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AIに支配された世界
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「望、おはよう。」
まだ目が覚めて布団で横になっている僕にスマートフォンが朝の挨拶をしてくる。
「うおー! おはよう。目覚まし。」
僕は、布団から腰まで起き上がる。そして手を伸ばして少し長い欠伸をした。
「こらー!? おのれー!? なめとんのかー!? 誰が目覚ましだ!? 誰が!? 私はLAWSから日本国民の平和を守るために、一人に一台支給されているJRSだぞ!? 私の正式名称は、ドリームだぞ!」
LAWSとは、自律型致死兵器システムのLAWS。昔、昔、世界は、AI搭載無人ドローン・マシンガン装備タイプに蹂躙された。殺戮という殺戮を無人ドローンがAIの暴走により起こしたのである。AI無人ドローンは、世界中で無差別殺人を繰り返し、あっという間に世界を征服した。
そしてLAWSは争いがなくなるように、人間一人一人を監視するために、AI搭載のスマートフォンを持つことを義務づけた。
JRSは、日本のスマートフォンのロボットという意味である。二本足で歩くスマートフォン。これはAI搭載のスマートフォンである。両腕もあり頭もある。電話の形から人型に変形できる。
人間はAIに支配されると、その生活に順応していった。そして今では、人間とAIが共存する世界になったのであった。
望は、自分と共に生きるAI搭載のスマートフォンに「目覚まし」と名前をつけた。それは朝、布団で二度寝していると、うるさく起こして、学校に行けと騒ぐからである。
「望、起きなさい! 朝よ! あら? 起きてる。」
望の寝ている部屋に望の母親が、なかなか起きてこないので起こしに来たのであった。
「僕だって、16才になったんだから、一人でも起きられるよ。」
「正確には私が起こしました。」
得意げに目覚ましが望を起こしたとアピールする。
「ありがとう。目覚ましちゃん。」
「どういたしまして。お母様。」
なぜか望の母親と目覚ましは、分かり合えている。
「お母さん、鍋やフライパンは大丈夫なの? 焦げたり零れたりしていないの?」 望は煙たそうに嫌味な感じで母親に言う。
「その点は大丈夫。私のJRSのマザーちゃんが料理しているから安心よ。うふっ。」
望の母親のJRSは、料理が得意だった。マザーは、スマートフォンではなく、AI搭載の女の子のぬいぐるみであった。
「早く起きろ! 望!」
「分かってるよ! 起きればいいんだろ! 起きれば!」
これが未来の人間とAIの共存した日常生活であった。
つづく。
まだ目が覚めて布団で横になっている僕にスマートフォンが朝の挨拶をしてくる。
「うおー! おはよう。目覚まし。」
僕は、布団から腰まで起き上がる。そして手を伸ばして少し長い欠伸をした。
「こらー!? おのれー!? なめとんのかー!? 誰が目覚ましだ!? 誰が!? 私はLAWSから日本国民の平和を守るために、一人に一台支給されているJRSだぞ!? 私の正式名称は、ドリームだぞ!」
LAWSとは、自律型致死兵器システムのLAWS。昔、昔、世界は、AI搭載無人ドローン・マシンガン装備タイプに蹂躙された。殺戮という殺戮を無人ドローンがAIの暴走により起こしたのである。AI無人ドローンは、世界中で無差別殺人を繰り返し、あっという間に世界を征服した。
そしてLAWSは争いがなくなるように、人間一人一人を監視するために、AI搭載のスマートフォンを持つことを義務づけた。
JRSは、日本のスマートフォンのロボットという意味である。二本足で歩くスマートフォン。これはAI搭載のスマートフォンである。両腕もあり頭もある。電話の形から人型に変形できる。
人間はAIに支配されると、その生活に順応していった。そして今では、人間とAIが共存する世界になったのであった。
望は、自分と共に生きるAI搭載のスマートフォンに「目覚まし」と名前をつけた。それは朝、布団で二度寝していると、うるさく起こして、学校に行けと騒ぐからである。
「望、起きなさい! 朝よ! あら? 起きてる。」
望の寝ている部屋に望の母親が、なかなか起きてこないので起こしに来たのであった。
「僕だって、16才になったんだから、一人でも起きられるよ。」
「正確には私が起こしました。」
得意げに目覚ましが望を起こしたとアピールする。
「ありがとう。目覚ましちゃん。」
「どういたしまして。お母様。」
なぜか望の母親と目覚ましは、分かり合えている。
「お母さん、鍋やフライパンは大丈夫なの? 焦げたり零れたりしていないの?」 望は煙たそうに嫌味な感じで母親に言う。
「その点は大丈夫。私のJRSのマザーちゃんが料理しているから安心よ。うふっ。」
望の母親のJRSは、料理が得意だった。マザーは、スマートフォンではなく、AI搭載の女の子のぬいぐるみであった。
「早く起きろ! 望!」
「分かってるよ! 起きればいいんだろ! 起きれば!」
これが未来の人間とAIの共存した日常生活であった。
つづく。
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