上 下
4 / 46

道場破り少女

しおりを挟む
「微笑みで世界を支配する! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
 真理亜、アハ教の信者10億人キャンペーン実施中!

「ギャアアアアアアー!? いい加減に下ろしてくれ!? 私が何をしたというんのだ!?」
 真理亜は再び磔獄門の刑に処せられている。
「カワイイ楓に歯向かうからだ! アハッ!」
「さすがガパオちゃん! よく分かってる! アハッ!」
 カワイイ孫に惑わされたおじいちゃんの図。
「私が干乾しになって天に召されたら恨んでやるからな!」
「安心しろ。真理亜、おまえは地獄行じゃ。」
「なんで私が地獄なのよ!?」
「それはカワイイ私に歯向かったからよ! アハッ!」
「おお~! 私のカワイイ孫よ! アハッ!」
「クソジジイ!?」
 孫の前では師のガパオも形無しだった。
「頼もう!」 
 その時、ガパオ・ムエタイ道場の門を開く者がいた。
「何者じゃ?」
「私は道場破りだ! おまえのガパオライスを破りに来た! いざ! 尋常に勝負だ!」
 現れたのは道場破りの少女だった。
「あ、野盗だ。元気してた? アハッ!」
「お星さまになった少女だ。アハッ!」
 道場破り少女の正体は野盗少女だった。
「なぜ!? おまえたちが!?」
「ご飯を食べに来たのさ。アハッ!」
「ガパオちゃんのご飯は美味しいよ。アハッ!」
 アハ姉妹完成。
「おまえたちはどうでもいい! おまえがここの師範だな! 私と勝負しろ! 私が勝ったら道場の看板は貰っていく!」
 道場破り少女の目的は、ガパオ・ムエタイ道場の看板だった。
「いいだろう。」
「師匠!?」
「ガパオちゃん!?」
「ただし戦うのは私ではない。」
「なんだと?」
「おまえと戦うのは、弟子の真理亜だ。」
「なんですと!?」
 道場破り少女と戦うことになる真理亜。
「なぜですか!? 師匠!? 自分が戦うのが怖いからって、私に振るのはやめて下さい!? それでも師匠ですか!? 弟子を守るのが師匠でしょ!?」
 無駄な抵抗をするおバカ弟子。
「そうだ。私もSMごっこが好きなおバカな少女は相手にしたくない。おまえが戦わないというなら道場の看板は勝手に貰っていくぞ。」
 まだ真理亜は磔獄門の刑にあっている。
「待て。」
 土足で道場に入っていく道場破り少女を止めるガパオ師匠。
「私のガパオライスは一子相伝。既に私の代は終わり、正統継承者は、そこのおバカ弟子だ。」
「なに!?」
「ここの道場はおバカ弟子のものだ。道場の看板が欲しければ、真理亜を倒していくんだな。」
「なんでそうなるの!?」
 ガパオ師匠から、ガパオライスは真理亜に託された。
「分かった。そうしよう。」
「納得すな!?」
 道場破り少女は真理亜に近づいて行く。
「やめろ!? 抵抗できない私に勝って嬉しいか!? 勝負するから縄を解いてくれ!?」
「誰が解くか! そのまま木刀で100叩きにしてくれるわ! 今度、頭にお星さまとヒヨコを飼うのはおまえの番だ!」
「すごい! 真理亜お姉ちゃん、頭にヒヨコが飼えるんだって! 良かったね。アハッ!」
「良くない!?」
 100叩きでボコボコにされ、ピヨピヨ状態にされながら、さらに磔のまま太陽の光で干物にされ、カラスのえさになる未来を想像する真理亜。
「師匠!? 助けてください!? 今度来るときは手土産を持ってきますから!?」
「そんなもん要らんわい。楓がいれば、それだけでOKじゃ。アハッ!」
「わ~い! ガパオちゃん、ありがとう。アハッ!」
 アハ祖父と孫娘。
「それに真理亜よ。おまえはガパオライスの正統継承者。おまえは負けることは許されん。それが絶対に無敵のガパオの掟。縄ぐらい自分で弾き飛ばさんか。」
「ええー!? そんなの無理ですよ!? 体を動かすと縄が変に食い込んで気持ちいいし、私は巨乳設定でもないので縄を弾き飛ばすことなんてできませんよ!?」
「何を言っとるんじゃ。おバカ弟子。」
「おバカお姉ちゃん。妹として恥ずかしいわ。」
 真理亜にがっかりする師と妹。
「気合を入れて神経を集中しろ。自分の中に流れている気を自由に操るんじゃ。」
「気?」
「そう、気じゃ。気とはサイキックや超能力と言われているもので、怒りや悲しみなど人の心により爆発するものじゃ。」
「ガパオちゃん、修行中にお姉ちゃんに気を教えなかったの?」
「忘れてた。アハッ!」
「忘れないで下さいよ!?」
 笑って誤魔化すのは師匠譲りであった。
「死ね! SM変態少女! 必殺! 我流! 木刀100叩き!」
 迫りくる道場破り少女。
「誰がSM変態少女だ! ああああああああああああああああああああああー!」 その時、SM変態少女を否定する真理亜の怒りの心がサイキックに目覚める。
「おお! ロープを吹き飛ばした!」
 巨乳でもないのに真理亜がサイキックでロープを吹き飛ばし自由の身になった。「おお! やったー! さすが我が弟子だ! アハッ!」
「さすが楓のお姉ちゃん! アハッ!」 
 自画自賛の師と妹。
「ガパオの掟は私が守る!」
 ガパオライスの正統継承者としてサイキックに目覚める真理亜。
「磔の刑にされた私の悲しみはおまえには分かるまい! くらえ! ガパオライス奥義! トム・ヤム・クン!」
 ただのタイキックである。
「ギャアアアアアアー!? またね~!」
 道場破り少女は蹴られて吹き飛ばされて星になった。
「さすが我が弟子だ。アハッ!」
「平和っていいね。アハッ!」
 好き勝手言う師と妹。
 つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲

俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。 今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。 「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」 その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。 当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!? 姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。 共に 第8回歴史時代小説参加しました!

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

処理中です...