LAWS

渋谷かな

文字の大きさ
上 下
8 / 101

カエルの卵

しおりを挟む
「美味しい! タピオカ!」
 望たちは、希の希望でタピオカランドにやってきていた。希は、自分の行きたいところに行けて上機嫌である。
「そんなカエルの卵みたいの、どこがいいんだか?」
「男のあなたには分からないのよ。女のロマンが。」
 希は、タピオカを飲んでいるので怒らなかった。
「これも僕がゾンビよりも強くなったおかげだということをお忘れなく。」
「はいはい。」 
 
 回想。
「もう一度、死ねー! ゾンビども!」
 竹下通りや表参道にいるレベル20ゾンビは、レベル30の希が倒してきた。
 回想終わる。

「どこかに、僕のレベルにあった武器はないだろうか? もう木の棒はボロボロだ。」
「望、明治神宮に行ってみない? タピオカランドの写真をSNSに投稿したら、私のSNSの友達が、明治神宮に強い剣があるんですって。」
「行こう! タピオカランドなんて、ただの寄り道で、SNSなんて下らないと思っていたけど、素晴らしい情報源だ! 嘘でなければ。」
 望たちは、明治神宮に向かった。

「特に何もないな。敵もいない。さすがのLAWSも明治神宮に生徒が入ってくるとは思っていなかったんだろう。」
「せっかくだから、お参りしていきましょう。」
「そうだな。」
 望たちは、お賽銭箱に5円玉を入れてお祈りした。
「希は何をお祈りした?」
「どうかLAWS国家試験に合格して、お父さんとお母さんに楽をさせることができますように。望は?」
「僕? い、一緒さ。希と一緒でLAWS国家試験に受かりますようにさ。」
 本当は違った。
(どうか無事に希を守れますように。)
 望が一生懸命にレベルを30まで上げたのも、全て希の夢を叶えるため、希を守るためであった。
「キャア!? なに!?」
「眩しい!?」
 その時、明治神宮が光った。
「おめでとうございます! クエストとも関係のない明治神宮に参拝に来た奇特なLAWS国家試験の参加者は、あなた方が初めてです。」
「褒められているような、それとも貶されているような。」
 なぜか明治神宮の明治天皇が現れた。
「記念品を贈呈します。」
 一本の剣が現れる。
「おお! これこそレアリティ高めの伝説の剣だ!」
 望は、明治天皇から皇帝の剣を手に入れた。
「ありがとうございます! 明治天皇様!」
 望は、明治天皇に感謝をして、明治神宮を去って行った。
「やったー! 新しい剣が手に入ったぞ!」
「これもタピオカランドのおかげね。」
「そうだな。カエルの卵のおかげだな。」
 望たちは、原宿駅を目指すのだった。ちなみに明治神宮に寄り道したので、駅の火時計は3つ目が消えそうになっていた。
 つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて

だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。 敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。 決して追放に備えていた訳では無いのよ?

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...