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2T 魔法代々木高校
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ここは魔法京王井の頭線の明大前駅。
「ここって、渋谷区じゃなかったんだ。ゲフッ。」
「知らなかった。魔法日本って、全部渋谷だと思っていた。ウッ。」
「遠距離恋愛はせつないですね。ギョッ。」
キコからスカウターレシーバーで話を聞いたミレミレ、メロメロ、コイコイは、渋谷区を通過していたことを知って大ダメージを受けていた。
「大丈夫です。キコはリコお姉ちゃんから「魔法鉄道へ、GO!」の裏ワザを教えてもらいました。」
「裏技なんかあるの?」
「キコにお任せあれ!」
自信満々のキコちゃんだった。
「ジャアーン! 6進むカードとサイコロ3倍の超裏技です!」
理論上、18マス進むことができる。
「すごい! さすがキコちゃんは、私たちの妹だわ!」
「なんということだ!? リミッターオーバーだと!? やるな! キコちゃん!」
「恋の育て方にも裏技があるんですね。キコちゃん、えらい!」
キコちゃんの大活躍に仲間たちは大喜びした。
「キコちゃん、その裏技はどうやったの?」
「リコお姉ちゃんが「できる」魔法で、ゲームのホストコンピューターをいじりました。」
「相変わらず恐ろしいお姉さんね。」
キコちゃんのお姉さんは妹想いの優しいお姉さんだった。
「リーダーをドキドキから、リコリコに乗り換えようか?」
「リコリコの方がヒロイン勇者の私が使えるに値する。」
「ブリっ子のドキ子より、恋もきれいなリコリコの好きです。」
全会一致でドキ子より、キコの姉のリコの方が人気があった。
「リコお姉ちゃんは怖いからやめておいた方がいいですよ。」
キコは姉のリコの恐ろしさを肌身で感じている。
「それでは18マス進みますよ!」
「でも18マス進むって、逆に多過ぎて困るわね。」
「大丈夫です。そこもリコお姉ちゃんが指示してくれました。」
「なんでもお見通しってやつね。」
キコは18マスの進み方を説明し始める。
「まず、リコお姉ちゃんが言うには、明大前から急行に乗って下北沢まで1っ歩。各駅停車の普通に乗り換えて池ノ上で2歩。駒場東大前で3歩。渋谷区に戻って、神泉で4歩です。」
「ええー!? 渋谷区って、神泉だけだったのか!?」
もちろんメロメロに鉄道の知識はない。
「はい。そこから渋谷駅に戻って5歩、魔法京王井の頭線とはお別れです。次に南から攻めるので東急東横線に乗って代官山へ行って6歩。Uターンして渋谷に戻って7歩。」
「なんか複雑ね!? 頭がついてこなくなってきたわ!?」
もちろん元々おばさんのミレミレに渋谷区の路線図は頭にない。
「そのまま乗って魔法東京メトロ副都心線の明治神宮前駅で8歩。次の北参道駅で9歩。そこから明治神宮前駅にUターンして10歩。」
「恋より鉄道の方が複雑なんですね!?」
もちろんコイコイは切符の買い方や電車の乗り換えは分からない。
「そして魔法東京メトロ千代田線に乗り換えてます。代々木公園駅で11歩。代々木上原駅で12歩。次に小田急線に乗り換えて、代々木八幡駅で13歩。参宮橋駅で14歩。南新宿駅で15歩。新宿に着いて16歩です。喋ってるキコも長いと感じてきました。やはり恐るべしリコお姉ちゃん。」
キコちゃんは体力の限界を迎えようとしていた。
「新宿から魔法京王線に乗って、初台駅で17歩。幡ヶ谷駅で18歩。これで18マスを回ります。みなさん、キコの分もがんばってください。バタ。」
指令室でキコちゃんは長い説明で体力を使いきり意識を失った。
「キコちゃん!? 大丈夫!?」
スカウターレシーバーの向こう側でミレミレたちは心配するのだった。司令官がいなければ魔法鉄道ゲームは続けることはできない。
「棄権します! キコちゃんの元へ行こう!」
