更を探るおみっちゃん。
「私は歌が上手に歌えない! みんなの前だと恥ずかしい! 歌なんか楽しくないやい! からの歌が歌えるようになるんです下克上ストーリーの方がいいのかしら?」
乙女の悩みは尽きない。
「それとも妖怪の学校が廃校になるから妖怪学園アイドルになってコンテストで優勝して、学校の廃校を阻止する定番の物語の方がいいのかしら?」
物語やストーリーはどうでもいいのかもしれない。
「要するに私が歌って事件を解決すれば、茶店の歌姫になるのだから! エヘッ!」
これがエヘ幽霊の出した結論である。既存のヒットアニメもそんなものだから。
「コン。」
油揚げが食べられる物語ならなんでもいいコンコン。
「鵺さん! どこですか?」
おみっちゃんは鵺を探していた。
「コン。」
こっちだよとコンコンが言っている。
「うちの子はなんて優秀なのかしら。エヘッ!」
バカ親ならぬ、バカ飼い主のエヘ幽霊。
「ガオー!」
鵺が現れた。
「おまえが鵺だな! 私は魔王で、日本の4大妖怪の一人! カワイイおみっちゃんだ! おまえを退治してやる!」
おみっちゃんは鵺を退治しようと思った。
「コン。」
しかし、コンコンがおみっちゃんを止める。
「どうしたの? コンコン。」
おみっちゃんはコンコンに尋ねてみた。
「コン。」
鵺はお腹が空いているだけだって、餌を上げれば悪さはしないよとコンコンは言っている。
「な~んだ。お腹が空いているだけなんだ。エサは何をあげればいいの?」
おみっちゃんは通訳のコンコンに聞く。
「コンコン。」
「ガオー!」
コンコンと鵺は会話をする。
「コン。」
神戸牛か米沢牛が食べたいと言っているとコンコンは通訳する。
「高い肉ばかり要求しおって!?」
意外にグルメな鵺。
「ガオー!」
「コンコン。」
更に契約の会話が続く。
「おいおい。ここはメジャーリーグかよ。」
おみっちゃんは外国人と話しているみたいだった。
「コン。」
新たな鵺の要望をおみっちゃんに伝えるコンコン。
「コン。」
鵺は松坂牛でもまけてあげようと言っていると通訳するコンコン。
「ま、ま、松坂牛!? 鵺さん! あなたは何様ですか!?」
おみっちゃんの堪忍袋の緒が切れる。
「私の歌で殺処分してあげましょう。鵺さん、あなたはトリ・ウイルスに感染しているに違いありません。」
おみっちゃんは歌を歌うことに決めた。
「コン。」
耳栓をするコンコン。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。
「ガオー!」
鵺は断末魔の叫び声を上げて消え去った。
「コン。」
高い肉が食べたかったと鵺の最後の声を通訳するコンコン。
「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! 歌って素晴らしい! エヘッ!」
大好きな歌が歌えてご満悦なエヘ幽霊。
「カアー!」
その時、カラスが鳴いた。
「コンコン。カラスが鳴くから帰ろうか。」
「コン。」
おみっちゃんたちはカラスが鳴いたので茶店に帰ることにした。
「私が歌えば事件が解決できるって、麻酔針指しておじさんを眠らせて子供が推理して事件を解決する毎回不幸が起こる物語と一緒だよね。なら私も探偵になろうかな? 幽霊デカとか、幽霊探偵おみっちゃんとか、どう?」
おみっちゃんは未だに路線を決めかねていた。
「コン。」
油揚げが食べたいですと話は聞いていないコンコンであった。
つづく。
恐るべし! エヘ幽霊。
「コン。」
美味しそうに油揚げを食べているコンコン。
「だろうね。あんたは呪いが解けない方がいいんじゃないかい?」
女将さんはおみっちゃんに一生音痴でいろと言う。
「嫌です! 私の夢はお江戸で歌姫になるです! 音痴じゃ歌姫にはなれません!」
本人も自分が音痴だと知っている。
「はいはい。分かったよ。八岐大蛇の次は鵺が暴れて人々を困らせているから、鵺を退治して善行を積むんだね。そうすれば、きっと神様が音痴を治してくれるよ。」
音痴が治るのは神頼みである。
「分かりました。鵺さんを倒してきますね。行こう。コンコン。」
「コン。」
おみっちゃんとコンコンは鵺退治に出かける。
「歌って素晴らしい! 歌はみんなを笑顔にする! 歌はみんなに勇気をくれる! こういう路線の方がいいのかな?」
戦いモノからアイドルモノに路線変更を探るおみっちゃん。
「私は歌が上手に歌えない! みんなの前だと恥ずかしい! 歌なんか楽しくないやい! からの歌が歌えるようになるんです下克上ストーリーの方がいいのかしら?」
