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15.虚報
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今日も朝が来た。迎える意味を一つも見出せない朝が。
俺はその訪れを、こんこんという遠慮がちなノックで知った。この叩き方はメイドの女性型だから、食事の勧めか掃除でもしに来たのか、もしくはその両方と考えられる。彼女は悪い人魚では無いが、俺の寝起きの気分ときたら最悪で――申し訳ないけれど顔を合わせるのすら面倒だった。なので、ベッドに潜ったまま寝た振りをする。
メイドは俺が返事をしなくても勝手に入室してきた。室内にはごろごろという音だけが響いている。一体、何をしているのだろうか。俺が心当たりを数えるうちにメイドは立ち去った。気配からそれを確認した俺は、ごそごそとベッドから顔を出す。
どうやらメイドは夜光虫の灯り球を交換していたらしい。ベッドの周囲に数個、置いてある。まだ新しい為かとても明るい。だから俺は、枕元の大事な宝石箱を手に取った。中には勿論、エドの羽飾り二つと髪が仕舞ってある。俺はぱかりと蓋を開け、エドの遺品を取り出した。そのついでに痩せこけた自分の手のひらも視界に入るけれど、そんな物はどうでもいい。
俺はエドの遺品を両の瞳に焼きつける。今の俺にとって一番大切な宝物なのだ。俺が事切れる瞬間は、絶対にこの遺品と共に迎えたい。墓所へも一緒に埋葬して貰うよう手配済みだ。
俺はずっとエドの遺した品々を眺めていた。そこに珍しく――本当に珍しく大騒ぎが起こる。これは監視の人魚と言い争いをするロージオの声だ。暫く経つと何も聞こえなくなり、それからすぐにロージオが俺の部屋へ入ってきた。
「迎えに来たよ! 殿下、ここから出よう!」
「……断る。俺は、このまま――」
「エド皇子が生きてるんだ! だから……!」
ロージオの言葉に俺の瞳がぎゅうっと丸くなる。だが、俄かには信じられなかった。俺は自分のルートで調査してエドの死を受け入れたからだ。しかも、結果を持って来た張本人が今さら何を言っているのか。そこで俺はロージオの他意に気づいた。
「お前、まさか……」
騎士だったロージオを疑いたくはないが、俺の命を繋ぐ為の方便だろうと考えてしまう。そのため俺は、かなり不審げな表情を浮かべていたに違いない。
そんな俺に向かって、ロージオは透明な小瓶を差し出した。俺が受け取ると中に入った紙切れを指す。
「これはエド皇子からの手紙だ。ほら、文字が見えるでしょう? ここには日付けもあるよ」
透き通った小瓶の中には、エドの筆跡に良く似た文字列が並ぶ。それによれば――ロージオの言う通り、つい先日書かれたものらしい。
俺は小瓶の中を何度も見返して確認した。間違いない、これはエドが記した手紙だ。
「……っ、エド!」
思わず小瓶の栓に触れる俺の指先を、ロージオが優しく遮った。そして小瓶を持ち上げ、宝石箱の隣に置く。
「殿下、焦らないで。人間界のインクは、すぐ海水に溶けてしまうよ?」
「あ、ああ、そうだな……だが、早く内容を知りたい。エドが今、どんな状況に置かれているのかが気になって……!」
俺の視線は、小瓶とロージオの顔を何度も往復してしまう。落ち着きの無い俺に対し、ロージオが満面の笑顔を寄越した。
「良かった、エド皇子が生きていると信じてくれたんだね!」
「そ、そうらしいな」
ロージオから指摘され、俺は初めてその事実に気づく。今やエドが生きているという実感は俺の隅々まで行き渡り、何だか視界も変わっていた。手紙一つで我ながら現金だけれど、暗い海底が夏の空みたいに輝いて見える。
眩しすぎるから参ってしまって、俺は両の瞼を閉じた。そこには出逢った頃のエドがふわふわと浮かんでいる。俺はそのエドに駆け寄って、生きている喜びを何度も伝えた。ああ、それだけで胸が一杯だ。俺にとってのエドとは、他の何にも代え難い大事な存在なのだと実感する。
俺は幸せ気分でエドとの出来事を大切になぞった。発情と交尾、出来上がっていく別荘、楽しかったチェス。俺はここまで思い出し、少しだけ暗い表情になってしまう。この先は少々辛い内容だ。戦争、人魚狩り、軟禁、そしてエドの死という虚報。
そう、本当に酷い虚報だった。ロージオが持ってきた手紙は、それを如実に現している。
あの時の自分の感情を思えば、当然ながら怒りが湧いた。俺の脳裏に『エドの死』という偽の情報をもたらした、様々な存在が渦巻いてくる。あれは何もかも全てが俺を陥れる内容で――エドの生存を知った今、尚更気分が悪かった。
「……ロージオよ、お前はこの件で、ある程度の事情を知っているのか?」
「うん。多分、大体のところは」
「そうか、では聞きたい事が幾つかあるんだが……」
ロージオは俺が色々言い始める前にすいっと泳ぎ、ベッド脇の棚から筆記用具を取り出す。『幾つかある』と前置きした俺の疑問点を、話の途中で忘れてしまわぬよう書き取るつもりなのだ。ロージオはペンにインクを含ませながら、俺へ向かって微笑した。
「私ね、殿下が『小瓶さえあれば他の事はどうでもいい』なんていう人魚じゃないのは解ってたよ。まずはエドの件を喜ぶだろうけど、ちょっと経ったら納得行かないところを突き詰めだすんだ」
「……よく解ってるな。まぁ俺の理屈っぽい習性を一番良く知っているのは、お前かもしれんが」
「その気質が研究に役立ってるし、そこが殿下の長所でもあって――はい、もう大丈夫だよ。どうぞ?」
ロージオが手帳片手にペンを少し揺らしながら待機している。準備は万端という様子だ。なのでこの際、頭の中に浮かんだ疑問点を遠慮なく言わせて貰う事にした。
「では、まず一つ目だが。この件の黒幕は父であるという認識でいいのか?」
「そうだね、間違いないよ。殿下の恋心が消えるよう、多大な努力をされたらしい」
ロージオの発言や表情からは、少々の厭味が見て取れる。俺はその顔を崩さぬロージオを視界に入れつつ、父の悪意がある前提で他の疑問点を言った。
「次、二つ目。どうして父はエドが亡くなったという嘘を吐いたんだ? わざわざ捏造しなくとも、俺は大人しくこの屋敷で暮らしており――脱走したのだって、エドの訃報を知らされた為だ。正直これは不要な嘘だったんじゃないか?」
「その辺は後で説明しようかな。ええと……ふような、うそ」
ロージオには書き取りをする時、思わず内容を口ずさんでしまうという可愛らしい癖がある。久し振りに見たので懐かしい。
しばらくロージオを眺めていると、次の疑問点を言うように促された。なので続きをロージオに伝える。
「次、三つ目。なぜ俺は、その嘘に騙された? 父が遺品と遺体を揃えるには、エドの詳しい情報が必要だ。腹が立つので、その情報源を知りたい。それと、別ルートで調査しただろうドロイからの書状に、父の捏造と同じ顛末が書かれているのも腑に落ちん」
「……ふに、おちん」
「最後、四つ目。この小瓶の入手経路を教えろ」
「こびんの、けん……これで、さいご」
俺の疑問を書き留めたロージオが、それらをチェックしつつ何度か頷いた。
「この辺は私にも把握できてるから、すぐ解って貰えそうだ。三つ目に対しては、私の至らなさで事態を悪化させた部分があるから、言い辛くはあるんだけど……」
「構わない、さっさと話せ」
「うん、了解」
てっきり喋りだすかと思ったのに、ロージオは俺から視線を外す。それからドアの前に移動して、意外な人魚の名を呼んだ。
俺はその訪れを、こんこんという遠慮がちなノックで知った。この叩き方はメイドの女性型だから、食事の勧めか掃除でもしに来たのか、もしくはその両方と考えられる。彼女は悪い人魚では無いが、俺の寝起きの気分ときたら最悪で――申し訳ないけれど顔を合わせるのすら面倒だった。なので、ベッドに潜ったまま寝た振りをする。
メイドは俺が返事をしなくても勝手に入室してきた。室内にはごろごろという音だけが響いている。一体、何をしているのだろうか。俺が心当たりを数えるうちにメイドは立ち去った。気配からそれを確認した俺は、ごそごそとベッドから顔を出す。
どうやらメイドは夜光虫の灯り球を交換していたらしい。ベッドの周囲に数個、置いてある。まだ新しい為かとても明るい。だから俺は、枕元の大事な宝石箱を手に取った。中には勿論、エドの羽飾り二つと髪が仕舞ってある。俺はぱかりと蓋を開け、エドの遺品を取り出した。そのついでに痩せこけた自分の手のひらも視界に入るけれど、そんな物はどうでもいい。
俺はエドの遺品を両の瞳に焼きつける。今の俺にとって一番大切な宝物なのだ。俺が事切れる瞬間は、絶対にこの遺品と共に迎えたい。墓所へも一緒に埋葬して貰うよう手配済みだ。
俺はずっとエドの遺した品々を眺めていた。そこに珍しく――本当に珍しく大騒ぎが起こる。これは監視の人魚と言い争いをするロージオの声だ。暫く経つと何も聞こえなくなり、それからすぐにロージオが俺の部屋へ入ってきた。
「迎えに来たよ! 殿下、ここから出よう!」
「……断る。俺は、このまま――」
「エド皇子が生きてるんだ! だから……!」
ロージオの言葉に俺の瞳がぎゅうっと丸くなる。だが、俄かには信じられなかった。俺は自分のルートで調査してエドの死を受け入れたからだ。しかも、結果を持って来た張本人が今さら何を言っているのか。そこで俺はロージオの他意に気づいた。
「お前、まさか……」
騎士だったロージオを疑いたくはないが、俺の命を繋ぐ為の方便だろうと考えてしまう。そのため俺は、かなり不審げな表情を浮かべていたに違いない。
そんな俺に向かって、ロージオは透明な小瓶を差し出した。俺が受け取ると中に入った紙切れを指す。
「これはエド皇子からの手紙だ。ほら、文字が見えるでしょう? ここには日付けもあるよ」
透き通った小瓶の中には、エドの筆跡に良く似た文字列が並ぶ。それによれば――ロージオの言う通り、つい先日書かれたものらしい。
俺は小瓶の中を何度も見返して確認した。間違いない、これはエドが記した手紙だ。
「……っ、エド!」
思わず小瓶の栓に触れる俺の指先を、ロージオが優しく遮った。そして小瓶を持ち上げ、宝石箱の隣に置く。
「殿下、焦らないで。人間界のインクは、すぐ海水に溶けてしまうよ?」
「あ、ああ、そうだな……だが、早く内容を知りたい。エドが今、どんな状況に置かれているのかが気になって……!」
俺の視線は、小瓶とロージオの顔を何度も往復してしまう。落ち着きの無い俺に対し、ロージオが満面の笑顔を寄越した。
「良かった、エド皇子が生きていると信じてくれたんだね!」
「そ、そうらしいな」
ロージオから指摘され、俺は初めてその事実に気づく。今やエドが生きているという実感は俺の隅々まで行き渡り、何だか視界も変わっていた。手紙一つで我ながら現金だけれど、暗い海底が夏の空みたいに輝いて見える。
眩しすぎるから参ってしまって、俺は両の瞼を閉じた。そこには出逢った頃のエドがふわふわと浮かんでいる。俺はそのエドに駆け寄って、生きている喜びを何度も伝えた。ああ、それだけで胸が一杯だ。俺にとってのエドとは、他の何にも代え難い大事な存在なのだと実感する。
俺は幸せ気分でエドとの出来事を大切になぞった。発情と交尾、出来上がっていく別荘、楽しかったチェス。俺はここまで思い出し、少しだけ暗い表情になってしまう。この先は少々辛い内容だ。戦争、人魚狩り、軟禁、そしてエドの死という虚報。
そう、本当に酷い虚報だった。ロージオが持ってきた手紙は、それを如実に現している。
あの時の自分の感情を思えば、当然ながら怒りが湧いた。俺の脳裏に『エドの死』という偽の情報をもたらした、様々な存在が渦巻いてくる。あれは何もかも全てが俺を陥れる内容で――エドの生存を知った今、尚更気分が悪かった。
「……ロージオよ、お前はこの件で、ある程度の事情を知っているのか?」
「うん。多分、大体のところは」
「そうか、では聞きたい事が幾つかあるんだが……」
ロージオは俺が色々言い始める前にすいっと泳ぎ、ベッド脇の棚から筆記用具を取り出す。『幾つかある』と前置きした俺の疑問点を、話の途中で忘れてしまわぬよう書き取るつもりなのだ。ロージオはペンにインクを含ませながら、俺へ向かって微笑した。
「私ね、殿下が『小瓶さえあれば他の事はどうでもいい』なんていう人魚じゃないのは解ってたよ。まずはエドの件を喜ぶだろうけど、ちょっと経ったら納得行かないところを突き詰めだすんだ」
「……よく解ってるな。まぁ俺の理屈っぽい習性を一番良く知っているのは、お前かもしれんが」
「その気質が研究に役立ってるし、そこが殿下の長所でもあって――はい、もう大丈夫だよ。どうぞ?」
ロージオが手帳片手にペンを少し揺らしながら待機している。準備は万端という様子だ。なのでこの際、頭の中に浮かんだ疑問点を遠慮なく言わせて貰う事にした。
「では、まず一つ目だが。この件の黒幕は父であるという認識でいいのか?」
「そうだね、間違いないよ。殿下の恋心が消えるよう、多大な努力をされたらしい」
ロージオの発言や表情からは、少々の厭味が見て取れる。俺はその顔を崩さぬロージオを視界に入れつつ、父の悪意がある前提で他の疑問点を言った。
「次、二つ目。どうして父はエドが亡くなったという嘘を吐いたんだ? わざわざ捏造しなくとも、俺は大人しくこの屋敷で暮らしており――脱走したのだって、エドの訃報を知らされた為だ。正直これは不要な嘘だったんじゃないか?」
「その辺は後で説明しようかな。ええと……ふような、うそ」
ロージオには書き取りをする時、思わず内容を口ずさんでしまうという可愛らしい癖がある。久し振りに見たので懐かしい。
しばらくロージオを眺めていると、次の疑問点を言うように促された。なので続きをロージオに伝える。
「次、三つ目。なぜ俺は、その嘘に騙された? 父が遺品と遺体を揃えるには、エドの詳しい情報が必要だ。腹が立つので、その情報源を知りたい。それと、別ルートで調査しただろうドロイからの書状に、父の捏造と同じ顛末が書かれているのも腑に落ちん」
「……ふに、おちん」
「最後、四つ目。この小瓶の入手経路を教えろ」
「こびんの、けん……これで、さいご」
俺の疑問を書き留めたロージオが、それらをチェックしつつ何度か頷いた。
「この辺は私にも把握できてるから、すぐ解って貰えそうだ。三つ目に対しては、私の至らなさで事態を悪化させた部分があるから、言い辛くはあるんだけど……」
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785
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