「おお!」
魔法代々木高校は仲間のために棄権を決断した。
つづく。
「ここって、渋谷区じゃなかったんだ。ゲフッ。」
「知らなかった。魔法日本って、全部渋谷だと思っていた。ウッ。」
「遠距離恋愛はせつないですね。ギョッ。」
キコからスカウターレシーバーで話を聞いたミレミレ、メロメロ、コイコイは、渋谷区を通過していたことを知って大ダメージを受けていた。
「大丈夫です。キコはリコお姉ちゃんから「魔法鉄道へ、GO!」の裏ワザを教えてもらいました。」
「裏技なんかあるの?」
「キコにお任せあれ!」
自信満々のキコちゃんだった。
「ジャアーン! 6進むカードとサイコロ3倍の超裏技です!」
理論上、18マス進むことができる。
「すごい! さすがキコちゃんは、私たちの妹だわ!」
「なんということだ!? リミッターオーバーだと!? やるな! キコちゃん!」
「恋の育て方にも裏技があるんですね。キコちゃん、えらい!」
キコちゃんの大活躍に仲間たちは大喜びした。
「キコちゃん、その裏技はどうやったの?」
「リコお姉ちゃんが「できる」魔法で、ゲームのホストコンピューターをいじりました。」
「相変わらず恐ろしいお姉さんね。」
キコちゃんのお姉さんは妹想いの優しいお姉さんだった。
「リーダーをドキドキから、リコリコに乗り換えようか?」
「リコリコの方がヒロイン勇者の私が使えるに値する。」
「ブリっ子のドキ子より、恋もきれいなリコリコの好きです。」
全会一致でドキ子より、キコの姉のリコの方が人気があった。
「リコお姉ちゃんは怖いからやめておいた方がいいですよ。」
キコは姉のリコの恐ろしさを肌身で感じている。
「それでは18マス進みますよ!」
「でも18マス進むって、逆に多過ぎて困るわね。」
「大丈夫です。そこもリコお姉ちゃんが指示してくれました。」
「なんでもお見通しってやつね。」
キコは18マスの進み方を説明し始める。
「まず、リコお姉ちゃんが言うには、明大前から急行に乗って下北沢まで1っ歩。各駅停車の普通に乗り換えて池ノ上で2歩。駒場東大前で3歩。渋谷区に戻って、神泉で4歩です。」
「ええー!? 渋谷区って、神泉だけだったのか!?」
もちろんメロメロに鉄道の知識はない。
「はい。そこから渋谷駅に戻って5歩、魔法京王井の頭線とはお別れです。次に南から攻めるので東急東横線に乗って代官山へ行って6歩。Uターンして渋谷に戻って7歩。」
「なんか複雑ね!? 頭がついてこなくなってきたわ!?」
もちろん元々おばさんのミレミレに渋谷区の路線図は頭にない。
「そのまま乗って魔法東京メトロ副都心線の明治神宮前駅で8歩。次の北参道駅で9歩。そこから明治神宮前駅にUターンして10歩。」
「恋より鉄道の方が複雑なんですね!?」
もちろんコイコイは切符の買い方や電車の乗り換えは分からない。
「そして魔法東京メトロ千代田線に乗り換えてます。代々木公園駅で11歩。代々木上原駅で12歩。次に小田急線に乗り換えて、代々木八幡駅で13歩。参宮橋駅で14歩。南新宿駅で15歩。新宿に着いて16歩です。喋ってるキコも長いと感じてきました。やはり恐るべしリコお姉ちゃん。」
キコちゃんは体力の限界を迎えようとしていた。
「新宿から魔法京王線に乗って、初台駅で17歩。幡ヶ谷駅で18歩。これで18マスを回ります。みなさん、キコの分もがんばってください。バタ。」
指令室でキコちゃんは長い説明で体力を使いきり意識を失った。
「キコちゃん!? 大丈夫!?」
スカウターレシーバーの向こう側でミレミレたちは心配するのだった。司令官がいなければ魔法鉄道ゲームは続けることはできない。
「棄権します! キコちゃんの元へ行こう!」
「おお!」
魔法代々木高校は仲間のために棄権を決断した。
つづく。
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