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幼女少女

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「ガパオの掟は私が守る! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
 真理亜、お友達10億人キャンペーン実施中!

「さあ! 楓! ガパオ流ムエタイの正統継承者になるために修行するのよ!」
「はい! 真理亜お姉ちゃん!」
 ランクを下げた妹の楓の戦いが始まる。
「よし! ご飯を食べるぞ! アハッ!」
「おお! って、なんでご飯を食べることが修行になるのよ!?」
「ここは道場。待っていれば一郎お兄ちゃんの情報をもった道場破りがやって来るかもしれないじゃない。」
 探偵事務所で待っていれば、事件がやって来るのと同じ理由である。
「頼もう!」
 その時、道場に少女が訪ねてきた。
「また道場破りか!?」
「道場破り? 私はただの渋谷村の村民です。それが何か?」
「アハッ! 失礼しました。」
 自分の早とちりを笑って誤魔化す真理亜。
「どうしたんですか?」
「人斬りが現れた!」
「人斬り!?」
 渋谷村に人斬りが現れた。
「人斬り!? 怖い!?」
「怖い? 最初だからカエルとか、お化けとか、おバカでも良かったんだけど、それでは盛り上がらないので、しょっぱなから人斬りだ!」
 簡単な理由であった。
「さあ! 楓! 人きりを倒してきなさい!」
「どうして私が!?」
「もしかしたら人斬りさんが一郎お兄ちゃんの情報を知っているかもしれないじゃない!」
「そう言われると言い返せない!?」
 完璧な辻褄合わせ。
「いけ! 楓! 私はその間にご飯を食べるぞ!」
「なんでやねん!?」
 思わずツッコミは関西弁。
「人斬りなんてどこにいるのよ?」
 仕方がないので楓は村をブラブラ歩いてみた。
「イタッ!?」
 楓は少女とぶつかった。
「おっと、ごめんよ。」
 少女は去って行った。
「まったく、困った少女だ!」
 ぶつかられた楓は怒っていた。
「・・・・・・はあ!?」
 楓はぶつかった少女の顔に見覚えがあった。
「あれは!? 野盗少女! 道場破り少女だ!」
 楓にぶつかったのは知り合いの少女だった。
「アアアアアー!? お金が無い!?」
 少女にぶつかった時に財布を取られたのであった。
「今度はスリ少女になったのか!?」
 まさに100面相少女。
「クソッ! 探し出して、血の雨を降らせてやる!」
 楓はスリ少女を追いかける。
「チッ、ガキはしけてやがるな。文無しじゃん。」
 スリ少女は楓の財布の中身を漁っていた。
「見つけた。」
 そこに怒り心頭の楓がニョキニョキっと現れた。
「ギャアアアアアアー!? お化け!?」
 楓を見て驚くスリ少女。
「なんだ!? 子供か? アハッ!」
 落ち着いてみると子供の楓なので安心するスリ少女。
「返せ! 私の財布! それは亡くなったお母さんに買ってもらった大切な財布だ!」
 財布は母ヒバリの形見の品だった。
「なら、返せんな!」
「なに!?」
「大切な財布と知った以上、返して欲しければ千両箱を持って来い!」
 がめついスリ少女は子供相手にも容赦はない。
「ふ~ん、人斬りを探して街を歩けばスリ少女に出会う。これも何かの運命よ。超能力幼女の名で命じるいでよ! サイキック刀!」
 楓は何もない所から超能力でできた刀を出す。
「わ~い! スゴイ手品!」
 無邪気に喜ぶスリ少女。
「って、その刀? どこかで見たような・・・・・・アアアアアー!?」
 スリ少女は楓の顔をじっくり見て思い出した。
「おまえは道場のガキ!?」
「ガキじゃないやい! カワイイ楓だよ。アハッ!」
「自分でカワイイ言うな!?」
「アハッ!」
 笑って誤魔化す楓。姉譲りの愛嬌である。
「刀を出したところでガキに何ができるという! 飛んで火にいる夏の虫とはおまえのことだ! ワッハッハー!」
 余裕なスリ少女。
「そうかしら? 私は次期ガパオ流ムエタイの正統継承者。子供だと思ってなめていると痛い目に合うわよ。」
 楓は大人のスリ少女を相手にしても堂々としていた。
「見せてもらおうじゃないか。子供のおまえの実力とやらを!」
 スリ少女は楓を挑発する。
「いざ! 勝負!」
 刀をもった楓がスリ少女に斬りかかる。
「ほ~い。」
 楓の一撃目を簡単に短刀で受け止めるスリ少女。
「二連撃。」
「ホイホイ。」
 次は楓の連続攻撃。それもスリ少女は簡単にさばく。
「三連撃。」
「ホイホイホイ。」
 次は三連続撃。それもスリ少女はさばく。
「四連撃。」
「ホイホイホイホイ・・・・・・。」
 少しずつスリ少女の心境に変化が生まれる。
「五連撃。」
「・・・・・・。」
 遂には無言になり必死に攻撃を捌くスリ少女。
「六連撃!」
「七連撃!」
「八連撃!」
「九連撃!」
「十連撃!」
「ウワアアアアア!?」
 遂にはスリ少女を吹き飛ばす楓の連続攻撃。
「ガキだと思ってなめんなよ!」
 完全にスリ少女を見下す楓。
「こ、子供のくせに生意気な!? なんなんだ!? おまえは!?」
「私って、天才なので。」
 真理亜が新しく決めゼリフにしようとしたセリフを盗む楓。
「財布は返します!? だから命だけはお助け下さい!?」
 楓は母の形見の財布を取り戻した。
「イネ。」
「はい! さようなら!」
 スリ少女は去って行った。
「良かった。お母さんの財布が戻ってきた。アハッ!」
 笑顔でしんみりする楓であった。
「真理亜お姉ちゃんより私の方が強いのは内緒です。アハッ!」
 幼女の楓の戦いは続く。
 つづく。
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