汚れ無き純粋な瞳の平凡な日常。３ 魔法鉄道ゲーム編

第６魔法少女、祐名。

　私の名前は森田祐名。魔法自衛隊ジャパロボ中隊の隊員で、車型兵器ジャパロボのパイロット。これでも第１回、第２回の全国ジャパロボ大会の優勝者よ。２連覇したの。すごいでしょう。え？　どうして私が寝てばかりかって。それは起きた時に、しっかり働くからよ。それでは、おやすみなさい。
「ｚｚｚ。」
いつも通り祐名は眠りについた。
「それでは綾子教官が育休のためにお休みのなので、わてが魔法自衛隊ジャパロボ中隊を指揮しまっせ。」
「はい。」
　教室には教官役のＡＩロボットの明治天皇と生徒役の２等陸士、２等海士、２等空士、事務、整備のお姉さんたち、雀のモノグラム、カラスのヴェルニ、フクロウのダミエと寝ている祐名がいる。
「それでは、わてが入手した劇場版「魔法自衛隊ジャパロボ中隊３」の極秘情報をどうぞ。」
　明治天皇はＡＩロボットであることを利用して、魔法自衛隊のホストコンピューターから極秘資料をハッキングした。
「まずジャパロボは魔法日本だけが開発に成功。世界は人型ロボットに拘り過ぎて、ロボット兵器の開発は遅れている。」
　ジャパロボは日本独自の車型ロボットである。
「期待も車に手と足を着けるだけの簡単装備なので、他のモノにも何でも改良が出来ます。」
　車型陸戦ロボット兵器、それがジャパロボである。
「新機種としての候補が、ヘリコプターに手と足を着けただけの魔法自衛隊の空軍専用ジャパロボ・スカイ。」
　初の車以外のジャパロボである。
「次の新機種が、船に手足を着けた魔法自衛隊の海軍専用ジャパロボ・シー。」
　ジャパロボ・シーは水陸両用のジャパロボである。
「最後に戦争用に、戦車に手足を着けた魔法自衛隊の陸軍専用ジャパロボ・タンクや。どれもカッコイイやろ。」
　ついに戦車にまで手と足を着けてしまったジャパロボ・シリーズ。
「おまけの極秘情報としては、うちの眠り姫の祐名はんが乗るジャパロボは陸軍仕様だが、ブースターのバックパックを装備して、空も飛べるようになるらしいで。そのうち、ジャパロボＺやＺＺ、ニュー・ジャパロボとかも登場するかもな。」
「おお！？」
「どうや？　ほんまに極秘情報やろ。わてをなめたらあかんで。　キャッハッハ！　伊達に最先端のＡＩロボットしてへんからな！」
　これだけの車型ロボット兵器が創作できれば、陸海空軍で世界を制圧できるはずである。
「さらにジャパロボは１機や２機とは、ちゃいまっせ！　魔法日本自衛隊は、な、な、な、なんと！　ジャパロボの量産に成功。」
「おお！？」
「これでジャパロボによる魔法日本の世界征服が現実味を帯びてきたやろ。面白くなってきたな―。」
　ＡＩロボットの明治天皇は舌も滑らかに絶好調。
「ほな、また極秘情報や！　今回は魔法自衛隊のジャパロボ量産工場の所在地が判明したで！　ここで、いち早く工場の場所を、ここだけの話として教えまっせ！」
「おお！」
「ジャパロボの量産工場は、北海道の雪の下や、沖縄の海の底と言われ続けてきた。しかし、各国のスパイは見つけることができなかった。なぜなら、実はジャパロボの量産工場は、東京の地下にあったからや！　そりゃあ、再開発で工事しているから誰も気づかないわな。まさに灯台元暗しやね。」
　なんとジャパロボの開発製造の量産工場は、再開発をしているはずの東京都の地下にあった。
「なんとか「ジャパロボ３」の話を前に進めることができたで。それでは特別にジャパロボ３の冒頭のシーンを見ながらお別れや。ほな、またな。」
　新登場の佐藤さくらロボに話が流されることなく、明治天皇は映画の告知を終えた。
「地球は核の炎に包まれた。日本にも世界各国から核ミサイルが飛んで来る。しかし魔法日本には、ジャパロボがあった。」
　つづきは、劇場で。
　つづく。