乙女の悩みは尽きない。
「それとも妖怪の学校が廃校になるから妖怪学園アイドルになってコンテストで優勝して、学校の廃校を阻止する定番の物語の方がいいのかしら?」
物語やストーリーはどうでもいいのかもしれない。
「要するに私が歌って事件を解決すれば、茶店の歌姫になるのだから! エヘッ!」
これがエヘ幽霊の出した結論である。既存のヒットアニメもそんなものだから。
「コン。」
油揚げが食べられる物語ならなんでもいいコンコン。
「鵺さん! どこですか?」
おみっちゃんは鵺を探していた。
「コン。」
こっちだよとコンコンが言っている。
「うちの子はなんて優秀なのかしら。エヘッ!」
バカ親ならぬ、バカ飼い主のエヘ幽霊。
「ガオー!」
鵺が現れた。
「おまえが鵺だな! 私は魔王で、日本の4大妖怪の一人! カワイイおみっちゃんだ! おまえを退治してやる!」
おみっちゃんは鵺を退治しようと思った。
「コン。」
しかし、コンコンがおみっちゃんを止める。
「どうしたの? コンコン。」
おみっちゃんはコンコンに尋ねてみた。
「コン。」
鵺はお腹が空いているだけだって、餌を上げれば悪さはしないよとコンコンは言っている。
「な~んだ。お腹が空いているだけなんだ。エサは何をあげればいいの?」
おみっちゃんは通訳のコンコンに聞く。
「コンコン。」
「ガオー!」
コンコンと鵺は会話をする。
「コン。」
神戸牛か米沢牛が食べたいと言っているとコンコンは通訳する。
「高い肉ばかり要求しおって!?」
意外にグルメな鵺。
「ガオー!」
「コンコン。」
更に契約の会話が続く。
「おいおい。ここはメジャーリーグかよ。」
おみっちゃんは外国人と話しているみたいだった。
「コン。」
新たな鵺の要望をおみっちゃんに伝えるコンコン。
「コン。」
鵺は松坂牛でもまけてあげようと言っていると通訳するコンコン。
「ま、ま、松坂牛!? 鵺さん! あなたは何様ですか!?」
おみっちゃんの堪忍袋の緒が切れる。
「私の歌で殺処分してあげましょう。鵺さん、あなたはトリ・ウイルスに感染しているに違いありません。」
おみっちゃんは歌を歌うことに決めた。
「コン。」
耳栓をするコンコン。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。
「ガオー!」
鵺は断末魔の叫び声を上げて消え去った。
「コン。」
高い肉が食べたかったと鵺の最後の声を通訳するコンコン。
「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! 歌って素晴らしい! エヘッ!」
大好きな歌が歌えてご満悦なエヘ幽霊。
「カアー!」
その時、カラスが鳴いた。
「コンコン。カラスが鳴くから帰ろうか。」
「コン。」
おみっちゃんたちはカラスが鳴いたので茶店に帰ることにした。
「私が歌えば事件が解決できるって、麻酔針指しておじさんを眠らせて子供が推理して事件を解決する毎回不幸が起こる物語と一緒だよね。なら私も探偵になろうかな? 幽霊デカとか、幽霊探偵おみっちゃんとか、どう?」
おみっちゃんは未だに路線を決めかねていた。
「コン。」
油揚げが食べたいですと話は聞いていないコンコンであった。
つづく。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
高貴な血筋の正妻の私より、どうしてもあの子が欲しいなら、私と離婚しましょうよ!
ヘロディア
恋愛
主人公・リュエル・エルンは身分の高い貴族のエルン家の二女。そして年ごろになり、嫁いだ家の夫・ラズ・ファルセットは彼女よりも他の女性に夢中になり続けるという日々を過ごしていた。
しかし彼女にも、本当に愛する人・ジャックが現れ、夫と過ごす夜に、とうとう離婚を切り出す。
夫が正室の子である妹と浮気していただけで、なんで私が悪者みたいに言われないといけないんですか?
ヘロディア
恋愛
側室の子である主人公は、正室の子である妹に比べ、あまり愛情を受けられなかったまま、高い身分の貴族の男性に嫁がされた。
妹はプライドが高く、自分を見下してばかりだった。
そこで夫を愛することに決めた矢先、夫の浮気現場に立ち会ってしまう。そしてその相手は他ならぬ妹であった…
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる