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お友達

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「ルンルルン~。」
 カロヤカさんたちは、各地で暴れている妖怪や鬼神を倒す旅に出かけた。
「カロヤカさん、私たちはどこへ向かうの?」
「知らない。」
「当てのない旅ガラスだな。」
「決めた。富士山に行こう。だって日本だもの。どこからでも富士山は見える。」
「富士山へ! レッツ・ゴー!」
「おお! 小人は続くよ! どこまでも~!」
 カロヤカさんたちは、容器に歌を歌いながら霊峰、富士山へ行くことにした。

「うえ~ん! うえ~ん! お父さん!」
「ストップ! 子供が泣いている!?」
「行ってみましょう。」
 道を歩いていると倒れているお父さんと、その側で泣いている男の子を見つけた。
「どうしたの?」
「お父さんの中に鬼が小さくなって入っちゃったんだ。そしたらお父さんが動かなくなっちゃった。」
「なんですって!?」
 子供が泣いている理由は、お父さんの体の中に鬼が入って動かなくなったからだった。
「それは天邪鬼の仕業だな。」
「そうなんだ・・・って!? あなたは!? 酒呑童子!?」
「よう、久しぶり。」
 そこに現れたのは鬼の頭目、酒呑童子だった。
「どうして、あなたがここにいるの?」 
「たまたま、鬼のパトロールをしていたら、天邪鬼がいたずらをしているので、注意しようとしたら、人間の中に入ってしまって、困っていたんだ。」
「おまえの性か!?」
「怒らないで。暴力反対。」
 酒呑童子が鬼をしっかりと管理してれば、お父さんの中に天邪鬼が入ることはなかった。
「カロヤカさん、お父さんを助けて。」
「カロヤカにお任せあれ。」
 カロヤカさんは、子供のお父さんを助けると約束するのだった。
「どうやって助ける気だ? 助けるためには、人間の体の中に入らなければいけないが、そんなことは不可能だ。」
「フッフッフ。フがいっぱい。私の辞書に不可能の文字はない。」
 不敵に笑うカロヤカさんであった。
「ホビホビ、小人さんの鎧を出してちょうだい。」
「OK。いでよ! 僕の鎧!」
 超ミニサイズの小人の鎧が現れた。
「小人の鎧よ! 私の体にまとえ!」
 小人の鎧をカロヤカさんが装着していくと、カロヤカさんの体は、どんどん小さくなった。小人の鎧の特殊能力であった。
「さあ! 鼻の穴から突撃よ!」
「おお!」
 カロヤカさんと小人が倒れているお父さんの鼻の穴から体内に侵入していく。
「私は遠慮させてもらうわよ。」
 妖精は、鼻の穴から入っていくことに抵抗があった。

「白血球に、赤血球、がん細胞、心臓に胃腸。いったい天邪鬼はどこにいるのよ。」
「この辺にいないということは、肛門か、膀胱、若しくは脳みそにいるんじゃないか?」
 カロヤカさんと小人は、お父さんの体の中で天邪鬼を探していた。
「俺様は、ここだ!」
「鬼!? あなたが天邪鬼ね!?」
「そう、その通り! 俺様が天邪鬼様だ! ワッハッハー!」
 カロヤカさんと小人の前に、小さな鬼、天邪鬼が現れた。
「あなたを倒して、お父さんを救って見せる!」
「できるかな? 俺様を倒せば、この人間を助けることはできないぞ!」
「卑怯者!?」
「なんとでも言え。卑怯者は鬼にとっては誉め言葉だ。ワッハッハー。じっくりなぶり殺しにしてやる。」
 カロヤカさんは、天邪鬼に脅されて、身動きが取れなくなってしまった。
「天邪鬼パンチ!」
「ギャア!?」
「どうした? 抵抗しないのか? ワッハッハー!」
「く、悔しい!? こんなクソ鬼なんか、一撃で倒せるのに!?」
 カロヤカさんは、一方的に天邪鬼に殴られていた。
「これで、とどめだ!」
 天邪鬼は、気合を入れてカロヤカさんを殴りにかかる。
「そこまでだ!」
 その時、姿を消していた小人が現れた。
「嘘だ! そいつは人間の体に何もしていない! 僕たちは騙されていたんだ!」
「ギクッ!?」
「なんですって!?」
 無抵抗だったカロヤカさんが怒りの表情を前面に出す。
「私がカワイイからって、なめんなよ!」
 カロヤカさんは、鬼の形相で花の刀を構える。
「花が香り、花が舞う! 百花繚乱! 軽やかに咲き乱れろ! 私の花! 必殺! お花畑斬り!」
 カロヤカさんの必殺の一撃が天邪鬼をぶった斬った。
「ギャア!? ば、ばかな!? この俺様が人間ごときにやられるなんて!?」
 カロヤカさんは、天邪鬼を倒した。
「人間をなめるなよ。」
「さあ、体の外に出ようか。カロヤカさん。」
「そうね。でも、その前に、せっかく見つけたから斬っておこう。」
 カロヤカさんは、お父さんの体の中で見つけた、がん細胞も切り落とした。
「これで良しと。帰ろう、ホビホビ。」
「さすがカロヤカさんだ。」
 こうして天邪鬼を退治したカロヤカさんたちは、お父さんの体内から外に出るのであった。

「お父さん!」
「おお! 息子よ!」
 親子は、天邪鬼を倒したことでお父さんの体は自由になり無事に再会できた。
「良かった、良かった。」
 カロヤカさんも親子の涙の再会を感動していた。
「本当に良かったですね。」
「そうね・・・って!? 水花みなも!? あなたがどうしてここにいるの!?」
 カロヤカさんがお父さんの体内から出てくると、人魚の茶店で働いているはずの水花みなもがいた。
「実は、新しく火花せいか、というアルバイトがやってきて、人魚さんが、人数が多いから私にカロヤカさんの仕事を手伝ってきなさいって言ったんです。シクシク。」
 水花もカロヤカさんと同じように茶店から追い出されたのであった。
「よしよし、泣かないで。気持ちは分かるわ。私もマーマーから追い出されたから。」
「カロヤカさん、なんて良い人なのかしら。」
 ちなみにカロヤカさんが茶店から追い出されたのは、水花が新しくアルバイトに採用されたからだった。
「妖精さん、火の精霊サラマンダーもやってきたんですよ。」
「いや、水の精霊のあなたも、私と不思議な生き物で被っているんだけど?」
「僕は小人で良かった。」
 水花と一緒に水の精霊ウンディーネもやってきた。
「あれ? そういえば、酒呑童子がいないぞ?」
「あいつなら、さっさと帰って行ったわよ。」
「なんじゃらほい!?」
 酒呑童子は謎の多い鬼であった。
「カロヤカさん、ありがとうございました。」
「カロヤカさん、ありがとう。さようなら。」
 親子は笑顔で手を振って去って行った。
「じゃあ、そういうことで私たちも行きましょう。」
「そうね。あなたたちもがんばってね。」
「バイバイー。」
 カロヤカさんたちは、富士山に向けて出発した。
「待ってー!? 私、こんなところで一人だと生きていけない!? カロヤカさん! 一緒に行きましょうよ!」
「妖精さん! カッコイイ! お供させてください!」
「ついてくるな! 私の出番が減る!」
「逃げよう! カロヤカさん! いでよ! 私の鎧!」
「妖精の鎧! 装着! ダッシュで逃げるわよ!」
「振り落とさないで!」
 こうしてカロヤカさんは、水花と水の精霊を仲間に加えた。
「ルンルルン~。」
 カロヤカにお任せあれ。
 つづく。
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